超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

46 / 132
Game44:再び白の大地へ

島を襲撃する犯罪組織が拠点にしているダンジョンである

ノーコネディメンションに乗り込んだ私達はその最奥部で再びリンダと再会する。

リンダが呼び出したリュウオウをハード・ユニゾンからの秘奥義で打ち破ったが

変身を解いて辺りを見回すとリンダの姿はすでに消えていた。

 

「リンダは逃げたみたいだね。目的は達成できたからいいかな…」

 

「それにしてもすごかったね~! マイとネプギア! あれって新技?」

 

「そうだね。まずはみんなには謝らないといけないかな。リーンボックスを出る前の朝に私はネプギアと一緒に軽く練習をしてたって言ったと思うけどそれだけじゃないんだ。クロから依頼されたクエストのターゲット、ランドクイーンにネプギアと一緒に挑戦したの。さっき見せたネプギアと一つになった女神化はその時に銀の女神から教わったんだ」

 

「銀の女神様の話ではハード・ユニゾンって呼ぶみたいですね。維持できる時間は短いですけど、舞さんと一つになることでさっきみたいな大技が使えるようになりますよ。強い敵に確実にとどめを刺したい時に使う形になりますね」

 

「アンタ達、どこまで強くなるつもりよ。今回でまた一気に離されちゃったじゃない…」

 

「ネプギアちゃんばっかりずるい…。わたしも舞お姉ちゃんがしてたゲームの技、使ってみたい…」

 

「ユニとロムちゃんの気持ちわかるわ。そのハード・リンクとかハード・ユニゾンってどうやったら使えるようになるの? ネプギアにできたってことはわたし達にもできるの?」

 

「私はユニ達にもできると思ってる。根拠としては私とネプギアが使えるようになったからとしか言えないけどね。それにクロから出されるクエストはまだ残ってると思う。その時にはユニ達にも協力してもらうことになるからね。焦らずに頑張って行こう? 特殊な女神化だってすぐに覚えることができたんだからきっと大丈夫だよ」

 

ハード・リンクは女神同士が心を通わせれば発現するとパープルディスクが言っていた。

リーンボックスでの大型ライブの時は私と繋がっているネプギアを中継する形で発動した。

ネプギアから後で聞いた話だがハードブレイカーとの戦闘でも同じような物が発動したらしい。

だが、それはあくまで一時的な記憶の共有でありネプギアと私の場合は発現して以来

お互いの記憶を共有し続けているという違いがある。

 

心を通わせるという条件はクリアされているとは思うのだが

その条件に加えて何か発現するきっかけが必要なのかもしれない。

 

私とネプギアはM-3カスタムとの戦いで発現したが

その時と同じような感じで苦戦する局面に立たされる必要があるのだろうか。

現段階では確実な答えを示すことができないがユニ達ともハード・リンクを

発現させることができれば私達はさらに上の強さを目指せるようになると思った。

 

「舞さんの言う通りきっと大丈夫だよ。私もその時に追い越されないように頑張らないと…」

 

「頑張っていけば、私達はどこまでも強くなれるよ。ファルコムのところに報告しに行こうか」

 

目的を達成したのでノーコネディメンションから脱出してファルコムの元に向かう。

 

「ただいま。犯罪組織を指揮していたのは私の因縁の相手だったんだけど逃げていったみたい。これでこの島も大丈夫だと思うよ」

 

「まぁ、あの下っ端は本当にしつこいからまだ油断はしないほうがいいわね。また襲撃してくる可能性はゼロとは言えないわ。まぁ、余程のことが無い限りはもう来ないと思うけど」

 

「舞達が来てくれたおかげで本当に助かったよ! ありがとう! 舞達はこれからどうするんだい?」

 

「プラネテューヌの教会に戻ろうと思う。一応旅の目的は全て達成できたからこれからなにをするかを決めないといけないんだよね」

 

「そうか…。あたしもまた旅に…とは思ったけど、今回のことがあったからもう少し先になりそうだね。犯罪組織は舞達のおかげで追い払うことができたけど、この島には襲撃の爪痕がまだ残った状態だから復興の手伝いをしないといけないかな」

 

「頑張ってくださいね。私達も犯罪組織を一日でも早くやっつけられるように頑張りますから」

 

「今回の恩は絶対に忘れないよ。あたしにできることがあったらいつでも力になるからね。その時は遠慮なく言ってほしい」

 

「その時は頼りにさせてもらうよ。それじゃ、私達は帰るね? ファルコム、また会おうね!」

 

「うん! また会える時を楽しみにしてるよ!」

 

ファルコムは笑顔で手を振って私達を見送ってくれた。

私達はプラネテューヌの街に帰還する。何だか懐かしい感じがする。

 

最初は私とネプギアとアイエフとコンパの四人でこの街から始まったのだ。

目的を達成して始まりの場所に無事に戻ってこれたので嬉しい気持ちが溢れてくる。

あれから色々なことがあったがこの旅の中でたくさんの仲間が、友達ができた。

これは旅の中で得られた物の中でも最も大切な物と言ってもいいだろう。

プラネテューヌの教会の扉を開けると自分の家に帰ってきたような感じがした。

 

「ただいま、いーすんさん!」

 

「お帰りなさい、皆さん。あの時と比べて随分と大所帯になりましたね。長い旅、本当にご苦労様でした」

 

「ここがプラネテューヌの教会かー。何気に初めて入ったんだけど教会の中って綺麗だね!」

 

「ここの教会は随分と広いよね。ここでライブをしたら何人くらい入るのかな…。それ以前にライブをさせてもらえるのかな…?」

 

「そこの二人、あまりきょろきょろするなにゅ。田舎者の感じが丸出しになってるにゅ。これから大事な話が始まるところだから少し落ちつくにゅ」

 

「提示された条件は全てクリアしてきたよ。これで女神達を助ける準備を進めることができるんだよね?」

 

「はい。今この場に四人の女神候補生と四国のゲイムキャラが揃いました。今は皆さんが取り戻してくれたシェアを使って転送装置の準備と新たなシェアクリスタルを作っているところですね」

 

「それが完成したら…。いよいよですね…?」

 

「はい。ギョウカイ墓場へ再突入して女神再救出作戦を実行します。犯罪組織を壊滅させてゲイムギョウ界の平和を取り戻す時が近づいて来ていますね。ただ、準備にはもうしばらく時間がかかるので今すぐには向かってもらうことはできませんが…」

 

「早くねぷねぷ達を助け出してみんなで一緒に遊びたいです」

 

「一気に嫁が増えると思うと腕がなるよー! 女神様はアタシの嫁にしてやるのだー!」

 

「ボクの歌を女神様に届けたい…! 頑張らないと…!」

 

「ここまで来ればあと一歩にゅ。平和が戻ればみんなでたくさん遊べるようになるにゅ」

 

「今度こそ失敗は許されない…! 必ずネプ子達を助け出してみせる!」

 

女神再救出作戦が近づいていることもあって士気は自然と上昇していた。

 

「みんな随分と気合いが入ってるね。私も人の事言えないけど…」

 

「今度こそ、お姉ちゃんを助けて見せます。もう何もできないのは嫌だから…!」

 

「アタシ達ならできるはずよ。お姉ちゃんに追いつくんじゃない。超える勢いで行けばね」

 

「とーぜんよ。だってわたし達はさいきょーでしょ?」

 

「うん…。みんなで力を合わせればきっと大丈夫…。あれ…?」

 

候補生達の士気も併せて上昇したかと思ったその時、ロムに異変が訪れる。

 

「ロム、どうしたの?」

 

「舞お姉ちゃん…。なんだかくらくらする…」

 

「わたしも何だかおかしくなってきたわ…。なんなのよ、これ…」

 

異変はラムにも現れていた。先ほどまで元気いっぱいだったのに

いきなり体調を崩すことなんてあるのだろうか…。横に寝かせて様子を見る。

二人の不調の原因を探っているとアイエフの携帯電話が鳴りだした。

 

「諜報部のオトメちゃんから? はい、もしもし?」

 

どうやらアイエフが所属している諜報部の仲間からのようだが…。

 

「えっ!? それって…。わかったわ。そっちも気をつけてね」

 

「何かあったの?」

 

「ええ。ロムとラムの不調の原因がわかったわ。ルウィーで犯罪組織の活動が急激に活発化したらしいのよ。僅か数日でシェアの九割を奪われたって…」

 

「数日で九割のシェアを…? ありえない数字です…。どのような方法を用いたのかわかりませんが、ルウィーでただならぬことが起きているのは間違いありませんね…」

 

「何が起きてるのかはわからなかったの?」

 

「本当に急な出来事だったみたいなのよ。このままだとまずいわね…。早くもロムとラムに異変が出ているわ。ルウィーに向かってシェアを奪ってる原因を叩かないと…」

 

旅に出る前にイストワールから教えてもらった話を思い出す。

女神の力の源であるシェアが低下すればそれに連動する形で女神の力は低下する。

最悪の場合はその体に不調をきたす。今のロムとラムの状態はまさにその状態だった。

 

「これ以上のシェアを奪われればお二人の身が危険です。早急にルウィーのシェアを奪っている原因を突き止めてそれを叩く必要がありますね…。再救出作戦の準備が完了するまでにはまだ時間があります。その間にルウィーの調査をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「わかった。すぐに向かうよ。ロムとラムはどうしよう…。この状態で連れていくのは…」

 

どうしようか考えていると二人に渡した太陽と月の杖が突然姿を現す。

太陽の杖からは銀色、月の杖から金色の光がロムとラムの体に流れ込んでいった。

 

「少しだけど楽になったわ。わたし達も連れていって…!」

 

「女神化はきびしいけど、戦えるよ…。ルウィーに悪さするならわたし達が許さない…」

 

ロムとラムは元気を取り戻して立ち上がる。

どうやら二人の体に流れ込んだのはシェアのようだ。

 

「私が言えたことじゃないけど無茶はしないで。それじゃ、ルウィーに行こうか。ロムとラムをこんな目に合わせた罪はきっちりと償ってもらわないといけないよね」

 

私達はプラネテューヌの教会を出てルウィーに向かう。

ルウィーのシェアを奪っているのは一体何者なのだろうか…。

女神再救出作戦が控えているタイミングで襲ってきたこの現象から推測すると

犯罪組織の上の奴らが直々に動いている可能性が強い。

このありえない現象の裏で暗躍している存在が必ずいるはずだ。

 

ルウィーに到着した私達は教会に向かう。

 

「ミナ、大丈夫?」

 

「舞さん…? どうしてここに…? ロムとラムは大丈夫なんですか?」

 

「この杖のおかげで今は大丈夫よ。女神化はきびしいけど、戦えるわ」

 

「ミナちゃん、顔色がすごく悪い…。寝てないの…?」

 

「ええ。ここ最近は不眠不休の状態が続いていましたから…」

 

ロムの言う通りミナの顔色は誰が見ても悪く見えるくらいになっていた。

 

「状況はどうなってるの?」

 

「突然シェアを奪われたという事実があるだけで、その状態に至った原因は未だに不明です」

 

「まずはそれを調べないといけないわね。街に出て手分けして探してみましょう。必ずどこかにシェアを奪っている原因があるはずよ」

 

「どこかで悪さをしている人がいれば懲らしめるです!」

 

「女神様をこんなに酷い目に合わせるなんて許せないよ…!」

 

「早速探しに行くにゅ」

 

「そうだね。原因を突き止めれば奪われたシェアも取り戻せるはずだよ」

 

まずはルウィーのシェアを奪っている原因を突き止めなければならない。

僅か数日で九割のシェアを奪い取り、ロムとラムを苦しめた原因が必ずどこかにあるはずだ。

 

「ま、待ってください! 皆さんのそのお気持ちは大変ありがたいですが、他国の方々にそこまでしていただくわけには…。それにこれは我が国の問題ですし…」

 

「そんなことを気にする必要はないよ。目の前の困ってる人を助けられなくて女神救出なんてできないよ。ここは私達に任せてほしい」

 

「舞さんの言う通りです。それにこれは私達がやりたくてやってるんです。この気持ちは私達みんな同じなんですよ」

 

「そうね。国が違うとかそういうのは関係ないわ。こういう時こそ助け合って行かないといけないのよ。お姉ちゃん達がそうしていたように…」

 

「皆さん…。わかりました。そのお気持ちを受けさせてもらいます。ロムとラムを、ルウィーを助けてください。お願いします」

 

「その言葉を待ってたよ。みんな、行くよ!」

 

私達はルウィーの街に出てパーティを分ける。

ギルドでクエストをこなしてルウィーのシェアを回復させるパーティと

街に残ってシェアを奪っている原因を探すパーティに分かれて行動を開始する。

 

ちなみに私は街に残って原因を探す方だ。

ロムとラムと手を繋いで三人でルウィーの街を探索する。

 

「ん…? あれは…?」

 

私の視界に移ったのは灰色の大きなネズミ。辺りを気にしているように見える。

 

「あれって、下っ端と一緒にいたネズミよね? あいつが悪いことをしてるのかしら?」

 

「ラムちゃんの言う通りだと思う…。ものすごくあやしい…」

 

「なら、後をつけてみようか」

 

私達はネズミに気付かれないようにその後をつける。

ネズミを追いかけていくと路地裏の方に入って行った。

 

壁にはスプレーで書かれた落書きがあり、ジュースの缶などのゴミが辺りに散乱している。

あまり入りたくない場所ではあるが悪事を働くうえでこれほど適した場所はないと言っていい。

 

「おまたせっちゅ! 品切れ続出の新型マジェコンをたった今入荷したっちゅよ! いつ買うのか? それは今っちゅよ!」

 

路地裏で行われていたのは新型マジェコンの売買だった。

ネズミの一声を合図にマジェコン目当ての客が次々と集まってくる。

 

「ください! 三個ください!」

 

「よっしゃ! これであのガードされてたゲームがプレイできるぜ!」

 

「俺だけ持ってなかったから危うく仲間外れにされるところだったぜ…」

 

「慌てる必要はないっちゅ。ちゃんと全員の分を入荷してきたっちゅ。この際知り合いにまだ持っていない人がいるならその人の分も買って行ってあげてほしいっちゅ。仲間外れはよくないっちゅよ?」

 

「私にも一つくれないかな?」

 

「はいっちゅ! って、マイちゃん!?」

 

勿論こんなものにクレジットは支払わないし貰うつもりもない。

代わりに突きだすのは銀色の銃だけだ。

 

「まさかこんなことをしてるなんてね。誰の命令か吐いてもらおうかな? こんな大がかりなことをしているくらいだから、当然裏で糸を引いている奴がいるよね? 言わなくてもここにあるマジェコンは全部破壊させてもらうけど…」

 

「そ、それは困るっちゅ…。これは製造数の少ない貴重品っちゅ。壊されるわけには行かないっちゅ!」

 

「貴重品かどうかなんて聞いてないよ? 誰の命令かさっさと吐いてくれないかな? 私、すごく怒ってるんだけど…」

 

「マ、マイちゃんに頼まれても教えるわけにはいかないっちゅ! このマジェコンも破壊させるわけにはいかないっちゅ! ここは逃げさせてもらうっちゅよ!」

 

ネズミは新型マジェコンが入った箱を持つと猛スピードで逃げていく。

 

「ただでは逃がさないよ。ルートシューター!」

 

その後を追うように銀色のシェアで作られた光の玉がネズミの後を追いかける。

これは私がプレイしたゲームには登場しない魔法だ。追跡のみを目的とした補助魔法。

魔法が登場するアニメで似たような物を見たのでそれを私なりにアレンジした魔法になる。

光の玉の位置情報は私に伝わるようになっているのでこれを追って行けばいい。

 

 

「これでどこにいったかわかる。ネプギアに連絡を入れておこうか」

 

Nギアを取り出してネプギアに連絡を入れるとこれまでの事を伝える。

私達も路地裏を出て街の外に逃げたネズミを追いかける。

絶対に逃がすわけには行かない。ロムとラムを苦しめた罪は償ってもらう。

 

その頃、ルウィーの街から離れたとある場所では…

 

「アククク…! ルウィーのシェアはもう残り僅かのようだなぁ。どういう手を使ったのかは知らないが幼女女神は普通に行動しているようだが、それも時間の問題よ…。待っていておくれ、我が愛しの幼女女神達よ! アククク…!」

 

ロムとラムを狙っていると思われる声の主。

その手には怪しい光を放つ結晶が握られていた…。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。