清水寺
信奈「信忠。畿内平定、ご苦労だったわね。」
信忠「ありがたきお言葉。これも全て、皆のお陰です。」
信奈「そんな事無いわよ。あなたが自ら矢を放ち、あの獣の目を射抜いて止め、我が軍に勝利を持ち込んだと聞いたわよ。あなたの力のお陰よ。」
信忠「ありがとうございます。しかし、松永を逃がしてしまいました。大変申し訳ございません。」
信奈「良いのよ、畿内の平定が先だったんだから。それに、松永だけじゃあ何も出来ないでしょ。」
信忠「・・・はっ。」
信奈「とりあえず、お疲れ様。万千代、御所の壁の方は?」
長秀「ひとまず、やまと御所の修復を進めています。全体的な修繕にはまだまだ日数がかかりますが、将軍宣下にはなんとか間に合わせます。」
信奈「戦から戻ったばかりなのに、悪いわね。頼むわよ、万千代。」
長秀「はっ。」
その時
織田家家臣A「信奈様。明智殿が戻られました。」
光秀が戻ってきた。そして、将軍宣下の条件を聞いて
信奈「今月中に12万貫!?」
大金を用意するという条件だったが、あまりの大金に驚いてしまった。
光秀「近衛殿が申すには、他の公家衆達が横槍に入り、払わねば今川義元の将軍宣下は認めぬとの事。」
光秀「故に、その条件を呑まざるを得なかったと。」
信奈「・・・そう。」
長秀「まさしく、無理難題ですね・・・。」
信忠「十兵衛、近衛様は他に何と・・・?」
光秀「近衛殿は、最後まで『すまぬ、信忠殿』と仰っておりました。」
信忠「・・・そうか。」
光秀「どうしましょう。今月中といっても、後1週間程しか残っていません。」
信忠「姉上、如何なさいますか?」
すると
信奈「・・・堺に行くわ。久し振りに見ておきたいし、彼に会って12万貫の話をしてみるわ。十兵衛、あなたは近衛と将軍宣下について、引き続き交渉しなさい。」
と信奈は言った。
光秀「御意!必ず、期待に応えてみせますです!」
信忠「・・・成程。あの者に話すのですね。」
信奈「ええ、流石鋭いわね。信忠、ちょっとサルと一緒に堺に行くから、あなたは皆と一緒に京を任せるわ。」
信忠「お任せ下さい。道中お気を付けて。」
信奈「ええ。皆も、何かあったら信忠の命令に従うように。」
「「「はっ!!!」」」
良晴「ち、ちょっと待て信奈!何で俺はお前と一緒に堺へ!?」
信奈「良いから付いてきなさい!」
そう言い、信奈は良晴を引っ張って行ったのだった。
堺
信奈「あーん。」
パクッ
信奈達は堺に到着すると、たこ焼き屋でたこ焼きを食べた。
信奈「んーっ、美味しーっ!」
美味しそうに食べている信奈を見て
良晴(ううっ、スゲえ可愛い・・・っ)
見惚れてしまった。
信奈「?何赤くなってんの?」
それに気付いた信奈は、そう尋ねたが
良晴「な、なってねえよ!」
と良晴は照れ隠しに言った。
良晴「それより、こんな所で油売ってて良いのかよ?おまけに12万貫も集めなきゃいけないんだぞ?」
信奈「分かってるわよ。その為に堺に来たんだから。ここなら、それを集める方法があると思ったの。」
そして、この『黄金の町』堺を支配している会合衆と呼ばれる36人の豪商達で、その頂点に立っている者に会った。
その者の名は今井宗久であった。
今井宗久「織田信秀様のおひいさまがこないに美しゅうなられて、ホンマ感激ですわ。」
信奈「商人にしちゃ正直じゃないの!」
これには
良晴「お世辞だお世辞・・・」
横で良晴がそう言ったので
ボカッ
信奈「サルは黙ってなさい!」
裏拳で殴った。それを見て
今井宗久「お父上にそっくりでんなぁ。若様はお元気ですかいな?」
笑いながらそう言った。
信奈「信忠なら息災よ。あの子も呼びたかったけど、京の守りを疎かにするわけにはいかないし。」
今井宗久「まあ、確かに畿内一帯は全て若様の活躍で平定したとて、油断は出来まへんし、若様が守りにつくなら安心やろな。若様は、おひいさまより戦が上手やからな。この京までいや、遥か西まで若様の勇名は轟いてまっせ。」
信奈「当然よ。私にとって、あの子は自慢で大切な弟なんだから。」
今井宗久「はは。相変わらず強い絆で結ばれとりますなぁ。」
良晴「ってー!随分あの今井宗久と親密なんだな。」
信奈「アンタ宗久を知ってたの?」
良晴「『織田信長公の野望』じゃ、レギュラーキャラだぜ。季節の変わり目になると、茶器を売りに来てくれるんだ。」
・・・だから良晴、この当時の人間に分かる言葉で言いなよ。
今井宗久「おもろい事を言うサルでおますなぁ。」
信奈「未来から来たんですって。」
これには
今井宗久「ほう、未来から?」
今井宗久は目を光らせた。
信奈「そんな事より、相談があるの。」
この一言に
今井宗久「12万貫でっしゃろ?」
と言った。
それを聞いた信奈は
信奈「知ってたの?なら話は早いわ。将軍宣下が叶えば、天下へ一歩近付くのよ。お願い、協力して!」
そう言い、懇願したが
今井宗久「織田家は超お得意様やけど、無理ですわ。」
断られてしまった。
信奈「たこ焼きで大儲けしてるんでしょ?」
今井宗久「そないな大金払うたら、破産ですがな!」
信奈「本当にどうにもならない?」
そう聞いても、今井宗久は首を横に振るばかりだった。
良晴「他の商人にも協力を頼めば・・・」
今井宗久「確かに・・・堺の会合衆36人に、3334貫ずつ納めさせる手はありまんな。」
信奈「それよ!そうしましょう!」
しかし
今井宗久「そないに上手い事いきまへん。」
と言った。
今井宗久「ウチは、たこ焼きの独占で妬まれとりますから。特に、天王寺屋の津田宗及。」
信奈「そうきゅう?」
今井宗久「似てるのは名前だけですわ。向こうは銭のためなら何でもする、それだけにごっつう手強い相手でっせ。」
と言われてしまった。
信奈「思ったより手間取りそうね。」
良晴「そうだな・・・。」
その時
光秀「信奈様。ご報告に参りましたです。」
光秀がやって来た。
信奈「近衛はどうだった?」
すると
光秀「・・・申し訳ないです。」
不調だったのか、しょんぼりした顔でそう言った。
しかし
信奈「良いわよ、予想はしてたし。ご苦労様。」
信奈「京に戻って、信忠を補佐して頂戴。」
信奈は怒ることなく、寧ろ労いの言葉を光秀にかけた。
しかし
光秀「私にもここで手伝いを。失敗を償わせて下さい。」
光秀は挽回したい気持ちでそう言った。
信奈「気にしなくて良いのに。じゃあ、一攫千金の良い考えはある?」
これに信奈はそう尋ねると
光秀「それなら簡単です!堺の町に火を放ち、商人共を残らず追い払い軍事占領すれば、手っ取り早く全ての富を独り占めできます!」
中々過激なことを進言した。
これには
信奈「馬鹿な事言わないで!!」
と信奈は一喝した。
信奈「堺は世界に通じる町よ。東洋と西洋が交わり、皆が活気に満ちている。いずれは日本全部をこの町みたいにしてみせるわ。」
光秀「日本全てを・・・?」
信奈「堺にはこの国には無かった本当の自由がある。それは私と信忠が守るべき物で、壊すなんて論外よ。」
と光秀に言った。
夕方・光秀の屋敷
屋敷の庭で、光秀は立っていた。
光秀(どんなに学問や武芸を身に付けても、認めてくれるのいつも母上だけだった。)
回想
お牧の方『十兵衛は出来る子です。私はあなたが、明智の家を継いでくれた事を、誇りに思っています。』
光秀『母上・・・』
お牧の方『あなたは必ずや、立派な武将になります。いつか分かって貰える日が来ますよ。』
回想終了
光秀(そんな時、信奈様と信忠様に出会った。お二人の溢れる才能に加え信奈様の美貌、そして信忠様の圧倒的な覇気。お二人の次の時代の世界を見通す目。私はようやく、自分と同じ人間に巡り合えたと思った。)
光秀(この明智十兵衛光秀を理解してくれるのは、母上と信奈様、そして信忠様だけ。もう失敗は許されないです。見ていて下さい母上、私は信奈様と信忠様と一緒に、天下を取ってみせます!)
そう決意し、光秀は居合いで藁を袈裟斬りしたのであった。
投稿出来ました。
アニメと漫画を見て、ミックスして書きました。
上手く書けたか分かりませんが・・・。
しかし、この当時の堺って、凄かったんだろうなぁ・・・。
それでは、また。