超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game76:反撃の狼煙

犯罪神の力を宿して巨大化したワレチューを元の姿に戻したことで危機は去った。

私達はプラネテューヌの教会に集まって今後についての話し合いをすることに。

 

遂に始まった犯罪神の復活という事態について話し合うためにイストワールが

各国の教祖にも召集を行ったことで今この場には四人の教祖が再度集結している。

 

「なるほど。あの巨大なネズミは犯罪神の力の一部を宿していたということでしたか…」

 

「あのまま侵攻を許していればどれほどの被害が出たか…。想像したくないね…」

 

「それに一部とは言え、あれ程強力で禍々しい力とは…。早急に対策手段を講じる必要がありますね…。イストワールさん、新法の公布については予定通りに行うということでしょうか?」

 

「はい。本日の協議が終了したら、自国に戻って新法の公布を行っていただきます」

 

「ねえねえ、舞。しんぽうって何?」

 

「その名の通り新しい法律。つまりルールを作るってことだよ。犯罪神に対する信仰の規制をより強化すると言うことでいいかな?」

 

「舞さんのおっしゃる通りです。犯罪神と言った邪神の信仰については各国で共通して規制されてはいましたが、何をどう禁止するのかといった所が明確ではなかったのです。今回の新法はそれらの規制対象を明確にすることで犯罪神に対する信仰の抑制を目的にした物になりますね」

 

「なるほど。具体的にはどういう形になるのかな?」

 

「マジェコンの販売・所持の禁止を筆頭に違法ダウンロードの取り締まりの強化ですね。アップロードをした人につきましては厳重な処罰を以て対処させていただきます。また、オークションサイトにも監視の目を入れて違法出品が確認された場合はサイトを封鎖します。舞さんもご存じだとは思いますが基本的にマジェコンの売買は私達の目が届きにくい水面下で行われています。今回の新法の公布は具体的な対策を示すことでマジェコンの徹底的な撲滅を目的とする…と言ったところでしょうか」

 

現にルウィーでの新型マジェコンの売買は人目が届かない裏路地で行われていた。

他の国でもネットオークションなどの様々な手段を用いて行われていると思われる。

 

「えっと、つまりその法律を使うと何がどう変わるのかな? マジェコンヌが弱くなるの?」

 

「まあ、その考え方で間違ってはいないと思うよ。犯罪組織マジェコンヌに対するシェアを低下させればそれに連動する形で犯罪神本体の力も低下させることができるはず」

 

「邪神と言っても私達女神と同じ信仰の力であるシェアから力を得ている…。上手くすれば、マジェコンヌ側のシェアを完全に潰すこともできると思うわ…」

 

「今回の新法の制定に対する多少の反発は当然出てくるでしょうけど、私達が捕まっている間に上昇したマジェコンヌのシェアを削るには妥当な手段と言えるわね」

 

「ふむふむ…。だいたいわかったよ。あれ? それならどうしてその法律を最初からこーふしなかったの? 最初からやってればよかったんじゃないの?」

 

「それは私達がギョウカイ墓場に幽閉されていたから…でしょうね。国のトップである私達守護女神が不在の状態では法の制定はできたとしても肝心の公布ができませんわ」

 

「ベールさんのおっしゃる通りです。今は舞さんとネプギアさん達の活躍で四女神が救出されたことによって新法の公布に乗り出すことができるようにはなりましたが、四女神が不在の状態で犯罪神の撲滅を謳ったところで国民は耳を傾けてはくれないでしょう。ですが、皆さんのお力も随分と戻ってきた今なら確実な効果が期待できます」

 

「なるほどー! それなら効果は抜群になること間違いなしだよ! 私は元気いっぱいだし!」

 

「あの…? 新法の公布については理解できたんですけど、そのことについて私達が手伝えることって特にないですよね? 私達はこれからどうすればいいんでしょうか?」

 

「新法の公布はアタクシ達教祖の役目よ。あなた達には他にやってもらいたい仕事があるの。新法を公布しただけでは意味が無いわ。この流れに乗じて各国にいる犯罪組織の構成員やワレモノモンスターの駆除といった重要な任務が残っているわ」

 

「それらを介して女神が困っている人々を助ける姿を見せてあげて欲しいんです。女神の姿を間近に見るだけでも人々の心には大きな影響がありますから…。最終的に各国のシェアが増加すれば私達に有利な状況を作り出すことができると思います。」

 

「実動部隊兼宣伝部隊と言ったところだね。難しいことを考えるよりかは簡単なことだろう? さらに有志で犯罪組織の撲滅に名乗りを挙げてくれている人達もいる。君達にはその人達と協力して任務に当たってもらいたい」

 

「犯罪神本体の復活まで残された時間が後どれだけなのかはわかりませんが、ここが踏ん張りどころです。皆さん、よろしくお願いしますね」

 

「はい! 頑張ります!」

 

これからの方針が決まったところで協議の方は終了した。

教祖達は女神と共に自国へと帰還して新法の公布を行うとのこと。

話が纏まったところで私は部屋に上がって休ませてもらうことにした。

 

「はあ…。人には無茶しないでとか言っておきながら自分が無茶したら恰好つかないよね…」

 

部屋のベッドに寝転がった状態で今回の戦いを振り返っていた。

マジックの攻撃を零距離で受けたことで破れてしまったパーカーワンピについては

同じ物を新しく購入し直すことになった。今はネプテューヌと同じ色の物を借りている。

 

「マジック・ザ・ハード…。あの女の人が犯罪組織のリーダーなんだよね?」

 

「うん。纏っている装備もプロセッサユニットみたいだったから、犯罪組織側の守護女神と言ったところなのかな…。ネプギア達と一緒に鍛練を頑張ったから何とか渡り合うことができたってところだよ。もしネプテューヌ達を助け出してから何の努力もしてなかったら私はあの場で殺されてたと思う。撃退と言っても今回は見逃してもらっただけに過ぎないよ」

 

「次に会う時が本当の勝負ってことになるんだね…。アリアと戦いたがってたみたいだけど」

 

「ジャッジみたいな戦闘狂では無いけど強い人には興味を持ってるみたいだよ? だからあの時にアリアにいずれ必ず戦うって言ったんだと思う」

 

「なら、その時までに全力を出せるようにしておかないと…。犯罪組織の撲滅に併せて私達もクエストでシェアを集めておかないといけないね」

 

国を持たないアリア達はクエストをこなすことでしかシェアを獲得することができない。

一度のクエストで獲ることのできるシェアは難易度の高いクエストほど大きいのだ。

よって必然的に危険種の複数討伐や上位危険種の討伐がメインになってくる。

 

「これから激しくなる戦いのことを考えると気合いを入れて頑張らないといけないよね」

 

本格的な行動は明日からになるのだが、私はネプギア達の方に加わる。

後、ワレチューの件については部屋に戻る前にネプギア達に話を通している。

 

明日からは鍛練による自身の強化とイストワール達から依頼された任務を遂行しながら

ワレチューから連絡が入るのを待つ。連絡が来たらどこか場所を確保して話を聞くとしよう。

今日は疲れたのでお風呂に入って眠ることにした。流石にゲームをやる気力も起きない。

 

夜が明けて迎えた翌日。秘密の場所で行う朝の鍛練は欠かさない。

それが終わったらイストワールから依頼される任務をこなしていく。

 

これまでに寄せられた情報を元にマジェコンの取引が行われている現場や

犯罪組織の構成員が潜んでいる場所を特定してマジェコンの回収と構成員の確保を行う。

各国で女神をリーダーにした摘発部隊を形成して犯罪組織の勢力を確実に潰していく。

 

私はプラネテューヌの方でネプテューヌとネプギアの部隊に入っている。

有志としてアイエフとコンパ、REDに加えて何とファルコムが加わってくれている。

 

「よーし! ここの悪党も成敗したのだー! 流れとしては順調だと思うけど数が多いね?」

 

「成敗しゅーりょー、はいいけど全然終わる気配がないよね? 同じことの繰り返しっていうか。プラネテューヌって一番犯罪組織の被害が少ないっていーすんから聞いたけど?」

 

「他の国に拠点を築いていた奴らがこっちに流れ込んできているのかもしれないわね。今は下がってきてはいるけどネプ子達が捕まった時はマジェコンヌのシェアがゲイムギョウ界の8割以上を占めていたから私達の想像以上に規模が大きくなっていると思うわ」

 

「あたしの故郷もようやく落ち着いたところだからね…。プラネテューヌの主街区だけでもどれだけの犯罪組織の勢力が潜んでいるか想像できないや…。次の場所はどこになるのかな?」

 

マジェコンの回収と犯罪組織の構成員の確保は順調に進んでいるのだが

ネプテューヌの言った通りまるで終わる気配が無い。

 

「何というか効率が悪い気がするね。マジェコンを作っている工場ってあったりするのかな?」

 

「確かにそれはありそうよね。各国に散らばってるマジェコンの数は相当な数よ。作ってる施設があるのならその場所を押さえてからマジェコンの回収を行ったほうがいいかもしれないわね」

 

「でも、どこにあるですか? 私達はねぷねぷ達を助けるためにゲイムギョウ界を一通り回りましたけど、マジェコンを作っている工場は見当たらなかったですよ?」

 

「いーすんさんに話してみますか? もしかしたら情報が入ってるかもしれませんよ?」

 

「現時点で取れる最善手はそれしかないか…。ネプギア、イストワールに繋いでくれる?」

 

「わかりました!」

 

Nギアを取り出してイストワールに連絡を取ろうとしたその時…。

 

「あっ、着信ですね。舞さんのNギアからですよ!」

 

「貸してくれる?」

 

私はネプギアからNギアを受け取ると画面に出ている通話ボタンを押す。

 

「もしもし?」

 

『マイちゃん、今大丈夫っちゅか?』

 

「大丈夫だよ。今どこにいるのかな?」

 

『バーチャフォレストにいるっちゅ。話がしたいから来てほしいっちゅ」

 

「すぐに向かうからそこで待っててくれる?」

 

『わかったっちゅ!』

 

ワレチューとの通信を終了する。

 

「ごめん。お呼びがかかったからちょっと行ってくるね?」

 

「舞さん、本当に大丈夫なんですか? 相手はあのネズミなんですよね?」

 

「うん。二人で少し話をするだけだから大丈夫だよ」

 

ネプギアの心配は当然の反応とも言える。

ラステイションではブラックディスクを破壊しようとしていたし、

リーンボックスではリンダと共謀してグリーンディスクを生け捕りにしていた。

さらにルウィーでは新型マジェコンの売買を行ってシェアを低下させるなど…。

これまでに数々の悪事を働いてきたのだから。

 

 

「今のあんたの実力なら仮に戦いに発展しても負けることはないでしょう?」

 

「まあ、これでも毎日鍛えてるからね。とりあえず行ってみるよ」

 

ネプギア達と別れた私はバーチャフォレストに向かって走る。

ちなみに武器は持っていない。私は話をしに行くだけなのでいらないと思ったのだ。

 

「いた…! ワレチュー!」

 

「ちゅ? マイちゃん、来てくれたっちゅね? 待ってたっちゅ!」

 

「連絡を入れてくれたってことは答えが用意できたと判断していいのかな?」

 

「その答えをマイちゃんに言う前にひとつ教えて欲しいことがあるっちゅ」

 

「何かな? 私に答えられることならいいんだけど…」

 

「オイラはこれまで数えきれないほどの悪事を働いてきたっちゅ。そんなオイラが今さらマイちゃんや困っている人達の力になることなんてできるっちゅか?」

 

「それはワレチューの気持ち次第だよ。誰かの力になりたいと思うのなら自分にできることを探せばいい。と言っても曖昧ですぐには見つからない物だとは思うけどね。大切なのはそれを探すために動くか動かないかの違い。私だってこの世界に来た時は自分に何ができるのかなって思ってたけど、ネプギア達と旅をする中でそれを見つけることができたから」

 

「マイちゃんは違う世界からゲイムギョウ界に来たっちゅ?」

 

「そうだよ。そういえば言ってなかったよね。私はこのゲイムギョウ界の住人じゃない。ゲームを終えて自分の部屋のベッドで寝たはずなのに目が覚めたらいつの間にかギョウカイ墓場にいたから。でも、私はこの世界に来れてよかったと心から思ってるよ。だからこんな素晴らしい世界を犯罪神なんかに破壊させるわけにはいかない。そのために今はみんなと一緒に自分にできることを頑張ってるんだ」

 

「四天王はまだ三人残ってるっちゅよ? それでもマイちゃんは逃げないっちゅ?」

 

「うん。逃げないよ。ジャッジを倒した後にマジック達と会ってね。その時にこの体が消えて無くならない限りは抗ってみせるって言ったから」

 

「やっぱりマイちゃんはすごいっちゅ…。じゃあオイラの答えを言うっちゅね?」

 

「聞かせてくれるかな?」

 

「オイラはマイちゃんの力になりたいっちゅ。マイちゃんはあの嫌な力に飲み込まれてたオイラを助けてくれたっちゅ…。今度はオイラがマイちゃんの力になりたいっちゅ!」

 

「それがワレチューの答えなんだね? じゃあ、私達はもう友達だよ。これからよろしくね?」

 

私はしゃがむとワレチューに手を差し出す。

 

「悪党のオイラと友達になってくれるっちゅ? マイちゃんの手を取ってもいいっちゅ?」

 

「ワレチューが私と友達になってくれるなら取ってくれると嬉しいかな」

 

「マイちゃん…! これからよろしくっちゅ!」

 

ワレチューは私の手を取ってくれた。

 

「マイちゃんは今何をしてるっちゅか?」

 

「今はマジェコンの回収と悪さをしている犯罪組織の構成員の確保を目的に動いてるところだよ。ちょうどワレチューに聞きたいことがあったのを思い出した…」

 

「オイラの知ってることならマイちゃんに教えるっちゅよ? と言ってもオイラはあの下っ端と同じポジションだから知らないことの方が圧倒的に多いっちゅ…」

 

「私だって知らないことは答えられないから答えられなくても大丈夫だよ。マジェコンの製造工場ってあったりするの?」

 

「あるっちゅよ? この前下っ端がオイラに自慢してきたっちゅ。マジック様から製造工場の指揮を任されるようになったって笑顔で言ってきたから正直ウザかったっちゅ。その工場はラステイションにあるっちゅよ。正確にはラステイションとルウィーの間にある山の麓の辺りっちゅね」

 

「ノワールやユニは知らなかったみたいだけどなぁ…。もしかして人に見えないような仕掛けでも施されてるの?」

 

「そこまではわからないっちゅね。場所はそこで間違いないはずっちゅ。直接行ってみれば何かわかるかもしれないっちゅね」

 

「わかった。早速みんなに知らせてその場所を調べてみるよ。ありがとう」

 

「マイちゃんの役に立てて嬉しいっちゅ。マイちゃんのNギア、まだ借りててもいいっちゅか?」

 

「それはいいけど、どうするのかな?」

 

「何かわからないことがあったらかけてきてほしいっちゅ。知ってることなら教えるっちゅ。知らなかったら調べるっちゅ。特に下っ端はマジック様に仕事を任されると浮かれる癖があるからその時に聞けばボロを出す可能性が高いっちゅ。他にも何かわかったら知らせるっちゅ。オイラにはこんなことしかできないっちゅが…」

 

「十分だよ。それはワレチューにしかできないことなんだから。お願いしてもいいかな?」

 

「任されたっちゅ!」

 

「頼もしいね。じゃあ、私は帰るよ。何かあったら連絡してね」

 

ワレチューと協力関係を結ぶことができた私はプラネテューヌに帰還する。

次なる目的はラステイションにあるマジェコン製造工場の破壊。

 

ワレチューの話によるとリンダが現場の指揮を執っているようなので

製造工場に突入すれば再びぶつかることは避けることはできない。

 

リンダもきっとリーンボックスで最後に戦った時よりも強くなっている。

例え今の私より強かったとしても邪魔をするのならば全力で相手をするだけだ。

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