超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

13 / 132
Game11:情報の提供条件

リビートリゾートのクエストから帰還してユニと別れた私達は

アイエフの案内でラステイションの教会にやってきた。

 

「ようこそ、ラステイションの教会へ。初めまして。僕がこの国の教祖の神宮寺ケイだ。プラネテューヌからやってきたアイエフさんにコンパさん、ネプギアさんに神奈 舞さん」

 

黒のスーツを着こなした銀髪で中性的な外見の人が私達の前に現れる。

この人がラステイションの教祖、つまりイストワールと同じ立場の人と言うことだ。

 

「ん? 私達、自己紹介してないよね?」

 

「僕は情報収集が得意でね。君が好きなゲームでも情報収集は物語を進める上で重要だろう?君達がこのラステイションに入ってからの情報は既にこちらで把握させてもらっている。ユニとも会って一緒にクエストに行ったそうじゃないか」

 

「私がゲーム好きなのも知ってるんだね。ということは私達がどうしてここに来たのかも知っていると解釈してもいいのかな?」

 

別の世界からやってきた私の事まで把握している…。彼女の情報網はどれだけ広いのだろうか。

こちらの目的も全てお見通しだろう。私はケイの表情を見て判断する。

 

「君の予想通りだよ。ラステイションのゲイムキャラの情報が欲しいんだろう?教えてあげるのは簡単だけど、君達に少し質問をしたい。今、この僕が持っているゲイムキャラの情報にはどれほどの価値があると思う?」

 

「ゲイムキャラの情報なら、かなりの価値だよね。ゲームで例えてもいいなら入手確率1%級のレアアイテムに匹敵するくらいの価値。この答えでどうかな?」

 

私はケイの質問に答える。私達に何をさせたいのか既に予想はできている。

似たような会話のパターンをゲームで見た記憶がある。

 

「ふむ。ゲームで例えるとは…中々面白い答えだ。君はこの次に僕が何を言いたいのか既に分かっているんじゃないのかい?」

 

「その情報が欲しければその価値に見合う物を私達が提供しなければならない」

 

「それもゲームで出てきたと言うのかい? 君の答えで正解だ。その価値に見合う物を頂かなければビジネスは成立しない。これはわかるだろう?」

 

「確かに。何かを提供する以上は提供した物と同じ価値の物をもらう必要はあるよね。タダ働きは嫌だし。それで?こっちも時間が惜しいから商談は早く済ませたいかな。私達はケイに何を提供すればいいの?」

 

「確かに君の言う通り時間は限られたものだ。有効に使わなくてはならない。それでは商談を進めるとしようか。単刀直入に言えば労働力だよ。君達にはこれからある素材を探し出してきてほしい。『宝玉』と『血晶』という素材なんだけど聞いたことはあるかな?」

 

『宝玉』と『血晶』…。私がやっていたゲームでも出てきたレア素材…。

出てくるゲームはそれぞれ違うけど強力な装備を作成するためには必ず要求される。

恐らくゲイムギョウ界でもレア素材に分類されるだろう。厳しい条件である。

 

「ゲームでは見たことがあるけど…。アイエフ、この2つの素材はこの世界でもレア素材なの?」

 

「両方とも超レア素材に分類されるものよ。どこで採れるのかだってわかったものじゃない…。どこかに生息してるモンスターが落とすって噂を聞いたことがあるくらいよ。条件が厳し過ぎるわね。舞、あんたはそれでもこの条件を受け入れるつもり?」

 

「うん。ゲームでも難しい条件を出されることはよくあるからね。欲しいものを得るためにそれをクリアしなければならないなら私はクリアを目指すのみだよ」

 

私はアイエフの問いに答える。厳しい条件であることは事実だが

だからと言って諦める理由にはならない。それはゲームでも同じことだ。

厳しい条件に挫折しそうになったこともあるけど、それでも頑張ってクリアした。

 

「その目、本気みたいね…。なら私は舞に協力するわ。あんたが難しい条件に立ち向かうなら私は仲間として、友達としてそれを手助けするまでよ」

 

「私も舞さんに協力するです。みんなで協力すればきっと何とかなるです」

 

「私も舞さんに協力します。その2つの素材を持ってくれば、ゲイムキャラの情報がもらえるんですよね?」

 

アイエフ、コンパ、ネプギアも協力する意思を示してくれる。

ここまで頼りになる仲間と友達がいてくれることに私は感謝しなければならない。

 

「どうやら結論は纏まったようだね。そしてもう1つ、このゲイムキャラの情報とは別に僕は君個人に対して商談を持ちかけたい。君と話しているうちに急に思いついたことではあるんだけどね。どうかな? これは君達の目的には全く関わらない商談だから聞く以前に破棄してくれても構わない物ではあるんだけど。」

 

「私個人に対して…? 私がケイに出せる物は無いと思うけど、一応聞かせてもらおうかな。」

 

「ありがたい。僕が欲しいのは君自身の情報さ。さっき君はアイエフさんに宝玉と血晶のことを聞く時に〈この世界でも〉と言っただろう?つまり君はこのゲイムギョウ界の住人ではないということになる…。ここまでは予想することはできたんだが、君の銀色の瞳が気になってしまってね。このゲイムギョウ界の女神だけが持ち、女神であることの証でもあるその瞳が君に何故発現しているのか…。それが知りたいんだ」

 

「私自身が完全に理解しているわけじゃないから、説明できる範囲でということになるけど。それでもいいなら話すよ。ケイは私が差し出す情報に対して何を提供してくれるの?」

 

「僕が君に対して提供するのはこれだ」

 

「これって、ゲームソフト?」

 

ケイが私に見せたのは1本のゲームソフト。パッケージには翼を持った大きなドラゴンと

そのドラゴンに立ち向かう剣を持った黒髪のツインテールの少女が写っている。

どことなくユニと似ている気がするが背が高く髪の長さも違うので別人だろう。

 

「これは俗に狩りゲーと呼ばれるゲームだ。パッケージに写っている少女のモデルになっているのはこの国を守護する黒の女神、ブラックハートことノワール。ユニの姉だ。勿論これは正規品だよ。マジェコンの影響もあって今はショップに並んでいないけどね。君が君自身の情報を提供してくれればこれを差し上げよう。どうかな?」

 

「いいね。まさかゲームを提供してくれるなんて思わなかった。その商談、受けるよ。でも先にケイが出した条件をクリアしてラステイションのゲイムキャラの情報をもらってからでもいいかな?」

 

この世界のゲームソフトを初めて見た私は即座に決断する。

だが先にクリアしなければならない条件があるので高ぶる気持ちを抑える。

今すぐに自分の情報を提供してプレイしたいと思っている私がいるのも事実だが…。

 

「構わないさ。これは僕が君個人に対して持ちかけているだけに過ぎないからね。時間ができた時にでも話してくれればそれでいい。それでは健闘を祈っているよ」

 

「ありがとう。それじゃ私達は行くね」

 

私達はラステイションの教会を出る。宝玉と血晶を探し出さなければならない。

時間は無限にあるわけではない。とにかく行動あるのみだ。

 

「神奈 舞さんか…。中々面白い人だった。彼女がユニとネプギアさんと力を合わせればノワール達を助け出すことも夢じゃないかもしれないね」

 

舞達が出た後の教会でケイは呟いていた。

 

「噂通りの奴だったわね。それで、問題の宝玉と血晶なんだけど…。舞、あんたが前の世界でしてたゲームではどんなモンスターから採れるの?」

 

「宝玉と血晶はそれぞれ違うゲームに出てくるレア素材なんだよね。宝玉はドラゴン系のモンスターが怪しいかな。古龍種って言うモンスターのレア素材に設定されてたから。血晶は…ごめん。モンスターの種族の特定ができない。血晶は宝玉とは違ってそのゲームに出てくる中型以上のモンスター全てにレア素材として設定されていたから。そのゲームは猿や竜、機械に蠍といった感じで色々な姿をしたモンスターが出てくるからどういったモンスターから採れるのか絞り込めない。」

 

「それじゃあ、先にドラゴンを探してみるですか?」

 

「ドラゴン系のモンスターってまだ見たことが無いですけど、どこにいるんでしょうか…」

 

ここに来るまでに私達はそれなりの数のモンスターを見てきたがドラゴンは見たことが無い。

種族の特定ができていてもどこに生息しているのかわからない状況であった。

 

「君たち、ドラゴンを探しているのかい?」

 

悩んでいる私達に1人の人物が声をかけてきた。赤い髪の女性だ。

その手に持っているのはやや大きめのバイオリンケース。

 

「ドラゴンがどこにいるか知ってるの?」

 

「盗み聞きするつもりはなかったんだけど、君たちが話しているのを聞いてつい声をかけてしまったというところかな。どこにいるかは知っているけどゲイムギョウ界に生息しているドラゴンにも色々な種類があってそれによって取れる素材も違ってくる。何か欲しい素材でもあるのかい?」

 

「私達、宝玉と血晶って素材を探しているんです。今、舞さんの話で宝玉がドラゴンから採れるかもしれないってところまでは出てきたんですけど、そのドラゴン系のモンスターがどこにいるのかがわからないんです」

 

「宝玉と血晶か…。宝玉なら落とすモンスターに心当たりがあるよ。バーチャフォレストの最奥部は知っているかい?実はそこにはドラゴンが生息しているんだ。エンシェントドラゴンっていうモンスターがね。あまりお目にはかかれないけど、宝玉ならそいつから採れるよ。探してみる価値はあると思う。血晶についてはすまない。心当たりがないかな」

 

「いい情報を手に入れたわね。プラネテューヌまで戻らないといけないけど。これは大きな一歩よ」

 

「確かに。というか本当にドラゴンから採れたんだね。私も驚いたよ」

 

自分のゲームでの知識がまたも役に立ってくれるとは思わなかった。

 

「できれば探すのを手伝ってあげたいんだけど、旅の目的地が逆方向なんだ。すまないね。私が助言できるのはここまで。後は君たちの力で頑張って探し出してほしい」

 

「宝玉を落とすモンスターがわかっただけで十分だよ。本当に助かった。名前をおしえてもらってもいいかな? 私は神奈 舞だよ」

 

「私はネプギアです。」

 

「アイエフよ。」

 

「コンパっていうです」

 

「そういえば名乗ってなかったね。あたしはファルコム。しがない冒険家さ。付け加えると困っている人を見るとつい首を突っこんで助けようとする、おせっかいでもあるんだけどね。それじゃああたしはここで失礼するよ。君たちが宝玉を無事に手に入れられるように祈ってる。頑張ってね」

 

困っている人を見ると助けようとする…か。

銀の女神もファルコムみたいな人物なのだろうか。

 

「ありがとう、ファルコム」

 

「どういたしまして。またどこかで会えるといいね」

 

ファルコムはそう言うと街の外に向かって歩いて行った。

 

「プラネテューヌまで戻らないといけなくなったわね。時間も惜しいわ。私達もさっさと行くわよ」

 

「はいです!」

 

「はい! 急いでバーチャフォレストの最奥部に行ってみましょう!」

 

私達はバーチャフォレストの最奥部に生息する

エンシェントドラゴンを探すためプラネテューヌへと向かう。

その舞達を物陰から見ていた人物がいた。

 

「あいつらプラネテューヌに戻るのか…」

 

リビートリゾートで舞達が懲らしめた

犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダであった

 

「これはまたとないチャンスだぜ。我々マジェコンヌが対女神用に開発した秘密兵器の力を見せつける時だ。覚悟してろよ、暴力女神! 次がテメェの最期だ!」

 

リンダはそう言うと舞達の後を追って行った。

そしてそのリンダの声を聞いていた人物がまた1人いた。

 

「対女神用の秘密兵器とは物騒な話だね。あの子にも伝えておかないと。舞達がその秘密兵器と出会う前に付け焼刃でもいいから対策を練る必要があるよね」

 

黒いコートを纏いフードで顔を隠した人物、クロがその場にいたのだ。

彼女は1人呟くと、どこかに向かって走って行く。

 

ラステイションの教祖の神宮寺ケイから出された条件をクリアするべく

バーチャフォレストの最奥部に向かう舞達。無事に宝玉を手に入れることはできるのだろうか…。

 

そして舞達の後をつけるリンダ。影から舞達をサポートするクロ。

それぞれの思いが交差する時は近い…。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。