清洲城
信奈「何てことしてくれたのよ?」
勝家「信勝様はサルの首を落とし届けるようにと。」
信奈「であるか。」
長秀「拒めば、またまた謀反を起こすでしょう。常習犯ですから。」
信奈「であるか。」
信忠「姉上は甘すぎます。一度はまだしも二度三度も許すからこうなるのです。母上の命乞いを聞かずに、あいつを殺すべきでした。俺だったら、もうとっくにあいつの首を斬り落としてますよ。」
信奈「・・・で、あるか。」
長秀「しかし、信勝様は実の弟なのですよ。」
信忠「万千代、弟だろうが何だろうが斬らねば纏まるまい。」
長秀「それは・・・そうですが・・・。」
犬千代「良晴の首差し出す?」
信奈「で・・・んなワケないでしょ!」
すると、
良晴「だが、謀反は厄介だぜ。織田家が真っ二つになっちまったら・・・」
と今の状況を作った良晴が高説たれたので、
ドカッ!!
ドゴッ!!
良晴「グハッ!!」
信奈が良晴の顔を蹴り、信忠は良晴のみぞに拳を入れ、
信奈・信忠「「しれっと高説たれてんじゃないわよ!!/じゃねーよ!!」」
信忠「誰のせいでこんなめんどくせー事が起きたと思ってんだよ!!」
と良晴に言った。これには、
良晴「うっ・・・。」
良晴も顔を俯かせてしまった。それを見た信忠は、
信忠「・・・ったく、しょーがねー。姉上、一つ手があります。」
と信奈に策を提案した。
信奈「何かしら?」
信忠「足軽が殴れば問答無用ですが、コイツが侍大将ならば、交渉の余地があると思います。」
長秀「成程・・・九十五点です。」
勝家「しかし、それ相応の手柄が必要になりますよ?」
信忠「それはコイツ次第だ。姉上、如何なさいますか?」
それを聞いた信奈は、
信奈「・・・三千貫、三千貫で一週間以内に米を八千石調達しなさい。」
と信奈は言った。
長秀「しかし尾張の相場では、せいぜい四千石しか買えませんが・・・。」
勝家「けど長秀、それくらいしなければ手柄とは言えないぞ。」
長秀「しかし・・・。」
すると、
良晴「相場の二倍の米を調達しろって事だな。OK、イベント発生だぜ!!」
と良晴は言った。
信奈「一週間以内に達成できなかったら、そん時は打ち首よ。」
と信奈は念入りに伝えたのだった。
末森城
信勝「どうせ失敗に決まってるんだ、一週間なんて辛抱できないよ!」
すると、
林秀貞「ふっ、またとない機会です。期限を過ぎても信奈様がサルの首を差し出さねば・・・」
林通具「それこそ、謀反の口実となりましょう。それに、信忠様でしたら確実にサルの首を差し出すでしょう。そうすれば、信忠様を織田家の当主にして信勝様はその補佐を務められますよ。」
と言ったのだった。しかしこの内容は、
信忠の忍びA「・・・。」
信忠の忍びが全て聞いていたのだった。
数日後、清洲城茶室
信奈「よし!」
長秀「お茶は、もっと静かに点てませんと。」
信奈「良いのよ、胃に入っちゃえば同じなんだから。」
と言い、長秀に茶を差し出した。すると、
信奈「それよりサルは?」
と心配なのか、良晴の近況を尋ねた。
長秀「気になりますか?」
と長秀が聞くと、
信奈「べ、別に聞いただけよ!」
と信奈は慌てて回答した。
信奈「信勝はどうなの?」
長秀「戦の準備をしておられます。」
それを聞いた信奈は、茶を点てるのを止めた。
長秀「次もまたお許しになりますか?」
すると、
信奈「斬るわ。」
と信奈ははっきりと言った。
長秀「信忠様にも言いましたが、信勝様は実の弟ですよ。」
それに対し信奈は、
信奈「信忠の言う通りよ。私が甘いせいでこうなったのよ。身内も纏められずに、天下統一なんて無理よ。母上がどんなに命乞いしようと、次はもうないわ。」
と言った。それに長秀は、
長秀「・・・五十点。」
と採点した。
信忠の部屋
勝家「あの・・・信忠様。」
信忠「ん?」
勝家「サルは、無事に役目を果たしておりますでしょうか・・・。」
信忠「さあな、あいつにも何か考えがあって引き受けたんだろう。後は本当にあいつ次第だ。」
勝家「けど、本日が丁度期限の最終日です。もししくじったら・・・」
信忠「それでいい。これで失敗して首と胴が離れたら、あいつはその程度の奴だったって事だよ。」
勝家「確かに・・・そうですね・・・。」
可成「権六、ここはあの小僧を信じるほかあるまい。」
勝家「・・・はい。」
その時、
秀隆「殿。」
信忠「与四郎か。で、どうだった?」
秀隆「はっ。信勝様、本日中に兵を起こす予定です。」
秀隆が現れ、信勝が今日謀反を起こすことを信忠に伝えた。これには、
勝家「何と・・・!」
可成「・・・。」
勝家は目を見開き、可成は口には出さなかったが、眉間にしわを寄せたのだった。
信忠「・・・であるか、林兄弟が煽ったな。」
秀隆「はい、お察しの通りです。」
信忠「であるか。ご苦労、下がって準備しろ。」
秀隆「はっ!」
そう言って、秀隆は下がった。
信忠「六、三左、いつでも出れる準備をしろ。三左、勝蔵にもしかと伝えておけ。」
勝家「は・・・はっ!!」
可成「はっ!!」
そう言われ、勝家と可成は部屋を後にした。
信忠「・・・これで一気に尾張国内の反乱分子を一網打尽に出来る。」
その時、信忠は冷たい目をしながら一人そう呟いたのだった。
一方その頃、良晴は当初の目的を忘れ、金ばかりを増やしてしまい信奈に折檻されたが、犬千代達が米を買い付けてる事を信奈に伝えたのだった。それを聞いた信奈は、
信奈「そう。そこまで言うなら、夕刻まで待ってあげるわ。」
と地球儀の傍に座って言ったのだった。
信奈「遅いわねえ、待ちくたびれたわ。」
良晴「今座ったばかりだろう!どんだけ辛抱がないんだお前は?」
信奈「だって待つの退屈だもの。私、退屈だとサルを斬りたくなるのよね。」
良晴「な、何かお喋りをして時間を潰そうぜ。」
すると、身の危険を感じた良晴は、気を紛らわすために信奈にそう言った。
信奈「そうねえ・・・じゃあ、この地球儀でアンタの知能を判定してあげるわ。」
良晴「面白い、その勝負乗ったぜ。」
信奈「ふふっ、アンタにこの地球儀の意味が分かるかしら?世界って平らじゃないの、こんな風に球体なのよ。」
しかし、
良晴「それくらい知ってるよ。」
と現代人である良晴はあっさりと答えた。
信奈「え?嘘言いなさい?」
と信奈は信じられなかったが、
良晴「俺がいた世界じゃ常識さ。」
と聞いた信奈は、
信奈「じゃ、日本は何処か分かる?」
と良晴に質問してみた。すると、
良晴「この小さい島国がそうだ。お前らが南蛮人って呼んでる連中は、ずっと西にあるヨーロッパから来た、イスパニアとかポルトガル・・・」
日本だけじゃなく、南蛮の国の場所もあっさり答えたので、
信奈(スゴイ・・・今まで誰に説明しても、信じてくれたの信忠だけだったのに・・・。)
信奈は驚いたのであった。
信奈「これは信忠も言ったけど、南蛮はいつか日本へ押し寄せてくるわ。その前に一日も早く対等に渡り合える国を作らないと。私の言っている事可笑しい?うつけだと思う?信忠が織田家を纏めるべきかしら?」
それを聞いた良晴は、
良晴「いいや、天才過ぎるだけさ。お前を笑う連中は、理解できないんだ。織田信奈が特別なんだ、気にすんな。それに、信忠もそのようなことを求めていない筈だぜ。」
と信奈にそう言った。
信奈「同じ事を言うのね?」
良晴「誰と?」
信奈「私の大切な人、私に世界を教えてくれた人よ。そして、信忠にとってもね。」
良晴「大切な人?」
その時、良晴は無自覚に妬いてしまい、信奈にからかわれたのだった。
そして、タイムリミットとなった。
信奈「日没ね、刻限だわ。あなたの首を貰うわよ、サル。」
そう言い、信奈は刀を抜いた。
信奈「残念だわ、サル。でもね、私は尾張を治める大名、個人的な感情に流されるわけにはいかないの。」
すると良晴は、
良晴「俺の首を差し出さなきゃ、信勝が謀反する。それだけは避けないとな。」
学ランを脱いでそう言った。
信奈「何か言い残すことは?」
良晴「ないよ。」
信奈「無いわけ無いでしょう!『死にたくない!』とか、『殺さないで!』とか・・・!」
良晴「アホか。命乞いなんかしたら、お前が後々苦しむだろうが。お前・・・信忠と違って、こういうの苦手なんだろ?」
そう言って、良晴は信奈に振り返って言った。信奈は涙を浮かべながら
信奈「うるさい!私は信忠とは違うの!それに、アンタみたいなバカは生かしておく価値も無いわ。」
そう言って、
信奈「そうよ。アンタが斬れって言うから斬るだけなんだから、自業自得よ!」
信奈は刀を振り下ろそうとしたその時、
犬千代「姫様ダメ!」
犬千代と五右衛門が信奈の前に立った。
良晴「犬千代!五右衛門!」
五右衛門「申し訳ござらん。途中で邪魔されてしまい時間が。」
犬千代「米は今運び込んでる。」
それを聞いた信奈は城の外を見ると、大量の米が運び込まれていた。
信奈「何て数・・・!どれだけなの?」
犬千代「三万石。」
信奈「三万石!?命じた量の四倍近いじゃない!」
五右衛門「相良氏のお手柄にござる。」
それを聞いた信奈は、
信奈「良かった・・・本当に良かった・・・。」
安堵の声を述べたのだった。
信奈「喜びなさい、サル。この手柄に命じて、打ち首は取り消しにするわ。」
良晴「首が繋がったかー。」
信奈「だけど、これは頑張った犬千代達の手柄よ。そして、私の寛大さにしっかり感謝しなさい。」
良晴「何だよそれ?可愛くねー。」
その時、
長秀「姫様!一大事です!信勝様、謀反!末森城にて挙兵致しました!」
長秀が信勝の謀反を伝えたのだった。
信奈「な、何で?」
犬千代「途中で邪魔したのは信勝様の兵。」
五右衛門「失敗したので、挙兵に踏み切ったのでござろう。」
信奈「そんな・・・。」
長秀「信勝様と共に籠城したのは、林秀貞殿と林通具殿のご兄弟です。」
そして、それを聞いた信奈は、
信奈「末森城を攻めるわよ、信忠にも伝えなさい。」
そう言った。
良晴「待てよ!落ち着けって!」
長秀「信勝様は、林兄弟に乗せられているだけでしょう。」
信奈「分かってるわよそんなこと!」
良晴「だったら・・・」
信奈「お家騒動なんか起こしている場合じゃ無いのよ!これが今川に知れたら、すぐに攻め込んで来るわ。末森城を落とす、それしか無いの。」
良晴「し、しかし・・・!」
その時、
恒興「姫様。」
信奈「何!こんな時に!」
恒興「はっ、信忠様からの知らせで、現在末森城を三千の兵で囲んでいるとの事。信忠様と共におりますは、森可成殿、長可殿、柴田殿、河尻殿です。」
池田恒興から、信忠が既に兵を挙げて末森城を包囲しているとの知らせが入った。
信奈「なっ!?」
良晴「何だって!?」
長秀「いくら何でも早過ぎる対応です!」
これには、一同は驚いた。
信奈「まさか・・・信忠は全て見抜いていたの!」
良晴「それって、犬千代達が例え刻限に間に合っても間に合わなくても謀反を起こす事をか!?」
信奈「そういうことよ!」
良晴「嘘・・・だろ・・・?」
良晴(信忠・・・何て奴なんだ・・・!)
長秀「如何なさいますか?」
信奈「信忠に任せるわ。信勝を捕らえなさいと信忠に伝えて!」
恒興「はっ!!」
そう言って、信奈は恒興に伝えたのだった。それからすぐに、末森城が落ちたとの連絡を受けたのであった。
投稿できました。
今回はお家騒動を投稿しました。
最後の方は、何か駆け足で投稿してしまいました。読みづらかったらお許しください(土下座)
次回ですが、戦後処理ですね。
では、また!!