この作品を皮切りに侯爵嫡男好色物語の二次創作が増えてほしいなと思います。
原作はノクターンのほうで無料で見れて、更にMAGCOMIでコミカライズもやってます。
コミカライズは無料で全話見れる期限が迫っているので早めに見よう!
『侯爵嫡男好色物語』の二次創作増えろ。
そんな気持ちで書きました。
転生した、いやしてしまったのだ。
最悪だ、最悪だ、最悪だ。
しかも、ある小説の世界?に転生してしまった。
『侯爵嫡男好色物語』
おそらく、この世界に転生したのだろう。
まだコミカライズ化してから数話しかない作品だが、これだけはわかった。
なぜなら俺はこれのweb版を見ていて、俺が転生した世界と侯爵嫡男好色物語に出てくる固有名詞が似通っているから。
この世界には魔法というものが存在し動物も含め日本のものとはかなり違う。
それに加えて俺自身が主祖と呼ばれる圧倒的な魔力と強さを持つ特権階級になったこと、魔獣という災害、そしてマグアオーゼとかいう日本人からしたらアホみたいな名前。まぐあおーぜ!とかふざけてるだろ。
ぶっちゃけ聖都マグアオーゼとか親が真面目に言ってるせいでチョットだけ笑っちゃったのは内緒だ。
それはともかくとして俺には前世の記憶が有る。
つまり転生したのは確かなはずだ。
ちなみに死因は、この作品の本当の主人公と同じく記憶がない。
確かこの作品を見ている途中で泥酔して寝ていたのだけは覚えているような、ないような。
主人公と同じように転生して同じように主祖である、これだけ見れば恵まれているだろう。
普通なら主祖という存在は基本的に病気にならない、貴族という偉さ、スーパーマンみたいに滅茶苦茶に強いなど特典しかないと思うだろう。
だが俺の場合は違った。
他の貴族から責められて滅びかけとかではないし普通の主祖として申し分のない力を持ってはいる。
だがそれだけではダメなのだ。
つまりなってしまったということだ。
作品の主人公であるクオルデンツェ・ウィルクに。
普通なら主人公だやったー!とか前世の存在を知る存在がいないから好き勝手やっても良くね?とか思うだろう。
結論から言うと俺は主人公になれる器じゃなかったのだ。
正史ならクオルデンツェ・ウィルクは並の主祖を超越する怪物級の魔力、前世でも優秀だったのか貴族として申し分ない教養、前世の経験を活かした知識、そしてもモテモテで子供を作る能力も高いという完璧超人。
つまり完璧凡人である俺では到底たどり着けない高みというわけだ。
そして今まさにそれを痛感している。
「お、大旦那様が、、」
俺の執事であるテッシュが何かを聞いたのか呆然としている。
今は原作開始前に起きる重大イベントの1つ大魔獣エルシニアが撒き散らした疫病イベントだ。
エルシニアは強力な疫病を発生させた、しかし本来なら本物のクオルデンツェ・ウィルクの圧倒的な魔力ゴリ押しで跳ね返す。
そのはずだった。
クオルデンツェ・ガルフィス、通称赤鬼。
頼りになる祖父であり敵であるシュピアゼイク家をバッタバッタと蹴散らした稀代の豪傑、というか本来の流れなら本当の主人公よりも活躍していた。
おそらく原作ではエルシニアの疫病はクオルデンツェ・ウィルクの膨大な魔力で解決したので感染が広まらなかったのだろう。
そして俺が普通の魔力を持ったばっかりに祖父は死んだ。
俺が転生しなければ生きていたはずなのに、正史の記録が重く心に突き刺さる。
当たり前だが誰も俺のことは責めなかった、そしてそれが更に俺の負担となった。
いっそのこと誰かに裁いて欲しい。
創作のキャラとはいえ俺目線では前何年も顔を付き合わせた家族だ、情も湧く。
なんで役立たずの俺は転生したのだろう?
その後、1ヶ月もしないうちに俺のせいで俺の家に一生懸命に従う騎士家の人たちが何人も死んだ。
一応は正史を知っているので対策はしたが、それでも余りに多くの人が死んだ。
俺じゃなく本当のクオルデンツェ・ウィルクなら助けれたはずだ。
こんなはずじゃなかったはずだ。
最初はチート無双だぜ!とか思ってたが次第に俺の魔力が普通か少し多めだと気付いてから焦りしか感じなかった。
過ぎていく年月、努力しようにも伸びない魔力。
俺は主人公じゃない。ただの力なき凡人だ。
正史で最大の脅威として存在するシュピアゼイクなんかと戦いたくはない。
一騎打ちなんか嫌だ、怖い。
けど戦わなければ生きていけない。
「大丈夫ですか坊っちゃま」
「ああ大丈夫だ」
全てが劣ってる俺にはクオルデンツェ・ウィルクにはないアドバンテージがある。
それは未来がわかることだ。
王国で司祭が襲撃したことまでしか覚えてないけど。
「テッシュ、エルシニアの病にかかった従祖兵をニューネリーフィールドに向かわせろ。フィールドにテロを目論む主祖の司祭がいる」
「は?坊っちゃま何を?」
俺はやるんだ、それがせめてもの罪滅ぼしになる。
「いいから頼む。これが最良の行動だ」
これしかない、俺は無理だった。
ニューネリーシルクも石鹸の製造も。
ならば出来ないなりに最良の選択を選ぶ。
「あーあと1つ頼めるか。俺はクオルデンツェ領を出る、だからファニィには宜しく伝えといてくれ」
「何を言っているのです?」
「2年後には戻る」
俺はグズだった、間違いなく怠惰なグズだったさ。
だから変わるんだ!
俺は窓を突き破り中庭に出た。
「乱心だ!坊っちゃまが乱心!」
すまない。
必ず戻る。
「坊っちゃま何をなさっているのですか」
従祖兵が俺の脱走を止めようと立ちはだかる。
俺が倒そうにも後遺症が残ってしまう。
ならこうだ!
俺は足を魔法で強化して跳んだ。
そして俺は従祖兵の頭どころか中庭を囲む壁を乗り越えた。
さてと、そこら中から俺が逃げただのと聞こえるな。
全てはクオルデンツェの為だ許してほしい。
我こそがクオルデンツェの蛇・古き衣よ、いざ、さらば・征く路は、唯ひとつ
聖都マグアオーゼだ。
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