超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Chapter 4
Game33:痛いタイムロス


ラムとのゲーム対決は舞の勝利と言う形で幕を閉じる。

仲直りも無事にできたのでラムとロムが一緒に来てくれることになった。

 

最後のゲイムキャラの協力を得る為にリーンボックスに向かうことが決定したところで

ネプギアと私のNギアにそれぞれイストワールとクロからの着信が入る。

 

「いーすんさん、何かあったんですか?」

 

『はい。実は先ほどリーンボックスの教祖の箱崎チカさんから至急ネプギアさんにお会いしたいとの連絡が入りました。ネプギアさん、そちらの様子はいかがでしょう? リーンボックスには向かえそうですか?』

 

「ルウィーのゲイムキャラと女神候補生のラムちゃんとロムちゃんに協力してもらえることになったので、これから最後のゲイムキャラの協力を得るためにリーンボックスに向かおうという話になっていたところです。」

 

『それは素晴らしいことですね。なら丁度よかった。これからリーンボックスに向かっていただけますか?』

 

「はい! リーンボックスの教祖さんが私に何の用があるんでしょうか…?」

 

『詳しい内容は伺っていないのでわかりませんが、大分切羽詰まった様子でしたので、可能ならば、急いでリーンボックスに向かってあげてください』

 

「わかりました! 舞さんにも伝えておきますね!」

 

「おや? 舞さんは一緒ではないのですか?』

 

「今ちょうど別の人と通信で話してます。同じタイミングで通信が入ったのでいーすんさんが何を言ってたか後で教えてほしいって頼まれていたので…」

 

『まぁ、そうでしたか。久しぶりに舞さんとお話をしたいところではあったのですが、それならまたの機会にしましょうか。それではネプギアさん、よろしくお願いしますね』

 

イストワールとの通信が終了する。ルウィーでの目的を達成して

リーンボックスにこれから向かう予定だったので丁度いいと言えるだろう。

 

「ということらしいんですけど、舞さんはまだお話中ですか?」

 

「まだ話してるわね。通信の相手ってアイツよね? あの黒いフードを被った…」

 

「クロさんだね。私とユニちゃんが舞さんからもらった銀色の剣と銃は舞さんがクロさんから譲ってもらった物みたいだよ?」

 

「そうだったのね…。アイツっていったい何者なのかしら?」

 

「さあ…。舞さんはクロさんがいつか自分の事を話してくれる時を待ってるって言ってたから…」

 

時を少し遡る。イストワールの通信とほぼ同じタイミングで入ったクロからの通信。

Nギアの画面にクロが映し出されるが表情は黒いフードで隠されていて読み取れない。

 

『舞。久しぶり。今、時間はあるかな?』

 

「大丈夫だよ。クロから連絡をくれたってことはあの時の約束の話だよね?」

 

『うん。舞にしてもらいたいクエストをギルドの依頼掲示板の特定人物指定クエストのところに出してるから確認しておいてくれるかな? どの国のギルドでも見ることができるからね。やるのは時間がある時でいいから』

 

「特定人物指定クエストなんて物があるんだね…。わかった。見てみるよ」

 

クロが補足説明を加えてくれたのだがゲイムギョウ界の

ギルドで受けられるクエストはいくつかの種類に分類することができる。

 

通常の掲示板に上がっているクエストは誰にでも受けられるフリークエストである。

私がゲイムギョウ界で一番最初に受けたスライヌ討伐クエストや

ユニと一緒に行ったボーンフィッシュ討伐依頼などがこれに該当する。

 

その他に特別クエスト掲示板という物がある。

特別クエストに分類されるのは緊急クエストと特定人物指定クエスト。

 

緊急クエストはダンジョン内のモンスターが変化している日に掲示板に上がる。

モンスターが変化した際に観測される危険種を大幅に上回る戦闘力を持つ

上位危険種とそれをさらに上回る戦闘力を持つ接触禁忌種がターゲットになるクエストだ。

フリークエストとは比べ物にならない危険度だが報酬はかなり高めに設定されているとのこと。

その中には滅多に入手することができないレアなアイテムも含まれているらしい。

 

特定人物指定クエストとはその名の通りクエストをこなしてほしい人物を指定することができる。

ギルドで名の通っている高レベルの冒険者達に依頼されることが多いクエストだ。

危険度は緊急クエストには及ばないが総じて難易度が高い物が多い傾向があるとのこと。

 

「私にできるクエストならいいんだけど… それは討伐クエストなの?」

 

『うん。舞にはあるモンスターと戦ってもらう。大丈夫。舞は私と初めて会った時からかなり強くなってると思うから自分を信じて一度挑戦してみてくれるかな?』

 

「わかった。それと一つ聞いてもいい?」

 

『ん? 何かな?』

 

「銀の女神と金の女神って知ってる?」

 

『知ってるよ。どうして私がその事を知っているのか…。それは私のことを舞に話す時に併せて説明するよ。だからそれまで待ってもらってもいいかな?』

 

「うん。ただ知ってるのかどうか聞きたかっただけだから。その時を楽しみにしてるね」

 

『ありがとう。時が来たら必ず私から説明するから。あっ、それと舞が今持っている武器って何があるか教えてくれる?』

 

「太陽と月の杖。それと銀の銃と短剣の4つかな」

 

『なるほどね。舞って好きな武器とかあるの?』

 

好きな武器…。私が過去にプレイしたゲームの中には様々な武器が登場する。

扱いが苦手な武器はいくつかあったが使いたくないほど嫌いな武器は特になかった。

 

「何でそんなこと聞くの?」

 

『ラステイションで別れる前にルウィーに行くって話を聞いた後にある武器のことを思い出したんだ。一応用意はしてあるんだけど舞が嫌いな武器だったらどうしようかと気になってね』

 

「その武器は何なの?」

 

『ハンマーとランスだよ。ハンマーのほうは変形機構が付いていて戦斧に変えることができる。ランスにはそういった機能はないけど、貫通力に特化してるから防御が固い相手には有効だよ。この二つの武器はルウィーの女神とリーンボックスの女神が実際に使う武器なんだよね。もし使ってみたいって気があるならセプテントリゾートに寄ってくれたら渡すよ。どうかな?』

 

ブランさんとベールさんが実際に使う武器か…。ゲイムギョウ界に来て

モンスターとの戦闘を重ねていく内に私は色々な武器を使えるようになりたいと思っていた。

 

一つの武器を徹底的に使い込むのもありだが

あらゆる武器を使いこなしてこそ一流になれるのではないだろうか。

 

「取りに行ってもいいかな?」

 

『いいよ。舞は今ルウィーにいるんだよね? リーンボックスには向かうのかな?』

 

「これからリーンボックスに向かうって話を進めてたところだよ。ゲイムギョウ界でまだ行ってないのはリーンボックスだけだからね」

 

『そっか。頑張ってね!』

 

「うん。それじゃあまた…」

 

クロとの通信が終了する。随分と長話をしていたようでネプギア達が待ってくれていた。

 

「ごめん。長く話し過ぎた。それでイストワールは何か言ってた?」

 

「リーンボックスの教祖さんが至急来てほしいって連絡をいーすんさんのところに入れたみたいなんです。なるべく急いでリーンボックスに向かってほしいって言われました」

 

「教祖自らが連絡を入れてきたってことは何か起きてる可能性が高いね。リーンボックスはここからどの方角になるのかな?」

 

「南の方角ね。リーンボックスへの行き方はラステイションから定期便に乗ればよかったかしら?」

 

「あいちゃんの言う通りです。ラステイションからリーンボックス行きの定期便が出ているですよ。それに乗ればリーンボックスにあっという間に到着するです。急いでるならラステイションに向かった方がいいと思うです」

 

「ラステイションか…。セプテントリゾートに寄ってる暇はないよね?」

 

「定期便が出る時間によるわね。到着してから定期便が出るまでに時間が余っていれば寄ってもいいとは思うけど、何か用事でもあるの?」

 

「うん。ただの私用だから今すぐに行かないといけないわけじゃないんだけど、ラステイションに向かうならついでに寄れたらいいかなって思っただけだよ」

 

「ラステイションについてから考えるといいわ。まずはラステイションに戻りましょう」

 

私達はルウィーの街を後にしてリーンボックス行きの定期便に乗るために

ラステイションへと向かう。定期便の乗り場には見慣れた人影があった。

 

「はぁ…。次はリーンボックスかよ…。たまには休みの一つくらいは寄越しやがれっての。あの暴力女神に勝つために何かいい方法がねぇか、ゆっくりと考えたいんだがな…」

 

「失敗ばかりしてるのが悪いっちゅ。仕事がもらえるだけありがたいと思うっちゅ。暴力女神ってマイちゃんのことっちゅ?」

 

犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員であるリンダと

ラステイションで舞とコンパが懲らしめた大きなネズミのワレチューであった。

 

「あいつらにはマイって呼ばれてたな…。アタイは絶対に名前で呼んでやらねーけどな」

 

「マイちゃんのことを悪く言うなっちゅ。下っ端がオイラの愛しの天使であるマイちゃんに勝つなんて100年早いっちゅ!」

 

「うるせぇ! テメェだってラステイションであの暴力女神に振られたうえにやられてたじゃねーか! それとテメェまでアタイの事を下っ端呼ばわりしやがって…。ちゃんと名前で呼んでくれるのはあの暴力女神だけかよ…」

 

「確かにマイちゃんとコンパちゃんにはコテンパンにされたっちゅ。でもこの程度では諦めないっちゅ! 下っ端の癖にマイちゃんに名前で呼ばれるなんてなんて羨ましい…」

 

「この発情ネズミ…。今回に限って何でこんな奴と一緒に任務をこなさなきゃいけねーんだよ…」

 

「それはこっちのセリフっちゅ。下っ端みたいなガサツで色気のない女と組むのは勘弁っちゅ。組むならマイちゃんかコンパちゃんがいいっちゅ! もっとマイちゃんを見習えっちゅ!」

 

「うるせぇ! 噂をしてたら本当に来たじゃねーか! さっさと船に乗り込むぞ!」

 

「どこっちゅ!?」

 

舞達を捕捉したリンダは舞を探そうとしたワレチューを無理やり連れて定期便に乗り込む。

 

ルウィーを出てラステイションに到着した私達は定期便の乗り場に向かう。

上にある電光掲示板に出発時刻が表示されていたが現在の時刻を確認すると

定期便が出発するまで残り1分しかなかった。

 

さらにこの便が最終らしくこれを逃してしまうと明日までないということを

理解した私達は乗り場まで全力疾走するが無情にも最後の定期便が出発してしまった。

 

「間に合わなかったね…」

 

「これだけ走ったのに全部ムダですか…」

 

コンパは息を切らしている。運動不足なのか走ることが苦手なようだった。

かくいう私も引きこもりのインドア派ではあるがコンパほど息は切らしていない。

 

ゲイムギョウ界に来てから何かと動く機会が多くなったので

基礎的な体力が勝手についたのだろうか…。別に体を動かすのが嫌いと言うわけでもないが。

 

「行っちゃった… 明日まで待つ…?」

 

「急に走り出すからびっくりしたじゃない! 明日までないなら待つしかないわね…」

 

「これが痛いタイムロスにならなければいいんだけど… よりにもよって何で今のが最後なのよ。ちょっとついてないわね」

 

「ここの定期便は割と早い時間に最後の便が出るわ。出発時刻の調整の要望がウチの教会に上がってたわね。お姉ちゃんも何とかしようとしてたみたいだけど…」

 

「まぁ、乗り遅れたのは仕方ないよ。明日まで待とうか」

 

明日まで待つと言う結論が出たところに聞き覚えのある声が響いてきた。

 

「ひゃははは! 乗り遅れるとかどんだけ間抜けなんだよ! ダサ過ぎるぜ暴力女神!」

 

「この声は…リンダ?」

 

声が聞こえてきた方、出発した定期便に視線を移すとリンダの姿が確認できた。

 

「間抜けで悪かったね…」

 

乗り遅れたのは事実であって反論の余地もなかった。

 

「コンパちゃん、マイちゃん。また会えるなんて…! 一緒の船旅を楽しみたかったっちゅー!」

 

リンダの隣にはラステイションでコンパと一緒に懲らしめたネズミの姿も確認できた。

 

「ネズミさんまで…!」

 

「あいつらもリーンボックスに…? これはまずいわね…」

 

「テメェらが来るまでに好き勝手やらせてもらうぜ! 暴力女神! 今度リーンボックスで会った時は覚悟しておけよ! この前の借りを返させてもらうからな!」

 

「コンパちゃん、マイちゃん。早く会いにきてほしいっちゅ! 向こうで待ってるっちゅ! 会えた時にはもう一度告白させてもらうっちゅ!」

 

ネズミの言葉を最後に船はどんどん離れて行ってしまった。

ラステイションとルウィーでは先手を取ることができたが

今回は完全にリンダ達に先を越された。これは非常にまずいと言えるだろう。

 

「言ったそばから現実になるなんて…!」

 

「仕方ないよ。先を越された分は後から取り返すしかないよね? これからどうするの?」

 

「とりあえず明日まで待つしかないわね。舞、アンタ確かセプテントリゾートに用事があるって言ってたわね。今から向かいましょう。こんな形ではあるけど時間が余ってるからね」

 

「あっ…。ごめん。その前にギルドに寄ってもいいかな? クロからの頼みごとを確認しないと」

 

「そういえばクロさんと何を話してたんですか?」

 

「あぁ、ネプギアに渡した銀の長剣と私が持ってる短剣と銃。ユニに渡した銀の銃をクロからもらった時に武器を貰ってばかりで悪いからお礼をさせてほしいって言ったら私個人あてにクエストを依頼するって話になってね。それを達成して武器の恩を返すって約束をしてたんだよ」

 

「そんな約束をしてたのね…。舞宛てにクエストを出すってことは特定人物指定クエスト?」

 

「そうみたい。ルウィーでクロから入った通信はクエストを出したからその掲示板を確認してほしいって連絡だったの。それとまた新しい武器を用意してくれてるみたいで使いたいと思ったら時間がある時にセプテントリゾートまで来てくれればそれも渡すって言う話になったんだよね」

 

「だからセプテントリゾートに寄りたいって言ってたのね…」

 

「そういうこと。だから今からギルドに寄ってセプテントリゾートに行ってもいいかな?」

 

特に反対する意見も出なかったので私達は定期便の乗り場を後にして

ラステイションのギルドに向かう。クロはあるモンスターと戦ってもらうって言ってたけど

実際に何と戦えばいいのだろうか。私に倒せるモンスターならいいんだけどね…。

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