一応ラスボス撃破で落ち着いたので、これからぼちぼち更新を再開できそうです。
面白い内容をお届けできるかはわかりませんが、頑張りますのでよろしくお願いします。
穢れた銀のシェアを取り込んで狂暴化したフェンリスヴォルフを討伐して
さらにパープルディスクの協力を得たネプテューヌとシエルは教会に帰還した。
危険種モンスターを狂暴化させる穢れた銀のシェアのことをイストワールに報告する。
その際に他の三国の状況を確認してもらったが悪い予感は見事に的中した。
通常と異なる様子の危険種モンスターの目撃情報がギルドに寄せられていると言う。
セプテントリゾートのドルフィン。世界中の迷宮のフェニックス。
ガペイン草原のエレメントドラゴンの三体が確認されているようだ。
ギルドに入った情報によると体色が銀色、口から紫色の息を漏らしていたとのこと。
現在はダンジョン内に留まっているようだが移動すれば街に被害が出る恐れがある。
闘技場で鍛練をしていたノワール達が対応に当たるために出撃することになった。
一人では危険なので魔術で作り出されたセレナの分身がノワール達についている。
本物のセレナは闘技場にいるようなのでイストワールの案内で向かうことに。
「おかえり。二人とも無事で何よりだよ」
女神化したセレナの足元には金色の魔法陣が展開されている。
金色の燐光を放出するそれは分身を生成する魔術が維持されていることの証。
距離がかなり離れていたとしても自分の思うままに複数の分身を操ることができるが、
感覚を共有しているので被弾すると本物のセレナが傷を負うというデメリットがある。
「その魔法、かなりの魔力を消費しているみたいだけど大丈夫なの?」
「問題ないよ。魔力消費は当然大きいけど、この程度ではへこたれない。ノワール達には前に舞とのハード・リンクで得た情報を伝えてある」
「あの銀の光が纏わりついてきた時は諦めずに攻撃を続ければいいみたいだよ? さっきの戦いは舞とのハード・リンクのおかげで勝てたけど、少し前かな…? 舞との繋がりが切れちゃった。それまでに流れてきた技は全部覚えてるし、使おうと思えばいつでも使えるから大丈夫なんだけど…」
「ネプテューヌも気づいていたみたいだね。対策を話し合っている時に私と舞を繋ぐハード・リンクの繋がりが強制的に切断された。あの場でそれを言わなかったのはいい判断だと思うよ。余計にみんなを混乱させるだけだったから」
ハード・リンクは発現すれば永続的に維持される物だがその繋がりが切れる時は
自分とハード・リンクが発現している女神が何らかの理由で消滅する時のみである。
仮に何らかの要因で記憶喪失になったとしてもハード・リンクの繋がりは失われない。
ファントムハートの言葉から推測すると舞を殺すという可能性は極めて低いと言えるが
ハード・リンクが強制的に切断されたことにセレナとネプテューヌは不安を隠しきれない。
ゲイムギョウ界に甦った女神の亡霊に奪われた物はあまりにも大きい。
闇の中で暗躍するファントムハートを倒せば奪われた物は全て取り返せるはずだ。
「ノワール達の方も終わったみたい。戻ってくるように伝えるね」
「この短時間でかなり成長したみたいだね。私も追い越されないように頑張らないと…!」
「お互いに高め合うことで得られる物は大きい。私達三人がそうだったように」
セレナの話によるとノワール達は上級魔法を既に習得しているらしい。
魔法の扱いに長けているラムとロムと比較すると詠唱に時間がかかるという欠点はある。
四女神は近接型なので魔法の扱いに慣れていないだけというのがセレナが出した結論。
セレナの指導が上手いことと女神達の適応力の高さがさらなる強さを開花させているのだ。
(シエル、聞こえる?)
(思念通話か…。セレナ、どうしたの? 口に出して言えないことがあるの?)
(舞とのハード・リンクは確かに切れてしまったけど、アリアとのハード・リンクはまだ切れていない…。これが何を意味しているのかわかる?)
(確かに…! まだアリアと私達はハード・リンクで繋がってる。ということはアリアは無事ってことになるよね…。やっぱり身動きが取れない状態に陥っているのかな?)
(アリアがどういう状況に置かれているのかわからないけど、この繋がりが大切なものを奪われた私達に残された希望なんだよ。アリアは今この瞬間もきっと頑張ってくれている。だから、私達も…)
(負けないように頑張らないといけないってことか…! よし、今度は私が教導を交代するよ。セレナは休憩を入れたほうがいい。さっきの魔法の行使でかなり消耗してるでしょ? 疲れてるのに平気そうな顔をするところ、舞に似てきたんじゃない?)
(流石にばれてたか。隠し通せると思ったんだけど…)
(当たり前だよ。流石にアリアには敵わないけど何年一緒にいたと思ってるの?)
(ふふっ…。そうだったね。じゃあお言葉に甘えて私は一旦下がるよ)
長き時を共に生き抜いてきた銀と金と結晶の絆は
舞とネプギア達の絆と同じ様に固く結ばれているのだ。
シエルの言葉に従う形でセレナは一旦後退して身を休めることになった。
ノワール達が戻ってくるまでの間、シエルとネプテューヌは模擬戦で激しい火花を散らす。
「イストワール、ネプギア達の様子はどう?」
「まだ厳しい状態と言ったところでしょうか。先程ネプテューヌさんが言った舞さんとのハード・リンクの喪失。舞さんと強い繋がりを持っていたネプギアさん達は当然そのことに気付いていると思います…」
「そっか…。難しいところだよね。何かきっかけを与えることができればいいんだけど…」
「ネプテューヌさん達の模擬戦の様子を中継するというのはどうですか?」
「そんなことができるの?」
「はい。この闘技場は女神が戦うところを直接見たいという国民の要望で実現した施設ですので。放送局の方に依頼すれば、中で行われる戦闘を中継して皆さんにお届けすることができる形になっています。守護女神同士の模擬戦と言う名目でしたらあちらも喜んで協力してくれると思いますよ。やってみましょうか?」
「お願いしてもいいかな? それがネプギアちゃん達が立ち上がるきっかけになる可能性があるのならやる価値は十分にあると思う。それに大勢の人に見てもらえばシェアの上昇にも繋がって私達の強さが上がる」
「それでは早速準備の方にかかりますね。ネプテューヌさん達に話を通しておいてくれますか?」
「わかった。私達もその戦いを通して伝えたいことは全部伝えるようにするよ」
イストワールは準備をするために放送局の方に向かう。
セレナはネプテューヌとシエルにこれから行われることを伝える。
しばらく経つとイストワールから放送局の協力を得たという連絡が入ったので
緊急クエストから帰還したノワール達を加えて打ち合わせを行うことになった。
ちなみに残る三国のゲイムキャラの協力はその際に得ることができたようである。
この場には守護女神が六人いるので二人一組のペアを三組作って一対一の模擬戦を行う。
ネプテューヌとセレナ、ノワールとベール、シエルとブランの三組で行う形になった。
三組のバトルが終了したら放送局の記者の取材に答える形で各々の思いを伝える。
ネプギア達は部屋に集まっているため一緒にいるコンパ達に連絡を入れて
中継が入る時間になったら部屋にある大画面のテレビをつけてもらう手筈になっている。
模擬戦は夜の七時から開始されるが、観客席は夕方五時の時点で既に満員になっていた。
守護女神同士の模擬戦が闘技場で行われると情報を流してもらった結果がこれである。
「さて、これで全ての準備が整った。模擬戦はシエル以外は通常の女神化を行使した状態で行う。一応全力でやっていいけど熱くなり過ぎて相手に怪我をさせたり、自分が怪我をしないように気を付けてね。それで本戦に参加できないってなったら本末転倒だから。ネプテューヌ、私達がトップバッターになるけど行けるよね?」
「もっちろーん! セレナと戦うのってこれが初めてだから楽しみだよ! 負けないからね!」
「それは私も同じ。国を奪われたとはいえ私だって守護女神なんだから。まあ、お互いの実力を確かめ合うということでお手合わせをお願いするよ」
セレナとネプテューヌはお互いに女神化をして準備を整える。
革新する紫の大地の女神と煌めく金の大地を守護していた女神の戦いの時が迫っていた。
公開模擬戦の開始時刻まで残り十五分となり、会場の熱気が高まる。
「さて、今回企画された守護女神同士の公開模擬戦についてですが、プラネテューヌの教祖であるイストワール様を解説にお迎えしています。実況は私、デンゲキコが務めさせていただくことになりました! イストワール様、今回の模擬戦には一体どういった目的があるのでしょうか?」
「はい。今回の模擬戦は守護女神同士で戦うことによってお互いの実力を知り、さらなる高みを目指していただきたいと考えています。それに加えて、三つの模擬戦が終了した後には守護女神の皆さんから重大な発表があります。これはこのプラネテューヌだけではなく、ゲイムギョウ界に住む全ての人々に聞いていただきたい物になりますので急遽、このような形で企画をさせていただくことになりました」
「これは非常に気になる発言が飛び出しましたね~。新設された闘技場の記念すべき第一戦はこのプラネテューヌを守護する紫の女神ネプテューヌ様と古の魔法大国と言われる金の大地を守護されていた女神であるセレナ様が戦うということですが…」
「お二人だけに限らず、守護女神の皆さんは素晴らしい戦いを披露してくれる…。この一言に尽きますね。今回この闘技場にお越しいただいた皆さんは勿論、ここからの中継映像をご覧になっている皆さんにもお楽しみいただける内容になることは間違いないと言えるでしょう」
「それでは私達はその素晴らしい戦いをここにいる皆さん、中継をご覧になっている皆さんと一緒に最後まで見届けさせていただきましょうか! ゲイムギョウ界を守護する女神様の戦闘力は非常に高いと言えますが実際に戦っているお姿は中々お目にかかれる物ではありません。さあ、開始時刻が迫ってきたところで早速参りましょうか。ネプテューヌ様とセレナ様のご登場です! 盛大な拍手でお迎えしましょう!」
観客の拍手と共に女神化したネプテューヌとセレナが戦場に姿を現す。
二人のプロセッサユニットには新たな変化が表れていた。
ネプテューヌのプロセッサユニットは黒と紫を基調とする点はこれまでと同じだが
それに加えて各部に淡い桜色のラインが入っていて明るめの配色になっている。
翼が以前よりサイズが小さくなっていて形も大きく異なる桜色の翼に変化していた。
対するセレナのプロセッサユニットはお姫様が着ているドレスのような形状。
普段使用しているプロセッサユニットよりかは露出はかなり抑えめになっているが
この黄金色を曇らせることなど何者にもできないと言えるほどの眩い輝きを放つ。
「お互いに生まれ変わったプロセッサユニットになったようね」
「私のは舞とのハード・リンクで最後に流れてきた記憶からプロセッサユニットを再構成した姿だよ。舞が実際にプレイしていたゲームではゴールド・ルナと呼ばれる装備。ネプテューヌのプロセッサユニットも以前と比べると随分と明るい色になったね。それはパープルディスクの力かな?」
「そうね。見た目は翼以外は今までとあまり変わらないけど、力は上がっているわ。私もあなたみたいに舞のゲームの記憶を元にしてプロセッサユニットを再構成してみようかしら?」
「それをやる時は手伝うよ。見に来てくれているお客さんを待たせるのも悪いから、早速私達の戦いを始めるとしよう」
セレナが右手を上に掲げるとその手に金色の刀身を持った太刀が現れる。
アリアと長い時の中で積み重ねてきた鍛練によってセレナもあらゆる武器を使いこなすのだ。
近接戦闘の適正は低めではあるが、それでも戦えないわけでは無い。
アリアの銀色の炎と対になる金色の炎を宿したそれを構える。
それを見たネプテューヌは自身の象徴とも言える紫色の炎を太刀に纏わせる。
「煌めく金の大地が守護女神、セレナ…! 推して参るっ!」
「革新する紫の大地が守護女神、ネプテューヌ…! 全力で行かせてもらうわ!」
その言葉が模擬戦開始の合図となり、金と紫の光が交差した。
時を少し遡ってネプテューヌとネプギアの部屋に集まっていた女神候補生達。
これまで自分達を導いてくれた一人の姉とも言える舞とアリアが連れ去られた現実。
ネプギア達の心には深い傷が刻まれてしまったが、乗り越えて立ち上がらなければならない。
二人を取り戻すためには守護女神と女神候補生が力を合わせる必要があるのだから。
「…」
「ギアちゃん…」
部屋の中にはいつもと違って重い空気が立ち込めていた。
「コンパ、そろそろセレナが言ってた時間になるわ。私達にできることをしましょう。ネプ子達がネプギア達を立ち上がらせてくれる。私はそう信じてるから」
「そうですね…。ギアちゃん、つらいかもしれませんが、見てほしい物があるです。ねぷねぷ達がギアちゃん達に伝えたいこと。それを聞いてあげてほしいです」
コンパは部屋の中にある大型テレビの電源を入れる。
中継映像が画面に映し出され、ちょうどセレナとネプテューヌが登場したところだ。
「お姉ちゃん…? セレナさんと何をしてるの…?」
「これから始まるのは守護女神同士の模擬戦。この戦いを最後まで見届ければ、今何をしなければいけないのか…。それが見えてくるはずよ。これまで舞と繋がって一緒に戦い抜いてきたアンタ達ならその答えを出せるはず。だから、ネプ子達の頑張りを見てあげて」
「舞さんとアリアさんが連れ去られてつらい思いをしているのはねぷねぷ達も同じです。ねぷねぷ達は二人を取り戻すために、帰ってきてからどうすればいいかを話し合って、みんなで集まって鍛練をしてたですよ。ねぷねぷ達の思いを聞いてあげてほしいです」
二人の言葉を聞いた女神候補生達は顔を上げてテレビの画面を見る。
セレナとネプテューヌの模擬戦が開始され、激しい火花が散り始めた。
「私達にできることはここまでね。後は祈るしかないわ…。再び立ち上がってくれることを」
「きっと大丈夫ですよ。ギアちゃん達の中には舞さんの絶対に諦めない意志があるです。ここで諦めて終わることはないって信じてるです。わたし達も最後まで一緒に見守るですよ」
「そうね。いつまでも暗い気持ちでいるのはよくないわ。私達もネプ子達の戦いを観戦しましょう。ネプ子がどれだけ強くなってるのか見物だわ」
アイエフとコンパは女神候補生達の後ろから中継映像を見ることに。
一応模擬戦と言う名目ではあるが実戦と変わらない程の激しい戦いに目が離せない。
(舞、今どこにいて、どういう状況にあるのかわからないけど、ネプ子とネプギア達が必ずアンタを助けに行くわ。自分にできることを精一杯頑張って、どんな状況に立たされても絶対に諦めないその強い意志が消えることは無い。そうよね?)
その答えはこの戦いが終われば出るはずだ。ここまで来れば後は黙って見守るだけ。
この先の未来は闘技場で繰り広げられている守護女神同士の戦いに委ねられた。
2週間ぶりの更新にはなりましたが何とか書き上げることが出来ました。
後2~3話くらいで舞さん救出に乗り込めればと思っています。