テンプレ系裏ボス少女   作:るて

3 / 5
理王と

「──さあさぁ世界はごあいきょー!」

 

 くるくると。ただくるくると回り続けるその少女。

 

 両手を空へ、足を傾け。バレエを思い起こさせるその動作。

 

「狂い惑ってそれでこそぉ──正しく世界はここにある!……そうではないですかぁ、理王?」

 

 ──ザッ、と音が鳴る。カツカツと響くそれが、世界に反響し。

 現れたのは一人の女。

 

「ええ、そうね」

 

 平坦な瞳を、だが爛々と煌めかせ。金色の髪を靡かせながら、その女は歩みを止めない。

 

「おぉー!! 同意してくれますかそうですかぁ! とってもうれしいですー! ()()()の統治者はぁ……私の言葉に耳すら貸してくれなかったですからねぇ……」

 

 ピタッと動きを止めると、少女は何かを思い出すように瞳を空へ固定した。

 そして、それを目の端に起きながら、《理王》と呼ばれた女は足を進める。彼女は少女から離れるように、部屋の端へと向かっていた。視線は、部屋の隅を捉えて放さない。

 そして、()()を彼女は見詰め続けながら、呟くように言葉を零した。

 

「──時に、質問なのだけど」

 

「むむむぅ……?なんですかぁ?内容によってはぁ、お答えしてもいいですよー」

 

 そして、《理王》は背中を少女に向けながら問う。

 

「何人、殺したの?」

 

 それを聞き、パチパチと目を瞬くとにへらと表情を崩す。

 

「ええとぉ……それは貴女の国でですかぁ?それとも累計で、ですかぁ?」

 

「私の国で、よ」

 

 血に濡れた地面と、そしてしかし()()()()室内を見据えるように反転。ぽたぽたと両手から己のものではない血を流す少女を捉える。

 

「それでしたらぁ──……五百、くらいですかね──」

 

 ぐちゅ、と。何かが潰れる音がした。不思議そうに少女は──潰れた己の体を見る。

 ゲボッ、と血が少女の口から溢れ出る。肉体が磨り潰される。そして──なんの声すら響かせず、少女はその命を失いました。

 

「有罪よ、異邦人」

 

 そしてそれを成した女は、なんの感慨も無く、気持ちの悪い肉塊となった少女を見詰めました。

 

「何のために、どうやって──ここに来たか。知りたいことは多数あったけど……罪人には然るべき罰を、よ」

 

 そして、統治者足る彼女は背中を死した少女へ向けます。殺された者達の確認を行う為、少々の早歩きで《理王》は部屋を後にしようと歩を進めます。

 それで、本来は終わりだったのかも知れないです。単なる力の持った《異常者》の凶行。ですがぁ、それだけじゃないんですよぉ?

 

「──?」

 

 違和感を感じて《理王》は再び目を後ろに向けましたぁ。ちょっとした、単なる気持ち悪さだったのかも知れませんがぁ──それは彼女の素晴らしき権能故にと言えるのでしょうねぇ。

 

 そしてぇ……少女は。少女だった物が、消えて。

 

 いつの間にかぁ、少女は居たんです。

 

 ──それはぁ、()()()()()()()()()()()

 

「何を、どのようにして。聞きたい事は沢山、沢山あるのだけど……どうかしら?」

 

 そしてぇ──少女は笑いました。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──それだけの事ですよー?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。