超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game27:ラムとの約束

ブロッコリーが教えてくれたホワイトディスクを修復する方法。

修復に必要な素材であるレアメタルとデータニウムを入手するために

ネプギア達はルウィー国際展示場に、舞とラムは世界中の迷宮に向かった。

 

ルウィー国際展示場に向かったネプギア達は

レアメタルを落とす可能性があると思われるモンスターを補足していた。

貝殻のような形状の体に離れた手。その隙間から除く黄色の目が特徴的だ。

 

「あのモンスターでしょうか? 前にここに来たときには見なかったモンスターみたいですけど…」

 

「倒してみればわかるでしょ。落とせば当たり、落とさなければ外れってことね」

 

「そうですね。あっ、少し待ってください。準備をしますから」

 

「あれを使うのね。わかったわ」

 

ネプギアは目を閉じて集中する。

 

「ねぇ、ネプギアは一体何をしてるの?」

 

「見ていればわかるですよ。ギアちゃんの秘策です」

 

何かが弾け飛ぶような音が響き、ネプギアは目を開ける。

ネプギアの瞳は女神化した時と同じ瞳になっていた。

移行に要する時間も以前と比較して短くなってきている。

 

「ネプギア、アンタその目…。女神化してるの? でも、プロセッサユニットを纏っていない…。テコンキャットの時にも最初から女神化した時の瞳になってたからおかしいとは思ってたけど、何なのそれ?」

 

「わたしも…気になる」

 

「これは銀の女神様から教えてもらった特殊な女神化だよ。女神化を無効にする敵が現れた時に使うんだけど、普通の女神化と違って使うには時間が必要だから、今みたいに敵と戦う前に準備ができる時になるべく使って練習しようって舞さんと決めたの」

 

「舞も同じ物を使えるのね…。ねぇ、アタシにも教えてくれない?」

 

「わたしも教えてほしい…」

 

「いいよ。私にできたんだから、ユニちゃんとロムちゃんにも使えると思う。まずは目を閉じて集中だよ」

 

「ここからどうすればいいの?」

 

「女神化をするんだけど、シェアの力を自分の外に出さないようにするの。集中力がいるから難しいとは思うけど…」

 

「わかったわ」

 

「やってみる…」

 

二人は特殊な女神化に挑戦する。ネプギアの時と比べると

時間がかかっているが少し経つと同様に何かが弾け飛ぶ音が響く。

 

「ユニちゃん、ロムちゃん。目を開けてみて」

 

「何これ…。体の奥から力が湧いてくるわ。女神化をした時に似てるけど何か違うような…」

 

「ネプギアちゃん、わたし上手くできてる?」

 

ユニとロムの瞳も同じく女神化した時の瞳に変化していた。

 

「うん。大丈夫だよ。ユニちゃんもロムちゃんもできてる」

 

「アタシにかかればこんなものよ。と言いたいところだけど、こんなに集中したのって何気に初めてだから地味に疲れるわね…」

 

「やった…! これで舞お姉ちゃんといっしょ。ラムちゃんと仲直りしたら教えてあげなくちゃ…」

 

特殊な女神化を習得した二人はさらなる強さを得た。

ネプギア達女神候補生は磨けば磨くほど、その輝きを増す原石と言える。

 

「準備はいいかしら? あまり時間も残されてないからさっさと倒すわよ」

 

ネプギア達はモンスターに攻撃を加えていく。

見た目通りの外殻は思った以上に固く攻撃が通りにくい。

 

ロムとアイエフが魔法で攻め、コンパは注射器から魔力弾を放つ。

REDとネプギアは自身の武器に属性を纏わせ、ユニは属性弾で正確に隙間を狙い撃つ。

相手は物理攻撃の耐性が高い分、魔法攻撃の耐性が低いようだ。

 

「アイシクルトルネード…!」

 

ロムが放った氷の旋風がモンスターを飲み込む。

 

「この技、今の私に使えるのかな?」

 

ハード・リンクが発現して以来、ネプギアの技の幅は広がっている。

舞との記憶の共有によって舞が実際にプレイしたゲームに出てくる技を

次々と習得して自分の物にしているのだ。その全てを再現できるわけではないので

その中から自分の力で再現できそうな技を拾いつつその数を増やしている。

 

ネプギアはロムが放った氷の旋風が消えた場所に近づき力を込める。

 

「行きますっ!」

 

ネプギアが左手をモンスターに向ける。

その手から強力な冷気が放出されモンスターの体を凍りつかせる。

 

「砕け散ってください! 絶破烈氷撃です!」

 

凍りついたモンスターの体に渾身の力を込めたギア・ナックルを叩きこむ。

ネプギアの一撃に凍りついたモンスターの体は砕け散り、破片が辺りに飛び散る。

飛び散った破片は次々と光となって全て消滅し、眩い輝きを放つ金属片が残されていた。

 

「これが、レアメタルですかね?」

 

「どうやら当たりだったみたいね。ネプギア、アンタまた新しい技を使うようになった?」

 

「はい。舞さんがしていたゲームでは魔法を使った後にその場に残った魔力を利用することで自分の攻撃を変化させることができるみたいですね」

 

「なんでそんなことがわかるのよ?」

 

「舞さんはハード・リンクって力を持ってるです。ゲイムキャラさんの話では銀の女神様も使ってたみたいです」

 

「その力でネプギアは舞と記憶を共有しているみたいなの。それが発現してからネプギアは私達が見たことのない技を使うようになったわね。反対に舞はネプギアやネプ子の技を使ったりする。たまにしか使わないみたいだけど」

 

「嫁と嫁が深く結びつくことでさらなる力になるんだよ! REDちゃんも初めて会った時に見たんだけど正直にすごいって思ったから!」

 

「なにそれ、ズルくない? かなり差をつけられた気分なんだけど…」

 

「ネプギアちゃんだけ、ずるい」

 

「そう言われると謝るしかできないよ…。私だってどうしてこうなったのかわかってないから…。 今は無理かもしれないけど、ユニちゃんもロムちゃんにも同じことができるようになると思う。だって私ができたんだから」

 

「ま、今は我慢しておいてあげるわ。アタシにその力が発現したらアンタなんてすぐに追い越してやるんだから」

 

「わたしも、ネプギアちゃんより強くなる… 舞お姉ちゃんと一緒に頑張らなくっちゃ…」

 

「候補生同士で対抗心を燃やしているところ悪いけど、時間がないわ。次の素材を取りに世界中の迷宮に向かうわよ」

 

「あっ、はい!」

 

目的を達成したのでルウィー国際展示場から世界中の迷宮に向かおうとすると…。

 

「あれ? Nギアが震えてる。誰からでしょう?」

 

ネプギアはNギアを取り出してボタンを押す。その画面に映し出されたのは…。

 

 

 

時はネプギア達がレアメタルを入手した時より少し遡る。

舞とラムはデータニウムを手に入れるため世界中の迷宮に来ていた。

 

入口付近のエリアにはキラーマシンはいないようだ。

まだ奥の方にいると予想するが奥の方に進むことは危険だ。

 

あれからどうなっているのかわからないが

リンダは次々とキラーマシンを復活させているだろう。

その数がどれだけいるのかもわからない状況だ。奥に進む必要が無ければいいのだが。

 

「データニウムってどのモンスターが落とすんだろう?」

 

ブロッコリーから聞いたのは世界中の迷宮のモンスターから取れるということだけ。

 

「そういう大事な物は周りと雰囲気が違ったモンスターが落とすのよ。ってお姉ちゃんとミナちゃんが言ってたわ。ほら、ちょうどあそこに変なモンスターがいるけど、あいつじゃないの?」

 

ラムの言葉に視線を移すとそこには確かに変わったモンスターがいた。

黄緑色の髪に星型フレームの眼鏡をかけている。似たような物を

どこかで見た気がする…。きっと何かのゲームで見たのだと思うが…。

 

ちなみに私は新しいダンジョンを訪れたらそこに生息しているモンスターの特徴を

忘れないうちに空いた時間を利用してノートに纏めている。

特に危険種については入念にチェックしている。

 

世界中の迷宮に生息するモンスターの特徴はまだ纏めていないが

前回ネプギア達と世界中の迷宮に来た時はあんなモンスターはいなかったはずだ。

倒してみる価値はありそうだ。相手にはまだ気づかれていないので特殊な女神化を使って

武器を構える。今回使うのは短剣だ。また倒れるわけにはいかないので魔法は使わないでおく。

 

「ラム、行くよ」

 

「わかってるわ!」

 

ラムは杖を取り出して構える。ロムが使っていた物と似たタイプ。

ロムと同じく魔法を主軸として戦うようなので私が前に出る形になる。

 

「フォースセイバー!」

 

刀身に銀色のシェアを纏わせる。これは短剣の短いリーチを増幅させる技だ。

ネプギアに渡した長剣には及ばないがそれなりにリーチは伸びる。

重ねがけが可能だが効果時間が短くなるので一段階で止めておく。

 

モンスターの攻撃手段は体当たりくらいでそれを回避しながら

ラムと攻撃を加えていくがどうやら体力が無駄に多いようで中々モンスターは倒れてくれない。

 

「くらいなさい! エアブラスト!」

 

ラムの風属性の魔法が炸裂する。風の刃が次々と発生してモンスターを切り刻む。

ロムと同じく詠唱時間がほぼ存在しないと言ってもいい。

ルウィーの双子の女神候補生は魔法の扱いに長けているようだ。

 

ラムの魔法によってできた隙を私は見逃さない。

体力が自慢と言うならばそれが無くなるまで攻撃を加えてやるだけだ。

私はモンスターに近づいてリーチを増幅させた短剣で五回連続で斬りつける。

これが基本的な攻め方だがこれで終わりではない。ここから私の名前でもある舞が始まるのだ。

 

六回目の斬撃から始まり隙を与えないようにその体に斬撃を加えていく。

その場から動かずに∞のマークを描く軌道で短剣を振り続ける定点攻撃だ。

 

実際に登場するゲームではボタンを連打し続けるか敵の攻撃を受けない限り

今回の場合は邪魔をされなければ私のスタミナが無くならない限りその舞は続く。

事実上の無限コンボ。血の代わりとも言える青い光がそれを美しく彩る。

私の斬撃を受け続け、体力が尽きたモンスターは光となって消滅した。

 

「血煙乱舞…。これにて終幕だよ」

 

私は短剣をしまう。平静を装いたいところだが腕が痛い…。

激しいボタン連打をした後に指に走る痛みがいい例だ。動かせないわけではないが。

 

モンスターが消滅した後には青く光る結晶が残されていた。

その表面を見ると数字や記号の羅列が浮かんでいる。これがデータニウムだろう。

 

「無事に手に入れられたね?」

 

「あんた、わたしより弱いとか言ってたけどなかなかやるじゃない。ほんの少しだけ見直したわ」

 

「ラムはロムと同じで魔法が得意なんだね。誰から教えてもらったの?」

 

「ミナちゃんに教えてもらったのよ。あんたも魔法を使うみたいだけど、どうして使わなかったの?」

 

「私の魔法は燃費がものすごく悪いんだよね…。ゲームで言うならMP消費が無駄に多いってやつだよ。練習はしてるんだけどね」

 

「ふ~ん。ま、せいぜい頑張りなさいよ。応援だけはしておいてあげるわ」

 

「ありがとう。それじゃあ戻ろうか。キラーマシンに見つかる前にここを出ないとね」

 

データニウムを入手した私とラムは世界中の迷宮から脱出する。

 

「あっ、ネプギアに連絡を入れておこう。すれ違いになったら大変…」

 

私はNギアを取り出してネプギアに連絡を入れる。

数回の呼び出し音がなるとNギアの画面にネプギアが映し出される。

 

『舞さん…! もう大丈夫なんですか?』

 

「うん。本当にごめんなさい。もう大丈夫だから。大体の話は聞いたよ。今どこにいるの?」

 

『ルウィー国際展示場でレアメタルを手に入れたので世界中の迷宮に向かおうとしていたところですよ。舞さんはどこにいるんですか?』

 

「世界中の迷宮の近く。データニウムを手に入れたから連絡を入れたんだ。強力な助っ人がついてきてくれたから特に問題も無く手に入れることができたよ」

 

『そうですか…! それじゃあ…』

 

「うん。ホワイトディスクを修復して再度封印を施しに行く。教会で合流でいいかな?」

 

『わかりました! それでは教会で会いましょう!』

 

通信を終了する。これで反撃の準備を進めることができる。

やられっぱなしは性に合わない。やられた分はきっちり返さないとね。

 

「ラム、この騒ぎが終わったら私とゲームで勝負してくれない?」

 

「何よそれ…。先に言っておくけどわたしは強いわよ。お姉ちゃんとロムちゃん。ミナちゃんにも負けたことがないから。あんた本気で言ってるの?」

 

「本気だよ。私もゲームが好きなんだ。ラムは私の事を認めてくれてないんだよね? なら、何かでラムに勝つことができれば認めてくれるのかなって思って。流石に武器を持ち出して戦うのは嫌だからこの勝負を持ちかけたんだ。ゲームもラムが好きな物を選んでくれたらいいよ」

 

「いい度胸じゃない。その勝負受けてあげるわ。負けたらわたしの言うことを何でも聞いてもらうから。覚悟しておくことね」

 

「じゃあ私が勝ったらラムには私達と一緒に来てもらおうかな」

 

「いいわ。あんたが私に勝ったら一緒に行ってあげる。ゲームが得意みたいだけど簡単には勝たせないから」

 

「望むところだよ。とりあえず教会まで戻ろうか」

 

この騒ぎを片づけた後に勝負することを約束した私とラムはルウィーの教会へ向かう。

 

 

 

一方その頃、世界中の迷宮の最奥部ではリンダがキラーマシンを次々と復活させていた。

 

「また一体復活、と…。だいぶ数が揃ってきたな。これだけいればルウィーの制圧は勿論、あの暴力女神と女神候補生どもを纏めてぶっ潰してやれるだろ…。でも保険は必要だよなぁ…。もしここまでやってくることがあるなら女神候補生どもの相手はお前に任せるぜ? 暴力女神はアタイが直々にぶっ潰すからよ」

 

「承知した」

 

機械音と共に聞こえる男性の声…。

ルウィーを巡る戦いも大詰めを迎えようとしていた。

 

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