ッセージを見た皆は、ずっと沈黙していた。皆、自分がどう行動すればいいか考えているようだった。
その沈黙を破ったのは、佐藤さんの一言だった。
「……とりあえず落ち着きましょう。巻尾、犯人たちの居場所は割れましたか?」
「そうっスね……あともう少しってとこなんスけど……大まかな位置は割れてるっス」
「ではその情報をこちらに共有してください。もしかすると解決できるかもしれません」
「なにかいい方法があるんですか?」
「はい。ですが、できるかと言われたら分かりませんが」
一体どういうことだろうか?佐藤さんにしてはチグハグというか矛盾があると言った感じに感じる。
「俺たちはどうすればいい?」
「轟さんと江藤さんは索敵等の能力は高いですか?」
「いや、俺たちはどちらかというと肉弾戦の方が強いな」
「なるほど……でしたらしばらく待機になりますがいいでしょうか?その後に確実にあなた達の力が必要になると思いますので」
「わかった」
「佐藤さん、何したらいいですか?」
「種田さんは私についてきてください。あなたにしか出来ないことがあります」
「わかりました」
◇◇◇
執務室を出て、佐藤さんと2人歩いて行く。いったいどこにいくんだろうと思っていると、見えてきたのは佐藤さんの私室前の扉だった。
「今から種田さんには姉さんと会ってもらいます」
「お姉さんって……ぼたんさんですか?」
「はい。姉は、私とは違い昔から人探しの能力といいますか神通力のようなものがありましてそれを使ってもらったら詳細な場所がわかると思います」
「そんな力が……佐藤さんもそういった能力持ってたりするんですか?」
そう聞いたとき、ほんの一瞬だが佐藤さんの口がキュッと締まった。もしかして聞いてはいけないことだったりしたのか?
「……どうなんでしょうかね。それは私にもわかりません。力というのは自認するのもそうですが他人から言われて初めてわかるというのもありますから。さぁ、どうぞ」
私室の扉を開けると、その先にぼたんさんが待っていた。正座しているその姿は、置物と言えばいいのか質感が人ならざるものと思ってしまうような不思議な感じだった。
「いらっしゃい。さぁ、どうぞ」
「失礼します」
「今日の用事は……そうね。あなたの娘のいる場所ってところかしら」
こちらから何も教えてないのにわかってしまうんだろう。そう思っていると、佐藤さんが肩に手を乗せた。
「なんでわかったんだろうと思ってるかと思いますが、それは先ほど私が連絡したからですよ」
「あっ……そうだったんですね。そうか……びっくりした」
「まぁ姉さんの場合は連絡をしなくてもわかったと思いますが、ね」
「ふふっ、そうね。さぁ、こっちに来て」
奥の間にいくと、火が入っていない火鉢の前に座らされた。何をするんだろうと思っていると、ぼたんさんはおまじないをするように火鉢の中の灰を指先で摘んだ。
「さぁ、種田さん。手を拝借」
「わかりました」
ぼたんさんにそう言われ、手を差し出すと火鉢の真上に手を浮かすように指示されその上にぼたんさんの手が重なった。いったい何をするんだろうと思っていると、ぼたんさんは目を瞑り意識を集中させる。
「種田さん、あなたのお子さんの顔を思い浮かべて」
そう言われ、はなの顔を頭の中で再生する。すると、火鉢の中の灰が風もないのに浮かび上がり、空中を漂い始める。いったいこれは?不可思議な現象を見てると上の方に上がった灰がキラリと光った。
「わかったわ。あなたのお子さんはおそらくだけど流浪街の端のほうにいるわ。おそらくこれは……誰にも使われていない建物……その地下にいるみたいね」
「本当ですか!?」
「ええ。私の力は本物よ。あとはそうね……詳しい場所はお付きの狗神に伝えた方が早いわね」
「わかりました。佐藤さん、急いで巻尾さんに連絡を」
「先ほど終わりましたよ。急いで周辺の地図と建物の内部構造を示した物を用意するとのことです」
流石に早い。事務能力に関してはまだまだ佐藤さんの足元にも及ばないというのがわかってしまう。
「さて、もう大丈夫よ」
「ご協力ありがとうございました」
「いいのよ。ただ、久しぶりに能力を使ったから少し眠いわね……」
「奥に布団を用意するから少し待ってて、姉さん」
「ありがとう」
話をしている2人を遠目から見てると、似てるなと思った。双子だから当たり前だが、背丈も身なりも明らかにちがうけどやはり姉妹なんだなと思ってしまう。そういえば現世にいる妹は元気だろうか。そんなことをふと思ってしまった。