織田信奈の野望~うつけ姫の弟~   作:ホークス馬鹿

27 / 41
26話です。


26話

京では、松永久秀の軍が攻め寄せてきた。

 

 

 

 

京・本國寺

 

 

 

 

 

織田家家臣A「松永軍、凡そ三千!狙いは、義元公と思われます!」

 

光秀「いつの間に!」

 

織田家家臣B「我が軍は八百。如何なさいます?」

 

光秀「籠城するしかないです。」

 

織田家家臣C「ここは寺ですぞ!」

 

光秀「信奈様と信忠様が戻ってくるまでの時間を稼げれば良いんです!全ての門を閉じ、ひたすら守りに徹するのみです!」

 

そう言い、本國寺の門を閉じて、防備を固めたのだった。

 

光秀「母上、信奈様と信忠様がここを離れていたのがせめてもの救いでした。」

 

その時

 

??「人は死を受け入れたとき、最も美しく微笑むと言いますわ。」

 

誰かの声が後ろから聞こえたので振り返った。

 

光秀「何者です!」

 

松永久秀「松永弾正久秀と申します。」

 

光秀「敵の大将が何故?」

 

松永久秀「美しい首は、自分で取りたくなりますの。槍は宝蔵院流にございます。」

 

そう言い、松永久秀は槍を構えた。

それを見た光秀は

 

光秀「織田信奈が家臣、明智十兵衛光秀。剣は鹿島新当流免許皆伝。」

 

太刀を抜いて構えた。

 

 

 

 

 

 

杉谷善十坊「そろそろだな。」

 

そう杉谷善十坊は、銃を構えていた。

 

良晴(クソ!俺のせいで信奈と信忠が・・・)

 

その時、馬の蹄の音が聞こえた。その正体は

 

五右衛門「あれでごじゃる!」

 

信奈「あそこにサルが?」

 

信奈達だった。

 

 

 

 

 

 

 

松永久秀「はっ!」

 

ガギン!

 

光秀「くっ!はあっ!!」

 

ガギン!

 

光秀「はっ!」

 

松永久秀「はあああっ!!」

 

ギン!

 

松永久秀「あなたほどの人物ならば天下も狙えましょうに、何故織田信奈の家臣に?」

 

光秀「信奈様こそ天下に相応しいお方!それは弟君の信忠様も然り!私は、信奈様に自分の夢を賭けたです!」

 

そして、距離を取った。

 

松永久秀「人の夢と書いて、『儚い』と言うのですよ。」

 

光秀「お前と禅問答する気は無いです。」

 

松永久秀「美しく、聡明で気高く・・・あなたのような素晴らしい英傑に出会うと、私どうしようも無く・・・殺して差し上げたくなりますの。」

 

そう言い、松永久秀はヤバイ目をした。

 

光秀「!!」

 

松永久秀「夢破れたあなたの絶望の表情が、見たい・・・」

 

すると、その後ろで寺の一部が爆発した。

 

光秀「っ!?」

 

松永久秀「さあ、最高の舞台ですわよ。殺し合いましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

良晴(この!来るんじゃねえ!)

 

そう思っても、信奈はどんどん射程距離内に近付いていく。

 

良晴(何か手はねーのか?)

 

すると、ポケットから自身のスマホが出てきた。

 

良晴(一瞬だけでも生き返れば・・・)

 

それを見た良晴は、賭けに出た。

 

 

 

 

 

 

松永久秀「少々甘く見すぎたようですね。」

 

そう言うと松永久秀は手を振った。すると、蝶が舞い

 

松永久秀「楽しい夢をごらんなさいな。」

 

光秀の視界が揺らいでいった。

 

光秀(幻覚なんかに・・・!)

 

これに光秀は、自身の髪留めを取って

 

グサッ

 

自身の脚に刺した。

 

松永久秀「あっははは!!最高ですわ、あなた!でも、それだけ頑張ったのに、愛しの信奈様がもう死んじゃってたら?」

 

光秀「えっ?」

 

松永久秀「甲賀の杉谷善十坊が、近江路で織田信奈様を待ち伏せしているとか。今はもう、撃たれて死んだ頃かしら・・・」

 

それを聞いて

 

光秀「信奈様が・・・死んだ・・・?」

 

光秀は絶望した。

 

松永久秀「心に隙が生まれれば、人なんて脆いもの。」

 

そう言った松永久秀は、光秀目掛けて槍を振り下ろそうとしたその時

 

バァンッ

 

どこかで銃声が聞こえた。その者は

 

信奈・信忠「「しっかりしなさい/しっかりしろ、十兵衛っ!」」

 

屋根の上から信奈が銃を持っており

 

信忠「よっと!」

 

屋根の上から、信忠がジャンプして降りてきた。

 

光秀「信奈様・・・信忠様・・・?生きてる?」

 

信奈「生きてるわよ!」

 

信忠「俺は殺しても死なねーんだよ!」

 

光秀「信奈様!信忠様!」

 

松永久秀「どうしてここに?」

 

実を言うと、良晴が自信のスマホを使って、合戦ボイスのメロディを出したのだった。それに驚いた杉谷善十坊が、撃つべき信奈を外してしまったのだ。

 

良晴「間一髪助かったって訳だ。杉谷善十坊には、逃げられたけどな。」

 

良晴「で、すぐに駆け戻って途中信忠と合流したのさ。たった6人でも、立派な援軍だぜ!」

 

光秀「馬鹿ですか!信奈様と信忠様に何かあったら・・・!」

 

良晴「信奈自身が決めたんだ。」

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

信奈「十兵衛はちょっとせこい所はあるけど、私と信忠の夢を共有してくれる大切な家族よ。」

 

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

 

 

光秀「そんな事って・・・」

 

それを見た松永久秀は

 

松永久秀「くっ・・・織田信忠・・・皆を殺しなさい・・・」

 

焦ったのか、信忠に幻術をかけようとしたが

 

信忠「この俺に幻術か・・・?やってみろ!」

 

松永久秀「っ!?」

 

松永久秀(な・・・何かしら!?何か・・・心の臓を掴まれたような・・・!何て覇気なのかしら・・・!?)

 

信忠の圧倒的威圧感に発動できなかった。

 

信忠「フフッ・・・どうした・・・弾正?」

 

松永久秀「くっ・・・!」

 

これに、松永久秀は恐れ、後ずさった。

その間、半兵衛が松永久秀の術を封じた。

 

半兵衛「これでもう、術を使えません。」

 

光秀「何で私なんかを・・・?」

 

すると、良晴が光秀の肩を掴んで

 

良晴「お前が信奈と信忠を信じないでどうする!?」

 

と言った。

 

光秀「でも・・・私は・・・」

 

良晴「織田信奈と織田信忠には、明智光秀が必要なんだ!」

 

光秀「えっ・・・」

 

良晴「お前がこの先迷う事があったら思い出すんだ・・・この燃える本國寺を!!信奈の姿を!!」

 

光秀「相良先輩・・・」

 

信奈・信忠「「形勢逆転ね/だな、松永弾正!」」

 

松永久秀「・・・残念ですわ。更に混沌とした乱世にするはずだったのに・・・」

 

良晴「お前もあの殺し屋と同じかよ?」

 

松永久秀「いいえ。私の望みは、この国の全てを焼き尽くす事。」

 

半兵衛「何故そこまで・・・?」

 

この問いに

 

松永久秀「この肌が答えと言ったら、分かるかしら?」

 

と肌をなぞって言った。すると、松永軍が現れ、6人を取り囲んだ。

 

松永久秀「たった6人でどこまで戦えますかしら?」

 

しかし

 

信忠「誰が6人っつったよ?」

 

そう信忠が言うと

 

??「『梵天丸もかくありたい凄いソード』!」

 

門が豪快に破られ、そこには

 

梵天丸「黙示録のビースト、梵天丸見参!今こそ、信忠兄上をお助けするぞ!」

 

勝家「お前、それは南蛮語か?」

 

梵天丸、後の伊達政宗がいた。

しかし、梵天丸だけじゃない。

 

高山「高山ドン・ジュスト、信忠殿に助勢致す!」

 

小西「同じく小西ジョウチン、参る!」

 

フロイス「皆さん新しい時代を作る、信奈様と信忠様の味方ですわ!」

 

勝家「行くぞ!!敵全てを斬り殺せー!!」

 

可成「行くぞー!!」

 

長可「うおりゃあああ!!暴れるぜー!!」

 

秀隆「立ち塞がる敵は、全て殿の敵だ!!斬り殺せ!!」

 

長政「浅井家当主、長政推参!信忠殿をお助けし、敵を斬り殺せ!!」

 

磯野員昌「おおおっ!信忠殿の為っ!!」

 

キリシタン大名や宣教師、そして信忠軍団に浅井長政もいた。

 

松永久秀「あれは私と同じように、この国では疎まれ居場所もない者ばかり。武器を持たぬ宣教師まで。」

 

これには、松永久秀は驚き、信奈と信忠を見た。

 

松永久秀(これが・・・織田信忠の力・・・?そして、その姉の織田信奈・・・)

 

松永久秀(違う・・・この方達は誰とも違う。この方達なら・・・きっと・・・)

 

そう思った松永久秀は、槍を落とし跪き

 

松永久秀「松永弾正久秀、降伏致します。」

 

と述べた。これに

 

信奈・信忠「「であるか!」」

 

二人はそう言ったのであった。




投稿出来ました。

そういえば、史実だと松永久秀は既に信長の傘下に入ってたんだよな・・・。

良く彼の降伏を受け入れたな、信長は・・・。

足利義昭は、兄の義輝の仇だから殺せと言われたんだけど、聞かなかったとか・・・。

実力を認めていたんでしょうね・・・。

そ、それでは、また。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。