超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Chapter 2
Game9:めぐり合う銀と黒


プラネテューヌを出発した私達は次の目的地であるラステイションへと到着した。

辺りには工場を始め建設途中の建造物などが立ち並び、機械の街といった趣が強い。

 

「初めて来ましたけど、本当に機械だらけの街なんですね!」

 

ラステイションに入ってからネプギアのテンションが高まっている。

真面目な印象が強いネプギアだが今の姿は新しい玩具を与えられて喜ぶ子供のように見える。

 

「もしかして、機械が好きなの?」

 

「はいっ!舞さんも機械を見るとワクワクしてきませんか? 工場で動いているところを見るとどういう仕組みで動いているのか気になりませんか?」

 

「その気持ちはわからなくもないよ。工場見学とかワクワクするよね。機械で物が作られてそして最後に出荷されるまでの過程とかを見ていると」

 

「お姉ちゃんがラステイション製の機械をたまに買ってきてくれるんですけど、それを眺めたり仕組みを考えたりするだけで1日が終わることもありますから!」

 

ネプギアの気持ちはよくわかる。人間、好きな物のことになると変わる物である。

私の場合は新しいゲームを買った日は感覚を掴んだり戦闘のシステムを理解するなど

やることが山積みであり、気が付けば日付が変わっていたりすることもよくある話だ。

 

そういえば、ゲイムギョウ界に来てからは一度もゲームをしていない…。

ふと思い返すと今すぐにゲームをしたいという感情が蘇ってくるが…。

イストワールが言っていたように正規のゲームを入手するのは難しいのが現状である。

プラネテューヌを出る前にショップに目を通したけどゲームは1つも売られていなかった。

販売スペースはあるみたいだけど、そこに並んでいるはずの物がない。そんな光景だった。

 

その原因がマジェコンである。マジェコンさえあればゲームは簡単に手に入る。

だからショップに買いに行く必要はない。仮に販売しても誰も買って行かない。

それが今のゲイムギョウ界の現状だ。私は不正な手段で入手したゲームは絶対にしたくない。

確実に欲しいなら予約を取って発売日当日に買いに行く。欲が抑えられない時は

前日に取りに行くこともあるけどね。正規品を見つけるまではゲームはお預けだ。

 

「あぁ、楽しそうだなぁ…。色々見て回りたいなぁ…。舞さんも一緒に行きませんか?」

 

「また今度ね。私達にはやることがあるでしょ? 全部片付いたら一緒に回ってあげるから今は抑えようね。好きな物をみたらはしゃぎたくなるのはわかるけど、抑えるのも大切だよ」

 

ネプギアが新しいゲームを目にした時の私と同じくらいテンションが上がってきていたので

この辺で止める。犯罪組織を倒したらその時一緒に回ればいいだけだ。

 

「はっ、ごめんなさい!私達が頑張らなくちゃいけないのに勝手に舞い上がっちゃって…」

 

「まぁ、私も新しいゲームを見たらさっきのネプギアみたいになるから人の事言えないんだけどね…。お互い様ってことで」

 

「あんた、ネプギアの扱いが手馴れてるけど妹とかいたりするの?」

 

「いや、私は一人っ子だよ。腹違いの妹とかいたら逆に目が飛び出るけどね」

 

ネプギアみたいな妹がいたら一緒にゲームしたりとか楽しく過ごせそうだね。

 

「それで、これからどうするですか?」

 

「まずはギルドに行きましょう。情報収集とクエストをこなしてシェアを少しでも取り戻さないと」

 

パープルディスクには先に聞いておいたが

ゲイムキャラは自分の居場所を秘密にしているとのこと。

稀に秘密裏に集まって話をすることはあるらしいがお互いに知りえる情報としては

その国のどこかにいるというところまで。つまり自力で探すしかないということである。

 

「プラネテューヌの時はイストワールが調べてくれてたからよかったけど、今回からは自分達でゲイムキャラの居場所を突き止めないといけないんだよね。イストワールみたいな人はこの国にはいないのかな?」

 

「そうね。イストワール様みたいな人はいないけど同じ立場の人ならいるわよ。教祖っていう女神の補佐を担当している人なんだけど。教祖は各国に1人ずついるから。でも、ここの教祖はあんまりいい噂を聞かないのよ。頼るのは最後の手段ってことにしましょう」

 

いい噂を聞かないってどういうことだろう。裏で悪いことをしているとか?

それとも中々話が通じにくかったりするのかな。私はまた勝手に予想を立てる。

 

そして私達はラステイションのギルドへと向かう。

内部の様子はプラネテューヌのギルドと変わらないが人が少ない。

それだけクエストを受けようとする人がいないということなのだろうか。

 

「私、クエストの掲示板を見てきますね」

 

「あっ、私も見てくるよ」

 

私とネプギアはクエストの掲示板を確認する。プラネテューヌの時とは違い

出ているクエストもそこそこ多い。どのクエストを受けるか考えていると…。

 

「今日はこれね。さっさと消化しないと…」

 

私とネプギアの隣に1人の少女が現れる。ツインテールにした黒髪と

赤い瞳が特徴的だ。見た目だけで判断するならネプギアと同じくらいの年代に見える。

 

「ん? この辺りじゃ見ない顔ね。アンタ達もクエストを受けに来たの?」

 

「まあね。君もクエストかな?」

 

「そうだけど、アンタのその眼…。まぁ、いいわ。それより大丈夫なの? アンタはなんか大人っぽい感じがするけど、そっちはまだ子供じゃない。弱そうだし」

 

私もまだ子供に分類されるのかな?

ちなみに私の年齢は18歳だけどね。念のために言っておくけど嘘じゃないから。

 

「なっ、それをいうならあなただって子供じゃない。私と同年代くらいならあなただって子供だよ。弱いのは認めるけど…これから強くなって見せるんだから!」

 

 

「威勢がいいのは認めてあげる。それとアタシは弱そうに見えるアンタと違って超強いから。それにアタシもまだまだ強くなって追いつかなきゃいけないの。目標としてる人に一日でも早く」

 

「その人は本当に強いんだね。どんな人なのかな?」

 

「いつも厳しいけど、強くてカッコイイ。そんな人よ。それでアンタ達はどうしてクエストなんか受けに来たの? お金稼ぎとか?」

 

「少しでもシェアを取り戻すためだよ。犯罪組織に奪われた女神のシェアを取り戻してこの世界を元に戻したいの」

 

「うっわ。それって優等生発言ってやつじゃない。あんた真面目なのね…。どこか抜けてるように見えるけどその目は本気みたいね…。ごめん。さっきはちょっと調子に乗り過ぎたわ」

 

 

「ううん。いいの。まだまだ弱いのは事実だから。それでも自分にできることはきちんとやりたいの」

 

「ふ~ん。ねえ、アンタ達の名前を教えてくれる?」

 

「ネプギアだよ」

 

「私は神奈 舞」

 

「ネプギアに舞ね。アタシはユニっていうの。ねえ、さっき言い過ぎたおわびと言ってはなんだけどこれからアタシと一緒にクエストに行かない? 報酬の半分はアンタ達に渡すわ」

 

シェアの回復に加えて報酬の半分をこちらに譲ってくれると言うのだ。

シェアの回復を目的にしているこちらから見れば素晴らしい提案である。

 

「一緒に?」

 

「アタシいっつも一人でクエストに行ってるからたまには誰かと行きたいと思ったのよ。勘違いはしないでほしいから先に言っておくけどアタシはぼっちじゃないからね。アンタ達と出会えたのも何かの巡り合せかもしれないじゃない? だから提案してみたのだけど、どうかしら?」

 

「いいね。一緒に行こう。私達からみればこれ以上無い好条件だからね」

 

「そうですよね。ユニちゃん、一緒に行こう!」

 

「そうと決まれば早速行くわよ。これからよろしく。ネプギア、舞」

 

「こちらこそよろしく、ユニ」

 

「よろしくね、ユニちゃん」

 

ユニと一緒にクエストに行くことが決まったので改めて挨拶をする。

最初にユニが行こうとしていたクエストを受注してギルドを出る。

受注したクエストはリビートリゾートと呼ばれる場所でのモンスター退治。

ターゲットはボーンフィッシュというモンスター。討伐指定数は4体。

 

私達はリビートリゾートに到着した。照りつける太陽の光と響く波の音。

巻貝をイメージして作られた建物が辺りに点在している。

その名の通りラステイションの誇る観光地ではあるらしいのだが

近年はモンスターの住処と化してしまい、人が寄り付かない場所になってしまった。

 

来る途中にユニが教えてくれたのだが、同じような場所で

セプテントリゾートと呼ばれる場所もあるとのこと。ユニもクエストで訪れることがあると言う。

そちらもモンスターの住処となっておりさらに危険種まで生息しているらしい。

 

「それでギルドでお友達になったんですね。仲間が増えるのはいいことです」

 

「強さには自信があるみたいだけど、この戦いで見せてくれるってことでいいのよね?」

 

「勿論よ。アタシの強さ、その目に焼き付けておきなさい」

 

「でも、4人がかりならこんなクエスト楽勝よね。時間も惜しいからぱぱっと終わらせて次のクエストに行くわよ」

 

「ん? これを終わらせたらすぐに行くの?」

 

「そうね。アンタ達と協力するのはこのクエストが終わるまでだけど、アタシには他にも行きたいクエストがあるのよ。だから時間はあまり無駄にはしたくないの」

 

ターゲットのボーンフィッシュを討伐するため探索を開始する。

舞達が探索を開始したのと同時刻、離れた場所に1人の人物がいた。

 

「あの暴力女神とクソガキ女神のパーティ、もうラステイションに入っていやがったか…。しかも1人知らねーガキも増えてるしよ…。どうせこっちの邪魔しようと考えてるんだろうけど、あんまり邪魔されたら仕事になりゃしねぇ。ここで始末してやるから覚悟してろよ。特にあの暴力女神!」

 

犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダである。

前回の戦いで舞にタコ殴りにされたことを相当根に持っているようだ。

リンダは物陰に隠れ舞達が来るのを待つ。

 

それから時は少し進み舞達はクエストのターゲットである

4体目のボーンフィッシュを討伐しようとしていた。

名前の通り、骨だけの巨大魚である。

 

「最後はアタシと舞で決めるわ。舞、行くわよ!」

 

「うん」

 

私とユニはボーンフィッシュに立ち向かう。

最初に動いたのはユニ。自身の武器である大きな銃から弾丸を撃ち込む。

ボーンフィッシュに命中した弾丸は一定時間立つと爆発を起こした。

私はこの弾丸を知っている。徹甲榴弾と呼ばれる弾丸だ。

着弾後に爆発を起こす特殊な弾丸の1つである。

 

ボーンフィッシュはその名の通り体が硬い骨で構成されている。

リビートリゾートに生息するモンスターの中では防御が固い。

ユニの徹甲榴弾を受けて怯んだボーンフィッシュに私が攻撃を加える。

クロからもらった銀色の長剣は威力と強度共に高いようで防御が固い

モンスターにも十分なダメージを与えることができるようだ。

 

「これで止めよ。くらいなさいっ!」

 

ユニは私が斬りつけた箇所に弾丸を撃ち込む。

放たれた弾丸は私が斬りつけた箇所からボーンフィッシュの体を一直線に貫く。

ボーンフィッシュは光となって消滅した。

 

「今のは、貫通弾かな?」

 

「そうよ、よくわかったわね。あんたも銃を使ったりするの?一応腰に2つつけてるみたいだけど」

 

「まだ使ったことはないかな。この銃と剣は貰い物なんだけど、銃の方はまだ使えてないだけだよ」

 

「ふ~ん。なら、銃の扱いでわからないことがあればアタシが教えてあげないこともないわよ?」

 

「その時はお願いしようかな」

 

銃火器を使用するゲームは一応経験はあるからその通りにやれば何とかなるかもしれないが

いざ自分で使おうとなると上手くいかない可能性が高い。今は普通の弾丸のみ所持しているが

特殊な効果を持つ弾丸の管理や銃のメンテナンス等も必要になってくるだろう。

これから先に銃の扱いで困った時はユニに頼らせてもらおうかな。

 

「これで終了!どう? アタシの強さは目に焼き付けてくれたかしら?」

 

「うん。銃の扱いがかなり上手いね。私もユニみたいな銃使いを目標にするよ」

 

「アタシのいるところまで来るのは厳しいわよ? ま、応援しておいてあげるわ。」

 

ボーンフィッシュ4体を倒す時はユニと私達の内、誰かがペアになって1体ずつ討伐していった。

4体目が私とユニのペアだったのだが、戦いを終えて思う。ユニは強い。

やはりあれだけの自信を持っているだけのことはあるが特筆すべきは銃の扱いだ。

 

まず前衛が攻撃を加えて傷を付けた箇所に正確に弾丸を撃ち込むところである。

ユニはここまでの戦いで一度も狙いを外していない。全て的確な射撃であった。

 

そしてもう一つ。各種弾丸の扱い。私とペアの時に使用した徹甲榴弾と貫通弾もそうだが

ユニはその他にも特殊な弾丸を持っているらしい。店売りの物をベースに改良を加えたり

素材を集めては1から新たな弾丸を自分の手で開発したりもするそうだ。

 

「本当にあっという間だった。ユニちゃんは本当に強いんだね!」

 

「これでもまだ足りないのよ。目標としてる人に追いつくには。それにしてもアンタ達も中々の強さじゃない。それなりの場数は踏んで来てるみたいね。でも、アタシにはまだ追いつけないかしら?」

 

「そうかもしれないね。でも必ず追いついてみせるから。待っててね、ユニちゃん!」

 

「首を長くして待っててあげるわ。精々頑張りなさい」

 

ユニとネプギアは楽しそうに話しているのを私はコンパとアイエフと一緒に眺めていた。

 

「仲良しですね~。見てて微笑ましいです」

 

「あの子は同年代の子と話したことがほとんどなかったからね。見たところ同い年くらいだし気が合うところはやっぱりあるんじゃないかしら」

 

やはり友達はいいものである。今のネプギアとユニを見ていると実感させられる。

私にもゲーム好きの友達が何人かいるのだがみんなで集まってゲームをする時が一番楽しい。

いい雰囲気になってきたかと思いきや、それは1人の人物の介入によって壊される。

 

「甘ったるい空気出して何イチャついてんだよ! 見てるこっちがイラっとしてくるぜ!」

 

聞いたことのある声だ。声の主は物陰から

素早く飛び出すとアイエフとコンパに攻撃を加え、吹き飛ばす。

 

「アイエフ、コンパ!?」

 

私は武器を構える。物陰から出てきた声の主は私の前に立ち鉄パイプを向ける。

 

「また会ったな! クソガキ女神に暴力女神! あの時にお前らにやられた借りを返しに来てやったぜ!」

 

バーチャフォレストの最奥部で戦った

犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダが立っていたのだ。

私達にやられた借りを返しにきたようだが、一波乱起きそうな雰囲気であった…。

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