内容を考えるのとそれを文章にして書く時間が圧倒的に足りないです。
もっと気合いを入れて頑張って書いて行かないと大変なことになりそう…。
国民の要望で新設された闘技場にて六人の守護女神による公開模擬戦が開始された。
第一回戦を戦うのはセレナとネプテューヌ。太刀がぶつかり合う音が響き渡っている。
「さあ、いよいよ始まりました! セレナ様とネプテューヌ様のバトル! やはり女神様同士の直接対決は迫力が違いますね~! お客さんの熱気は既に最高潮ですよ! どちらを応援するも皆さんの自由! 女神様の力の源は信仰心であるシェアであると存じていますが、それは応援してくれる人が多いほど強くなるという解釈でよろしいのでしょうか?」
「その通りです。このゲイムギョウ界を構成する四国を守護するネプテューヌさん達は自国の民の信仰心、シェアが高ければそれに比例する形で戦闘力が上昇します。セレナさんと後に登場するシエルさんは国を持ってはいませんが、様々な高難度クエストをこなしたことでギルドだけではなく国を問わずに大勢の人々から信仰されています。さらに厳しい戦いを潜り抜けてきた経験も合わさることで国を持たずともネプテューヌさん達に引けをとらない強さを持っていると言ってもいいでしょう」
四国のギルドから絶対の信頼を置かれている銀と金と結晶の女神の三人。
信頼の証である特別許可証には危険種モンスターの討伐を初めとする高難度依頼及び、
突発的に発生する緊急クエストを優先して紹介してもらえるという特権がある。
強力な危険種モンスターを相手にするだけでは無く、レア素材の採取などもお手の物。
クエストの成功率はほぼ100%を維持していると言っても過言ではない。
失敗することも時にはあるがギルドに名を連ねる冒険者達の中ではトップクラスなのだ。
「ギルドにはごく限られた人にしか受けることのできない超高難度のクエストも存在するという噂を聞いたことがありますが、特別許可証を持っているということはそれをクリアした実績もあるということになりますよね…。ネプテューヌ様とどちらが強いのでしょうか?」
「ネプテューヌさんは前衛型ですが、セレナさんは後衛型です。接近戦においてはネプテューヌさんに分があるとは思いますが、こうして対等に打ち合っているところを実際に見せられて私自身も驚いています。今のお二人の力は互角と言ったところでしょうか。ネプテューヌさんもギョウカイ墓場から救出されてからは鍛練に励んでいますので戦闘力に大きな差は無いと思います」
「確かに後衛型とは思えない動きを見せていますね…。おや? セレナ様の足元に魔法陣が出ていますよ? あれは何を意味しているのでしょうか?」
ネプテューヌと打ち合うセレナの足元にいつの間にか金色の魔法陣が現れていた。
魔法が発動しているわけではないようだが、時間経過と共にその輝きが増してきている。
「セレナさんはネプテューヌさんと戦いながら術式の構成をしていると思います。ネプテューヌさんも当然それに気付いていると思いますが、術式が完成した時にどのような魔法が発動するのか予想ができませんね」
ネプテューヌはセレナの足元に展開されている魔法陣を警戒していた。
これはマジェコン製造工場を押さえてからの鍛練で舞が行使していたスキルの一つ。
相手と接近戦を行いながら魔術の術式を構成して隙ができたところで即座に発動する。
セレナに隙を見せたら最後、魔法の餌食になることは間違いないと言ってもよい。
(こうなったら隙を見せないように意識して一気に押し切るわ)
(ネプテューヌの剣撃の速度が増した…。このまま押し切ろうとしてるみたいだね?)
ネプテューヌの速度と威力を増した太刀の連撃がセレナを押し始める。
近接戦闘においてはネプテューヌの方が上なので分があるが油断はできない状況である。
その猛攻がセレナの太刀を弾き飛ばし、隙が生じたところで斬撃を叩きこむ。
しかし、セレナのプロセッサユニットがネプテューヌの鋭い斬撃を弾き返した。
「…っ!」
「トリニティスパーク!」
セレナが両手を突きだすと金色の光が槍となってネプテューヌに襲い掛かる。
攻撃を弾かれて生じた隙を見事に突いたセレナの魔法が直撃してその体を吹き飛ばす。
「まだ立てるよね? 直撃を受けたからと言って戦闘不能になるほど柔じゃないでしょ?」
「当然よ…。かなりのダメージが入ったけど、まだ終わりじゃない。まさか私の斬撃が弾かれるといは思わなかったけど…。そのプロセッサユニットは舞のゲームの記憶から構成した物なのよね? 普通の攻撃が通らないというなら弱点となる属性で攻撃させてもらうわ」
ネプテューヌは自身のシェアエナジーを雷の魔力に変換して太刀に纏わせる。
ゴールド・ルナはその防御力の高さに加えてドラゴン族モンスターの攻撃を軽減するが
雷属性の攻撃に極端に弱いという欠点を持っている。どんな装備にも弱点は存在するのだ。
ドラゴンの中にも雷属性を操る種族がいるので絶対的に有利になるというわけではない。
「私より先に舞とのハード・リンクを発現していたこともあって対応が早いね。プロセッサユニットを通常状態に戻してもいいけど、あえてこのままで行かせてもらうよ。ネプテューヌならわかってくれてるとは思うけど決して舐めてかかってるわけじゃないからそれは間違えないでね?」
セレナが普段使っているプロセッサユニットの場合、雷属性は弱点ではない。
物理攻撃よりも魔法攻撃に対する防御力が非常に高いという特徴を持っている。
「わかっているわ。あなた達三人の女神と鍛練を重ねていると教えるのが本当に上手いって思うくらいだし」
「まあ、昔は自分の国にある魔導学校で魔導師の教導をしてたからね。ネプテューヌみたいな天性の才能を持っている子もいれば、中々魔法を自分の物にすることができない子もいた。正直ネプテューヌ達に魔法を教えているとみんなに魔法を教えていたあの頃を思い出すよ。それに私は舞達に出会ってからは驚きの連続さ」
「私も同じ気持ちよ。舞とネプギア達の成長の速さには驚かされてばかりだわ。姉である私達、守護女神をも超える勢いで成長を続ける…。既に私達は負けていると言ってもいい。三年前に私達が勝てなかった相手と互角に渡り合っていた時点で本当にすごいと思ったから。私は姉として、このゲイムギョウ界を守護する守護女神として、未来を担うあの子達の力になってあげたい」
「ふふっ…。だから私達で背中を押してあげないといけないね。舞を闇の中から救い出すのはネプギアちゃん達の役目。私達はそれを全力で支える。ネプギアちゃん達の障害となる物は私達が打ち払う。その為には私達も強くならないといけない。さあ、続きをしようか」
「そうね…。舞が言っていた自分にできることを精一杯頑張ることの大切さが改めて分かってきたわ。私の雷剣舞、受けてみてくれる?」
その言葉を合図にネプテューヌの体から放出される雷属性の魔力がさらに増大する。
強烈な紫電を纏うその太刀は雷その物が牙を向いていると言ってもよいほどの迫力だ。
「ここまで密度の濃い雷の魔力を感じ取るのはいつ以来になるかな…。それに対抗するには、今の私に出せる全魔力を放出するしかないねっ!」
ネプテューヌの紫電に対抗するかの如くセレナの体から放出される金色の魔力光。
それは夜の大地を照らす月の輝き。セレナが最も得意とする光属性の魔力である。
二人はまだ距離を保ったまま動いていないが放出される濃い魔力は
魔術に全く関わりの無い一般人でも何かしらの反応を示すほどの物と言ってもよい。
事実、先程まで盛り上がっていた観客は不気味とも言えるほどに静まり返っている。
その次の瞬間、紫と金の光が凄まじい速度で何度も交差した。
この一瞬の間に激しくぶつかり合ったのかセレナとネプテューヌは息を切らしている。
今の二人の動きを捉えることができた者はどれほどいたのだろうか。
「今のネプ子とセレナの動き、見えた?」
「全然見えなかったです…。あの場にいても見えなかったと思うです」
「私は見えました…。あの一瞬でセレナさんとお姉ちゃんは激しく打ち合っていました」
「アタシにも見えたわ…。並みのレベルじゃ捉えることができない速さよ…」
「わたしには見えなかった…。ネプギアちゃんとユニちゃん、すごい…」
「悔しい…。もっと頑張ればわたし達にも見えるようになるのかな…?」
相手に反撃の隙を与えない高速の双剣術を行使するネプギアと
激しい動きをする相手をその眼で捉えて弱点を正確に撃ちぬくユニは見えていた。
ロムとラムにはまだ厳しいようだがその気になれば簡単に捉えてしまいそうな気がする。
「なんと…。一体この一瞬で何が起きたというのでしょうか…! 二人が動いたと思ったら次の瞬間にはお互いに息を切らしています…! お客さんもあまりの衝撃に言葉が出ておりません。イストワール様、お二人はこの一瞬の内に激しくぶつかり合ったということでしょうか?」
「そのようですね。私もお二人の動きを捉えることができませんでした。今の速度を見切ることができるのは一部の限られた強者のみと言ったところでしょうか。しかし、守護女神であっても限界を超えた速度で動くのは体に負担がかかるようですね」
「慣れないことはする物じゃないね…。というか私にこの速度が出せるとは思わなかった…。これもアリアと舞のおかげかな? あの二人がハード・ユニゾンしたら息を切らしそうにないから逆に怖くなってきたよ…。後、ネプギアちゃんとロムちゃんの組み合わせもすごい」
ネプギアの女神剣舞は体力を消費するが、ツインサーペントの力を取り込んだロムの
自動回復魔法が重なると最高速の最終楽章まで行使することができるようになる。
「そうね…。私は近接型だけどこれ程の速度で動いたのは初めてよ。思った以上に効いたわ。まだまだ足りないところがあるわね。次の一撃でこの戦いを終わらせましょう。幸い、大技を後一度使う体力は残っているわ」
「奇遇だね? じゃあ最後はお互いのエクセドライブで終わらせようか。私のエクセドライブを見せるのは初めてになるよね?」
「確かにセレナのエクセドライブは見たことがないわね。見せられない理由でもあったの?」
「いや…。別にそんなことはないよ。ただ、前衛の二人が討伐モンスター数の競い合いと言う名目で常に無双するから出す機会があまりなかっただけ。今の私に出せる最高の一撃を受けてくれる?」
「私も最高の一撃で応戦するわ。最後は派手に終わらせましょう」
エクセドライブの行使に必要なシェアの力を集める。
さらにネプテューヌは雷の魔力を、セレナは光の魔力を上乗せする。
ネプテューヌの体から放出されているのはバチバチと音を立てる紫電。
それに対するセレナの体からは金色の光の粒子が溢れ出している。
「ネプテューンブレイク!」
「ルナサンクチュアリ!」
ネプテューヌの斬撃がセレナに直撃するかと思われたが体の周りに形成された
強固な半透明のバリアがそれを阻む。バリアの外には金色の光が立ち上り始めた。
月の聖域の光がネプテューヌを飲み込もうとするが諦めずに最後まで剣舞を続ける。
この光に飲み込まれる前に最高の一打をセレナに届けたい。
ネプテューヌの思いを乗せた剣舞がセレナのバリアを破壊した。
その瞬間を見逃さずに追撃を繰り出したと同時に月の光に飲み込まれる。
光が晴れるとお互いに仰向けに倒れているネプテューヌとセレナがいた。
二人の女神化は解除されており倒れたまま一歩も動かない。
「届いたのかな?」
「最高の一打だったよ」
先に起き上がったセレナがネプテューヌに近づいて手を差し伸べる。
「立てる?」
「大丈夫! ほら、私って元気なことが取り柄だからね!」
ネプテューヌはセレナの手を取って立ち上がる。
「ふふっ。流石はギョウカイ墓場から救出されて一晩で回復しただけはあるね。アリアと舞から聞かされた時は驚いたよ。楽しい戦いだった。ありがとう、ネプテューヌ」
「私もセレナと戦えて楽しかった! ありがとう!」
セレナとネプテューヌは握手をする。同時に観客からは盛大な拍手が送られた。
「お聞きください! この大歓声! 素晴らしい戦いを披露してくれたネプテューヌ様、セレナ様。本当にありがとうございました! 闘技場の記念すべき第一戦…! お二人が倒れていたところを見る限りでは今回は引き分けと言ったところでしょうか。これは是非とも次の機会で決着をつけていただきたいところですね!」
「そうですね。それにしても一回戦でこれほどの盛り上がりですか…。これは後に控えている二回戦、三回戦にも大いに期待が持てますね。犯罪組織に奪われた各国のシェアもこの公開模擬戦で一気に回復することが見込めそうです」
「二回戦はノワール様とベール様、三回戦はブラン様とシエル様が登場します。まだまだこの戦いは始まったばかりですよ! 皆さんの女神様を応援する気持ちがそのまま女神様の力になる…。ちなみに今回の中継映像は四国の放送局と連携しているのでほぼすべての人がご覧になっていると言ってもいいでしょう! それでは次の戦いに参りましょうか! ノワール様とベール様の登場です!」
ネプテューヌとセレナと入れ替わる形で
女神化したノワールとベールが戦いの舞台に姿を現した。
プロセッサユニットの変化は勿論あるのだが、以前と決定的に違う点がある。
ノワールは炎を、ベールは風をその身に纏っていた。
炎神と風神がその場に降臨していると言ってもよい光景である。
「ベールと勝負するのは随分と久しぶりよね。最後に戦ったのは確か…」
「私達がシェアを巡って争っていた時の話ですから、随分と昔の話ですわね」
ネプテューヌ達がゲイムギョウ界を守護し始めた当初は
自身が守護する国のシェアエナジーを奪い合うことが何度かあった。
幸いにも大規模な戦争程ではない小競り合いと言ったレベルの争いだったので
四国が大きな被害を被ることはなかったが、争いが止まらなかった場合は
初代クリスタルハートの世界の戦争に発展する可能性は十分にあったと言える。
「ネプテューヌが最初に言い出したのよね。こんな戦いはもう止めにしようって」
「それから時間はかかりましたが、こうして手を取り合うことができました」
ネプテューヌが停戦を訴えてからすぐに和解できたというわけではない。
長い時間をかけて結ばれた四女神の絆は舞とネプギア達の絆と同じ物なのだ。
「昔話はこの辺りで切り上げて始めましょうか。観客の皆さんも待ってくれていることですし」
「そうね。あの二人の戦いを超える勢いで盛り上げていくわよ!」
紫電と月光の舞の第一回戦に続く第二回戦は業火と烈風の舞。
新たな姿を獲得した黒の女神と緑の女神の剣と槍がぶつかり合う。
第二回戦が始まった頃、ゲイムギョウ界の中央に位置する山の頂。
舞とゲハバーンを包み込んだ黒い繭が不気味な音を立てながら明滅を繰り返す。
繭の前にいるファントムハートは舞に悪夢を見せ続けていた。
「第二段階突入と言ったところかな。舞、君は本当に面白い。君がこの繭から解き放たれた時、どうなるのか楽しみで仕方がないよ」
「随分と繭の中の少女に入れ込んでいるようね? 私達の主様は」
ファントムハートに話しかけたのは黒いコートを纏いフードで顔を隠した人物。
同じ格好をした人物が六人いる。ファントムハートの部下のようだが。
「おや? 戻ってきたんだね。様子見はもう終わったのかな?」
「狂暴化した危険種モンスターは四女神達にあっけなく狩られたみたい。まあ、あの程度のモンスター如きにやられたら期待外れもいいところだけど…」
「奴らの様子を見てきたが今は面白いことをやってるみたいだぜ?」
「面白いこと? 女神達は何をやっているのかな?」
「六人の守護女神での公開模擬戦…。全国に中継されてるよ…。狙いは実力アップとシェアの回復かな…」
「今は第二回戦に突入したところ。中々に白熱してるから見てる分には楽しめる」
「妨害を提案したいところではありますが、どのようにいたしましょう?」
「妨害はしなくていいよ。狂暴化した危険種モンスターを始末したってことはどうせこの場所に私と舞がいることは女神達も知っているはずさ。すぐに突入してこないのは賢明な判断と言ってもいい。とびきりの衣装を着て、最高の得物を持ってこないことには舞と私達の相手は務まらないからね。でも、黙って見てるだけってのもつまらないから軽く遊んでくるとしようか」
「主様自らがあの場所に乗り込むのかしら? 私達も一緒についていけばいい?」
「いや、行くのは私一人だけさ。君達のことはまだ隠しておきたいからね。せっかくだからこの姿で行こうかな。すぐに見抜かれるとは思うけど、あの子達がどんな顔をするのか楽しみだよ」
ファントムハートは月の魔術書を取り出して中に記されたある魔法を発動する。
その体が黒い霧に包まれる。霧が晴れると何と舞の姿になっていた。
「相変わらず面白いことをするじゃねぇか。悪知恵は衰えることを知らねーようだな」
「姿だけなら本物の神奈 舞に限りなく近い状態…。私達はこの場所にいればいい?」
「まぁ、誰も来ないとは思うけど、念のため妙な干渉が無いかだけ見張っておいてくれるかな? この最高の祭りを邪魔されるのは流石に困るからね」
「了解した。でも邪魔する奴なんているの?」
「いないとは言い切れない。何が起こるかわからないのが世の常さ。じゃあ、お留守番の方よろしくね?」
「わかった。何かあったら呼んでよ。すぐに駆けつけるから」
「気を付けて行ってきてください。あなた様には無意味かもしれませんが」
「きゃはははっ! 本当に頼もしい限りだよ。私の洗脳魔法によって作り出された物ではない本物の忠誠心はやはり違うね。ひとっ走り行って軽く遊んでくるよ」
舞の姿をしたファントムハートはプロセッサユニットを展開して
山の頂からプラネテューヌの方角に飛び立つ。
邪悪な欲望の魔の手が守護女神達に刻一刻と迫りつつあった。
ねぷねぷ成分ならぬ舞さん成分が不足し始めました…。
行き詰まった時は適当な短編でも書いて舞さん成分を補給するかもしれません。
さらに突然ではありますが舞さんのイラストを描いてくださる方を
募集させていただきたいと思います。我こそはという方は是非お願いします。