超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game6:過去を乗り越えて

ネプギアは私に女神化を使えない理由を話してくれた。

時は再び3年前のギョウカイ墓場での戦いまで遡る。

 

4女神とネプギアは赤い髪の女性に立ち向かう。

赤い髪の女性に攻撃を加えるが、全てを見切っているかの如く

自身の武器である大きな鎌で女神の攻撃を受け流す。

さらに体から立ち上る邪悪なエネルギーが強固な防壁を形成しており

タイミングを合わせた合体技でも傷一つつけることができない。

 

「この程度か…。拍子抜けだな。女神とは名ばかりの存在か?」

 

赤い髪の女性が言う。ネプギアの視界に映るのは全滅した4女神。

4人は地面に倒れて起き上がる気配はない。赤い髪の女性はネプギアに近づく。

 

「女神の時代もこれで終わりだな…」

 

赤い髪の女性はそう呟くとネプギアに向かって鎌を振り上げる。

 

「お願い…。もう、やめて…。このままじゃゲイムギョウ界が壊れちゃうよー!」

 

ネプギアは地面に跪き、悲痛な叫びをあげる、

赤い髪の女性は容赦なくネプギアに鎌を振り下ろした。

 

「その後、シェアクリスタルの力で目を覚ますまでの記憶はありません」

 

「そして私が戦闘狂との戦いに割り込んだあの時に繋がるんだね」

 

柄にもなく大声で叫んで、戦闘狂に立ち向かった時を思い出す。

 

「アイエフさんに女神化を勧められたあの時、私は女神化を使おうとしました。いつも通りにやればできるって思っていたんですけど、力を解放しようとしたその時に3年前のあの光景が私の頭の中に流れてきたんです。赤い髪の女性にお姉ちゃん達が倒されたあの時のことが」

 

「3年前の戦いがトラウマになっていて女神化の使用が抑えつけられているってことかな?」

 

「そう、ですね…。あの時の光景が流れてきた後は怖いって気持ちで私の中がいっぱいになってしまって…。泣くことしかできませんでした」

 

それだけ恐怖を感じる場面だったということだ。当然である。

目の前で自分より強い女神達が手も足も出せず蹂躙されていたのだから。

改めて話を聞くと赤い髪の女性の恐ろしさが伝わってくる。

実際に対面すると私も行動すら起こせないかもしれない。

 

「それでも、私はお姉ちゃん達を助けたいんです。女神化ができなくてもこの気持ちだけは誰にも負けません」

 

「話してくれてありがとう。私には聞くことしかできないけどね。そのトラウマをどうしたら乗り越えられるのかなんてわからない。でもね、私達はこうして今を生きてる。生きてさえいれば万事どうにでもなる。私が憧れていた人が言っていたんだ。辛いことも多いだろうけど一緒に頑張ろう?頑張っていればトラウマを乗り越えられるきっかけにもきっと出会えるはずだよ」

 

「舞さん…。ありがとうございます。少し楽になった気がします」

 

「悩み事は抱え込まずに相談することが一番だよ。私が偉そうに言うのもあれだけど、ネプギアには信頼できる友達がいるでしょう?だから私に話してくれたみたいにさ、コンパ、アイエフ、イストワールにも遠慮せずに頼ったらいいんだよ」

 

「いいんでしょうか…?迷惑じゃ…」

 

「迷惑はかけるもの。みんな優しいからきっとネプギアの力になってくれる。この世界に来て数日だけど私はそう感じたよ」

 

「舞さん…」

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうか?アイエフとコンパも待ってくれてるから、早くこのネプビタンを見せに行こうよ」

 

私はネプギアに手を差し出す。

 

「はいっ!」

 

ネプギアは笑顔を取り戻して私の手を掴む。

私達はプラネテューヌのギルドに向かう。手を繋いだまま。

 

「アイエフ、ネプビタン持ってきたよ」

 

「お疲れ様。これがネプ子が3年前に考えたアイテムなのね」

 

「味はどんなのか想像できないけど、飲んだら元気が出るんじゃないかな。私の世界にもそれに似た飲み物があるから」

 

「試しに誰か飲んでみるですか?」

 

「私が飲んでもいいかな?」

 

「あんたが飲みたいなら私は譲るけど、ネプギアはいいの?」

 

「いいですよ。飲みたい時は自分でまた開発しますから。ここは舞さんに譲ります」

 

「よし、それじゃあ行くよ」

 

私はネプビタンを飲む。ほんの少し癖のある味がするが普通に美味しい。

中身を一気に飲み干すと、心なしか疲れが吹き飛んだ気がした。

眠気を吹き飛ばす時にも使えそう。

 

「どう…?」

 

「美味しいよ。疲れた時や眠い時に飲めば効果は大きいと思う」

 

「ふ~ん。一応ショップに企画書を提出しておくのもアリかもね」

 

「ネプギアから聞いたけど、お店に並ぶこともあるんだってね? お店で売ってくれるといいなぁ」

 

「ねぷねぷが考えたアイテムならきっと大丈夫です」

 

ネプビタンの企画書をショップに提出することが決定した。

 

「それで、ネプギア。調子はどう?少しは自信がついたかしら?」

 

「はい。女神化はまだできませんけど、私は私にできることを精一杯頑張ります」

 

「あんた、雰囲気がちょっと変わったわね。明るさを取り戻したって言えばいいのかしら。舞と何かあったの?」

 

「一緒に素材集めをして、最後に話を聞いてもらいました。コンパさんとアイエフさんにも聞いてほしいんですけど、いいですか?」

 

ネプギアは私に話してくれた自分が女神化できない理由をコンパとアイエフに話す。

そしてこれからは自分にできることを精一杯頑張って行くことを。

 

「ギアちゃん、私達は全然迷惑なんかじゃないですよ。だから、困った時は遠慮せずに頼ってほしいです」

 

「コンパの言う通りね。私達は友達でしょ? 助け合うのは当然じゃない」

 

「コンパさん、アイエフさん、ありがとうございます!」

 

ネプギアも元気を取り戻してパーティの雰囲気がよくなったところで。

私達は次に何をするかを考えなければならない。

 

「そういえば、イストワールからまだ連絡は来ていないのかな?」

 

「まだよ。ゲイムキャラがそんなすぐに見つかるとは思えないわ。もう少しクエストをこなしてシェアを回復させつつ、イストワール様から連絡が来るのを待ちましょう」

 

「クエストの掲示板を見てくるです」

 

アイエフの提案により、もう少しクエストをすることになった。

コンパが掲示板の方へ向かい、クエストを探しに行く。少しするとコンパが戻ってきた。

 

「何かいいクエストはありましたか?」

 

「はいです。またバーチャフォレストでのモンスター討伐ですけど、今度はダイコンダーっていうモンスターがターゲットです。後、討伐数の指定があるですよ。ダイコンダーを3体倒せばクエスト達成になるです」

 

ダイコンダーって…。その名の通り大根の姿をしたモンスターなのかな…。

この世界のモンスターは面白いものが多い気がする。最初のスライヌといい。

 

「ダイコンダーも強くないからちょうどいいわね。さっと倒してきましょう」

 

私達はクエストを受注して再びバーチャフォレストに向かう。

街を出る前に開発に成功したネプビタンの企画書をショップに提出しておいた。

ネプギアが誰にでも読めるように書かれている文字にふりがなを振っているので

読めないと言うことはないだろう。ショップに並んでくれることを期待して私達は街を出る。

 

「スライヌは入ってすぐに出会えたけどダイコンダーはもう少し奥の方かな?」

 

「そうね。もう少し奥に進むわよ」

 

私達はバーチャフォレストの奥に進んで行く。少し広い場所に出たので辺りを見回すと

大根に手足がついた小型モンスターがいた。間違いなくダイコンダーである。

 

「私が戦うね」

 

私はそう言うとダイコンダーを剣で斬りつける。斬りつけた箇所から青い光が出る。

ダメージを与えているというサインだろうか。ダイコンダーは逃げようとする。

 

「逃がさないよ」

 

私は走り出してダイコンダーとの距離を詰めるとダイコンダーを素手で掴んで

そのまま地面に叩きつける。地面に叩きつけられたダイコンダーは消滅した。

 

「あんた、なかなかエグイことをするわね…」

 

「スライヌと戦った時も地面に叩きつけていましたよね」

 

「それもゲームに出てくるですか?」

 

「うん。私がやってたゲームに出てくるテクニックの名称かな。フィニッシュブローって名前でモンスターの体力をある程度減らして攻撃をし続けると画面に○ボタンが現れるから、押すと今みたいな動作でモンスターに止めを刺せるんだよね。普通に倒してもいいけど、こっちの方がカッコイイから真似てみたってだけだよ」

 

「舞さんは本当にゲームが好きなんですね」

 

「うん。前にも言ったと思うけど、三度の飯よりゲームだから。ネプギアのお姉さんもゲームが好きだってアイエフから聞いたよ?」

 

「はい。お姉ちゃんはゲームが大好きです。私も一緒に遊んだりしますよ。だからきっとお姉ちゃんとは気が合うと思います」

 

「そっか。じゃあ何としてでも助けないとね。無事に助け出したら一緒にゲームしようよ。私との約束だね」

 

「はい!約束です!」

 

ネプギアと約束したところで私達は残りのダイコンダーを探す。

探しているうちに気付いたのだが一定時間が経過すると

モンスターは再びその場に姿を現すようだ。

 

私が最初に倒したダイコンダーもいつの間にか復活していた。

完全に全滅させることは不可能のようである。できるのは数を減らすところまでだ。

3体目のダイコンダーを倒し終えたところでNギアがぶるぶると震えて着信を示す。

 

「きっとイストワール様からよ。早く出なさい」

 

「あっ、はい」

 

『みなさん、今どちらにいますか?』

 

アイエフの言った通り着信はイストワールからだった。

連絡が来たと言うことはゲイムキャラの居場所がわかったのだろうか。

 

「今はバーチャフォレストにいます」

 

『そうですか。丁度いいタイミングのようですね。たった今、プラネテューヌのゲイムキャラの居場所が判明しました』

 

「ゲイムキャラさんはどこにいるですか?」

 

『皆さんが今いるバーチャフォレスト。その最奥部で眠りについているそうです。そのまま最奥部に向かってゲイムキャラを探してみてください』

 

「わかりました。早速行きましょう。と言いたいところだけど、ちょっと待ってくれる?」

 

アイエフはポケットから携帯を取り出す。何か調べ物をしているようだが…。

 

「今日は大丈夫みたいね」

 

「何が大丈夫なの?」

 

「実はこれから私達が向かうバーチャフォレストの最奥部は日によって生息しているモンスターが変化する区域の1つなのよ。今、ギルドの公式情報サイトを開いて確認したから今日は大丈夫みたいだけど。このゲイムギョウ界にはそう言う場所がいくつかあるの」

 

「どういう風に変化するんですか?」

 

「普段その場所に生息しているモンスターが全く違う別のモンスターに変化するのよ。原因は不明だけどね。変化した後のモンスターは普段その場所に生息しているモンスターと比較すると総じて強い傾向があるわ。そして最奥部にはフェンリスヴォルフって言う大型のモンスターがいるわ。こいつは変化前からここにいるけどね」

 

「そいつは強いの?」

 

「このゲイムギョウ界に生息するモンスターの中でも危険種と呼ばれるモンスターの1体よ。その辺りのモンスターとは強さが桁違いね。まぁ、危険種は積極的にこっちに攻撃を仕掛けてくるわけじゃないからちょっかいさえ出さなければ大丈夫よ。ただ少しでも攻撃を加えたりするとしつこく追いかけてくるから絶対に手を出さないで」

 

「戦うにしても十分に自分に鍛えてからってことだね」

 

「そういうこと。クエストのターゲットにも設定されている時があるから挑戦するなら自分の実力をよく考えてから挑むことね。じゃないといたずらに命を散らすことになるわよ」

 

「わかった。肝に銘じておくよ」

 

『それでは、みなさん。気を付けてゲイムキャラの捜索に当たってください。アイエフさんの言った通り危険種には十分注意を。無事に帰ってきてくれることを祈ります』

 

イストワールとの通信が切れる。

 

「それじゃあ、行きましょうか。ようやく初めの第一歩ってところね」

 

「そうですね~。ここからみんなで頑張ってねぷねぷ達を助けるです」

 

「ゲイムキャラさんを必ず見つけ出してみせます!」

 

「そうだね。頑張って行こうか」

 

私達はバーチャフォレストの最奥部に足を踏み入れる。

そこで眠りに就くゲイムキャラの協力を得ることはできるのだろうか。

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