超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game22:ホワイトシスターズ

私の前に現れたルウィーの女神候補生、ホワイトシスター。

自身の武器であるステッキでリンダを吹き飛ばした彼女は人質になっていた少女に近づく。

 

「ロムちゃん、大丈夫だった? もっと早くわたしが来ていればこんなことには…」

 

「ううん…。ラムちゃんは悪くない。このお姉ちゃんが助けてくれたから大丈夫。このお姉ちゃんの仲間の人達もみんな助けに来てくれた」

 

リンダに人質にされていた少女がロム

女神化して現れたもう一人の少女がラムという名前のようだ。

 

「いきなり現れやがってこのクソガキ! よくもやりやがったな!」

 

「ロムちゃんを泣かせてユーカイするなんて! あやまっても絶対に許さないから! まだやるなら相手になってあげるわよ! ロムちゃんも変身して!」

 

「うん…」

 

ロムの体が光に包まれる。光が晴れるとそこには水色の髪を持ち

ラムと同じタイプのプロセッサユニットをその身に纏ったロムがいた。

女神の印はその瞳にしっかりと発現している。瞳の色はラムが水色でロムが赤色。

ルウィーの女神候補生達。名づけるならホワイトシスターズとつけるところである。

見た目を見る限りではかなり似ているので双子ということになるのだろうか。

 

「お姉ちゃんも一緒に行く…?」

 

「もちろん。でも私達だけじゃ物足りないところがあるね。ネプギア、ユニ。来てくれる?」

 

「わかりました!」

 

「任せなさい! アクセスッ!」

 

ネプギアとユニも女神化をする。パープルシスターとブラックシスターが

この場に降臨したことで5人の女神が並び立つ形になった。

 

「は…? 女神が五人…? ちょ、意味がわかんねぇんですけど!」

 

リンダが驚愕の表情で喚き散らす。

確かに目の前にいきなり五人も女神が現れて取り乱さない人はいないと思う。

 

「嫁たちがこんなに! これってすごい光景だよね!」

 

「確かにそうね。女神化したこの五人が並んでる姿は女神化したネプ子達に匹敵するすごさよ」

 

「本当です。みんなカッコイイです!」

 

RED達はこの光景を高く評価していた。事実、私も隣にこれだけの数の女神がいると

内から凄まじい自信が滾ってくる。だからと言って気は抜かないけどね。

 

「さて、どうお仕置きしようかな?」

 

「いやいや…。この状況は本当におかしいだろ…。ここは、逃げるしかねぇ! 覚えてろよ!」

 

リンダはそう言うと凄まじい速度でその場から逃げだす。

定評のある逃げ足の速さでその姿はあっという間に見えなくなった。

 

「本当に逃げ足が速いね。その点は素直に評価するよ」

 

「変身したわたし達を前にして逃げ出したわね! やっぱりわたし達ってばさいきょー!」

 

「さいきょう…。わたしを助けてくれたお姉ちゃん達もさいきょう…」

 

「いや、私はまだまだだよ? 本物の女神には流石に敵わないから…」

 

「舞さんも十分強いですよ。もっと自信を持ってください」

 

「そうね。アンタは十分強い。それは事実ね。アタシが追いつかれるのも時間の問題かしら?」

 

銀の女神の力を借りている私は段階的にプロセッサユニットを展開することができてはいるが

全てを解放して完全な姿になったその時こそ自信を持って言える時だと私は考えている。

 

「それで、あなた達は誰なの?」

 

「私は神奈 舞って言うの。舞って呼んでくれたらいいからね。」

 

「私はネプギアだよ。お姉ちゃん…。じゃなかった。ネプテューヌの妹で女神候補生だよ。」

 

「アタシはユニ。黒の女神の妹でラステイションの女神候補生よ。立場的に言えばアンタ達と同じってことね。」

 

「ねぷてゅーぬ? それにラステイションって言ったわね。」

 

「言った…。舞お姉ちゃんの友達はプラネテューヌとラステイションの女神候補生…」

 

「ふ~ん。他の国の女神ってわけ? ってことはわたし達の敵じゃないの?」

 

「えっ…?」

 

私はラムが言ったことに驚きを隠せなかった。

会うのは初めてのはずなのに敵として認識されているのだから。

 

「ええっ! どうしてそうなるの!? 同じ女神候補生なのに!」

 

「アタシも意味が分からないわね。他の国の女神は全て敵ってことかしら?」

 

「ルウィーにやって来たってことはシェアを横取りしに来たんでしょ? 他の国の女神がわざわざやってくる理由なんてそれくらいしかないじゃない」

 

「むかし、そういう女神がいたってこの前に読んだ本に書いてあった…。舞お姉ちゃんもルウィーのシェアを横取りしに来たの?」

 

本に書かれている情報をそのまま鵜呑みにしていると言うことか…。

彼女達はネプギアやユニと違って幼く見える。情報の選別ができていないだけなのだが、

ケイの忠告の意味がようやくわかった。確かに幼い彼女達には厄介なところがありそうである。

ここは上手く言わないと誤解は解けないだろう。私はロムの質問に答える。

 

「違うよ。確かに四女神達…。ネプギアとユニ、ラムとロムのお姉さん達は過去にシェアを巡って争ってたことがあるって聞いた。でも、今は違う。四人で協力して戦うこともあるって聞いたよ? お姉さん達はロムから見て仲が悪そうに見えた?」

 

「ううん…。みんなで集まって楽しそうに見えた…。それがどうしたの?」

 

「それが答えだよ。私達は手を取り合うことができる。敵じゃなくて友達になれるはずだよ? お姉さん達も最初は争うことはあったかもしれないけどロムが見たようにシェアを奪い合う敵じゃなくてお互いに助け合う友達になれたと私は思う。私達が今この場で争っても何も変わらない。全てを信じてほしいとは言わないけど、私と…。私達と友達になってくれないかな?」

 

「そんなこと言って! お姉ちゃん達がそうだったからって、あなた達がわたし達の敵であることは変わらないわ! ロムちゃん、こんな奴らやっつけるわよ!」

 

「…」

 

ステッキを構えて戦闘態勢に入るラムだがその行動に反してロムは女神化を解除する。

 

「ロムちゃん…? どうしたのよ?」

 

ロムはゆっくりと私の方に歩いてきて手を握ってくれた。

 

「ロム…?」

 

「わたしは、舞お姉ちゃんの事を信じる…。だって舞お姉ちゃん、悪い人に捕まったわたしを助けてくれた…。 ネプギアちゃんとユニちゃんは一緒に悪い人をこらしめようとしてくれた。悪い人だとは思えない。だからわたしは舞お姉ちゃんのことを信じる」

 

「ありがとう。ロム」

 

私は銀の女神の力を解除してロムの手をしっかりと握る。

 

「ロムちゃん…。嘘よね…? そんな奴の言葉を信じるって言うの?」

 

「嘘じゃないよ…。舞お姉ちゃんの事を悪く言うならラムちゃんのこと嫌いになる…」

 

「ふ、ふーんだ! ロムちゃんの事なんかもう知らない! そいつについて行きたいなら勝手にすればいいわ!」

 

ラムはそう言うと展示場の空いた窓から外に飛び去って行った。

 

「ラムちゃん…」

 

ロムは目に涙を浮かべてラムが去ったところを見ていた。

 

「ごめん。こんなことになるとは思わなかった…。私の考えが甘かったのかな…」

 

「舞お姉ちゃんは悪くない。ラムちゃんも舞お姉ちゃんの事をきっとわかってくれるって信じてる。でも、涙が止まらない…。ラムちゃんを裏切って舞お姉ちゃんのことを信じたわたしはダメな子なのかな…?」

 

「そんなことない。ロムは私の言葉を聞いて自分で考えて私の事を信じてくれたんだから。ロムが選んだことは間違いなんかじゃないよ。二人が仲直りできるように私もできることをする。私の友達もきっと協力してくれるから一緒に頑張ろう?」

 

「うん…。ありがとう、舞お姉ちゃん」

 

私はロムの頭を撫でる。瞳から流れ出す涙は止まったが

泣き疲れたのかロムは眠そうな顔をしているように見える。

後は街に戻るだけだが歩かせるのもまずいと思ったので…。

 

「私の背中に乗って」

 

私はロムに背を向けてしゃがむ。ロムは私の背に乗る。

 

「しっかり捕まっててね。教会に行けばいいのかな? ネプギアはどう思う? というかさっきから黙ってるけどどうかしたの?」

 

 

「いえ…。舞さんって本当にお姉ちゃんみたいだなって思って」

 

「妹とかいないけどね。無意識にそんな感じになってたのかな?」

 

「アタシから見ればさっきのアンタ、完全にお姉ちゃんになってたわよ。見てて違和感がなかったくらいだもの。教会でいいんじゃない? 教会はアタシたち女神の家みたいな場所だし」

 

「私もそれでいいと思うわ。元から私達は教会に向かう途中だったんだから」

 

ここから教会に向かうという方針で決まりのようだ。

私達はルウィー国際展示場を後にしてルウィーの街に戻る。

街に戻ると後ろから寝息が聞こえてきたので見てみるとロムは眠っていた。

 

「幸せそうな寝顔だね? 見てるだけで惚れちゃうよ」

 

「舞さんに懐いているですね?」

 

「起こさないように静かにしないといけないね。早く教会に向かおうか」

 

私達は教会に向かう。道なりに真っ直ぐ進むと少し高い場所にある教会に着いた。

 

「失礼しまーす…」

 

「ようこそ。ルウィーの教会へ。あら? あなたの背中に乗っているのはロム? それに薄紫の髪のあなたと黒髪のあなたはもしかしてプラネテューヌとラステイションの女神候補生ですか?」

 

「あっ、はい。プラネテューヌの女神候補生のネプギアです」

 

「ラステイションの女神候補生のユニよ。アンタがこの国の教祖?」

 

「はい。西沢ミナと申します。ロムを背負ったあなたは一体…。それにその瞳は…」

 

「私は神奈 舞だよ。私の事を話す前にどこか休める部屋はあるかな? 眠っちゃったロムを横にしてあげたいんだけど…」

 

「あるにはあるんですが、さっきラムが帰ってきて部屋に閉じこもってしまったんですよ…。呼びかけても入ってこないでって言うばかりで。あっ、そうだ。ブラン様の仕事部屋にもベッドがありました。そこに案内しますね」

 

ミナの後ろをついて行き、教会の奥に進むとかなり広めの部屋に着いた。

奥にある机には一台のパソコンがあり書類が綺麗に積まれた状態になっている。

その机の近くにハート型のベッドがあった。私はロムを背中から下ろして横に寝かせる。

 

「帽子もとっておこうかな。寝るのに邪魔だと思うし」

 

ロムの水色の帽子を外して布団をかぶせてあげる。

 

「何か書く物は…。あっ、これがあったね。」

 

魔法を教わる際にアイエフにもらったノートとペンがあった。

ページにロムへの伝言を書いてその部分を切り取って机の上に書置きとして残しておく。

その横にロムの帽子を置いているのでこれで気付いてくれるだろう。

 

「これでよしと…。ありがとう。これで話ができるね」

 

「いえいえ。ここではなんですから別の部屋に皆さんを集めてお話を伺いましょうか」

 

私とミナは部屋を出てネプギア達の下に戻る。そのまま別の部屋に移動して話を進めていく。

 

「さて、改めまして皆さん。ようこそルウィーの教会へ。候補生とはいえ女神自らが足を運ぶとは重要な案件があると判断しますが…。あなた達のお話を伺う前にあの二人と何があったのかを聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」

 

「うん。ついでに私のことも全部話すよ。私のことについては信じられないかもしれないけど」

 

私はこの国に来てから現在に至るまでの事をミナに話す。

私と銀の女神についてはケイに話したことと同じことを伝えた。

銀の女神についてはあれからまだ新しいことは判明していないからである。

 

「なるほど。事情はわかりました。ラムが部屋に閉じこもっているのはそういうことがあったからということですね。何分あの子達はまだ幼いので、今回のように迷惑をかけることも多いとは思いますが…」

 

「気にしないで。私もラムとロムくらいの時は人に迷惑をかけてばかりだったから。今もそれは変わらないけどね。今はまだ時間が必要だよね?」

 

「そうですね。ロムはあなたに随分と懐いていたようですけど、ラムは部屋に閉じこもったままですから、まだ時間がかかりそうですね。ラムの様子は私が見ておきます。なにかあれば舞さんにも知らせますので。それでは次はあなた方のお話を伺いましょうか」

 

ユニの時と同じくまずは時間が必要だ。ロムは私の手を取ってくれたが

今の状態のラムはきっと私の手を取ってはくれないだろう。

 

二人の間にできてしまった歪みを無くして

仲直りができたその時こそもう一度手を差し出す時だ。

 

今度は私達がルウィーにやってきた理由をミナに話す。

ギョウカイ墓場に幽閉された四女神を救出するために

ゲイムキャラと女神候補生の協力が必要なことを伝えるが…。

 

「残念ながら、ご期待には応えられません。理由を挙げるなら、この国のゲイムキャラにはある重要な役割を担ってもらっているのです。彼女がこの国を離れた時にはルウィーと言う国その物が危機に陥ることになってしまうのです」

 

「つまり、国を滅ぼせるほどの要因があってそれを封印しているってこと…?」

 

「舞さんのおっしゃる通りです。プラネテューヌとラステイションのゲイムキャラが同行しているのには驚きましたが、彼女が長期間この国を離れることになれば、封印が解けてしまうのです」

 

「具体的には何を封印しているのかは教えてくれないわけ?」

 

「残念ながらこれ以上は私から話すことはできません」

 

「場所も当然教えてもらえないですよね? ならまた自分達で探すことになるです?」

 

「あの下っ端に見つけ出される前にアタシ達で見つけるしかないよ! 見つけられて壊されたりしたら本当に取り返しのつかないことになっちゃうかも!」

 

「じゃあ、また一から頑張るしかないね」

 

同行が出来なくても力を貸してもらうだけならできるかもしれない。

それにリンダもこのルウィーに入っていた。今回も先回りが必須条件になってくるだろう。

 

「お止め立てはしません。あなた方ならゲイムキャラを見つけても無理やり連れていくなんて真似はしないと信じていますから。実際にあなた方に同行しているプラネテューヌとラステイションのゲイムキャラも無理やり連れてきたということはまずないでしょう?」

 

流石に無理やり連れて行くと言った強引な真似はしない。

パープルディスクは自分から同行してくれてるし、ブラックディスクは

クロの介入のおかげとは言え自分の意志で私達に同行してくれているのだ。

 

「ゲイムキャラのことについては協力はできませんが、このままお引き取りを願うのはあまりに失礼なので私からあるお話をさせていだだいてもよろしいでしょうか?」

 

「どんな話かな?」

 

「この国に伝わる犯罪神マジェコンヌの伝承です。この国には過去の歴史を記録した書物が比較的多いのです。その中には舞さん、あなたと密接な関係を持つ銀の女神に関する記述もほんの僅かではありますが記されている物がありました。その二点についてお話をさせていただきます」

 

ミナが私達に語るのは犯罪組織が蘇らせようとしている犯罪神マジェコンヌの伝承。

そして僅かに残された銀の女神の記述。どちらかと言えば私はこちらの方が気になるが…。

私達はミナの話に耳を傾ける。初めに語られるは犯罪神マジェコンヌの伝承であった。

 

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