超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game38:silver・sun

アンダーインヴァースに捕らわれていた本物のチカの救出に成功したネプギア達。

スライヌになってしまった舞を匿う部屋を提供してもらい話を進めていく。

 

「リーンボックスのゲイムキャラは既に犯罪組織の手に渡っているの。アタクシが捕まる少し前にね。でも奴らはゲイムキャラをその場で破壊しなかった。生け捕りにして何かを企んでいるみたいね…。それが何かはわからないけど」

 

「それじゃあ下っ端とネズミを見つければゲイムキャラを取り戻すチャンスがあるのね?」

 

「そういうことよ。アタクシに変装していた女と一緒にいた大きなネズミが持っていた気がするわ」

 

「下っ端とネズミを捕まえてゲイムキャラを取り返せばいいんですね? 結局アンダーインヴァースでは見つけられなかったけど、まだあそこにいるんでしょうか?」

 

「その可能性は高いわね。アタクシが捕まる前日にアンダーインヴァースに何度も出入りしている不審な人影を見たって情報が上がっていたわ。恐らく、そいつらのことでしょうね」

 

「行ってみる価値はありそうね。ただ、あんな罠がまだ仕掛けられていたら深入りするのは厳しいかもしれないけど」

 

「それでも行くしかないですよね? 舞さんはどうしましょうか?」

 

「今はコンパが見てくれてるけど、元に戻る方法が無いに等しいのよね…。向かう前に舞の様子を見に行きましょう」

 

ネプギア達は舞スライヌがいる部屋に向かう。

 

「あっ、ちょうどいいところに。舞さんが目を覚ましたですよ!」

 

元の姿には戻っていないが元気を取り戻した舞スライヌがいた。

 

「ぬ、ぬら?」

 

「舞さん…。ここはリーンボックスの教会です」

 

「ぬらっ!?」

 

「大量のスライヌから舞さんを助け出した時にはその姿になっていました…。ごめんなさい、もっと早く助けることができれば…」

 

「ぬ…。ぬら」

 

ぬら。としか喋らない舞スライヌだがネプギアは舞が何を言っているのかわかるようだ。

 

「ぬらら~?」

 

「えっと、これからもう一度アンダーインヴァースに行って下っ端とネズミを探そうって話になったんですよ。チカさんの話だとリーンボックスのゲイムキャラはあのネズミが捕まえているみたいなんです」

 

「ぬ…。ぬら!」

 

「えっ? 舞さん一緒に行きたいんですか? でも、その体じゃ…」

 

「ぬら、ぬららら」

 

「私をこんな姿にしてくれた下っ端を懲らしめたい…ですか? わかりました! 一緒に下っ端とネズミを倒してリーンボックスの平和を取り戻しましょう!」

 

「ぬらっ!」

 

ネプギアとの協議の結果、舞スライヌが一緒についてくることになった。

 

「ねぇ、ネプギア。なんで舞の言葉がわかるの? ぬら。しか言ってないけど…」

 

「ハード・リンクのおかげみたい…。あの時から私と舞さんを繋いでくれてるから」

 

「ふ~ん。やっぱりすごいのね。そのハード・リンクって。舞が行きたいって言ってるなら連れていくしかないみたいね。ネプギア、アンタはあまり前に出ないようにしなさい。敵はアタシとラムとロムで蹴散らすわ」

 

「任せなさい! 舞とネプギアの道はわたし達が作るわ!」

 

「うん…。ネプギアちゃんと舞お姉ちゃんの邪魔をするなら許さない…。みんなと一緒に倒す…」

 

「ユニ達の言う通りね。下っ端を叩き潰すんでしょう? だったら舞と一緒に力を蓄えておきなさい。最初から飛ばす必要は無いわ。アンタには仲間が、友達がいることを忘れないでよね。舞に助けてもらった分はここでしっかりと返すわ」

 

「万全の状態で望んでほしいです。怪我しても私がきちんと直すです。だから、ギアちゃんと舞さんには全力で戦ってほしいです」

 

「アタシのことも忘れないでよね! 嫁の道はアタシが作る!」

 

「マイの分の怒りもきっちり叩きつけてやるといいにゅ」

 

「舞のおかげでチカを…。私の友達を助けることができた。今度は私が舞に恩返しする番ね」

 

仲間達の思いは同じだった。本当に頼もしいことこの上ないと言えるだろう。

 

「みなさん…。ありがとうございます!」

 

「ぬら!」

 

ネプギア達は準備を整えて再びアンダーインヴァースに向かう。

街を出るまでの間は舞スライヌをパーカーワンピで隠して人目につかないようにする。

 

街を出てから舞スライヌはネプギアの頭の上に乗っている。

余談ではあるがゲイムギョウ界にはスライヌ帽というアクセサリーがあるらしい。

精巧に作られたスライヌの人形を頭の上に乗せる形になるので

今のネプギアの状態はまさにそのスライヌ帽を装備している状態である。

サイズは若干大きめではあるが、ネプギアも重さを感じることはないとのこと。

 

ちなみに舞スライヌの大きさは普通のスライヌより少し小さい。

頭部についてある銀の太陽の髪飾り以外は普通のスライヌと特に変わりない。

 

アンダーインヴァースに突入したネプギア達は最奥部に向かって進んで行く。

特殊な女神化を行使したユニ達を筆頭にモンスターを蹴散らす。

ラムにはまだ教えていなかったがネプギアがやり方を簡単に説明すると

何と一回で成功させて自分の物にした。ロムができたのだ。自分にもできて当然らしい。

 

ユニ達だけではない。アイエフ達も負けずにモンスターを蹴散らして二人の道を作る。

ちなみにネプギアも特殊な女神化を行使していつでも戦える状態になっている。

 

リンダとワレチューはアンダーインヴァースの最奥部にいた。ワレチューの手には

緑色のディスクがある。リーンボックスのゲイムキャラであるグリーンディスクだ。

 

「それでマイちゃんに正体を見抜かれて教祖を取り返されたっちゅか? マイちゃんの目を欺こうだなんて下っ端には1000年早かったっちゅね」

 

「うるせぇ! さりげなく桁数を増やしてバカにしてんじゃねーよ! 元々、変装なんてガラじゃねーんだよ! 慣れないことをさせられるこっちの身にもなりやがれ!」

 

「ガサツな女に教祖の真似事なんて土台無理だったちゅね。マイちゃんだったらきっと完璧にこなすっちゅ」

 

「何だろうなぁ…。暴力女神にバカにされた時よりもムカつくのはよぉ…」

 

「嫉妬は見苦しいっちゅよ? こっちは命令通りゲイムキャラを生け捕りにしたっちゅ。与えられた仕事はキッチリこなすっちゅ。マイちゃんもそうすれば振り向いてくれるはずっちゅ」

 

「私を捕らえて何をする気なの…?」

 

「誰が教えるかよ。ていうか捕まえたならさっさとブッ壊せばいいじゃねーか。そうすればこの国のシェアは完全にアタイらの物になるのによ…」

 

「何でも壊せばいいって単細胞だからいつまでも下っ端から出世できないっちゅ。マイちゃんなら幹部クラスに昇格するのは間違いないっちゅね」

 

「テメェの暴力女神推しも黙って聞いてりゃ超うぜえな…」

 

仲の悪いコンビの言い争いはどんどん加速していく。

 

「いた! 見つけましたよ!」

 

「ぬらっ!」

 

ネプギア達がその場に到着する。

 

「それだけ大声で喧嘩してくれれば探すのは簡単ね。まさかまだこの場所に留まっているとは思わなかったけど」

 

「テメェら…! あのトラップをどう潜り抜けやがった! ん? 暴力女神がいねぇな?」

 

「舞さんなら私の頭の上にいますよ」

 

「ぬら!」

 

「は…? その頭に乗ってるスライヌが暴力女神…? だっせぇ! さてはあのトラップに引っかかりやがったな! やっぱり間抜けじゃねーか!」

 

「ぬらぁぁぁ!」

 

リンダの言葉にネプギアの頭に乗っている舞スライヌが怒り出す。

 

「マイちゃん。スライヌになっても可愛いっちゅ。コンパちゃんまで会いに来てくれるなんて感激っちゅ!」

 

「ネズミさん、ゲイムキャラさんを返してください!」

 

「ぬらら!」

 

「舞さんもゲイムキャラを返せって言ってますよ」

 

「マイちゃんとコンパちゃんが言うなら返すっちゅ! もうすぐに返すっちゅ!」

 

「バカなこと抜かしてんじゃねーよ! この発情ネズミ! ホレた奴の前じゃテメェも役立たずだな! 暴力女神がスライヌになってるなら好都合だぜ! ここでテメェらを纏めてぶっ潰してやる!」

 

ワレチューに制裁を加えたリンダが鉄パイプでネプギアに殴りかかる。

ネプギアはその一撃を銀の長剣で受け止める。

 

「させません! 舞さんを…。私の大切な人をこんな目に合わされて堪忍袋の緒が切れてるんです。今回ばかりは絶対に許しません。叩き潰します!」

 

「ぬらっ!」

 

その言葉に呼応するように頭の上に乗った舞スライヌが光を放つ。

ネプギアの体から青い光があふれ出す。

 

「オーバーリミッツです…。今の私に出せるのはここまでですけど、手加減はしません!」

 

ネプギアはその力を解放してリンダに新たな剣舞をお見舞いする。

 

「リンドバーグ!」

 

「なっ!」

 

最初にネプギアが繰り出したのは舞うように剣で斬りつける8連撃。

これだけでは終わらない。剣舞はまだ続いて行く。

 

「続けていきます! ティンクルスター!」

 

リンドバーグに続く形で繰り出されるのはシェアの力を刀身に纏わせて敵を斬り裂く3連撃。

 

「うわあああああ!」

 

「まだです! 腹を括ってください!」

 

拳を地面に打ち付けて発生させた衝撃波でリンダを怯ませてから繰り出す6連撃。

 

「天狼滅牙です! 吹き飛んでください!」

 

さらにとどめに力を込めて一閃を与える。

その一撃にリンダは後ろにいたワレチューを巻き込んで吹き飛んでいく。

ネプギアの体から出ていた青い光はそれと同時に消失した。

 

「ネプギア、あんたすごいじゃない!」

 

「舞さんの記憶にあったコンボ技を自分なりに改良してみました。上手くできてよかったです」

 

「普段怒らないネプギアが怒るとこれだけすごいことになるにゅ」

 

「今の連撃…。お姉ちゃんに匹敵するレベルかもしれないわね…。アタシも負けてられないわ!」

 

「ネプギアちゃん、すごい…」

 

「わたしだって負けないんだから!」

 

リンダとワレチューを懲らしめたことで捕らえられていたグリーンディスクは解放された。

 

「大丈夫でしたか?」

 

「あっ。はい。おかげさまで助かりました。えっと、あなたは?」

 

「プラネテューヌの女神候補生のネプギアです。頭の上に乗っているのは舞さんです。銀の女神様の継承者なんですよ」

 

「銀の女神の…。なるほど。大体の事情はわかりました。あなた達が一緒にいるということにも驚きましたね…。」

 

ネプギアの体から三つの光が姿を現す。その光は紫、黒、白。

 

「お久しぶりですね。グリーンディスク」

 

「我らがこうして揃うのも随分と久しいな」

 

「無事でよかったです」

 

今ここにゲイムギョウ界を構成する四国のゲイムキャラが全て集結した。

 

「どうやら事態は深刻のようですね。まずは私の力も彼女に受け取ってもらいましょうか」

 

グリーンディスクがネプギアに力を渡そうとすると…

 

「待てよ! 何を勝手に話を進めてやがる! このまま逃がすと思ってんのか!」

 

「ぬら!」

 

「あら、今日は珍しく逃げないのね。これまで舞に懲らしめられてすぐに逃げていったのに」

 

「ネプギアにあれだけボコボコにされてまだ立つなんてどういうこと!? しつこすぎ!」

 

「調子に乗れるのはここまでだぜ! さっきはよくもやってくれたな!クソガキ女神に暴力女神! ならこっちも奥の手を使うまでだ! 見ろっ!」

 

リンダが取り出したのは黒いディスクだった。

 

「それはゲイムキャラのディスク! どうしてそれを持ってるの!?」

 

「こいつはなぁ、尊敬する上司から貰ったんだよ! これを使ってマジェコンヌの邪魔をする奴らをぶっ潰してこいってな! こいつの力を見せてやるぜ!」

 

リンダがディスクを上に掲げるとディスクから放たれた黒い光が

リンダとワレチューの体に入っていく。

 

「お、おおおおお! こいつはすげぇ! これだけの力があれば暴力女神なんて簡単にぶっ潰せるぞ!」

 

「そうっちゅ…。待つばかりの愛ではマイちゃんとコンパちゃんに振り向いてもらうのは無理っちゅ。マイちゃんとコンパちゃんは力ずくでモノにするっちゅ!」

 

「パワーアップしたと言うの…? さっきと様子がまるで違う…」

 

「さあ! 行くぜ!」

 

リンダは先ほどに比べ物にならない速度でネプギアに近づくと

頭の上の舞スライヌを鉄パイプで吹き飛ばした。

 

「ぬらあああああ!」

 

「舞さん! このっ!」

 

ネプギアが剣で斬りかかるが鉄パイプで受け止められる。

 

「所詮テメェは暴力女神がいなければこの程度なんだよ! 調子に乗ってくれた分はきっちりと返させてもらうぜ!」

 

ユニ達も攻撃を加えるがまるで効果がない。ゲイムキャラの力はそれほど強力と言える。

 

「ゲイムキャラの力をこんな風に悪用するなんて!」

 

「なんてことを…!」

 

「勝てる! 勝てるぞ! これまでに散々テメェらにやられてきたんだ…。今度こそテメェらの旅を終わらせてやるぜ!」

 

「コンパちゃん、マイちゃん…! ハァハァ…!」

 

ゲイムキャラのディスクの力を使ってパワーアップしたリンダとワレチューが迫ってくる。

逃げようにもそう簡単に逃がしてくれるとは思えない。絶対絶命と思われたその時…。

 

「諦めないでください!」

 

「5pb.? どうしてあなたがここに?」

 

「チカさんに頼まれたの。ゲイムギョウ界を救おうとしてる女神様達の力になってあげてほしいって…」

 

「これ以上ない頼もしい援軍だわ。1曲お願いしてもいいかしら?」

 

「この状況でのんきに歌を歌おうってか?」

 

「うん。ボクにはそれしかできないから。自分の歌を歌うこと…。それがボクの戦いだ!」

 

「面白れぇことを言うじゃねーか! なら、やってみろよ!」

 

「それじゃあそのお言葉に甘えさせてもらうよ。みんな! ボクの歌を聴いて!」

 

5pb.の歌声が響き渡る。

 

「ん…? 何だこの変な感じ…」

 

「力が抜けていくっちゅ…」

 

5pb.の歌声はパワーアップしたリンダとワレチューに確かな変化を与えていた。

その歌に乗る形で新たなる覚醒の鼓動が始まる。

 

舞スライヌのいた場所から銀色のシェアの光が立ち上る。

これまでで最も大きく美しいシェアの輝き。これが銀の太陽を体現する光。

かつて金の月とともにゲイムギョウ界を明るく照らした輝きが甦ろうとしている。

 

「イレイザー!」

 

銀色のシェアの光の中から聞こえたのは紛れもない舞の声だった。

リンダとワレチューの体が白い煙に包まれる。

 

「な、力が完全に消えた…。なんなんだよ。何をしやがった!」

 

「舞さん…!」

 

銀色のシェアの光が弾け飛び中から舞が姿を現す。

光の中から現れた舞の姿はこれまでと違ってかなり変わっていた。

 

舞の黒髪は美しい銀色に染まり、銀色のとある装備を彷彿とさせる

プロセッサユニットを纏っていてその手には銀のランスが握られている。

銀の女神の瞳もしっかりと顕現していて冷たくも美しい。

 

この状態であっても銀の女神が持つ本来の輝きは完全に甦ってはいない。

だが、この状況を逆転させるには十分な一手である。

 

「これでパワーアップの効果は消えたね。さあ、第二ラウンドを始めようか」

 

リーンボックスの歌姫5pb.の参戦に加えて銀の女神の継承者が新たな姿を得て再臨した。

本当の戦いはここからである。

 

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