超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game58:黒の大地への訪問

私の歌の後に5pb.が流れを引き継ぐ形で大盛況の下に終了したライブ。

5pb.は次のライブも一緒に出て欲しいと言ってくれたが次にライブに出る時には

サビだけではなくて全て歌えるように曲を覚えてから参戦したいと思った。

 

ライブ終了後に5pb.は現時点で出している曲が全て収録されたSDカードを渡してくれた。

NギアにSDカードを入れて初期から備え付けられているアプリの一つである

メディアプレイヤーというアプリを使えば曲を聞くことができるとのこと。

 

もう一つ気になったのが、アンコールの際にアリアの声に導かれる形で発現した力。

ライブ終了後に聞いてみたのだが、アリアの話によると自分のプレイしたゲームの

強いイメージを抱いて女神の力を解放することでイメージをそのまま具現化させる力らしい。

 

戦闘が含まれるゲームについては再現できないようで実際の戦闘に活かすことはできないが

逆に含まれないゲームについては行使することでそのキャラに成りきることができる。

事実、私がライブの際に纏った衣装は戦闘がないリズムゲームに登場する衣装。

今回のライブのように戦闘以外の場面で活用することができるということだ。

 

ベール曰く守護女神は戦闘力だけが高ければいいと言う物ではないとのこと。

クエストを受けてモンスターと戦う以外にもシェアを集める方法には様々な物がある。

過去の事例によるとアイドルとしてデビューするなどの方法があったようだが…。

戦闘以外でも様々な活動ができるようにしておくとシェアも集めやすいと言えるのだ。

 

次にライブに出ることがあれば、今回発現した力を活用したいところである。

それ以外のイベントの際にも使えるかもしれないが、その辺りは検証が必要だ。

ベールの部屋に置かせてもらっていたノートパソコンの箱を忘れないように持って

私達はリーンボックスに一時の別れを告げ、プラネテューヌに帰還する。

 

「「ただいま~」」

 

「あっ! 舞さん、アリアさん、おかえりなさい!」

 

教会の扉を開けるとネプギアが出迎えてくれた。

 

「随分と遅くなっちゃった…。ネプテューヌは何してるの?」

 

「お姉ちゃんは部屋でゲームをしていますよ。待ちきれなかったみたいです」

 

「あらら…。早速行ってゲームに参戦したいところなんだけど…」

 

「それって、パソコンですか?」

 

「うん。ベールにもらったんだ。部屋で使えるように準備したいんだよね…」

 

「なら、私が代わりに準備しておきますよ。お姉ちゃんの部屋に行ってあげてください」

 

「それはすごくありがたいけど、いいの?」

 

「はい。パソコンの知識は頭の中に入ってますから、任せてください!」

 

そのことにネプギアは機械が好きだったことを思い出した。

複雑な機構の塊であるパソコンもネプギアの守備範囲内に入っているのだろう。

自分の部屋までノートパソコンの箱を持っていくと後のことをネプギアに任せる。

 

私とアリアはネプテューヌの部屋に向かって恒例となったゲーム対戦を行う。

ネプテューヌに待ちくたびれたと言われたのでそこは素直に謝っておくことにした。

前回はパズルゲームだったが、今回対戦するのはレースゲームである。

 

今回のゲームの舞台はプラネテューヌに実際に存在する高速道路。

何と制限速度は時速300kmまで出していいらしいのだがそれを実際にするのは

ごく一部の限られた命知らずのみ。普通は時速100kmで走るのがほとんど。

レースに勝利することで入手できるアイテムを使えば車を強化することができる。

 

最高速度やそれに到達するまでの加速力を始め

小回りが利きやすくなる旋回力などのパラメータが主になるのだが

攻撃力や防御力などの車に必要なのかと思われるパラメータも設定されている。

 

ネプテューヌはこのゲームに登場する全ての車の性能を極限まで強化することで

車同士の性能の差がほぼ発生しないようにしている。

これによってゲームの勝敗を分けるのはプレイヤーの知識と技術のみになってくるのだ。

一時間近く対戦した結果、勝敗はほぼ互角と言える状態に終わった。

 

やはりネプテューヌに勝利するのは並みのレベルでは不可能と言ってもよい。

さらにアリアの強さはネプテューヌをも上回る。強敵と書いてともと読んでもいいと思う。

ゲームを終了した私とアリアが部屋に戻るとちょうどネプギアがパソコンの設定を終えていた。

 

「あっ、ちょうどいいところに! 今、設定が終わったところなんですよ」

 

「ありがとう。もう使っても大丈夫なのかな?」

 

「はい! これで使えるはずですよ」

 

「ごめんね? 何もかもやってもらって…」

 

「気にしないでください。私がやりたくてやったんですから。これも私にできることなんです。何か困ったことがあったら遠慮せずに言ってくださいね?」

 

そう言うとネプギアは部屋から出ていく。

 

「ネプギアちゃんって本当によくできた妹だよね? 私も妹とか欲しいなぁ…」

 

「その気持ちすごくわかるよ。これまでの旅の中でそう思うことも何度かあったから」

 

ネプギアのスペックの高さはやはり姉であるネプテューヌ譲りなのだろうか。

ネプテューヌは普段やる気がないだけでやる気を出せばネプギアを普通に上回る。

実際に特殊女神化を行使した際も当時のネプギアと私を遥かに上回る移行速度だった。

遊ぶ時間を確保するという名目でやる気を出してくれるだけマシと言える物である。

 

パソコンをほんの少し使って明日の夜から開始する四女神オンラインの準備を整える。

部屋の電気を消して布団を被ると眠りに就いてそのまま次の日の朝を迎えるのであった。

 

一時間程度の朝練をこなした後はネプテューヌを大好物のプリンで釣って起こすと

仕事をこなすためにイストワールの元に向かう。

 

「イストワール、ギョウカイ墓場の様子はどうなっているの?」

 

「特に異常は確認されていません。ただ、ギョウカイ墓場に集まる負のエネルギーの総量は少しずつではありますが日に日に増してきていますね…」

 

「そっか…。もう止めることはできないんだよね?」

 

「はい…。舞さんがマジック・ザ・ハードから聞いたように犯罪神の復活が近づいている予兆なのでしょう。今はこちらからも手を出せない状況と言えます。何かあればすぐに知らせますのでいつでも出れる状態にはしておいてほしいところですね」

 

「わかった。今日は何をすればいいのかな?」

 

「そうですね。今日はこの前と同じように書類整理をしていただきましょうか」

 

私達は書類整理に早速取り掛かる。目標は昼までに終わらせることだ。

昼からはアリアと一緒にラステイションに向かう予定になっている。

 

「ネプテューヌ、あれ使ってみてよ」

 

「え~? あれ疲れるから嫌なんだけどなぁ…。でも、舞が言うならやってもいいよ! ということで括目せよ!」

 

ネプテューヌは目を閉じて集中する。

何かが弾けるような音がすると特殊女神化状態になる。

 

「ふぅ…。不思議な気分ね。慣れるのに時間がかかりそうだわ。さぁ、早く終わらせましょう」

 

特殊女神化状態になったネプテューヌの仕事の処理速度は

通常の状態とは比較にならないほど上がっていた。やはり高スペックである。

 

ネプギアから回ってくる書類に目を通して

自分のサインをするかしないかの判断を即座に行っているのだ。

さらに不備がある書類についてはネプギアやイストワールに足りないことを指摘する。

特殊女神化状態のネプテューヌの活躍によって今日の仕事もお昼前に片付いた。

 

「あ~疲れた…。舞、プリンは~?」

 

「ここにあるよ。この調子で明日も頑張ろうか。回数を重ねれば疲れも出ないと思うよ」

 

私はネプテューヌにプリンとスプーンを渡す。

仕事終わりに食べるのはネプテューヌの行きつけの店で買ってきたプリンだ。

手作りプリンは仕事前にネプテューヌに食べさせることでやる気を出させる効果がある。

 

「ネプテューヌさんがここまで早く正確な仕事をするなんて…。感動しました」

 

「まぁ、やる気さえあれば完璧だからね。この紫の女神様は」

 

「舞とアリアは今日はラステイションに行くんだっけ?」

 

「そうだよ。何か買ってきてほしい物とかあったりする?」

 

「やっぱりプリンかな~。ラステイションにも行きつけの店があるから買ってきてくれたら嬉しい。ノワールのところに遊びに行く時はそこでいつもプリンを買ってるから。場所はノワールが知ってるはずだよ」

 

「わかった。他には何かある?」

 

「あっ、そうそう! ラステイションに向かう前に一つ面白いことを教えてあげるよ! 舞とアリアはノワールの趣味って何だと思う?」

 

「ゲームではないよね…?」

 

「ゲームはあまりしなさそうに見えたね。アウトドア派のような気もするけど、実際のところはどうなのかな?」

 

「ふっふっふ…。なら教えてあげよう! ノワールの趣味。それはズバリ、コスプレだよ!」

 

「またイメージと違ってるみたいだね? アニメとかゲームが好きそうには見えなかったけど…」

 

ネプテューヌの話によるとノワールは仕事部屋で一人になるとクローゼットから

自作の衣装を取り出して着ることで鏡の前でポーズを取っていたりするらしい。

ノワールの妹であるユニはそのことを知らないとのこと。ケイはどうなのかは知らないが…。

 

「ノワールが一人になったのを見たら仕事部屋に突撃してみるといいよ。いつもはユニちゃんと同じ部屋で仕事をしてるからまずしないとは思うけどね?」

 

「まぁ、頭の片隅には留めておくよ。それで仕事の邪魔をするわけには行かないから」

 

「舞は真面目だなぁ…。ちょっとくらい悪ふざけするのも重要だよ?」

 

「やり過ぎはよくないからね。とりあえず行ってみるよ」

 

「まぁ、楽しんできてよ! 行ってらっしゃ~い」

 

私とアリアはプラネタワーの屋上に向かう。

女神の力を解放して空に上がるとラステイションの方角に向けて飛ぶ。

到着して向かうのはラステイションの教会。

 

「おや、これは珍しい来客だね。ようこそ。舞、アリアさん」

 

「ユニとノワールは?」

 

「二人で仲良く仕事中さ。案内しようか? あの二人は休憩という物を知らないからね」

 

ケイに案内される形でノワールの仕事部屋に向かう。

教会の一番上の階にあるようでエレベーターに乗れば部屋の前まで行くことができる。

 

「ノワール、ユニ、入ってもいいかい? 二人に客人が来ているんだが…」

 

「お姉ちゃんとアタシに? いいわよ。中に入れてあげて」

 

「ということだ。遠慮せずに入るといい」

 

ケイの言葉に部屋の扉を開けて中に入る。かなり広い部屋だ。

 

「誰かと思ったら舞にアリアじゃない。今日はどうしたの?」

 

「今はプラネテューヌを拠点にしてアリアと一緒にゲイムギョウ界を回ってるんだ。昨日はリーンボックスに行ってきたんだよ」

 

「だから昨日のライブ中継に舞が映ってたのね…。テレビのチャンネルを変えたらいきなり舞が映ったから驚いたわよ」

 

「あはは…。その場の流れでステージに上がることになってね? ノワール、仕事手伝おうか?」

 

「流石にそれはできないわ。もう少しだけ待っててくれる? すぐに終わらせるから」

 

椅子に座って書類と格闘しているノワール。かなり焦っているようだが…。

 

「君がそこまで焦るなんて珍しいね? 何かあったのかい?」

 

「実は…」

 

ユニの話によると書類の最終チェックをノワールと行っていたようだが

途中からノワールがサインを書く箇所を間違えていることが発覚したらしい。

 

ノワールが普段このようなミスを犯すことはないのだが

幽閉されていた三年間のブランクがここで現れてしまったようだ。

その結果ノワールは修正作業に追われている状態とのこと。

対するユニの方は書類の整理が終わったようで落ち着いている。

 

「どうやら事務処理能力の適正はユニの方が高いようだね?」

 

「まだまだお姉ちゃんに敵わないところは多いわ。待つならそこのソファに座っててくれるかしら? アタシはお茶とお菓子を持ってくるから」

 

「僕は下の部屋にいるから何かあったら言ってほしい」

 

私達はソファに座って待つ。少しするとユニがお茶とお菓子を持って戻ってきた。

 

「ありがとう。ノワールの仕事が終わるまで何の話をしようか?」

 

「そうね。舞、あのゲームの調子はどうなの?」

 

「Bランク解放クエストの手前で止まった状態だよ。キラーモシーンを倒さないと…」

 

「あのキラーマシンに似た機械のやつね。雷が弱点だからそれで挑むといいと思うわ。アタシが言わなくても舞ならわかってたかしら?」

 

「まぁ、機械系のモンスターは雷に弱いことが多いからね。例外もいるだろうけど…」

 

「それってあの狩りゲー? 舞とユニも持ってるんだね?」

 

「ってことはアリアも?」

 

「うん。私は既存クエストは全部クリアしたから今は配信限定のクエストを待ってる状態だね。言ってくれれば手伝うよ?」

 

「流石と言ったところね。よかったら多人数向けのクエストを手伝ってくれないかしら? 今はAランクなんだけど敵が強くて難しいのよ。あっ、舞がそこまで来てからでいいから」

 

「わかった。ということは舞もこれからさらに忙しくなるね?」

 

「確かに…。ケイから聞いたんだけどこの狩りゲーってノワールだけじゃなくてネプテューヌやブラン、ベールがパッケージになってる物もあるんだよね? それって登場するモンスターとかも違ってくるの?」

 

「そうだね。世界観の設定は同じなんだけど、登場するモンスターは勿論、フィールドも違ってくる。例えばネプテューヌがパッケージになってる物は水中戦が実装されてるよ。次回作は空中戦が実装されるんじゃないかって噂があるくらいだし」

 

「新しい狩りの舞台は空にってわけ…? 面白くなりそうね」

 

私も早く二人に追いつかなければならない。

みんなで協力して強敵を狩ることがこのゲームの醍醐味なのだから。

ただ、四女神オンラインもしないといけないのでこれ以上増やすと完全に詰んでしまう。

一つ一つ積み重ねていかなければならない。焦ってもいい結果は出ないのは明白である。

 

「ふぅ…。なんとか終わらせることができたわ。待たせたわね」

 

「お疲れ様、ノワール」

 

「ありがとう。さて、これから何をしようかしら?」

 

「いつも通りトークでいいんじゃないかな?」

 

「アリアの言う通りだね。何か思いついたら言う形にしようか」

 

仕事を終えたノワールが加わり、旅の話を中心に盛り上がる私達。

黒の女神姉妹との会話を楽しみながら私は後に何をするのか考えていた。

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