とある少女の話   作:nite

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違う世界

ジンギスカン鍋によってお腹を満たした少女は森の中にいた。家が見える範囲ではある…そうでなければ少女は迷って出られなくなる…のだが、少女は森の奥を見ながら不思議そうにしていた。

 

「この森の奥には何があるの?」

「さあ。僕は行ったことがないし、案外ずっと森なんじゃないかな。この開けた土地も僕が君みたいに作った場所だしね」

 

この世界は謎に満ちている。ただ少年の言葉は正しくないと少女は思えた。ずっと森であるなら少女が生活している平原は存在しないことになる。だがそれはそれでおかしな話だ。少女が生活している平原も果ての果てまでずっと平原が続いているように思える。この森を見るまでは少女ですら地平線の先にも平原がずっと続いているものだと考えていたくらいだ。

 

「あなたのあのテレポートの力は?」

「自分でもよくわかってないんだけど、あれで色んな世界に行けるんだ」

 

少年が言うには特に代償もなく違う場所に行けるらしい。ただ自分で選ぶことができるのは自分の住むこの場所のみでそれ以外はランダム。またこの世界に来たときは必ず今日少年と少女が現れた場所に出るらしい。いっそのこと家の近くに設定できたら楽なんだけどねと少年は笑った。

少年の話を聞いている間少女は自分の力のことも考えた。考えれば望んだものが出てくる謎の力。それでも無限で無制限というわけではなくて、少女自身もわかっていない謎の力。

とまあここまで考えて少女は思考を打ち切った。どれだけ考えたところでわからないであろうというのは感覚でわかっていたからだ。

 

「…ランダムということは私、しばらく家に帰れないのかしら」

「まあ、そうだね。君の世界を引き当てるまで旅に付き合ってもらうことになるね」

 

申し訳なさそうに少女に笑いかける少年。

しかしその少年の思いとは裏腹に少女は内心とてもわくわくしていた。ずっと庭を造り続けて少しインスピレーションが欲しかったところだ。そもそも少女は結構の旅好きである。少年の旅についていくことは逆に嬉しいことだった。

ただし…

 

「もう夜ね…」

「うん、部屋はあるから泊まっていきなよ。まあそれ以外にできることはないんだけど」

 

少女の好奇心と高揚感は夜の暗闇の中に消えることになった。

少年の配慮で少女には丸々一つ部屋が与えられることになった。その代わり眠るまで少年が経験してきた世界の話などを聞くことになった。

無限に続く山脈の世界、空中にドット絵が広がる不思議な世界、ミニゲームができる楽しい世界…そんな色々な場所の話を聞き、さらに好奇心を膨らませつつ少女は眠りについた。

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