超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

74 / 132
Game72:最高の贈り物

第四の試練、ブラッドフェンリルの討伐に成功した私とラムは教会に帰還する。

今回の戦いに勝利したことで四人の女神候補生とのハード・ユニゾンが成立した。

次の目標は維持できる時間の延長。これは使用回数に比例して伸びる形らしい。

 

ギョウカイ墓場でのジャッジ戦では最初からネプギアと行使していたが

最後まで維持できたのは四国のゲイムキャラの力のおかげと言ってもよい。

必要な時は力を貸してもらうこともできるが、それに頼ってばかりでは前に進めない。

鍛練の時だけではなく一日をハード・ユニゾン状態で過ごしてみるのも面白いと思った。

 

「舞さん、ラムちゃん! おかえりなさい!」

 

「ただいま。無事に帰ってきたよ。これでまた強くなれた」

 

「ラムとハード・ユニゾンができるようになったのよね? ということは…」

 

「これで四人の女神候補生とのハード・ユニゾンが成立したよ。明日からの鍛練やそれ以外の時間でも積極的に使っていきたいと考えてるから」

 

「舞お姉ちゃん。戦い以外の時にも使うの…?」

 

「うん。ジャッジとの戦いで気が付いたことだけどハード・ユニゾン中は私がダメージを受けるとそれは私だけじゃない。同時に私と融合しているネプギア達にもダメージが行くみたいなんだ。被弾しないのが一番なんだけどね。戦いが関係しない時にも積極的に使って維持できる時間の延長を。鍛練の時には回避術の練習を入れていきたい」

 

「そうなんだ…。さっきの戦いで舞とした時はダメージを受けなかったからよかったけど、強い力にはそれだけの弱点もあるのね?」

 

ハード・ユニゾンを行使している時に戦闘不能状態に追い込まれると

私と融合者の二人が戦闘から脱落する結果に終わってしまう。

この先に待っているのは世界を賭けた戦い。脱落者を出すわけには行かないのだ。

誰一人として欠けることなくみんなで生きて帰ってくる。それが私の目標なのだから。

 

「舞さん、これからケーキ作りはできそうですか?」

 

「大丈夫だよ。帰ったらケーキ作りを頑張るってラムと盛り上がってたから」

 

「お姉ちゃんに最高のケーキをプレゼントするのよ! わたし達が力を合わせれば最高の物ができるに違いないわ!」

 

「お姉ちゃんに喜んでもらえるように頑張る…!」

 

「アタシも頑張らないと! 今も国のために頑張ってるお姉ちゃんに最高の贈り物を届けられるようにね!」

 

「今からケーキを作って最後にネプテューヌ達に渡すんだよね?」

 

「はい。お姉ちゃん達には秘密にしていますよ。いーすんさんには既に事情を説明してお姉ちゃん達を教会に集めてもらうようにお願いしています。ケーキの完成が近づいたらいーすんさんに連絡を入れてお姉ちゃん達を呼んでもらって、そこに私達がケーキを渡しに行く流れですね」

 

「なるほどね。イストワールがバックに着いてくれてるのか…。これほど頼もしい味方はいないと言ってもいいね。私達はこれからケーキ作りに集中すればいいわけか」

 

「そうですね。準備は全て整っているので後は作るだけですね。早速行きましょうか!」

 

私達が向かったのは教会内にある調理場。

ケーキを作るために必要な材料はネプギア達が揃えてきたのだが

それだけではなく必要な道具は全て準備されているのでいつでも取り掛かれる状態。

これは料理人達にイストワールが話を通してくれているおかげでもあるのだ。

 

美味しい食事を提供してくれる彼らも私達をサポートしてくれる頼もしい存在である。

基本的には手を出さないが作る上で問題が発生した時や何をしたらいいのかわからない時は

彼らの力を借りてケーキ作りを進めていく流れである。

 

時間も無限にあるわけではないので早速ケーキ作りに取り掛かる。

私もネプギア達の様子を見て時には手伝いながらある人にあげるケーキを作った。

いざケーキを食べる時に喧嘩にならないよう人数分のケーキを用意するようにしていく。

 

特に問題が発生することも無く作業も順調に進んでいるのでいったん手を止めて

イストワールに四女神をプラネテューヌの教会に集めてもらうようにお願いする。

どのみち鍛練に参加してもらうために明日来てもらわないといけないので

それを口実にして呼び出してもらっている。

 

イストワールに連絡を入れてもらったところでケーキ作りを再開する。

ここからは時間との戦いだ。ネプテューヌ達が集まるまでに完成させなければならない。

再度ケーキ作りに意識を集中させて全員分のケーキを作り上げることができた。

 

「よし、これで完成だね」

 

「そうですね。お姉ちゃん、喜んでくれるかな?」

 

「大丈夫でしょ。ここまで来たら後はお姉ちゃん達に食べてもらうだけね」

 

「うん…。舞お姉ちゃん、ケーキの作り方がとっても上手だった…」

 

「ロムちゃんの言う通りよ。わたし達の分まで手伝いながら他のケーキに加えてお菓子まで作るなんて正直すごいと思ったわ」

 

「まあ、これも私のお母さんと友達のおかげだよ。自分で作ることってあまりないんだけど、教えてもらった時にその流れをノートに纏めてたからね。だから私の頭の中に全部入ってるよ」

 

私はお母さんから料理や掃除などの家事スキルを叩きこまれている。

さらに私の友達には実家がケーキ屋の女の子がいてその子の家で遊ぶ時には

みんなで集まってケーキ作りをするのでその際にレシピをノートに書かせてもらったのだ。

大切な思い出でもあるお菓子レシピは全て私の頭の中に残っている。

 

「後はこれをネプテューヌ達が来たら持っていくだけだね?」

 

「はい。ただその前にもう一つ私達でやっておきたいことがあるんです」

 

「ん? まだ何か作るのかな?」

 

「ちょっと待っててください。すぐに取ってきます」

 

ネプギアは調理場から出て行く。

そのまま五分少々待っているとある物を持って戻ってきた。

 

「お待たせしました。実はこれを着てケーキを渡しにいきたいんです」

 

「これはまた面白い衣装を持ってきたね。流石に着たことはないけど…」

 

「どうですか…?」

 

「いいアイデアだと思うよ。じゃあ早速それに着替えようか」

 

教会内の更衣室に移動してネプギアが持ってきたとある衣装に着替える。

ゲーム内の分身に着せたりして適当に遊んだりしたことはあったが、

まさか自分で着ることになるとは思わなかった。

全ての準備が完了したところでイストワールから連絡が入る。

 

『舞さん、そちらの準備はいかがでしょうか?』

 

「ちょうど全ての準備が完了したところだよ。ネプテューヌ達は?」

 

『つい先ほどノワールさん達がお見えになられてネプテューヌさんも帰ってきました』

 

「いいタイミングだね? ネプギア達からのプレゼントがあると伝えてくれる?」

 

『わかりました。それではこの後の流れを舞さん達にお任せしますね』

 

「ありがとう。イストワールの分も用意したから後で持っていくね?」

 

『ふふっ。楽しみにしていますよ』

 

実はこの企画に協力してくれているのはイストワールと料理人達だけではない。

アリア・セレナ・シエルにも事情を話して協力してもらっている。

お世話になった料理人達にお礼を言ってからケーキを持って食堂に向かう。

 

「明日の鍛練の話があるということで私達は今こうして集まったわけですが…」

 

「ユニ達がいないわね。どこにいるのかしら?」」

 

「舞もいないわ…。 ネプギア達と一緒に何かしているみたいね…」

 

「それはもうすぐ明らかになるよ。そうだよね?」

 

「セレナの言う通り。実は私達は舞ちゃんとネプギアちゃん達が何をしてるのか知ってるんだよね」

 

「うん。四女神の皆に急遽集まってもらったのは明日のことについて直接話をしたかったからって言うのもあるけど、実は本命はこっちなんだよ。イストワール、お願いしてもいいかな?」

 

「はい。皆さん、お忙しいところお集まりいただきありがとうございました。今日集まってもらったのはアリアさんからのお話のこともありますが、その前に四女神の皆さんにはネプギアさん達がプレゼントを用意して待ってくれていますよ」

 

「プレゼント!? いーすん、ネプギア達はどこにいるの? 教会の中にはいるんだよね?」

 

「はい。それではアリアさん、セレナさん、シエルさん。ネプテューヌさん達をネプギアさん達が待つ食堂に案内してくれますか?」

 

「了解だよ。それじゃ、四女神の皆さんをご案内するね? 私達について来て」

 

食堂の扉の前に到着するとセレナとシエルが扉を開ける準備をする。

 

「候補生達からのプレゼントはこの扉の向こうに準備されてるよ」

 

「舞ちゃん、準備はいいかな?」

 

「大丈夫だよ。お客様を中に通してあげて」

 

舞の声が聞こえてきたのでセレナとシエルが扉を開ける。

 

「いらっしゃいませ! ご主人様!」

 

メイド服を着た舞がネプテューヌ達を出迎えた。

 

「ねぷっ!? 舞、何してるの?」

 

「席はこちらに用意してあるのでどうぞおかけになってください」

 

「これは一体どういうことよ? ユニ達もいるのよね?」

 

「はい。今日は女神候補生達から四女神達へのプレゼントを用意させていただきました」

 

その言葉を合図に調理場に続く扉が開き、

舞と同じメイド服を着たネプギア達がケーキを持ってきた。

 

「サプライズパーティってところかしら? 姿が見えないと思ったらこれの準備をしていたのね…?」

 

「えへへー。お姉ちゃん達、帰ってきてからもずっと忙しかったでしょ? そんなお姉ちゃん達に何か私達でしてあげられることはないかなってことでみんなでこっそり企画したの!」

 

「協力は舞さんといーすんさんを初め、アリアさん、セレナさん、シエルさんに加えて最高の食事を毎日届けてくれる料理人の皆さんです。今日は仕事のことは忘れて、ゆっくり楽しんで行ってくれると嬉しいです」

 

「いーすんがさっき言ってたプレゼントってこれのことだったんだ…! どれも美味しそうだね!」

 

「お姉ちゃん。このケーキ、アタシが作ったんだけど…。食べてくれる?」

 

「上手くできてるじゃない。ありがたくいただくわ」

 

ユニが作ったのはブルーベリーが上に乗っているショートケーキ。

 

「あっ、ユニちゃんが作ったケーキ美味しそうだね? 私も食べたい~」

 

早速ネプギアが作ったイチゴショートケーキを食べているネプテューヌが

私の予想通りのことを言い出したので喧嘩になる前にユニに指示を出すことにした。

 

「こうなると思ったよ。ユニ、ネプテューヌにも同じ物を出してあげて」

 

「わかったわ。ネプテューヌさん、ちょっと待っててくださいね」

 

ケーキを巡って喧嘩にならないように四人分きちんと用意してあるので問題はない。

私の指示を聞いたユニが同じケーキをネプテューヌのところに持ってきた。

 

「ノワールさん、よかったらこちらもどうぞ」

 

ネプギアがノワールにネプテューヌが食べているケーキと同じ物を持ってくる。

その様子を見ていると本当によくできた妹だと改めて実感させられる。

 

「これは、モンブラン? 二人でこれを作ったの?」

 

「うん。舞お姉ちゃんも手伝ってくれた。お姉ちゃんに名前が似てるからこれを作ろうってラムちゃんと決めたの」

 

「舞と料理人さんが途中で助けてくれたから綺麗な形に仕上がったのよ。舞って本当にすごいのよ? わたし達の手伝いをしながら他のケーキを作ってたから」

 

「私はほんの少しだけ手伝っただけだよ。これはラムとロムが一生懸命作ったブランへの贈り物。ブラン、味の方はどうかな?」

 

「とても美味しいわ。最高の贈り物ね…。二人とも、ありがとう…!」

 

「微笑ましい光景ですわね。でもやはり妹がいないのは寂しいですわね。ネプギアちゃんや舞さんのような妹が欲しいですわ…」

 

「あはは…。ベールにはこのティラミスを用意してあるよ。ベールのために私とネプギアで頑張って作ったから食べてくれると嬉しいな」

 

「私のために…? ありがとう! 早速いただきますわ!」

 

「あっ、それも美味しそうだね!」

 

「ネプギア、お願い」

 

「あっ、わかりました。お姉ちゃん、人のケーキを取っちゃ駄目だよ? すぐに同じ物を持ってくるから待っててね」

 

やはり姉妹の立ち位置が逆なのではないかと思える紫の女神姉妹。

ネプギアの提案から始まった今回のサプライズ企画は大成功に終わったのだった。

今は後片付けをしてネプテューヌとネプギアの部屋に集まって雑談をしている。

 

ネプテューヌ達は教会の会議室に集まって明日の鍛練とこれから進撃を再開するであろう

犯罪組織マジェコンヌについての対策を話し合っているのでまだ戻ってきていない。

 

「舞さん、今日はありがとうございました!」

 

「どういたしまして。ネプギアの企画、大成功だったね」

 

「アンタの出したアイデアのおかげよね。すごく楽しかったわ」

 

「わたし達もすごく楽しかったわ! またやりましょうよ!」

 

「うん…。またやりたい。今度は舞お姉ちゃんと一緒にもっとすごいケーキを作る…」

 

「今度やる時はお姉ちゃん達だけじゃなくて、アイエフさん達も呼んでもっと大勢でやってみようよ。作るのが大変かもしれないけど、みんなの力を合わせれば…」

 

「できないことは無いわね。それまでに新しいケーキの作り方をマスターしておかないと…。ところで舞、そのケーキとクッキーって、アリア達に?」

 

「うん。今やってる会議はもう少しで終わると思うから」

 

私が作ったのは縦半分に切ったイチゴを乗せたロールケーキと

チョコチップをトッピングしたカップケーキ。それと全員に配布するクッキー。

ロールケーキのほうはアリア達に、カップケーキはイストワールの分だ。

 

クッキーは料理人達の力を借りて大量に作った。クッキーの形は太陽や月、星など。

様々な形の物を用意してあるので食べる際にはそちらも見ておいてほしいところだ。

 

会議が終わったら先にイストワールの所にカップケーキを持って行く。

それからクッキーを詰めた小さな袋を全員に配布してアリア達にケーキを食べてもらう。

みんなが美味しいと言って食べてくれたので作った身としては嬉しい限りである。

残りの時間はいつも通りのゲーム三昧と雑談であっという間に過ぎていった。

 

ユニ達とのクエストやコスプレイベントへの参加、タコ捕獲作戦に加えて

アンチクリスタルの採掘と言った出来事があった激動の三日間は終わりを告げる。

明日は朝の鍛練に加えてアンチクリスタルを使用しての合同鍛練が予定されているので

気合いを入れて頑張って行かなければならない。この世界を守るためにも…。

 

だが、それと同時にこれまで闇に潜んでいた犯罪神マジェコンヌの兇刃が

遂に動き出そうとしていたことを今の私達は知る由も無かったのであった…。




次回からゲームで言うところの第5章の方に入っていきたいと思います。
それに伴って作品のタイトルも○○の女神から銀陽の女神とさせてもらいました。

舞さんとネプギア達が辿り着く終着点はどのような物になるのか…。
ここまで見てくれた皆さんには最後までお付き合いしていただきたいと思っています。
完結を目指してこれから気合いを入れて頑張りますのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。