夢魔が生きるオーバーロード   作:アルトリア・ブラック(Main)

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今回はツアー、アルトリアとマーリン、アインズが出てきます。

ナザリックにアルトリアと向かったマーリンは…

今回はマーリンのユグドラシル時代とリアルでの話があるので悪しからず


第11話『ありもしない幻・①』

ー帝国宮殿ー

 

アインズ・ウール・ゴウン魔導王が七万人を魔法で一瞬で虐殺し、王国は大打撃を受けた。

 

そして、それは少なくとも帝国側にも響き、帝国騎士達は辞める者が多かった。

 

ケイは転移魔法で皇帝のいる宮殿に戻ってくると、皇帝が七万人をも虐殺出来ると思っていなかったのか、呆然としていた。

 

「…そんな人外をどう倒せというのだ」

 

独り言を呟く皇帝に対し、ケイは無言で皇帝を見つめていた。

 

「…最早、包囲網どころじゃないな」

 

「陛下」

 

バジウッドの声に皇帝は深呼吸をし

 

「ペンドラゴン。至急マーリン卿の元に行き今後の方針を聞いて来てくれ」

 

「…お言葉ですが、陛下、先程マーリンから《伝言》があり『これ以上は見過ごせないから動く事になるけど、動く以上覚悟しておいてほしい』と言ってました」

 

その言葉に皇帝はベットに深く座り大きなため息をつく

 

「では、私はここで失礼します。至急騎士団をまとめてこないといけないので」

 

そう言ってケイは頭を下げ背を向ける。

 

 

 

 

ー幽閉塔・花畑ー

 

マーリンは一人、花畑を眺めていた。

 

「700年間いろいろあったけど、いざ、自分の仲間が転移してくるとそれはそれで嫌なもんだねぇ」

 

そう呟くと、後ろに来たのは白銀の鎧であるツアーだった。

 

幽閉塔に入って来る気配は薄々感じていた。

 

今のツアーならレベル1だから倒せなくはないが、倒す必要はないだろう。

 

ツアーはマーリンの後ろに来ると、何も言わず、マーリンが振り向くのを待っていた。

 

「ハァ…700年ぐらい一人だったからすっかり愛着なんてないのに、アインズは…モモンガは、ボクが帰って来るのをいつまでも待ってるんだよ」

 

「…愛がないのなら、どうして潰しに行かないんだい?」

 

ツアーの質問にマーリンは地面に座る。

 

「簡単な話さ、他のプレイヤーと違ってそこまで赤の他人じゃないからさ」

 

「………」

 

六大神や八欲王のように赤の他人ではないと少しだけは感じていた。

 

「モモンガの人生は正直に言って幸せなものではなかったさ、八欲王だって幸せじゃなかったからこそ、この世界で猛威を振るったワケさ」

 

現実世界は汚染がひどく、この世界より詰んだ世界だった。

 

だからこそ、この異世界に転移して来て、己の力で自由にこの世界の人間を想うがままにできるのだ、破綻して当然だろう。

 

それと違い、六大神は他者のために尽力した。

 

「…良い迷惑だな」

 

ツアーはそう言ってマーリンの隣に移動して来る。

 

「ハハハ、この世界の者からしてみればそりゃそうだ。まさに災害がいきなり来たものだからね」

 

マーリンは笑いながら杖を振り、風を発生させる魔法を使う。

 

心地よい風が吹き、花が舞い上がる。

 

「…間違った事をした父はもういない。だからこそ、その息子である私がなんとかしなければならない。今回の魔導王の件もそうだ、しかし…」

 

ツアーはマーリンの隣に座ると

 

「…今回、君が出るなら心強い」

 

その言葉にマーリンは笑い「ありがとう」と返す。

 

マーリンにとってこの世界は絵でしかない。

 

リアルで自分は富裕層だった。

 

外の世界の汚染なんて知らなくて、アーコロジー内で常に自由だった。

 

だからこそ、同じギルメンで貧困層出身の人の苦労話を聞いても何もわからなかった。

 

たっち・みーから『リアルの話はしないように』と言われた事を思い出す。

 

マーリンが最後までユグドラシルを続けていたのは、暇だったからという理由だけだ。

 

家族はいなかったが、金は十分にあったので遊ぶだけ遊んでいたら最終日までになっていたのだ。

 

自分はユグドラシルにかけている思いも対してなかったのだ。

 

それが、気づいたらこうなっていた。

 

マーリンは立ち上がり、幽閉塔に向けて歩き始める。

 

これから、ナザリックに行って彼らの気持ちを聞かなければならない。

 

それに、アルベドの問題もある。

 

「よし、話合って無理そうだったらまた相談するからよろしくね〜」

 

そう言って幽閉塔の中に転移する。

 

「準備万端かい?アルトリア」

 

「はい、準備万端です」

 

アルトリアと共にこれからナザリックに向かう。

 

「じゃあ、行くよ」

 

そう言うとアルトリアは頷く

 

 

 

 

 

 

アルトリアと共に魔導国となったエ・ランテルに着き、例の墳墓を見る。

 

「さて、連絡は取れた。すぐに用意するってさ」

 

アルトリアはマーリンの少し後ろに下がる。

 

しばらく待っていると…

 

「お待たせ致しました!マーリン様」

 

そう言ってやって来たのはセバスとユリであり、二人はマーリンを見て深々と頭を下げる。

 

アルトリアを見て少し首を傾げていたのを見てマーリンはアルトリアを前に少し出す

 

「私の教え子のアルトリアだ!僕と同じように扱ってね」

 

その言葉にセバスは『かしこまりました』と言って二人をナザリック内に案内してくれた。

 

モモンガは留守のようで、マーリンとアルトリアは豪華な部屋に通される。

 

至高の四十一人の一人が帰還したという話はメイド達が慌ただしく動いていた。

 

アインズが帰還するまでの相手をアウラとマーレが取ることになり、二人が目の前に座っていた。

 

その後ろにセバスとユリが立っていた。

 

「突然来てすまないね」

 

「そんなことはございません。マーリン様は至高の四十一人の御一人、ナザリックに入る事を拒む者なんて何処にもいません!」

 

(…実際、アルベドが拒んでるんだよなぁ)

 

以前会った時にマーリンへ向ける眼差しに殺意がこもっているのはすぐに理解した。

 

かつて、現実世界の【貧困層が富裕層に向けるような憎しみの眼】と同じようなものだった。

 

「モモンガが来るまで少しだけ、くだらない私の物語も聞いて貰って良いかな?」

 

アウラとマーレが頷くのを確認し、現実世界の話になる。

 

 

 

 

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世界は滅びかけ、生きて行くだけで精一杯の世界に生まれた神々は神々で殺し合った

 

神々は何度も繰り返し、地は枯れ果て、生きる場所を失った

 

 

そんな中、神々は全てを包む優しい夢の中に逃げた

 

穏やかで幸せな夢を見られる世界で己の分身を作り愛を注いだ

 

しかし、神々はまた残酷な運命の中に身を落とさないといけなくなり、夢から醒める事になった

 

そして、神々は己の人生を賭けるために夢を捨てた

 

 

 

真面目に話すマーリンの物語にアウラとマーレは真面目に聞いていた。

 

「…なんていうくだらない御伽噺さ」

 

マーリンの話にアウラとマーレが呆然となっている二人に対し、セバスは冷静にマーリンに『意見を言ってよろしいでしょうか?』と問いかけてくる。

 

「なんだい?」

 

「…その至高の御方々のおられる世界は破滅しているのですか?何故、その破滅した世界に御方々は何故、戻られたのですか?」

 

セバスの言葉にマーリンは微笑み

 

「それは、現実だからね、人は夢を見てばかりではいられないだろう?仲間達は厳しくて残酷な世界を取ったのさ」

 

アウラが口を開こうとした時、メイドの一人がやってきて『アインズ様がお帰りになりました』と言って来る。

 

「じゃあ、行こうかアルトリア」

 

「え?あ、はい」

 

マーリンの後ろに続くアルトリア

 

 

 

 

 

「マーリンさん、唐突に来てどうしたんですか?」

 

アインズの言葉にマーリンは微笑み『すまないねぇ〜こっちも余裕が出来たから来たんだ』と言う。

 

「それで、今日はどうしたんですか?引越しの準備とか出来たんですか?」

 

アルトリアは『引っ越し?』と声が出そうになるが、マーリンはアルトリアの方を見る。

 

「引っ越しと言うかね、僕の弟子をここに連れて来たくてさ〜、僕の一番弟子のアルトリア・ペンドラゴンさ、兄の方は知ってるよね?」

 

「はい、知ってますよ、先日の戦争でそばにいましたから」

 

そう言ってアインズがアルトリアの方を見る

 

「!は、初めまして、アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下」

 

「ははは、そう緊張しないでくれ、にしてもこの世界で初の100レベルだな」と機嫌良く言って来る。

 

「だろう〜!アーサーの子孫なんだけど、やっぱり強いんだよ」

 

アルトリアは二人の会話を困ったような表情で見ていた。

 

「それで今回の話なんだけど、アルトリアと守護者達を交流させたいんだよ」

 

「守護者達とですか?」

 

「ほら、アウラとマーレなら大丈夫だろう?その他にもメイドなら大丈夫だし」

 

マーリンはそう言ってセバスとユリの方を向き

 

「僕は少し、モモンガさんと話したいことがあるからそれまでナザリック内を…そうだな〜恐怖公のいる場所とルベドのいる所以外に案内してくれない?」

 

「畏まりました」

 

セバスの言葉にアルトリアは慌てながらマーリンを見る。

 

心配そうな目を見て気づいたのか、マーリンは笑顔で「大丈夫大丈夫、終わったらちゃんと迎えに行くから」

 

そう言って手を振って来る

 

(…こ、こんな異形種達ばかりいる所に置いてくなんて…)

 

そう思ってポケットの中に何か入っているのを確認する。

 

(…こ、これって…)

 

マーリンが指に付けていた指輪だった。

 

(…マーリン…)

 

もしかして、生きて帰るつもりがないのだろうか?と思ってしまうぐらいの行動に息を呑む。

 

この指輪はナザリックから外に唯一転移出来る指輪だった。

 

「………」

 

「アルトリア様。ご案内します」

 

「あ、はい!お願いします」

 

そう言ってセバスの後ろに着いて行く




対して進んでませんが許してください…

次は後編です。
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