超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game60:忙しい銀の女神の継承者

ノワールの案内でラステイションの街を一通り廻った私達。

ギルドで依頼の確認を行った後にセレナが待つセプテントリゾートに向かう。

ブラックディスクの勧めもあってアリアの相方であるセレナを仲間に加えた。

 

「舞に伝えるのを忘れてたんだけどクエストの掲示板は見てくれた?」

 

「見たよ。ユニ達と話し合ってからにはなるけど、近い内にまた挑戦しようと思ってる。あの黒い宝玉ってセレナが作った物なんだよね?」

 

「うん。あれを作るきっかけはアリアの言葉だった。ある日一緒に訓練してたら突然アリアが言い出したの。自分がプレイしたゲームの世界の強敵達と戦ってみたいって。そうしたらもっと強くなれるのにってね。その言葉を聞いてから私は何とかそれを企画書にして実現できないかと試行錯誤を繰り返した。それでできたのが、舞に渡した黒い宝玉だよ」

 

「まさかあの時に自分が何気なく呟いた言葉が現実になるとは思わなかったけどね。当時の私はセレナが作り出した宝玉の力でかつて自分がゲームで戦った相手と戦い続けたよ。その相手を再現するだけじゃなくて、場所もちゃんと再現してくれるからね?」

 

「凄い物を作ってるのね…。素材集めはかなり大変だったんじゃないの?」

 

「企画した以上は自分で集めようとしたけど、最後は結局シエルにお願いする形になったよ。アリアにはお披露目までは秘密にしておきたかったからね。報酬として高級レストランのフルコースを奢らされたのはいい思い出だよ」

 

「シエルってあの時にセレナと一緒にいたドラゴンに変身する女神よね? クリスタルハートって言ってたけど、やっぱり強いの? 会った時は物凄い強い力を感じたけど…」

 

「強いよ。何たって趣味が危険種狩りだから。私達と出会ってからはいつもアリアと競ってたよ。私は二人の競争をよく見守ってたけどね。今日もクエストで接触禁忌種を狩りに行ってくるって言ってた」

 

ここで整理しておくとゲイムギョウ界に生息する危険種にはいくつかの分類がある。

通常危険種、上位危険種、接触禁忌種、超接触禁忌種といった形で四つに分類される形。

 

超接触禁忌種は観測されること自体が非常に稀である上に計り知れない戦闘力を誇る。

アリアが無双していた時に何度か倒したことがあったようだが、毎回苦戦を強いられたらしい。

超接触禁忌種からしか取れない素材は当然存在する。最強クラスと呼べる性能を持つ

武具を開発するためには必ず必要になると言ってもよい。

 

「シエルもファントムハートに力を奪われてるんだよね? どんな能力を持ってるの?」

 

「シエルの能力は適応化だよ。相手の性質や戦いの場所に合わせて常に有利になれるように自分を強化する力。最高状態のシエルは四つの形態を使いこなしてた。今は力を奪われてるから形態変化は使えなくなってるけど、使えなくてもシエルは強い。自分の能力が万が一使えなくなった時のために鍛えてたって言ってたから」

 

「強いのはわかるけど、一人で接触禁忌種に挑んでる時点ですごいわね…。接触禁忌種の中でも弱い部類の相手なら私もクエストで何度か倒したことはあるけど、楽勝なんて言葉はほとんど言えなかったわ。世界には自分より強い人はいくらでもいるってことなのね…」

 

世界という物は本当に広い。自分より上の能力・強さを持つ者はいくらでもいるのだから。

前に言ったかもしれないが、現実とゲーム、両方の世界で言えることだと私は思っている。

 

そういった話をしながら歩いて帰るとラステイションの街に戻ってきた。

時刻はが夕方を回っていることもあって太陽が沈み始めている。

 

「そろそろ帰らないといけないね? ノワール、今日はありがとう。楽しかったよ」

 

「ユニちゃん、狩りゲーの方はいつでも手伝うからよろしくね!」

 

「今日は遊びに来てくれてありがとう。またいつでも来るといいわ」

 

「アタシもアンタ達と話せて楽しかったわ。舞も早く多人数向けクエストに来れるようにしなさいよね! 明日はルウィーに行くの?」

 

「予定ではね。ネプテューヌの仕事がどうなるかによるけど。お昼までに片づけることができればルウィーに向かうつもり」

 

「行く時はアタシにも連絡を入れてもらってもいい? ラムとロムに会うのなら例のクエストの件、誰がどのモンスターに舞と一緒に挑むか話し合っておきたいんだけど…」

 

「わかった。そういえば連絡先、交換してなかったよね? 今の内に交換しておこうか」

 

私とユニは互いの連絡先を交換する。

狩りゲーの攻略で集まりたい時もこれでお互いに話がしやすくなる。

 

「これでよし…っと。じゃあルウィーに向かう時は連絡させてもらうよ」

 

「わかったわ。またラステイションに遊びに来なさいよね」

 

「うん。ユニやアリアと一緒に狩りゲーができるように私も頑張るから」

 

二人の足を引っ張るわけには行かない。

現実の鍛練の方が当然優先度が高いがこちらも重要である。

 

ノワールとユニと別れた私達は街に出た時に最初に案内してもらった

ネプテューヌの行きつけの店でプリンを購入してからプラネテューヌに帰還する。

 

帰る時は何とアリアがセレナをお姫様抱っこしていた。

セレナも女神化をすれば飛ぶことができるのだがアリアと比較すると

プロセッサユニットの飛行能力が劣るところがあるのだ。

 

以前は自分で作り出した飛行能力を高める魔法でアリアと一緒に飛んでいたようだが

ファントムハートに自身の魔法の原典を奪われたことによって使用不可能になっている。

近くで見るとアリアが王子様でセレナがお姫様に見える不思議と違和感が無い光景だった。

 

そういえばノワールの趣味がネプテューヌの言った通りコスプレなのかどうかは

結局わからなかったが今度二人きりになることがあればその時にでも聞いてみようと思った。

 

そして今の私達の家と言えるプラネテューヌの教会に帰ってきたので

いつも通りにネプテューヌとゲームをしようと思ったのだが

今日は4女神オンラインの女神フェスの開催日なので見送らせてもらう形となった。

それだけではなく狩りゲーのほうも進めないといけないので時間が厳しい。

 

アリアや銀翼騎士団の団員の心強いサポートを受けて戦えるだけの装備を整える。

流石と言ってもいいのか現時点のランキング、個人成績の方を見ると上位のほとんどに

銀翼騎士団の団員の名前が上がっている。久しぶりの女神フェス参戦と言うこともあって

いつも以上に気合いが入っていると言ってもいい状態だった。

 

流石にずっとはできないのである程度のシェアを稼いでログアウトさせてもらうと

今度は狩りゲーにチェンジしてBランク解放クエストから攻略を開始する。

 

ちなみにアリアは引き続き四女神オンラインをしていて

セレナはネプテューヌから借りたマンガを読んで時間を過ごしている。

 

Bランク解放クエストの相手はキラーモシーン。大型の機械族モンスターである。

機械族モンスターはその装甲の硬さをいかに攻略するかが重要になってくる。

 

キラーモシーンの場合は雷属性が弱点なので

雷属性が付加されているメカニカルソードを装備して弱点を突く。

弱点属性で攻撃を加えると攻撃が通り易くなるのだ。

逆に耐性のある属性で攻めた場合はこちらの攻撃が弾かれてしまうので

有効なダメージを与えるどころか相手に隙を与えてしまう形になる。

 

ショップで買うことができるゲーム内に登場するモンスターの情報には

どうすればそのモンスターと有利に戦えるか、戦う際に注意しなければならない点が

ある程度書かれているのでそちらを参照して装備を整える必要がある。

 

上のレベルに登場するモンスター程、事前に得られる情報は少なくなってくるので

その場合はこれまでの戦いで積み重ねてきた経験と知識を活かして対応する形になる。

 

機械族モンスターを攻略する際は弱点属性で攻めるのが基本になってくるが

武器が用意できない時や属性攻撃に耐性を持つ個体の場合は部位破壊を行って

装甲を崩せば弱点部位を作り出すことができる。

 

ターゲットのキラーモシーンを撃破した私はBランククエストの攻略を開始する。

Bランク解放と同時に新たに習得した技はヴォルケーノダイブ。

跳躍から斬撃を叩きこむと共に火炎を発生させる火属性の特殊攻撃だ。

 

Bランクから新たに登場する大型モンスターを纏めてみると

エレメントドラゴン・モリガニ・オオリクガメ・ナスライダーと強敵が増えてきている。

全てのクエストをクリアしなくても解放クエストを出現させることはできるが

私は全てクリアしてから先に進む派なのでそれまでは解放クエストはお預けと言うことに。

 

次のAランク解放クエストの相手はシュヴァルツというモンスター。

今回は討伐ではなく撃退がクリア条件に設定されている。

モンスター情報には神出鬼没で黒い甲殻を持つドラゴンとしか書かれていない。

改めてパッケージを見返すとノワールが立ち向かっているのは黒いドラゴンだった。

撃退が主目標になっていることから、これまでに戦ってきたモンスター達とは違うのだろう。

 

だが、今日はここまでだ。熱中していれば時間という物はあっという間に過ぎる物。

部屋の壁にかかってある時計に視線を移すと日付が変わる数分前だったので

セーブしてゲームを終了すると布団を被って眠りに就く。

 

私が暮らしていた世界でも一日の終わりもだいたいこんな感じ。

学校に行って、課題を出された時はそれを片づけ、

食事と風呂以外の寝るまでの時間をゲームに回す形にしている。

 

次の日の朝練はアリアだけではなく、セレナとネプギアが加わった。

今日はアリアがネプギアに剣術を教えて私はセレナと魔法の練習をする形。

最後に特殊女神化状態でネプギアと軽く打ち合った。

 

教会に戻ってからはイストワールから与えられた仕事をこなす。

今日はバーチャフォレストの最奥部でモンスターが異常発生しているという

報告が上がっているのでその数を減らしに行くことになった。

 

バーチャフォレストの最奥部に足を踏み入れると確かにモンスターの数が多い。

危険種のフェンリスヴォルフは見渡す範囲で三体捕捉できる。

 

特殊女神化状態になって雑魚モンスターの駆除から進めていく。

単体では弱いモンスターでも数が増えて集団になった時は油断できない。

 

「あれ…? 何だか力が湧いてきませんか?」

 

「ほんとだね~? 何もしてないのにいつも以上に力が出るよ!」

 

「そう言われると確かに力が湧いてきてるね…。これはセレナの力?」

 

「これがセレナの能力だよ。自分と一緒に戦う人の能力を上昇させる力。ファントムハートが奪わなかったのは単純に興味が無かったんだろうね…。自分の力は上昇しないから」

 

「私はアリアと違ってあまり前には出ないからね? だからと言って攻撃ができないわけじゃないよ? 原典が奪われても使える魔法はまだ残ってるから」

 

セレナの足元に水色の魔法陣が現れる。

 

「アクア・スラッシュ!」

 

セレナが腕を振るとその軌道に合わせて水刃が形成され、モンスターに向かって飛んでいく。

直撃を受けたモンスターの体は真っ二つに斬り裂かれて光となって消滅する。

 

現在のゲイムギョウ界で主に使われるのは火・氷・雷・風の四つの属性だが

セレナはそれ以外の属性の魔法を使うことができる。

ただ、上級魔法以上の物は原典である月の魔術書がないと発動することができない。

 

ファントムハートに奪われた原典には各属性の上級魔法を初めとして

セレナが編み出した複数の属性を融合させた魔法が記されているのだ。

そのため今のセレナに使えるのは中級魔法までとなっている。

 

雑魚モンスターの掃討を終えると続けてフェンリスヴォルフと戦う。

ネプテューヌとネプギア、アリアとセレナに二体の相手をお願いする。

 

私は残ったフェンリスヴォルフと一対一で戦う形になった。

パープルディスクの協力を得るために初めてこの場所に来た時は勝てないと思ったが

今の私なら対等に渡り合えると思ったのでこのような形を取らせてもらった。

 

発達した巨大な爪の一撃に細心の注意を払いながら攻撃を加えて体力を削っていく。

当たっても一撃で死ぬことは無いと思うが、やはり被弾しないのが一番である。

ハンマーで頭を集中的に殴るとフェンリスヴォルフは転倒して一時的に行動不能になる。

これがめまい状態と呼ばれる物である。私がしていたゲームでは打撃属性を持つ武器で

モンスターの頭部を殴り続けるとこのような状態になって隙を作り出すことができる。

 

「昨日のゲームで覚えた新技、試させてもらうよ」

 

私はハンマーを戦斧に変えて火の属性クリスタルを使う。

 

「生きて帰れるとは思わないでね。ヴォルケーノダイブ!」

 

跳躍から火属性が付加された戦斧の一撃をフェンリスヴォルフに叩きこむ。

火の斬撃はフェンリスヴォルフの体に深く食い込むと内側からその体を焼く。

フェンリスヴォルフはそのまま光となって消滅した。

 

「やった…」

 

ネプテューヌ達の方に目を向けるとほぼ同時にフェンリスヴォルフを倒したようだった。

紫の女神姉妹の息の合った剣舞と弱体化しているとは言え銀と金の女神の前には

敵ではなかったようだ。フェンリスヴォルフも危険種の中では比較的弱い部類に入るのだ。

 

バーチャフォレスト最奥部のモンスターを一通り駆逐した私達は

プラネテューヌの教会に帰還してそのことをイストワールに報告する。

 

クエストと同じく最後に報告をしておかないと

やってない扱いになってしまうので達成後の報告は重要なのだ。

 

イストワールの話によるとモンスターの異常発生は割とよく発生するらしい。

基本的に自国内で発生した時にはその国の女神が対処に当たる形にはなるが

女神同士が協力し合って討伐に当たることもあるようだ。

 

報告を済ませたら恒例のプリンタイムである。やはり疲れた時には甘い物がいいのだ。

当初の予定通りに午後からルウィーに向かうことができるようになったので

Nギアを取り出してユニに連絡を入れておく。

 

ユニは先に行って待ってるからと言ってくれたのでプリンタイムを満喫したら

プラネタワーの屋上から私とアリアとセレナの三人でルウィーの方角に向かって飛ぶ。

今度は私がセレナをお姫様だっこする形で飛ぶことになった。アリアと同じく軽い。

 

ルウィーについたらブランと色々と話をしたいところではあるが仕事中でないか気になる。

その時は終わるまでラムとロムと遊んだりすればいいし、例のクエストの件についても

話し合う必要があるのでそちらを優先すればいいだけだ。ゲームだってあるから問題は無い。

そんなことを考えつつも私は一時の平和を取り戻したルウィーの方角へと飛ぶのであった。

 

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