超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神   作:ミオン

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Game78:受け継がれる正義

このゲイムギョウ界にやってきて五戦目となるリンダとの因縁の戦いに勝利した私。

工場員を確保した私達の前に現れたのはかつてラステイションでユニと共に

一戦交えた犯罪組織マジェコンヌの四天王の一人、ブレイブ・ザ・ハードだった。

 

再会した私達とブレイブの思いは同じ。違っているのはそれを成し遂げるための手段。

互いに譲ることのできない正義がぶつかり合う戦いが始まりを告げた。

 

ユニとハード・ユニゾンした私の手の中にあるのは銀の大剣。

自分とユニのシェアの力を刀身に纏わせるとブレイブに斬りかかる。

 

「はああああっ!」

 

「ぬおおおおっ!」

 

銀の大剣とブレイブの大剣が鍔迫り合い状態になる。

少しでも力を抜けば押し切られる程の力が私とユニを襲う。

 

「くっ…!」

 

(流石に強いわね…!)

 

受け止める大剣から伝わってくるこの力こそブレイブの意志の力である。

その意志の力に抗うのは私とユニだけではない。私達は五人揃って最強なのだから。

ロムとラムが使ってくれた補助魔法に加えてネプギアの補助魔法が味方をしてくれる。

 

「ぬっ…! これほどの力を秘めているとは…! だが、負けぬ!」

 

「私達だって負けないっ!」

 

胸の中に秘めた意志の力のぶつかり合いはお互いに一歩も譲らない。

大剣同士の鍔迫り合い状態から私達が距離を取ったのはほぼ同時だった。

 

「これを受けてみるがいい!」

 

ブレイブの肩に装着された二つの砲塔にエネルギーが集まる。

それを確認した私は武器を即座にエクスマルチブラスターに換装して応戦する。

 

「銃身が焼けるまで撃ち尽くす!」

 

エクスマルチブラスターから放たれたレーザーと

ブレイブの肩に装着された砲塔から放たれたレーザーがぶつかり合う。

同時に放たれた二つのレーザーは互いに相殺し合う形で消滅した。

 

「「サンダーブレイク!」」

 

ロムとラムの杖から放たれた高電圧の雷撃が複雑な軌道を描いてブレイブに向かって行く。

 

「効かんっ!」

 

雷撃はブレイブに直撃したが目立った傷はついていない。

 

「なら、これはどうですか?」

 

ネプギアはその場に残った雷属性の魔力を自分の体に取り込む。

銀と金の双剣を構えて数秒経過するとネプギアの姿が一瞬で消えた。

ブレイブの目の前に移動したネプギアは高速の剣舞をお見舞いする。

 

「ぬっ…!」

 

「女神剣舞・迅雷!」

 

雷属性の魔力を取り込むことで自身の反応速度を飛躍的に強化。

本物の雷の如き瞬間移動から繋げる女神剣舞である。

ネプギアの高速の剣舞がブレイブの体を捉えるとその装甲に傷を付けていく。

 

「この程度の攻撃で…!」

 

ブレイブはネプギアに向けて大剣を振るがその一撃は空を切った。

攻撃が来ることを見切っていたネプギアは既に離れた場所に移動している。

強力ではあるがネプギアの体力を非常に消費する技なので一時後退することになった。

 

「狙い撃つ…! ラディアントブレッド!」

 

エクスマルチブラスターから放たれた一発の銃弾がブレイブの体に直撃する。

着弾してから数秒後に大爆発が発生してブレイブの体はその爆発に飲み込まれた。

 

「やるではないか…! だが、この程度では俺は倒せん!」

 

ブレイブは大剣に闘気を込めると強烈な一閃を繰り出してきた。

 

「ブレイブソード!」

 

一閃は何とか回避できたが、追撃で発生した巨大な爆発が私達を飲み込んだ。

 

「かはっ…!」

 

(やって…くれるわね…!)

 

強烈な一閃に続いて発生した爆発に飲み込まれた私達の体を激痛が駆け巡る。

私と融合しているユニにもダメージが入ったことで苦しい声が頭の中に響く。

 

「みんな、大丈夫…?」

 

(まだ終わってないわ…!)

 

「何とか…!」

 

「すごく痛いけど、まだ頑張れる…!」

 

「とーぜんよ…! わたし達はまだ終わってなんかない…!」

 

「この俺の最大の一撃を受けて立ち上がるか…! お前達はこれほどまでに成長していたのだな」

 

「みんなで一生懸命頑張ってきたからね…! あなたには屈しない!」

 

私達は痛みに耐えて立ち上がる。今度は私達が反撃する番だ。

 

「みんなの傷を治さなきゃ…。ラムちゃん、行くよ?」

 

「うん! 最高の回復魔法を見せてあげるわ!」

 

太陽と月の杖を交差させて詠唱に入る。二人の足元には大きな白い魔法陣が現れた。

 

「「クリティカルヒール!」」

 

味方全体の体力を最大まで回復させる最上級魔法の一つ。

二人から放たれた暖かい癒しの光が受けた傷を完全に治してくれた。

 

「私も行きます!」

 

ネプギアが金と銀の双剣を重ね合わせると双剣が一つの大きな大剣に変化した。

表面に金色の月の輝き、裏面に銀色の太陽の輝きを宿した輝剣が誕生する。

 

「受けてみてください! ブリリアント・スラッシュ!」

 

ネプギアは眩い輝きを宿した大剣の一撃をブレイブに叩きこむ。

 

「馬鹿な…! 一体どこからこれほどの力を…!」

 

最初の一撃はブレイブの大剣で防がれてしまうがネプギアは何と力技で押し切った。

隙ができたところに追撃を入れて確実にダメージを与える。

 

「ぬうう…! 俺は負けるわけにいかぬ! この胸の正義を貫くために!」

 

「舞さん、ユニちゃん!」

 

「私達の思いの力、その身に刻んであげる! みんな、シェアの力を貸して!」

 

大剣を上に掲げて刀身にシェアの力を集める。

私達五人のシェアの力を集めると大剣が銀色の巨大な羽を模した刃に変化する。

それは私達の思いの力が凝縮された結晶でもあるのだ。

 

「こ、この輝きは…! これがお前達の真の輝きだと言うのか…!」

 

「これを受けてみて! 天翔、光翼剣!」

 

私は精一杯の力を込めてそれをブレイブに振り下ろす。

ブレイブが闘気を宿した大剣で私達の一撃を受け止めると鍔迫り合い状態に。

 

「ぬおおおおっ!」

 

「はああああっ!」

 

互いに声を張り上げて私達とブレイブの意志の力が火花を散らしてぶつかり合う。

私達の思いの力を込めた刃の一撃が遂にブレイブの大剣の刀身にヒビを入れた。

その流れに乗せる形で一気に押し切る。眩い光の刃がブレイブの体を飲み込む。

 

「お前達の意志…! しかと受け止めたぞ…!」

 

舞達の光に飲み込まれる直前にブレイブは確かにそう呟いたのだった。

光が晴れると傷だらけのブレイブが姿を現した。大剣は根元から折れてしまっている。

 

「俺の負け、か…!」

 

ブレイブの体に刻まれた傷からは蒼い光が漏れ出していた。

私はユニとのハード・ユニゾンを解除してブレイブに近づく。

 

「そうね…。この勝負、アタシ達の勝ちよ!」

 

「何故だろうな…。俺は負けたと言うのに不思議と悔しいとは感じない。お前達の意志の力がこの俺の意志の力を凌駕したということなのだな…」

 

「アタシ一人の思いだけだとアンタに勝つことはできなかったわ。アンタに勝つことができたのはここにいるみんなの思いの力のおかげよ」

 

「子供達のことを助けたいって思いはお互いに同じだった。私達がすれ違った原因はそれを成し遂げる方法の違いだけだったんだよね」

 

「そのようだな…。そのすれ違いさえなければお前達とはよき友になれたのだろうな…。舞、ユニよ。最後に一つだけ問いたいことがある…」

 

「何かな?」

 

「お前達の掲げる方法で本当に子供達は救われるのか? 娯楽に満たされるのか?」

 

「今すぐにそれを実現することはできない。ブレイブもわかってるとは思うけどこのラステイションだけじゃなくて残る三国にもそんな子供達はたくさんいると思うから…。だから、私達はこの場で約束を交わしたい」

 

「ブレイブ…。アタシと舞はアンタと約束するわ。子供達が娯楽に飢えることのない、安心して暮らせる世界…。未来を必ず作ってみせるってね!」

 

私とユニはブレイブの手に触れる。

大きいので握手を交わすことはできないが誓いを立てるには十分だ。

 

「舞、ユニよ。俺の思いをお前達に託す。子供達を、この世界を頼んだぞ…!」

 

その言葉を最後にブレイブは光となって消滅した。

戦場で交わした約束は何よりも重い。そんな言葉を聞いた記憶がある。

 

「あなたの思い、確かに受け取ったよ。ブレイブ・ザ・ハード…!」

 

「アタシ達はアンタと交わした約束を絶対に忘れない…!」

 

ブレイブの正義は銀の女神の継承者と黒の女神候補生に受け継がれたのだった。

 

「何だか、悲しいですよね…。子供達のことを思う気持ちは私達と同じだったのに」

 

「うん。最終的に目指す物が同じでもやり方が違えば、こうしてぶつかり合うことになる」

 

「すれ違いが無ければいい友達になれてたでしょうね…」

 

ブレイブの子供達を救いたいと言う思いは本物だった。

その思いは私とユニの中に受け継がれている。

 

「ねえ、舞。ここに来る途中にお姉ちゃんに言ってた話なんだけど…」

 

「ん? この工場を別の物を作るために再利用するって話かな?」

 

「うん。その作る物なんだけど、ゲームにしない? クリエイターのみんなの力を借りて新しいハードやソフトをこの工場で作って…。それをゲームができない子供達に配るっていうのはどうかしら? 今浮かんだばかりだけどいいと思わない?」

 

「それはいいね。ノワールに言ってみようか。この工場を押さえたらすぐに取り掛かってくれるって言ってたから。マジェコンヌを倒して平和なゲイムギョウ界を取り戻しても大忙しになるね。私にできることなら何でも手伝うから」

 

マジェコン製造工場をゲームソフト及びハードの開発工場にすると言う案を伝える。

教会とラステイションの職人達を総動員して取り掛かってくれるとのことだ。

私達もできることは手伝わなければならない。未来はみんなの力で作り出すのだから。

 

舞達がマジェコン製造工場を後にしたのと同時刻。

ギョウカイ墓場ではトリックとマジックが今後の作戦について話を進めていた。

 

「ブレイブ・ザ・ハードが討たれたか…。舞と女神候補生達の成長は止まることを知らないと言ったところだな…」

 

「あの漢を倒すとは…。女神候補生共と我が同志マイは吾輩の想像以上に成長しているようだな。お前が撃退されたというのを聞いた時は思わず舌が飛び出そうになったぞ! それで次はどうするつもりなのだ? お前のことだ。どうせ次の手はもう用意してあるのだろう?」

 

「察しがいいな。このまま放置しておけば犯罪神様復活の妨げになる。次は少々強引な手を用意させてもらった」

 

「流石だな…。それでその強引な手と言うのは?」

 

「女神のシェアを乱すと同時に犯罪神様復活に要する時間を稼ぐ作戦を展開する」

 

「目的はわかったが具体的にどう攻めるのだ? 最初に言っておくが幼女女神達を傷つけるような作戦ならば吾輩は降りさせてもらうぞ?」

 

「それについては心配する必要はない。女神候補生達の相手はお前に任せる。お前の好きにすればいい。私がもう一度刃を交えたいのは舞と銀の女神であるアリアなのでな」

 

「なっ!? それは本当か!? 好きにすればいいって…本当にそれでいいのか? どこまでやっていいんだ!?」

 

「言葉通りの意味だ。作戦の詳細は追って伝える。まだ最後の調整が入っていないのでな」

 

「そうかそうか…! アクククク! いかん、今から興奮してしまっては本番に差し支えるな…。とりあえず作戦が始まるまでに用意できる物はしておこう! 制服とか首輪とか…」

 

欲望丸出しのトリックはギョウカイ墓場の闇の中に消えていった。

 

「奴らが勝つか、我々が勝つか…。実質どちらに転んでも問題は無い。我々の目的はただ一つなのだから…。全ては、犯罪神様の為に…」

 

マジックも闇の中へと姿を消す。新たな陰謀が闇の中で蠢いていた。

 

ブレイブを倒してラステイションのマジェコン工場を押さえてから一週間が経過した。

私達は現在ラステイションの教会のノワールの仕事部屋に集まっている。

今のところマジェコンヌ側が大きな動きを見せたと言う報告は上がっていない。

 

ただ、数日前に気になる情報がワレチューから入っているのが気がかりなのだ。

近々犯罪組織マジェコンヌが大掛かりな作戦を実行するという情報である。

また詳しい情報を掴めたら連絡するとのこと。リンダから聞き出すつもりだろう。

 

工場で再会してわかったことなのだがリンダはマジックに並々ならぬ忠誠心を持っている。

これまでは私達に懲らしめられて逃げるばかりだったのが工場では逃げなかったのだから。

近々実行される作戦について何か知っていることを祈るしかない。

 

「ノワール、工場の方はどんな感じ?」

 

「順調よ。各国のクリエイター達と職人達が集まって新しい物を作るために毎日頑張ってくれている。またユニと一緒に視察に行く予定だから舞もネプギアと一緒に来るといいわ。ただ、私達が捕まっている間に浸透したマジェコンの影響が大きいのが難題なのよね。回収の方は進めてはいるけどやっぱり数が多いわ」

 

マジェコン工場を押さえてから私達はこれまで通りに

各国のマジェコンの回収及び犯罪組織の構成員の確保に当たっている。

 

「舞が手に入れた情報だと犯罪組織は近々何か仕掛けてくるんだよね?」

 

「うん。また連絡が入るとは思うんだけど…」

 

ネプギアのNギアがぶるぶると震えて着信を知らせる。

 

「噂をしていれば来たみたいですよ? 舞さんのNギアからです」

 

Nギアを貸してもらいワレチューからの通信に出る。

 

「はい、もしもし?」

 

『マイちゃん! この前伝えた作戦についての情報が入ったっちゅ』

 

「流石だね。それでどんな作戦が展開されるかわかった?」

 

『下っ端がまたボロを出してくれたっちゅ。今回もマジック様から直々に部隊の指揮を任されて調子に乗ってるみたいっちゅね。展開されるのは搖動作戦っちゅ』

 

「つまり私達の注意をどこか他の場所に向けさせてその間に本命の場所を攻めるってこと?」

 

『その通りっちゅ! バカな下っ端と違って話がしやすいから説明する側としては助かるっちゅ。下っ端が指揮してる搖動部隊がリーンボックスに攻め込んでる隙にマジック様とトリック様が指揮を執る本隊がプラネテューヌに攻め込む作戦っちゅね』

 

「それはいつ行われるの?」

 

ワレチューに作戦が行われる時間を聞こうとするとNギアが鳴り響く音が聞こえてきた。

私のNギアはワレチューに預けてあるし、私はネプギアのNギアを使っている。

ということは他の誰かのNギアが鳴っているということになるが…。

 

「私のNギアですわね。チカからですわ…。はい、もしもし?」

 

『お姉様!? 至急リーンボックスにお戻りいただけますか!?』

 

「何かあったのかしら?」

 

『街中で犯罪組織による大規模な破壊活動が行われているんです! こちらの手勢だけでは抑えることができなくて…!』

 

「わかりました。すぐにリーンボックスに向かいますわ!」

 

「何かあったんですか…?」

 

「リーンボックスの街中で犯罪組織が大規模な破壊活動を行っていると…!」

 

『どうやら始まったみたいっちゅね…。その作戦が実行されるのが今日なんだっちゅ…! もっと早くこの情報をゲットしてマイちゃんに伝えることができていたら…』

 

「過ぎたことを悔やんでも仕方がないよ。それにワレチューの情報でこれが搖動だってことがわかった。これで次に行われる本命の作戦を阻止するために動くことができるよ。ありがとう、ワレチュー」

 

『マイちゃん…!』

 

「じゃあ、私はこれからそれを阻止するために動くから。切るね?」

 

『わかったっちゅ!』

 

ワレチューとの通信を終了する。

 

「ここでパーティを分けよう。私とアリア、セレナとシエル、ネプテューヌとネプギア達女神候補生でプラネテューヌに向かう。残った人はベールと一緒にリーンボックスに向かって。即席でパーティを分けさせてもらったけどこれでいいかな?」

 

私の問いかけに全員が無言で頷いてくれた。

 

「ありがとう。みんな、行くよ!」

 

パーティを分断した私達は早速行動を開始する。

プラネテューヌに向かっている本隊を指揮しているのはマジックとトリック。

激しい戦いが展開されることは間違いない。多少の無茶も覚悟の上で当たらなければ。

 

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