超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game49:女神再救出作戦、始動!

プラネタワーの屋上でイストワールとパープルディスク達と話をして

女神再救出作戦への決意を改めて固めた私は教会の部屋で眠りに就いた。

 

最初は眠れないかと思ったが安心して眠れたので私の体力も完全に回復した。

そして次の日の朝を迎える。いよいよ、女神再救出作戦が実行される時が来たのだ。

起きて顔を洗って黒髪をしっかりと整えて気合いを入れ直すとみんなが待つ部屋に向かう。

 

「おはよう」

 

「おはようございます、舞さん。昨日はよく眠れましたか?」

 

「おかげさまで。私で最後かな?」

 

「はい。これで全員揃いました。これより女神再救出作戦を実行したいと思います。皆さん、準備はよろしいでしょうか?」

 

「私は大丈夫だよ」

 

「ひゃいっ! ばっちりでひゅ!」

 

「なんで昨日舞を励ましてたのに今度はアンタが緊張してんのよ…」

 

「まぁ、やっぱり本番は緊張する物だよ。ネプギア、深呼吸をしてみようか?」

 

「は、はいっ!」

 

息を吸って吐いての動作を二回繰り返す。

 

「どう? 少しは落ち着いたかな?」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

「ふふっ…。なんだか仲のいい姉妹に見えてきましたね。大丈夫ですよ。皆さんなら必ず成功させてくれると信じていますから。これまで培ってきた自分の力を信じてください。舞さん、これを受け取ってくれますか?」

 

イストワールから渡されたのは見覚えがある綺麗な結晶。

戦闘狂と初めてぶつかったあの時にネプギアが使ってくれた結晶だった。

 

確かあの時は一番小さいサイズだったと思うが今回は違う。

大きさに加えてその輝きは前回のそれを上回っている物だった。

 

「皆さんが集めてくれたシェアで作ったシェアクリスタルです。プラネテューヌだけではなく、ラステイション、ルウィー、リーンボックス…。このゲイムギョウ界を構成する四国のシェアで作られています。それ故に大きさとその輝きは従来の物を上回っています」

 

「わぁ…。大きくてきれいね。みんなのシェアがここに集まってるのよね」

 

「すごくきれい…。これがみんなで集めたシェア…」

 

「これだけのシェアがあれば…。行けるわね」

 

「はい! きっとねぷねぷ達を助けられるです! 今度はもう絶対に失敗しないです!」

 

「では、私は転送装置のコアとなって皆さんをギョウカイ墓場に送り届けます。向こうには私の声しか届きません。何が起きてもこちらから救援を出すことができません。厳しい状況での戦いになりますが、皆さんなら四女神達を救出して帰ってきてくれると心から信じています」

 

「くーっ! いよいよだよ! いよいよ、本物の女神様に会えるんだね! みんな纏めてアタシの嫁にしてやるのだー!」

 

「この日のためにみんなで頑張ってきたんだよね…。だから、きっと大丈夫だよ」

 

「あなた達、絶対にベールお姉様達を助け出して戻ってくるのよ! これは命令よ!」

 

「ユニ、舞。期待しているよ。ノワール達を助け出してこの場所に戻ってきてくれることを」

 

「どうか御無事で…。誰一人欠けることなくブラン様達と一緒に帰ってきてください」

 

「それじゃ、行ってくるね! みんな、準備はいい?」

 

「はいっ!」

 

「任せなさい!」

 

「オッケー!」

 

「うん…!」

 

私達は転送装置の光の中に入る。それが女神再救出作戦が開始された瞬間であった。

光が晴れるとそこはゲイムギョウ界にやってきた時に見た光景と同じだった。

 

血を連想させるかのような赤に染まった空。その空に浮かぶ分厚い黒雲。

鳴り響く雷の音に加えて辺りに積み上げられているのはゲーム機の残骸。

 

緑色の人魂のような光が漂うこの場所は

このゲイムギョウ界で壊れてしまった物が最後に行きつく場所。

 

「ギョウカイ墓場…。ここから私は始まったんだよね…」

 

始まりの場所に再び足を踏み入れた私はあの時を思い出していた。

自分の部屋で眠りに就いたはずが次に目を覚ました時はこの場所にいたことを。

 

「無事に到着しましたか?」

 

「はい! ちゃんと全員います!」

 

「なんだか悲しい場所だね…。こんなところに三年間も捕まってるなんて…」

 

「そうだよね…。早く助けに行こうよ! 女神様達をこんなところから解放してあげなくちゃ!」

 

「こわい…。こんなところにお姉ちゃん、ずっと捕まってるの…?」

 

「大丈夫。私が手を繋いであげるから。それにラムも一緒でしょ?」

 

「そうそう。わたしと舞が手繋いでてあげるから、だいじょーぶ! 早くお姉ちゃん達を助けてこんな場所からおさらばしましょう!」

 

「ここにお姉ちゃんが捕まってるのね…。絶対に助け出してみせるから…!」

 

「おしゃべりはそこまでにしましょう。時間は無限にあるわけじゃないわ。早くネプ子達が捕まっている場所に行くわよ」

 

「アイエフとコンパはここに来たことがあるって言ってたにゅ。ってことは女神が捕まってる場所はもうわかってるにゅ?」

 

「はい。わたし達は一度行ってますから。でもあの怖い人がきっと邪魔をしにくるです…」

 

「そうね…。アイツはネプ子達を捕らえてる場所を見張ってるみたいなのよ。間違いなく邪魔をしてくるでしょうね…」

 

「大丈夫。あの戦闘狂は私が今日ここで絶対に倒す。私に因縁を持ってるとは思うけど、私達の邪魔するなら倒すだけだよ。アイエフ、コンパ。案内をもう一度お願いしてもいい?」

 

「はいです!」

 

「わかったわ。こっちよ」

 

アイエフとコンパの案内に従ってギョウカイ墓場の奥に進んで行く。

 

今回はダンジョンに入った時の恒例となっているモンスターの観察は行わない。

何かの機会でまたギョウカイ墓場に来ることがあればその時に行うことにする。

 

ケイからもらったシェアクリスタルの力を増幅させるブレスレットを使って

体内のシェアを増幅させたら特殊な女神化を使って戦闘準備を整えておく。

 

四女神達は奥の方に捕らわれている上に行く手を阻むモンスターの数もそれなりに多いので

それらを確実に仕留めて少しずつ前に進んで行く。決戦の時が刻一刻と近づいていた。

 

一方その頃…。女神達が捕らわれている場所では…。

 

「ぐあああああっ! 退屈だ! 暴れたああああい!」

 

狂ったかのように暴れまわる黒い大きな人物がいた。

 

「ひいいっ! 落ち着いてください! ジャッジ・ザ・ハード様! もうすぐあの暴力女神どもがここまでやって来ますから!」

 

「危ないっちゅ! 武器を振り回さないでほしいっちゅ! マイちゃんなら下っ端の言う通りもうすぐここにやってくるはずっちゅ!」

 

「このままではヒマで死ぬ…。ヒマ死するうう! 貴様らが暴力女神やマイと呼ぶ女は確か銀の瞳を持っていると言ったな! ならば間違いなく俺様の体に傷をつけたあの女に間違いない! だがもう待てぬうう! あの女が来るまで貴様らが俺様の相手をしろおおお!」

 

「無理ですよ! 相手になるわけねぇですって! だから抑えてくださいよ!」

 

「マイちゃんがここに来るまでの間は下っ端がジャッジ・ザ・ハード様の相手をすればいいっちゅ! 肉体労働は下っ端の専売特許っちゅ!」

 

「テメェ…。またこっちに押し付ける気かよ! こんなの肉体労働に入るか! 暴力女神とガチでやり合う方がまだマシだっつーの!」

 

「はあ、はあ…。もう限界だ…! 貴様ら纏めてブッ飛ばあああす! あの女をブッ飛ばすのはそれからでも遅くねえええ!」

 

舞がここに来ることがわかっていても我慢の限界を迎えたジャッジは再び武器を振り回す。

 

「ちょっ! 相手をするからブッ飛ばすに変わってるんですけど! クソっ、暴力女神はまだ来ねぇのかよ!」

 

「ジャッジ・ザ・ハード様のご機嫌取りなんて到底無理っちゅ! マイちゃん! 早く来てほしいっちゅ!」

 

「呼んだ? なんかすごい状況になってるみたいだけど…」

 

「あああっ! マイちゃん! やっと来てくれたっちゅね!」

 

「遅ぇよ! この暴力女神! もう少しでアタイらが肉片にされるところだったじゃねーか!」

 

「仲間割れってやつなのかな? というか最初に会った時と何も変わってないね。同じ仲間であるリンダとワレチューに手をかけようとするなんて狂ってるとしか言いようがないね…」

 

「マイ、ものすごく歓迎されてるにゅ。もう少しゆっくり来てもよかったんじゃないかにゅ?」

 

「嬉しくない歓迎よね。あいつらを助けてやる義理なんてないんだけど…。むしろ一度ブッ飛ばされた方がいいんじゃない?」

 

「あははは! それ言えてる! でもどっちにしろあいつは倒さないといけないんだよね?」

 

「うん。私とネプギア達で前に出る。みんなにはその間に女神達の救出をお願いするよ」

 

「…」

 

「ちょっと、どうしたのよ。まさかまだ弱気になってるの?」

 

「ううん。違うよ。嬉しいの。舞さんと出会えてみんなと仲良くなれて。そして今、この場にみんなと一緒に立てることが」

 

「紛らわしい顔しないでよね…。でもそれは一理あるわ。アタシ達がこうして集まれたのは間違いなく舞のおかげよね」

 

「舞とわたし達が揃って倒せない敵なんていないはずよ! そうでしょ!」

 

「舞お姉ちゃんとネプギアちゃん達と一緒なら何だってできる…」

 

「すごいよね。舞さんと女神様達は。ボクも歌で舞さん達をサポートしないと…」

 

「マイとネプギア達が揃ったらもはや無敵だよ! 一緒に旅を続けてきたアタシが言うんだから間違いないよ!」

 

「ブロッコリーは人を見る目だけは自信があるにゅ。ここでマイとネプギア達の力をあいつに見せつけてやればいいにゅ」

 

「私達にはこれだけ頼もしい仲間が、友達がいる。私達ならどこまでも行けるはずだよ」

 

「舞さんの言う通りです! ギアちゃん達なら必ず行けるはずです!」

 

「そうね。さあ、そろそろいい頃合いよ。これまでに培ってきた力を全て出してアイツに勝ってきなさい!」

 

「はいっ!」

 

「どうやら私達の出番のようですね」

 

「そうだな。プラネテューヌの女神候補生…。いや、ネプギアよ。これを受け取るがいい」

 

「私達の力、存分に使ってください!」

 

「見せてください。あなた達と舞さんが作り出すゲイムギョウ界の新たな未来を…」

 

パープルディスク達から暖かい四つの光が放たれてネプギアの体に入っていく。

最初に協力を取り付けた時にもらった力の一部と混ざり合い一つの大きな力となる。

 

「暖かい…。これなら…! 舞さん、手を繋いでくれませんか?」

 

「いいよ。一緒に飛ぼうか。お姉さん達を助けてみんなで帰るために」

 

私とネプギアは手を繋ぎ内に秘めた力を解放する。今回は最初から全力だ。

銀と紫の光が私達を包み込む。私達が一つになっていく。

 

私の黒髪はネプギアと同じ淡い紫色に変わり、ネプギアのプロセッサユニットが装着される。

 

私の体に装着されたプロセッサユニットには新たな変化が表れていた。

今までは白色だったのが黒と紫が混ざったような色に変わっている。

 

「これは…」

 

(このプロセッサユニット…。お姉ちゃんと同じ色です。)

 

「これはすごい物を受けとったね。それに力が溢れてくるよ。これなら…!」

 

(はい! 今の私達なら絶対に勝てます! みんなで一緒に帰るんです!)

 

ハード・ユニゾンをした私達は変化した銀の長剣を構える。

ユニとラムとロムも女神の力を解き放ち、私達の横に降り立った。

ハード・リンクの光もしっかりと私達を繋いでくれている。

 

「ちょっとー! いつまで喋ってるんですかー? 早くなんとかしてー!」

 

「ジャッジ・ザ・ハード様! マイちゃんがやってきたっちゅよ!」

 

「おおお…! 最初に見た時と姿は違うようだがその銀の瞳はまさしく俺様の体に傷を付けたあの女の目だぁ…! わざわざ俺様に殺されに来たのか? ああっ?」

 

「そんなわけないでしょ。頭まで低脳なんだね。あなたは今日ここで私が。いや、私達が倒す!」

 

「くくく…! しばらく見ないうちに随分と偉そうな口を叩くようになったじゃねーか! 体に傷を付けられたあの時の屈辱、一日たりとも忘れることはなかったぞ! 今日こそお前のその体を八つ裂きにしてやるううう!」

 

「あの時のリベンジ果たさせてもらうよ。前と違って私は一人じゃないからそう簡単に勝てるとは思わないことだね」

 

「何人で来ようと同じことだ! 貴様は絶対にここで殺す! 楽に死ねると思うなよおおお!」

 

「よくしゃべるね。私も人の事を言えないけど…。さあ、戦いを始めようか。ジャッジ・ザ・ハード! そこを通してもらうよ!」

 

「望むところだあああ! 来いよ! 心行くまで死合おうぜ!」

 

「上等っ!」

 

私達はギョウカイ墓場の守護者、ジャッジ・ザ・ハードに立ち向かう。

今度は敗北は許されない。勝利をこの手に掴むために武器を握る手に力を込めて駆け出す。

 

女神再救出作戦の成否はこの戦いに委ねられた。

勝つのは銀の女神の継承者と候補生達か…。それとも怒り狂った審判者なのか…。

ゲイムギョウ界の未来がかかった戦いが始まったのであった。

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