超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game24:紫の女神との誓い

リンダに誘拐された時に落としてしまったと思われる

お揃いのペンを探し出すため私達は再びルウィー国際展示場に到着した。

 

ロムを救出する際はパーティを分けて西口と東口のそれぞれの入口から

展示場内部に侵入したが今回は東口から探索を開始することになった。

 

前回侵入した時と同じく展示場内部にはモンスターの姿が多数確認できる。

今回は探索の邪魔になるため可能な限りモンスターを倒しながら先に進む。

 

私達の前に現れるモンスターは紫色のブロックの姿をしたモンスターに

二足歩行の猫型モンスターに加えて12面体のサイコロに乗った猫型のモンスター。

 

これらのモンスターは最初の頃に出会ったモンスターと比較すると強いようだが

私達の前にはあまり意味をなさなかった。ネプギアの鋭い剣技、ユニの正確な銃撃、

ロムの強烈な魔法を前にしてモンスター達は次々とその体を光に変えて消滅していく。

 

ロムは魔法を主軸に戦うようで手に持った杖から強力な魔法を放つ。

このゲイムギョウ界に存在する属性を全て扱えるようで魔法の幅は非常に広いと言える。

さらにロムの繰り出す魔法は詠唱の時間がほぼ存在しないと言っても過言ではなく

同じ魔法を使う者としては純粋に憧れる点があった。

 

私もクロからもらった太陽の杖を使ってモンスターを倒していく。

この杖の攻撃方法は二つある。一つは直接近づいてモンスターを殴るという方法。

もう一つは杖を敵に向けて振ると銀の魔力弾を飛ばせるのでそれを当てるという方法である。

ちなみにこの魔力弾についてだがゲームで例えるなら○ボタンで繰り出す通常攻撃と

同じ扱いのようで魔法を使う時と違い疲労は襲ってこない。魔法の練習も間に加えてはいるが。

 

「フィブルマインド!」

 

私が使った魔法は敵の魔法攻撃に対する抵抗力を下げる効果を持つ魔法。

これを使ったら即座に魔力弾を敵に飛ばしてダメージを与えていく。

こちらの火力を上昇させて力で押す方法も確かに有効ではあるが

守りが固い敵に対しては敵の防御力を下げて攻撃を叩きこむという方法も有効である。

 

周囲の敵を全滅させた私達はペンが落ちていないかを素早く確認する。

あまり時間をかけすぎるとモンスターが復活してしまうからだ。

探索を進めた結果、ペンは見つからず最後にリンダを追い詰めた場所に到着した。

 

「最後に残ったのはここか…。ここにあればいいんだけど」

 

「街とここに来るまでの道にはありませんでしたから、きっとここにありますよ」

 

幸いにも付近にはモンスターがいないようなので雪をどけながらペンを探す。

 

「ネプギアちゃん、ユニちゃん」

 

「どうかした?」

 

「どうしたの? ロムちゃん」

 

「お姉ちゃんのことは知ってる…?」

 

ロムのお姉さん、それはこのルウィーを守護する白の女神ホワイトハートのことだ。

捕らわれる前は他国の女神同士で交流をすることはあったのだろうか。

 

「ブランさんのことだよね? 知ってるよ。とは言ってもあまり話したことは無いけど、素敵な人だと思う。知的で神秘的って言うか、落ち着いた人って感じなのかな? お姉ちゃんはキレる若者とか言ってたけどあれってどういう意味なんだろう…」

 

「アタシはお姉ちゃんのところに女神の仕事の関係で来ていた時に何度か会っただけね。本人と直接話はしたことがないけど、お姉ちゃんからブランさんの事は聞かされていたわ。怒らせると大変なことになるってお姉ちゃんが何度か言ってたわね。まぁ、ああいう落ち着いている人こそ怒らせたら本当に大変なことになるんでしょうね…」

 

「お姉ちゃん、怒ったら目が赤い点になってハンマーを持って追いかけてくるよ? わたしとラムちゃんがよくいたずらして怒られてたから」

 

ロムが言うには怒ると別人のように豹変するらしい。

その要因となるのがラムとロムがよくするいたずらにある。

 

いたずらにも様々な物があるようだが最も多いのは

仕事の書類や参考資料となる書物に落書きをするということだそうだ。

仕事熱心なところがあるらしく、なかなか一緒に遊ぶ時間を作ってくれないらしい。

 

「もう一つ聞いてもいい? お姉ちゃんは悪い人に捕まってるの…?」

 

「…うん。ギョウカイ墓場ってところに捕まっているの。私達はお姉ちゃん達を助けるために旅をしてるんだ。だから、ロムちゃんとラムちゃんにも一緒に来てほしいって思ってるよ。みんなでお姉ちゃん達を助け出したいんだ。ロムちゃんはそのことをどうやって知ったの?」

 

「教会の人とミナちゃんが話しているのを聞いちゃった…。ラムちゃんも知ってるって言ってた。お姉ちゃんに会いたいよ…」

 

「大丈夫だよ。必ず助けてみせるから。私だってネプギアとユニ、ロムとラムのお姉さんに会ってみたい。今すぐには無理だけどみんなで頑張ればきっと大丈夫。私はそう信じてる。」

 

「うん…。ありがとう。舞お姉ちゃん」

 

私達は再びペンの捜索を再開する。探し始めてどれくらいの時間が

経ったのかわからないが積もった雪をどかしながら捜索を続ける。

 

「ん…。これは…?」

 

私が雪をどかすとそこにはペンが落ちていた。私はそれを手に取ってロムに見せる。

 

「探し物はこれかな?」

 

「あっ…! わたしのペン…!」

 

どうやら当たりのようだ。赤の他人の物だったらどうしようかと思ったけど…。

 

「ふぅ…。見つかってよかった。ネプギアとユニも手伝ってくれてありがとう」

 

「いえ。見つけることができてよかったです」

 

「改めて思ったけどみんなで協力するのも悪くないわね。よかったじゃない。無事に見つかって」

 

この成果もみんなで協力して探したから出せた物だろう。

 

「あの…。ありがとうございました!」

 

「気にしないで。これからはもう無くさないようにしないとね」

 

「うん」

 

ロムはペンを肩にかけた鞄にしまう。物をしまうポケットが

複数あるようで鞄に入れた物を分類することができるようだ。

 

「舞お姉ちゃん…。どうしてわたしのペンを探すのをすぐに手伝ってくれたの? それにネプギアちゃん達はお姉ちゃん達を助けるために旅してる…。プラネテューヌやラステイションから遠いルウィーまで来るだけでも大変なのに、どうしてみんな手伝ってくれたの?」

 

「そうだね。私はロムが困っているのを見て少しでもいいから力になりたいって思ったからかな。それに目の前の困っている人を助けられない人が他の誰かを助けるなんて無理なんだよ。私の尊敬する人の言葉の一つだけどね。それはネプギアとユニも同じことを知っていて協力してくれたんじゃないかな?」

 

「舞さんの言う通りです。目の前で困っている人を無視してお姉ちゃんを助けたとしてもきっと喜んでくれない。そう思ったからかな。それに私じゃなくてお姉ちゃんが困ってるロムちゃんを見ても同じことをしたと思うよ?」

 

「そうね。アタシも舞やネプギアと同じ気持ちよ。それに困っている人を無視なんてしたら逆にアタシがお姉ちゃんに怒られるわ。私があなたと同じ立場だったらこうしたわ。って言われてね」

 

「それにみんな優しいからね。この世界に来て右も左もわからなかった私にみんなは手を差し伸べてくれた。ロムが困ってるなら私達が力になるよ。だから困った時は遠慮なく言ってね?」

 

「ありがとう…」

 

ロムのペンを無事に見つけ出すことができたので後は街に帰るだけだ。

そう思った時、私のNギアが震え出して着信を知らせる。

 

「アイエフさんからじゃないですか?」

 

「何かあったんじゃない? 出てみなさいよ」

 

私はNギアを取り出してボタンを押す。

Nギアの画面にSOUND ONLYと表示されておりアイエフの声が聞こえてきた。

ちなみにNギア同士の通信だと相手の顔が画面に映し出される。

 

「アイエフ、どうしたの?」

 

『アンタ達がそっちに行った後、下っ端をマークしてたら収穫があったわ』

 

「何かわかったの?」

 

『あの後、下っ端に電話がかかってきたの。相手は誰か知らないけど大きい声で話してたからこっちにも内容が少し聞こえてきてね。ゲイムキャラとブロックダンジョンって聞こえてきたわ。きっとそこにゲイムキャラがいるのよ』

 

「ブロックダンジョン…?」

 

「どこかのダンジョンを示しているんでしょうか…?」

 

「世界中の迷宮…」

 

「世界中の迷宮? ルウィーにはそんなダンジョンがあるの?」

 

「うん…。街から遠いけどあるよ。ブロックがいっぱいあるところだから、たぶんそこのことだと思う。舞お姉ちゃん達が行きたいなら案内するよ?」

 

ロムはブロックダンジョンの事を知っているようで道案内を申し出てくれた。

 

「お願いしてもいいかな?」

 

「うん」

 

「アイエフ、いったん街で合流してから向かおうか?」

 

『わかったわ。それとアンタ達、探し物は見つかったの? 聞くのを忘れてたけど』

 

「うん。その件についてはバッチリだよ」

 

『それはよかったわ。なら、なるべく早く戻ってきてもらえる? その電話があった後にあの下っ端も動き出したみたいだからゲイムキャラがアイツに見つかるのも時間の問題よ。』

 

「わかった。すぐに戻るよ」

 

目的を達成した私達はルウィー国際展示場を後にして街に戻る。

街に戻りアイエフ達と合流した私達はロムの案内に従って世界中の迷宮へと向かう。

 

その頃、場所は変わってルウィーの教会の自分の部屋に閉じこもっていたラムは…。

 

「はぁ…。わたし何やってるんだろう…。ロムちゃんにあんなひどいことを言って。きっとロムちゃん、わたしの事怒ってるよね…?」

 

ラムはあの時にロムに勝手にすればいいと強く言い放ったことを後悔していた。

 

「わかってる…。あの人たちはお姉ちゃん達を助けるために頑張ってるんだって…。ロムちゃんが懐いているあいつは間違ったことを言ってないことくらい…。わたしとロムちゃんが動かないとお姉ちゃんはいつまでも帰ってこないってことも…。でもそのために何をすればいいのか、わたしは何がしたいのかわからない…。どうすればいいの…?」

 

その呟きは誰かに聞かれることもなく消えていった。

 

世界中の迷宮。それはルウィーの街からさらに北に向かった場所にあった。

ロムの案内で道に迷うことなくたどり着くことができたので早速内部に侵入する。

 

そういえば行く途中にアイエフから聞いた話だが

私達が国際展示場に向かった後リンダはお婆さんに変なフィギュアを売ろうとしていたり

ルウィーの子供たちに新型のマジェコンを渡そうとしていたとのこと。

流石に見過ごすことはできないということでアイエフ達は止めたようだが…。

やはり街中でそのようなことが平然と行われているということは治安が悪いと言うことだ。

何とかして本来の姿のルウィーを取り戻さなければならないと私は思った。

 

世界中の迷宮の内部に侵入した私は辺りの様子を観察する。

赤色から始まる様々な色のブロックが辺り一面に積み上げられており

それによって世界中の迷宮という一つのダンジョンが構成されている。

 

生息しているモンスターだが国際展示場にいたブロック型のモンスターの色違いがいた。

その色は青色。赤色とか黄色のタイプもどこかにいるのだろうか。

それに加えてどこかのギャルゲーのゲーム画面の姿をしたモンスターもいる。

女の子が写っているのだが男性にときめいているようでその瞳は輝いていた。

 

私達はこれまでと同じようにモンスターを倒しながら奥に進んで行く。

今までの経験から推測するとゲイムキャラはかなり奥の方にいるようなのでさらに歩を進める。

進んで行くとワープポイントと思われる物を発見したのでそれに乗って次の場所へ進む。

 

念のため、検証しておいたが一方通行ではなく相互通行のため安心した。

ゲームには一方通行のワープポイントがあって敵を倒すまで戻れないというのはよくある話だ。

 

ワープポイントに乗った先、世界中の迷宮の第二階層とも呼べる場所は

さらに広い場所になっており生息しているモンスターも変化していた。

 

緑色をしたブロック型のモンスターにあの有名なゲームに登場する

土管の姿をしたモンスターがいた。見るからに防御が固そうな気がする。

アイエフとロムが魔法を中心に攻め、それらを蹴散らしてさらに奥に進んで行く。

 

「あー! あれって、ゲイムキャラじゃない?」

 

REDの言葉に視線を移すとそこには台座の上に置かれた白いディスクがあった。

 

「下っ端さんもいないみたいですね。今回も先回りできたです」

 

コンパの言葉に辺りを見渡すがリンダの姿は確認できない。

 

「あの、あなた方は…。それにパープルディスクとブラックディスクまで…。」

 

ディスクが光だし、私達に語りかけてくる。

 

「お久しぶりですね。ホワイトディスク。お元気そうで何よりです」

 

「封印の維持で長い期間この地を離れることができないお前と会う機会など滅多に無かったからな」

 

「あの…。お話を聞いてもらってもいいですか?」

 

「あなたはネプテューヌ…? いや、似てはいるけど雰囲気が違う…。ネプテューヌの妹さん…? それに一緒にいる銀の瞳を持つ貴女はいったい…?」

 

「お姉ちゃんと銀の女神様のことを知っているんですか?」

 

「やはり妹さんなのね…。それに銀の女神と来ましたか。両方ともよく知っていますよ。まず、私がこの場所にいるのは彼女に頼まれたからなんです。それに銀の女神とは直接話をしたことがありますから。ついでに言うとそのパートナーとも呼べる彼女ともお話をしたことがあります。」

 

なんと金の女神と話をしたことがあるというのだ。

これは是非とも話を聞きたいところである。

 

「ネプ子に頼まれたからってどういうこと? 女神が他国のゲイムキャラに頼みごとをするなんてそんなことあるの?」

 

「ルウィーのゲイムキャラはもはや存在しないのです。三年前に現れた犯罪組織の手によってみんな消されてしまいましたから…。私は元々はプラネテューヌを守護するゲイムキャラでしたがネプテューヌに頼まれてこのルウィーへやってきたのです。ゲイムキャラを失ったこの土地を再び守護してほしい、助けに行ってと彼女に頼まれたのです」

 

「お姉ちゃんが、そんなことを…。じゃあ私達に協力してもらうことはできないってことですか?」

 

「ええ。あなた自身もわかっているでしょう? ここを出てあなたに力を貸すと言うことはあなたの姉との約束を破ることになってしまいますからね。それにあなたは彼女の優しさを受け継いでいるとみました。自分の姉の願いを断ち切ってまで私をこの場所から無理やり連れだすことなどしたくないと思っているのでしょう?」

 

「はい…。でも、お姉ちゃんを助けるにはあなたの力がどうしても必要なんですけど、無理やり連れ出すなんてことはしたくないです。だからお話だけでも聞いてもらおうと思ってここに来ました」

 

「すみません。意地の悪い言い方をしてしまいましたね。あなたのお姉さんを助けたいと言う気持ちは痛いほど伝わっていますよ」

 

「ねえ、ひとつ聞いてもいいかな?」

 

「なんでしょうか? 銀の女神の継承者さん。」

 

「あっ、私の名前は神奈 舞だから。好きに呼んでくれたらいいよ。それで質問だけど力の一部だけをネプギアに渡すってことはできないの? あなたがここを離れられない理由はミナから聞いてるからわかってるよ」

 

パープルディスクとブラックディスクは同行してくれた時に力の一部を

ネプギアに渡してくれていたことを思い出したのだ。

一緒に来てもらうと言うのは最善手なのだろうが今回の場合は封印の件に加えて

ネプギアとのお姉さんとの約束まで絡んできている。ならば力のほんの一部でも

貸してもらえればそれでいいと思ったのだ。

 

「可能です。それでよろしければ私の力の一部を渡しますが」

 

「なら、それでいいんじゃないかな? 今回は事情が特別だし力の一部だけでも貸してもらえれば」

 

「そうですね。ごめんなさい。無理を言ってしまって」

 

「いえ。お気になさらずに。それではこれを…」

 

ホワイトディスクがネプギアに力を渡そうとしたその瞬間。

 

「見ぃつけたぁ! 見つけたぜ! ゲイムキャラ!」

 

聞き覚えのある声が私の耳に響いてきた。

背後を振り向くと見覚えのある人物が立っていた。

どうしてこの大事なタイミングに堂々と割り込めるのだろうか…。

 

犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員にして、私の因縁の相手。

リンダが鉄パイプを構えてそこに立っていた…。

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