夢魔が生きるオーバーロード 作:アルトリア・ブラック(Main)
ゲーム《ユグドラシル》が最終日を迎える事になり、マーリンは一人、ナザリック地下大墳墓に来ていた。
各階層を回って見て、かつての記憶を思い出し、自分が作ったNPCを連れて円卓の間に行くと、そこにいたモモンガと軽い話をしてギルドから出る。
最後ぐらいワールドを歩きたいと言うワガママで
「そう思ったは良いけど、まさかこんなことになるとはねぇ〜」
あの後、ゲームは最終時間を迎えても終わらなかった。
そして、どういうことなのか異世界に転移してしまったらしい。
今はなんとなくそれが分かって納得してはいるが、当時はかなり驚いた。
複合企業が変なことやらかしてゲームに取り残された事故とか言われたら、キレ散らかす所だったのだから。
「しっかし、隠居生活もなかなか幸せだな〜」
マーリンが異世界に転移してからいろいろあり、その過程で、魔術で作り上げた塔で隠居生活を送っていた。
一人、のんびりしていると、結界に何か当たる気配を感じ、目を開ける。
「おや、彼がくるなんて久しぶりじゃないか」
寝っ転がっていた体を起こして外を見る。
自分が創ったNPCが「来客ですよ」と言ってくるのを見て『りょーかい』と返す。
結界を緩めると、宙に浮いていたがらんどうの白銀の鎧がいた。
「久しぶりだねぇ、ツアー。相変わらずその鎧はお気に入りなのかい?」
「あぁ、動かしやすいからね」
「ところで何の用だい?またプレイヤー案件かな?あんまり僕は行きたくないけど」
「君は相変わらずやる気のないことだ、ぷれいやーに勝る程の魔法使いだというのに」
ツアーは器用に塔の中に入ってくる。
「冗談じゃないよ、プレイヤーといえど、僕はあんまり戦いは好きじゃないんだよ」
そう呆れたように言いながらコーヒーを飲む。
「それなら、なぜリーダー達を助けたんだい?戦う気がないなら手を出さない方が良いのに」
「まぁ、ひまつぶしみたいな物だよ。それに、彼らは見ていて楽しかったし、彼らが動けば幸せになる人々もいる。それは見ていて楽しかったよ。まさかあんな結末になるとは思わなかったけど」
「………」
この異世界に来て感じたのは、アバターに性格が引きずられているということだろう。
「それで?来た理由を聞いてなかったね」
そう問いかけると、ツアーが「ああ」と言って話し始める。
「100年の揺り返しが来た。今度は八欲王のような者達だろう」
マーリンはツアーが去って行ったのを見送ると、ため息をつく。
「はぁ、ついに来てしまったなぁ……」
会いたくて会いたくなかった存在にマーリンは項垂れる。
「古巣に戻るつもりはないんだけど……挨拶ぐらいした方が良いかなー……いや、しばらく観察しよう」
アインズ・ウール・ゴウン。
かつて極悪ギルドとして名を馳せていたギルドだ。
そこにマーリンは属していた。
当初は別のギルドに行くはずだったが、たっち・みーに誘われて入ったようなものだった。
特に理由はない。
「…さすがにほったらかしには出来ないよな〜」
マーリンは王国の方を見る。
「あの国は腐って来ているとはいえ、私が育てた国でもあるからなぁ」
ドカッと椅子に座ると「とりあえず寝よ!」と目を閉じる。
マーリン
【レベル】100
【役職】魔法詠唱者
【所属】ナザリック地下大墳墓至高の四十一人の一人
【詳細】
(特定の個人ではない)人類のハッピーエンドを望む夢魔。
転移前の性格も大体似ており、親友だったたっち・みーからは『人としてロクデナシ』と言われていた。
転移してからいろんな国の王を育てては放り投げてる。
一応、リ・エスティーゼ王国の初代王とバハルス帝国の二代目皇帝を育てたが、現在の政治関係には一切口を出してない。
富裕層出身であるが故にウルベルトとはかなり仲が悪かったが、モモンガとは仲良くしていた。