超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game15:銀色の魔法

ネプギア達と別れてプラネテューヌの街を出た

私とアイエフはバーチャフォレストの秘密の場所に来ていた。

 

「何から始めたらいいのかな。やっぱり実践あるのみ?」

 

「まずは魔法の基本的な知識から行きましょう。これを使いなさい」

 

アイエフが私に差し出したのはノートとペン。

特に目立つポイントは無い。いたって普通のノートとペンだ。

 

「あげるわ。私からのプレゼントよ。それを使って知識を記憶しておきなさい」

 

「わかった。いつの間に買ったの?」

 

「舞と出会う前よ。自分で使うために買ったけど、イストワール様の話をノートに纏めて記憶していたのを見てその後あんたにあげようかなって思ってたのよ。まだ使ってないからページは全て白紙。魔法のことだけじゃなくてこれから先に何か記憶したい時に使うといいわ」

 

「本当にありがとう。大切に使うね」

 

これから先に役に立つことは間違い無いと言える。

貰った物はしっかりと使って行かないとね。

 

「それじゃ、早速話を進めていきましょうか。舞、あんたがやってたゲームでは魔法はどういう仕組みで発動していたかわかる?」

 

「う~ん。物によって違ってくる感じかな。単純に自分が持ってる魔力をそのまま攻撃魔法として敵に放つとか、魔力が無くても大気中に飛び散ってる魔力の代わりになるようなエネルギーを集めて使うとか。後はその土地に秘められてる属性の力を借りて使うとか本当にいろいろあるよ。運用の仕方はゲームと登場するキャラクターによっては大きく異なることもある。こんな感じかな」

 

「なるほどね。今言ってくれた魔法の使い方はゲイムギョウ界で魔法を使うにそのまま使うことができるわ。本格的な魔法使いが全くいないわけじゃないけど、このゲイムギョウ界では近接タイプで魔法を少し使う人が多い傾向がある。これには私とネプギアが当てはまるわね」

 

どうやら私がプレイしたゲームに登場した魔法の知識はゲイムギョウ界でも有効のようだ。

魔法を使えると仮定してもどの運用の仕方が合っているのだろうか。

 

銀の女神の力を借りている継承者とは言え元は普通の人間だから

魔法を使うということ自体ができるのかわからないことではあるのだが…。

 

「魔法の使い方は人それぞれよ。私は魔力を攻撃魔法に変換する形で使ってるわ。魔法を構築するのは自分のイメージだけどね。ネプギアの場合はまだ見たことが無いと思うけど自分の武器に属性を付け加える形で使うことが多いわね」

 

「なるほど…。属性武器みたいなものかな。魔法の属性にはどんなものがあるのかな?」

 

魔法の属性もゲームによってはいくつか存在する。

中には複数の属性を組み合わせた物が存在するくらいだ。

 

「火、氷、風、雷、無の5つよ。補足すると最初に言った4つの属性は各国の大地にも宿っているわ。私達がいるプラネテューヌには雷属性が、ネプギア達がいるラステイションには火属性。この先に訪れるルウィーとリーンボックスにはそれぞれ氷属性と風属性。と言った感じにね。無属性はその土地の属性を借りずに魔法を放ったりだとか、何も考えずに単純に魔力をぶつけるイメージを持てば発現する属性よ」

 

「それぞれの相性はどうなるの?」

 

相性と言う物はかなり重要だ。戦いの行方を大きく左右すると言っても過言ではない。

例えば火を使うモンスターに火属性の魔法を使ってもたいした威力は出せない。

この場合は半減から始まり最悪の場合は無効や吸収などもあり得る。

相手が持つ、あるいは得意とする属性を理解して的確に弱点を突くことは必要である。

 

「属性の相性はこうなっているわ」

 

アイエフが教えてくれた属性の相性を纏めるとこうなる。

 

火は風に強く、氷に弱い。氷は火に強く、雷に弱い。

雷は氷に強く、風に弱い。風は雷に強く、火に弱い。

無は全ての属性に対してそれなりにダメージが通るということになる。

 

「基本的な知識はこれくらいね。どう?理解はできそうかしら」

 

「まぁ、ゲーム好きの私には馴染み深いところはあるからね。私が魔法を使うとすればどういう形で運用するのがいいのかな?」

 

「舞の場合はゲームで出てきた魔法をイメージしてみれば割と上手くできそうな気はするけど。初級の魔法とかあるんでしょ? 序盤から使える物とか、その辺りから引っ張ってきてみたらどうかしら。後、使う時は集中することね。あの特殊な女神化をする時の集中力を魔法にも転用すれば後は発動するかしないかの問題よ」

 

「とりあえずやってみようかな」

 

私は目を閉じて集中する。記憶の中からキャラクターが使っていた魔法を探す。

初級から上級までさらに合体魔法などたくさんあるが初級魔法のみを引き出していく。

初級魔法のみでもかなりの数があるのだが、初期状態から使える物を重点的に選ぶ。

 

「…」

 

「その調子よ。集中力を切らさないでその状態をキープするの」

 

アイエフの言葉に集中力をさらに高める。そして…。

 

「フレイムフェザー!」

 

目を開いて魔法の名前を叫ぶと銀色の炎が1発、前方に飛んで行った。

射程はそこまで長くないし、初級なので威力も多分そこまで高くはないだろう。

魔法を使うことができただけでも喜ぶべきところではあるとは思うが、

初級魔法一回でかなり疲れる。ゲームで表現するならばMP消費が無駄に大きい。

素直に喜ぶことができない私がそこにいた。今の状態だと戦闘で使用するのは難しい。

 

「はぁ…」

 

「魔法を使えてはいるけど消耗がかなり激しいみたいね。休憩を入れながら練習していきましょう。まずは慣れることね。こればかりは回数を重ねるしかないわ」

 

私は休憩を入れながら魔法の練習を繰り返す。攻撃魔法のみではなく

補助魔法の練習もした。補助魔法についてはアイエフが被検体になってくれたが

効果はきちんと出ているから大丈夫とのこと。

 

結果として発動後の疲労は少し軽くなってきたのだがやはり疲れる。

上級魔法を使おうものなら倒れることを覚悟しなければならないだろう。

 

「最初に比べてマシになってきたみたいだけど、戦闘で使うにはまだ足りないわね。銀の女神の力を解放したらどう? もしかしたら何か変わるかもしれないわ」

 

私は銀の女神の力を解放しようとするが、何も起こらない。

銀のグローブも脚甲も展開される気配が無い。

 

「あれ…? 展開できない。魔法の練習のし過ぎかな?」

 

「そうかもしれないわね。少し休みなさい。また起こしてあげるから」

 

「ごめん。それじゃあ休ませてもらうね」

 

私は草原にそのまま寝転び、目を閉じると即座に意識を手放す。

心地よい風も手伝って昼寝するにはもってこいの場所だと改めて感じた。

 

「あれがショップに売られていたらいいんだけど…。諜報部に連絡して調べてもらおうかしら」

 

舞が眠りに就いたのを確認したアイエフはその横に座って携帯電話を取り出す。

電話をすると起こしてしまう危険があったのでメールを送信する。

 

「これでよし…。後は結果を待つだけね」

 

アイエフは諜報部の仲間にとあるアイテムがショップで販売されているかの

確認と販売されていればそれをいくつか購入して持ってきてほしいとお願いをした。

この場所は秘密の場所だがアイエフの携帯には現在位置を知らせる機能が搭載されているので

特に問題はない。後は仲間が持ってきてくれるのを祈るだけだ。

 

それから時間が経ち私は再び目を覚ます。

 

「起きたわね。どう? 少しは楽になったかしら」

 

「大丈夫。これでまた練習できるよ。銀の女神の力を解放するね」

 

「その前にこれを飲みなさい」

 

アイエフが私に差し出したのは小さな茶色の瓶。Nと書かれたラベルが貼られている。

 

「これって…。ネプビタン?」

 

「そうよ。あんたが眠った後に諜報部の仲間にメールを送ったのよ。企画書を提出したネプビタンがショップで売られていないか調べて欲しいって。もし売られていたら何本か買って届けて欲しいってお願いしたの」

 

「そうなんだ。これがここにあるってことは…」

 

「実際に商品として扱われているってことよ。ネプ子にいい報告ができるわね。きっと喜ぶと思うわ。それを飲んでから練習を再開しましょう」

 

ネプギアのお姉さんが考えて、私とネプギアで開発したネプビタン。

自分が考えた物ではないがネプギアと2人で初めて開発した物だから

それが実際に売られているんだと思うと喜びを隠せない。

自分でもアイテムを企画して開発してみたいと強く思った。

 

ネプビタンを飲み、疲れと眠気を吹き飛ばした私は銀の女神の力を解放する。

今までと同じく銀のグローブと脚甲が装着される。ふと思ったのだが

最終的に全てのプロセッサユニットが揃うとどんな姿になるのだろう…。

 

銀色と言えばとある装備が思い浮かぶのだがあの装備を

露出が激しくなるように改造した姿になるのだろうか。

どうなるにせよそれを確かめるには自分を鍛えるしかないが。

 

銀の女神の力を解放した私はアイエフに見てもらいながら再び魔法の練習を開始する。

解放する前と比較すると威力と発動速度は高まっているようだが消耗が大きいことは変わらない。

先ほどのように息が上がったりはしないのだが動きが鈍くなってしまう。

 

「やっぱり消耗の大きさが難点ね。こればかりはすぐには直せないわ。私だって最初の頃は今のあんたと同じような感じだったから。とても戦闘じゃ使えない状態だったけど、練習を重ねて今の状態に持ってくることができた。今は無理でもこれから先、鍛えればできるはずよ」

 

「魔法が使えることがわかっただけでも十分とは思うけど、1回だけでもいいから戦闘で使える魔法が欲しいな」

 

「そうね…。なら、その状態で私と一緒に魔法を使ってみるというのはどう? 二人で一緒にやればあんたの負担も軽くなるんじゃないかしら」

 

確かに魅力的な提案だ。私の魔法の実力だと

合体魔法と呼称するにはまだ足りない気もするが挑戦する価値は十分にある。

 

私は目を閉じて集中を始め、魔法のイメージを構成する。

隣にいるアイエフも目を閉じて集中する。私達の足元に赤い魔法陣が浮かぶ。

ちなみに今回使うのは火の攻撃魔法だ。私の火の初級魔法と

アイエフが使う魔界粧・轟炎を組み合わせる。

 

私達は目を開きそれを解き放つ。地面から銀色の炎の柱が立ち上ると

それが一点に収束して小さな炎の玉を作り出した。その炎の玉は地面に当たると

小規模な爆発を起こした。地面にはまだ小さい炎が残ったままになっている。

 

「なかなか面白い魔法ができたじゃない。これなら戦闘でも使えるんじゃない?」

 

「私も驚いたよ。1人で使うよりか消耗も少ないみたい。アイエフのおかげかな」

 

銀の女神の力を解放した状態で一緒に使えば戦闘で使えるレベルになるようだ。

最終的には自分1人でも戦闘で使えるようにならなければならない。

誰の力も借りずに1人で戦わなければならない時もあるはずだ。

 

「今はこれが使えたことが大きな進歩と言ってもいいわね。今はあんたが戦闘中に倒れないように制限を設けておいたほうがいいわね。補助魔法で2回。今使った合わせ技を1回としておきましょう。これからの方針としては練習を積み重ねてこの制限を無くすことを目標とする。これでどうかしら?」

 

「わかった。そうするよ。倒れて戦えないなんて言いたくないしね。これから頑張らないと」

 

「練習ならこれからいつでも付き合うわ。さらに本格的な魔法の習得を目指したいなら魔法を主流に戦う人に教えてもらう必要があるけどね。あんたのことだから最終的にはゲームみたいに超強力な上級魔法を使ってみたいとか思ってるんじゃないの?」

 

「うっ…。確かに憧れてはいるけど、そんなのいつになるのかわかったものじゃないね。魔法だけじゃなくて剣と銃の扱いも鍛えないといけない。やることがいっぱいだよ。ここに来る前にやってたゲームを思い出すくらいだから」

 

魔法だけ鍛えてもあまり意味は無い。あらゆる局面に対応できるように

それ以外の物も疎かにならないようにしないと。女神化封じとか物理攻撃無効だとか

魔法吸収など…。後の2つは私がプレイしたゲームに登場する特性だが

このゲイムギョウ界にも存在しないとは言い切ることはできない。

 

「頑張りなさい。あんたみたいに教えがいがある人なら教えるこっちも勉強になる時もあるの。私だけじゃなくてこれから先に出会うであろう色々な人から戦い方だけじゃなくて色々なことを教えてもらうといいわ。勉強したことは必ずあんたの力になるはずよ」

 

「うん。アイエフ、本当にありがとう。私、頑張るね」

 

私にはまだまだ課題が山積みだ。その現実を再認識したところで

パーカーのポケットに入れていたNギアがぶるぶると震える。

 

「ネプギアからじゃない? 出てみなさい」

 

Nギアを取り出してボタンを押すと画面にネプギアが映る。

 

『舞さん。今いいですか?』

 

「練習もいい感じに終わったところだから。そっちはどんな感じ?」

 

『はい。血晶の情報なんですけど…。ラステイションの防衛隊の人が仕事で行ったダンジョンで見かけたそうなんです。ただ、教える代わりにモンスターを退治する仕事を引き受けて欲しいって言われて…』

 

「交換条件ってこと? あいつの顔を思い出すわね。まぁ、やるしかないのだろうけど」

 

「私もケイの顔を思い出したよ。私達はそっちに合流すればいいのかな?」

 

『お願いしてもいいですか?』

 

「それじゃあ、アイエフと一緒にそっちに合流するよ。ちなみにターゲットはどんなモンスターなの?」

 

『リビートリゾートに生息しているシーハンターっていうモンスターだそうです。防衛隊の皆さんでは手に負えないそうで強いモンスターみたいですね』

 

エンシェントドラゴンみたいな危険種なのかは知らないけど

防衛隊で手に負えないって言うことはボス級と見てもいいのかな。

 

「わかった。その条件を引き受けておいてくれる?私とアイエフもそっちに向かうから。現地で直接合流しよう」

 

『わかりました。それじゃあ入口のところで待ってますね』

 

「了解」

 

ネプギアとの通信が切れた。

 

「なんか、タイミングがいい気もするけど…。ケイが後ろで防衛隊にネプギア達に情報を教えるように指示してたりして」

 

「あんたが言うと本当にありそうで怖いわね…。とりあえず今は出された条件をクリアしましょう。ラステイションに向かうわよ」

 

私とアイエフはバーチャフォレストを後にしてラステイションのリビートリゾートに向かう。

レア素材探しの旅も佳境に入ってきたようだ。果たして血晶はどこにあるのだろうか…。

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