織田信奈の野望~うつけ姫の弟~(凍結)   作:ホークス馬鹿

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23話です。


23話

清水寺

 

 

 

今川義元の将軍宣下が決まり

 

義元「おーっほっほっほっほ!遂に念願の今川幕府を開く時が来ましたわ!ご苦労でしたわね、信奈さん、信忠さん。」

 

義元は有頂天になっていた。

 

勝家「貴様、自分の立場を分かっているのか?それと、信忠様に対して何だその態度は!」

 

これには、勝家は腰の太刀に手を掛けた。

 

義元「あら、斬るおつもりですの?妾は将軍様ですわよ!」

 

勝家「まだ違うだろうが!」

 

信奈「放っておきなさい。折角将軍宣下が認められたのに、義元が死んじゃったら水の泡でしょ。」

 

勝家「しかし姫様・・・」

 

信奈の言葉に、勝家は手に掛けた太刀を解かなかったが

 

信忠「落ち着け、六。」

 

信忠の言葉で

 

勝家「・・・はっ。」

 

勝家は収まったのだった。

 

信奈「それに、ちょっと能天気な方がお飾りとしては便利だしね。」

 

信忠「フッ・・・。」

 

すると

 

義元「信忠さん、ちょっと来てくれます?」

 

義元に呼ばれた信忠は

 

信忠「何だ、義元?」

 

義元の前に出た。

 

義元「此度の将軍宣下のお礼に、これをあげますわ。」

 

すると、義元は一振りの太刀をあげた。

 

信忠「これは・・・宗三左文字か。」

 

義元「ええ、そうですわ。それを差し上げますわ。」

 

信忠「しかし、俺は何もやってねーぞ。」

 

義元「いえ。あなたは桶狭間で妾の命を取らず、その後も常に妾の身を案じて下さいましたわ。そして此度の将軍宣下。いつかお礼をしたいと思っておりましたので、これを機にその太刀を差し上げようと。」

 

義元「妾の想い・・・受け取ってくれます?」

 

そう言い、義元は潤んだ目で信忠を見た。

 

信忠「・・・そうか。ありがたく頂戴する。」

 

そう言い、信忠は宗三左文字を貰った。

 

義元「はい!信忠さん、これからも妾をお守り下さいね。」

 

信忠「ああ。分かった。」

 

そう、信忠は笑みを浮かべながら言った。

 

義元「フフッ・・・///」

 

それに、義元は頬を赤らめながらその場を後にしたのだった。

この一連を見た

 

信奈「信忠・・・あなたいつの間に義元と・・・」

 

長秀「これは驚きです。」

 

良晴「何てことだ・・・義元ちゃんが・・・」

 

犬千代「信忠様は・・・モテモテです。」

 

五右衛門「相良氏とは大違いでごじゃるな。」

 

信奈達はそれぞれの反応をしており

 

信忠「いや、桶狭間での一件以来、少し世話をしただけですよ!なあ、六も一緒だったよな!」

 

信忠はそう言い、勝家に同意を促したが

 

勝家「確かに信忠様は義元と仲良くしてましたね。私がいるにも関わらず!」

 

勝家は明らかに不機嫌な表情でそう答えた。

 

信忠「お、おい六!」

 

勝家「もう信忠様なんて知りません!」

 

そう言い、口を尖らせ頬を膨らませながらそっぽを向いてしまった。

これには、信忠は慌ててしまい

 

信忠「六、今度一緒に堺の町を見て回ろう。なっ?」

 

機嫌を直してもらうために勝家にそう言った。

 

勝家「・・・約束ですよ、信忠様。」

 

すると、勝家はそう言いながら信忠に寄り添って、自らの胸を信忠の腕に押し当てるように抱き締めた。

その様子を

 

信奈「でも、やっぱり信忠の隣は六が似合うわ。正室は決まりね。」

 

長秀「まさに理想の夫婦。100点です!」

 

良晴「羨ましいぜ・・・。」

 

犬千代「勝家がヤキモチ・・・。」

 

五右衛門「そうでごじゃるな・・・。」

 

それぞれ色んな思いで見ていたのだった。

 

信奈「それより信忠。私が留守の間、京の守りご苦労だったわね。」

 

信忠「ありがとうございます。そちらこそ、色々とご苦労様でした。」

 

信奈「ええ。」

 

勝家「しかし許せないのは光秀です!」

 

すると、勝家は信忠を抱き締めた状態でこの場にいない光秀に対して怒りの声を上げた。

 

良晴「もう良いよ。」

 

これに、良晴は止めたのだが

 

犬千代「良くない!」

 

五右衛門「ズルは最低でごじゃる!」

 

犬千代と五右衛門も、勝家に同意した。

 

良晴「十兵衛ちゃんは一生懸命すぎただけだよ。生真面目で融通利かねーし。」

 

そう良晴はフォローしたが

 

信奈「随分と庇うのね。」

 

と信奈に言われてしまった。

 

良晴「いやそこ絡むとこじゃねーだろ。」

 

信奈「フンッ・・・分かってるわよ。あの子に悪気が無いって事くらい・・・」

 

勝家「姫様は甘過ぎです!」

 

犬千代「うん!」

 

一方の良晴は

 

良晴(マズいな。このまま十兵衛ちゃんが孤立する事になれば・・・生真面目な奴ほど、追い詰められたら何をするか分かんねー。)

 

良晴(本能寺のイベントだけは阻止しないと!)

 

信奈と信忠を見て、そう思っていたのだった。

 

その頃光秀は、今井宗久の家におり、昨日の一件について謝罪しに来ていた。

 

今井宗久「頭を上げなはれ。あれは勝負や。」

 

光秀「でも・・・」

 

今井宗久「少々やり過ぎましたなぁ?一言詫びるべきは、相良はんやおまへんか?」

 

すると

 

光秀「・・・分からないです。出世競争は、勝たなければ意味が・・・」

 

と光秀は言った。

これに

 

今井宗久「そこが違いますのや。おひいさまにとって、家臣達は家族のようなもん。恐らくそれは若様も然り。それが互いに争い、蹴落とし合うなど見たいでっしゃろか?」

 

今井宗久はそう光秀に言った。

 

光秀「私の家族は母上ただ一人です!家族と家臣は違うです!」

 

今井宗久「それは明智はんが幸せやっただけの事。聡明な母上に愛されて、若様はともかく、おひいさまのように嫌われんかった。」

 

これには

 

光秀「それは噂じゃ?」

 

光秀もそう問うたが

 

今井宗久「ホンマですわ。」

 

と言った。

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

信奈「母上、勝ちました!」

 

信忠「この尾張を、俺と姉上が守りました!」

 

信奈と信忠は、戦に勝ち尾張を守った事を母である土田御前に報告したのだが

 

土田御前「信忠はともかく信奈!そのような浅ましい姿でよくも母の前に!それでも織田家の姫ですか!」

 

土田御前は信奈に対し労いの言葉をかけるどころか罵倒したのだった。

 

信奈「母上・・・」

 

信忠「母上!姉上はこの尾張を、母上を守るために必死で敵を倒しました!にもかかわらずそのようなお言葉をおかけになるのは如何な事ですか!」

 

これに、信忠は土田御前に対し、そう諫めたのだったが

 

土田御前「っ!・・・二人とも、下がりなさい。」

 

信忠「母上っ!」

 

土田御前「下がりなさいっ!」

 

土田御前にそう言われ

 

信奈・信忠「「・・・はっ。」」

 

信奈と信忠は下がった。

 

信奈「・・・ねえ、勘九郎。」

 

信忠「・・・はっ。」

 

信奈「私・・・何が間違っていたの・・・?戦に勝って・・・母上を喜ばせようとしただけなのに・・・」

 

信奈の傷ついた表情を見て

 

信忠「姉上・・・」

 

信忠は何とも言えない表情を浮かべたのだった。

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

光秀「明るい信奈様と強くて優しい信忠様が・・・」

 

今井宗久「その度に若様が間に立ってくれはったんやけどな。それを見せんかったのは、余計な心配をかけたくないんでっしゃろな。」

 

今井宗久「おひいさまにとって、相良はんや明智はんこそが家族なんや。」

 

それを聞いた光秀は

 

光秀「私は・・・」

 

ただ涙を流すだけだった。

その日の光秀の心の中を表すかの如く、この日の雨は一層激しく降ったのであった。




投稿出来ました。

アニメの序盤に当たるシーンをアレンジしてみました。

ちなみに宗三左文字ですが、皆さんもご存じの通り、あの『義元左文字』です。

ちょっと出してみたかったので・・・ただの思いつきです、お許し下さい(土下座)

それでは、また。
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