超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game65:朝の鍛練と新たな依頼

ツインサーペントとの戦いを通じてロムとのハード・ユニゾンを発現させ、

リーンボックスで開催されたコスプレイベントでは大切な思い出を作ることができた。

色々と得る物が多かった一日は終了して次の日の朝がやってくる。

 

まずはいつも通り朝の鍛練から始める。

昨日はユニ達が教会に泊まったので候補生が全員揃っている状態。

ロムとラムはセレナと魔法の練習をすることになった。

 

「ロムちゃん、昨日舞に貰ったディスクを見せてくれる?」

 

「うん…。舞お姉ちゃんはこれが何なのか知ってるみたいだったよ…?」

 

ロムは鞄からディスクを取り出してセレナに見せる。

セレナはそれを手に取るとディスクの表面に現れた蛇の模様を注意深く観察する。

 

「なるほどね…。確かにこれは役に立つ代物だよ」

 

「ねぇ、そのディスクって一体何なのよ?」

 

「それは昨日舞が言ったように使ってみてのお楽しみということにしておこうかな。お楽しみを後に取っておくのも悪くないと思うよ。ロムちゃん、その時まで大切に持っててね」

 

「わかった…!」

 

ロムはセレナから受け取ったディスクを再び鞄の中にしまう。

 

「さて、ロムちゃんとラムちゃんにはこれから新しい属性魔法を練習してもらおうと思う。今のゲイムギョウ界には火・氷・雷・風・無と言った五つの属性がある。これはわかるかな?」

 

「それミナちゃんに教えてもらったー! 私とロムちゃんは全部使えるわよ」

 

「うん…。セレナちゃんは他の属性を使うの…?」

 

「正解だよ。私が守護女神をしていた時代には今挙げた以外の属性があった。当時はさっき言った属性に加えて水・地・光・闇の四つ、合わせて九つの属性があった。これは舞が過去にしてたゲームにも出てくると思うよ。さらにこれらの属性を複数組み合わせると新しい属性を作りだすこともできる。ロムちゃんとラムちゃんには水属性の魔法から順番に教えていくから練習していこうか? 舞とのハード・リンクで伝わってきた魔法もどんどん練習していこうね」

 

「わかったわ! 色んな魔法を覚えてもっともっと強くなるんだから!」

 

「私も頑張って強くなる…! もう誰にも負けたくない…!」

 

「その意気だよ。やる気のある子は大歓迎。早速やっていこうか!」

 

ロムとラムはセレナの指導の元で魔法の練習に励む。

二人がより多くの魔法を習得すれば、かなりの戦力になることは間違いない。

反対にネプギアとユニはアリアの指導の下で鍛練を進める形となった。

 

「さて、魔術サイドに負けずにこっちも頑張っていこうか。ネプギアちゃんとユニちゃんにはこれを受け取ってほしい」

 

アリアがネプギアとユニに差し出したのは

金色の刀身を持つ長剣と銀色の折り畳み式の弓。

 

「ネプギアちゃんには二刀流、ユニちゃんには弓の扱いを覚えてほしい。基本動作から教えていくからやっていこうか。最初はネプギアちゃんから教えていくよ。二刀流の極意は途切れることのない連撃にある。だからと言って闇雲に剣を振り回せばいいってわけでもない。それだと疲れるだけだからね。まずは簡単な動作から練習して慣れることを目標にしてもらおうかな」

 

「わかりました。舞さんとのハード・リンクで流れてきた動作があるんですけど、それを使ってみてもいいですか?」

 

「いいよ。試したいと思った技はどんどん練習して自分の物にしていこうか。見せてくれる?」

 

「やってみますね」

 

ネプギアが金と銀の長剣を頭上で交差させると紫のオーラがその体から発現する。

その状態から舞い踊るような動きで剣舞を繰り出したはいいが、息を切らしてしまう。

 

「どうやら体力を消費して攻撃力と反応速度を高める技みたいだね。今のネプギアちゃんの体がそれについていけてない状態かな」

 

「これだと実戦で使うのは厳しいですよね…」

 

「それは今の状態での話だね。実戦でも使えるように練習を積み重ねていこうか。やり過ぎは禁物だよ。それで体を壊したら意味が無いからね。その辺は自分でしっかり管理してやっていこうか」

 

「わかりました!」

 

「さて、次はユニちゃんだね。弓を使うのは初めてかな?」

 

「そうね。使ってる人はギルドで見たことがあるけど実際に自分で使うのはこれが初めてになるわ。上手く扱えるといいんだけど…」

 

「初めてなんだから焦る必要は無いよ。そこについてる黒いボタンを押すと展開できるから。矢は自分の魔力かシェアの力を使えば何本でも生成できるよ」

 

アリアの言う通りにボタンを押して弓を展開すると魔力で矢を生成する。

ユニは魔法をあまり使わないが、十分な魔力を保有しているので問題はない。

 

「目標はあの木にしようか。そのまま狙い撃ってみてくれる?」

 

「わかったわ」

 

ユニは魔力で生成した矢をつがえて、弦を引き絞って狙いを定める。

銀の弓から放たれた矢は見事に目標の木を捕らえ、突き刺さった。

 

「お見事。狙いもいい感じだね。初めて使った感触はどうかな?」

 

「いつも使っている銃とはまた違った感じね。銃以外の武器を使うのも面白いわ」

 

「遠距離武器の適正はやはり高いところがあるね。さて、これから二人に新しい戦い方をマスターしてもらう上で重要なことがある。それは回避能力だよ」

 

「回避ですか…?」

 

「うん。ネプギアちゃんは攻撃を妨害されないように剣舞の合間に回避行動を入れる練習をしてほしい。ユニちゃんは敵との距離感がとても重要になってくるね。こっちは銃を扱う上でも同じだよ。敵の攻撃をしっかり回避してこちらの攻撃の手を休めない…。最終的に辿りついてもらう点はここになるかな。今から私が二人の相手をするからその辺りを意識してやってみようか。セレナがさっきラムちゃんとロムちゃんに同じことを言ってたと思うけどハード・リンクで伝わってくる技は積極的に使って自分の物にしていこう!」

 

「はいっ!」

 

「わかったわ!」

 

「いい返事だね。舞の言ってた通り、ネプギアちゃん達は磨けば磨くほどその輝きを増す原石のよう…。教える側も嬉しくなってくるよ。それじゃあ、行くよっ!」

 

ネプギアとユニはアリアとの模擬戦を開始する。

長き時を戦い抜いてきた銀と金の女神から得られる物は大きい。

ネプギア達が鍛練をしている間、私は何をしているのかと言うと…。

 

「「はああああっ!」」

 

大剣が何度もぶつかり合い、甲高い音が響き渡る。

私は誰と戦っているのかというと銀のプロセッサユニットを纏った私自身。

この状況を作り出しているのがアリアが過去に企画書で作りだしたアイテムである。

 

それは何の変哲もないどこにでもあるような普通の大きさの鏡なのだが

自分の姿を映すと鏡の中から何とプロセッサユニットを纏った私が姿を現した。

 

アリアは真の敵は自分自身であると言う。自分自身と戦ってみたいと言う願いを

現実にするために企画書を書いてアリアが開発したのがこの鏡である。

セレナが開発した黒い宝玉と同じく作成の際には貴重な素材を要求されたらしい。

 

使っている武器はアリアから借りている銀の大剣。

長剣や短剣と違って重いので落とさないように両手でしっかりと持つ必要がある。

手数で押すことはできないが長いリーチと威力が魅力の武器なのだ。

 

『雷震斬!』

 

プラネテューヌの大地に眠る雷の属性を纏わせた重い斬撃。

防いでも雷が武器を伝って襲いかかってくるので確実に回避する。

 

「今度はこっちの番だよ! 風翔斬!」

 

風のクリスタルを使い、大剣に風の魔力を纏わせてから斬り上げる技。

場所がリーンボックスの場合は事前にクリスタルを使う必要は無い。

 

『中々いい一撃だよ。まだまだ行けるよね?』

 

「もちろん」

 

『流石は本物の私。その調子でガンガン攻めてくるといい』

 

その言葉通りに攻め続けては行くのだがクリーンヒットが取れない。

まるで動きを先読みされているかの如く回避され、時には防がれる。

もう一人の私が顕現している時間は三十分。打ち合っていると時間が来たようで…。

 

『今日はここまでだね。また次も頑張ろうか!』

 

もう一人の私はそう言うとそのまま光となって鏡の中に戻っていく。

三十分間打ち合った結果、クリーンヒットを取ることはできなかったが

いい経験になったと思う。自分自身を相手に勝利を掴むのはまだ厳しいと言ってもよい。

分身と会話が普通に成立する点も正直言ってすごいと思った。不思議な気分である。

 

朝の鍛練を終了した私達はプラネテューヌの教会に帰還する。

ネプギア達もアリアとセレナの指導の下でいい練習ができたようだ。

 

「こっちはこれでお終いっと…。ふう…。ここ数日で仕事がだいぶ落ち着いてきたと言ったところでしょうか…。これも舞さん達のおかげですね」

 

「いーすん! ネプギアと舞がいないけど、二人ともどこに行ってるの?」

 

「ネプギアさんと舞さんは朝の鍛練に出ていますよ。もう少しで戻ってくると思います。ネプテューヌさんもよかったら参加してみたらどうですか? 歴戦の女神とも言えるアリアさんやセレナさんから学べることもあると思いますが」

 

「ん~。朝早く起きるのって苦手なんだよね…。舞のおかげで仕事への苦手意識は少し楽になってきたんだけど…。舞みたいに早く起きるのが無理なんだよ…。仕事は舞が後でプリンを用意してくれるうえに起こしに来てくれるから頑張れるんだけどね」

 

「それなら舞さんにもっと早く起こしてほしいとお願いしたらどうですか? 舞さんは恐らくネプテューヌさんを気遣っているだけだと思いますから」

 

「じゃあ、お願いしてみようかな~。このままだとネプギアに抜かされちゃう! 主人公の私が妹に追い抜かされたら物凄くカッコ悪いじゃん!」

 

「最近の候補生の皆さんの頑張りは目を見張るものがありますからね。以前ネプギアさんがネプテューヌさんを超える勢いで舞さんと一緒に強くなると言っていましたから。追い越されたくなければ才能だけに頼らず舞さんのように自分で練習するのが一番だと思いますよ。おや、噂をしていれば帰ってきたようですね?」

 

「ただいま。何の話をしてたの?」

 

「ネプテューヌさんが朝練に参加したいそうですよ。明日からは遠慮せずに起こしてあげてくれますか? いい練習相手にはなると思いますよ?」

 

「ねぷっ!?」

 

「かなり驚いてるけど、いいの? 本当にいいなら遠慮せずに起こすけど…」

 

「お姉ちゃんが来てくれたら嬉しいなぁ…」

 

「舞さんとネプギアさんもこう言っているので明日からは頑張ってください。仕事のノルマはその分調整をしますので」

 

「う~。いーすん厳しい…。ということで舞、明日からよろしくね!」

 

「わかった。明日からもっと早くに起こしに行くから覚悟してね? それでイストワール、今日の仕事は? 昨日、私とネプギア達にお願いしたいことがあるって言ってたけど…」

 

「実はちょっとした緊急事態が発生してしまいまして…。少々頼みづらいことではあるのですが…。聞いていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「お仕事なら遠慮せずに言ってください。私達にできることはやりますから」

 

「昨日はアタシ達にお願いしたいって言ってたわよね? 何をすればいいのかしら?」

 

「わたし達と舞が揃えばできないことなんてないわよ。早く終わらせましょう!」

 

「みんなと一緒に頑張る…! 遊ぶ時間をいっぱい作らなくちゃ…」

 

「皆さん、ありがとうございます。その緊急事態なのですがタコなんです」

 

「タコ…? 船を沈めるくらいの大きいタコが出たとか?」

 

遠くの大陸へ船で渡ろうとすると海の魔物に襲われて妨害を受けるケースは多い。

ゲームの中では強力な水属性魔法を使う巨大タコや海が湧くほどの大放電を起こす

海竜とも一戦を交えたことがある。魔物退治なら私達の出番と言うところだが…。

 

「いえ…。原因は不明ですが、とにかく大量発生したタコが空から大量に降ってくるとの報告が上がっている状況で…。皆さんにはその大量発生したタコの捕獲をお願いしたいのです」

 

「本当によくわからない状況なのね…。討伐はダメなの?」

 

「ユニの言う通りよ! 大量発生してるなら魔法でいちもーだじんにすればいいじゃない!」

 

「それができれば一番いいのですが…」

 

「魔法が使えない理由があるの…?」

 

「問題のタコが発生している海は安全指定区域に指定されていまして…。魔法の使用はもちろん、武器となりうる一切の道具の持ち込みが禁止されているんです」

 

「つまり、手づかみで捕獲しないといけないのか…。網とか道具が使えればいいんだけど…。アイテムの持ち込みが禁止となるとそれも無理だよね」

 

「はい。さらにもう一つ条件がありまして、その海は安全指定区域としてだけではなく、環境保全区域にも指定されていまして海に入るには十分に体を洗った後に水着着用と義務づけられているんです」

 

「タコが大量発生してるのに環境保全も何もないでしょ…。墨とか吹かれたらたまったものじゃないわね…」

 

「厳しい条件での仕事にはなりますが、お願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「うん。今日の仕事はタコの捕獲と言うことで。午前中に終わらせて午後からはユニと例のクエストに行きたいところだね。」

 

「さっさと片付けてそれに備えないといけないわね」

 

「それでは早速現地へ向かっていただけますか?」

 

「了解。みんな、準備をして出発しようか?」

 

環境保全区域の海に大量発生したタコ捕獲依頼。事前にする準備と言っても

武器とアイテムの持ち込みが禁止となるのでショップで水着を購入するだけである。

どれを購入しようか多少は悩んだが各々水着を選んで購入したところで現地へと向かう。

今日も忙しい一日になりそうだ。私は頭の中でふとそんなことを考えるのであった。

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