織田信奈の野望~うつけ姫の弟~(凍結)   作:ホークス馬鹿

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17話です。


17話

織田本陣

 

 

 

織田本陣は、勝ち戦であり尚且つ道三も来たにもかかわらず、鬱々とした空気になっていた。

その理由は、信忠が義龍の首の入った木箱を持って来たからだった。

 

信奈「あなた・・・義龍は生かして捕らえなさいって命令したはずよ。」

 

信忠「・・・申し訳ございませぬ。義龍が最後まで抗ったため、そのまま首を刎ねてしまいました。それに、生かすと後々面倒になりますしね。」

 

信奈「・・・はぁ。」

 

これには、信奈は頭を抱えながら溜息をつき

 

信奈「悪いわね、蝮。このような形で再会させてしまって・・・。」

 

そう道三に言った。

 

道三「いや、信忠の行動は正しい。此奴を生かしても、屈服せずに虎視眈々と命を狙い、天下取りの障害となるじゃろう。良くやった、信忠。」

 

しかし、道三は信忠の行動を褒めた。

 

信忠「どうも。」

 

道三「信奈よ、そなたは信忠と違い甘すぎる。その甘さは、いずれそなたの命取りになるじゃろう。天下取りを目指すなら、情けを捨てよ!」

 

そう言い、道三は信奈に説教をした。

これには

 

信奈「・・・ッ!」

 

信奈も苦い顔をした。

 

良晴「爺さん。信奈はアンタに息子殺しの罪を背負わせたくなかったんだ。そして、義龍と一緒に、隠居生活させて親子仲を改善させたかったんだよ。だから・・・」

 

道三「それが甘いと言うておるのが分からぬか、小僧!」

 

この一喝に

 

良晴「ッ!」

 

良晴は怯んでしまった。

 

信忠「もう良い、蝮。・・・誰か!」

 

織田軍兵士A「ハッ!」

 

信忠「義龍の首を手厚く葬ってやってくれ。」

 

織田軍兵士A「御意!」

 

そして、道三は

 

道三「信奈よ・・・小僧よ・・・。よく考えるのじゃな。」

 

そう言い、その場を後にしたのだった。

 

信奈「・・・。」

 

良晴「・・・信奈。」

 

信奈「・・・と、ともかく、皆ご苦労だったわね。お陰で美濃を手に入れる事が出来たわ。」

 

「「「ははっ!」」」

 

長秀「では、恩賞の話に・・・」

 

その時

 

良晴「ちょっと待った。その前に良いか?」

 

と良晴が止め、ある事を聞いた。

 

 

 

 

 

岐阜城

 

 

 

 

 

その夜、道三は一人、天守の上で酒を飲んでいた。

 

良晴「こんな所にいたのか。」

 

そこへ、良晴が現れた。

 

良晴「随分しょぼくれてるじゃないか。祝賀会に出ないのかよ。」

 

道三「信奈ちゃんは信忠と違って甘すぎる。本人が言わずとも、儂への気遣いで義龍を討たなんだ事など承知よ。」

 

道三「天下を取ろうというのに、情に流されて敵を作るなど愚策じゃ。」

 

道三「それに儂は死に損ないの老いぼれ、『蝮の道三』じゃ。今さらどのような悪名を背負っても何とも思わぬ。」

 

道三「フフッ・・・やはり儂は、長良川で果てるべきだったのう。儂が信奈ちゃんと信忠の父とは片腹痛い。」

 

良晴「アホ言ってんじゃねぇよ、爺さん。信奈と信忠はこの城と町を『岐阜』って改名したんだ。その意味、わかるだろ?」

 

道三「ふむ・・・周の文王が出たと言われる山の名前じゃな。天下を狙う信奈ちゃんと信忠が付けそうな名じゃ。」

 

良晴「この耄碌爺!そんなんじゃねぇって!外を見やがれ!そして、新しい城の名前を唱えてよーく考えてみろ!二人の気持ちが、少しは分かるはずだぜ!!」

 

道三「な、何?」

 

良晴「・・・長生きしろよ。信奈と信忠が親孝行できる親父は、アンタだけなんだからな。」

 

そう言い、良晴はその場を後にした。

 

道三「・・・外に何が?」

 

良晴に言われ、道三は外を見た。すると

 

道三「これは・・・?」

 

灯の明かりがだんだんと連なっていった。

 

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

良晴「ちょっと待った。その前に良いか?」

 

信忠「どうした、良晴?」

 

良晴「この城の名前は決めてあるのか?」

 

勝家「何を言い出すのだ、サルは?ここは稲葉山城だろう?」

 

信忠「六、実は俺と姉上は、この地の名前を変えようと思ってたんだ。」

 

信奈「ええ、そうよ。信忠、何て名前にするか決めた?」

 

信忠「ええ、勿論。共に出し合いましょう。」

 

信奈「そうね。」

 

そして

 

信奈・信忠「「せーの!」」

 

信奈・信忠「「岐阜!」」

 

と共に言った。

 

信奈「フフッ。」

 

信忠「ははっ。一致しましたね。」

 

信奈「ええ。そうね。」

 

信忠「『周の文王が岐山より起こり、天下を定む』の故事と・・・」

 

信奈「『義父』をかけた。皆も聞いて!今日からこの城は岐阜の城、そして岐阜の街よ!」

 

「「「ははっ!!!」」」

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

道三「岐阜の城・・・『義父』の城、か・・・」

 

そう言って、道三の目に涙が流れた。その先には、灯の明かりで連なって描かれた蝮があった。

別の部屋では

 

信忠「姉上・・・。」

 

信奈「ん・・・?」

 

信忠「蝮・・・喜んでますかね・・・?」

 

信奈「当然よ・・・。」

 

信忠「ですよね・・・。」

 

信奈と信忠姉弟が、穏やかな目で灯で描かれた蝮の絵を見ていたのであった。




投稿出来ました。

アニメと漫画を見て書きました。

最後は強引に締めたので上手く書けたか分かりませんが、もし読みにくかったらお許し下さい(土下座)

また、義龍の件は、個人的には正しいと思っております。

実際に生かしてしまうと、後々面倒ですしね。史実は義龍では無く、龍興ですがね・・・。それの場合は、美濃を脱出したんですけど・・・。

それでは、また。
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