佐藤さん達が幽霊たちを全て処理し終えていたので合流をした。顔の火傷は治ったがまだ若干ながらピリピリと痛みはある。
「終わりましたか?」
「ええ、なんとか。あとはこの奥にある今回の騒動の大元になった本を封印すれば終わりです」
あっという間というか何というか……とりあえず一段落はついたようだ。
「ん?でも奥にあるということはまだ何か出てきても不思議じゃないってことですよね?」
「可能性はあります。ですので、慢心せず注意しながら進みましょう」
「わかりました」
禁書エリアの最奥にある広間に足を踏み入れる。そこは、言葉に言い表せないほどに散らかっていた。どうやら封印が解けた本が何かの拍子で暴れまわったりした結果、まわりの本を巻き込んでぐちゃぐちゃにしてしまったようだ。
「さて、封印する本はどこにあるんだ?」
「少々お待ちを……管理番号い-65667 と書いてありますね。おそらくですが、この本の山の中のどこかにあるかと……」
「……この中にあるのか?」
「はい。ですので、皆さん手分けして見つけるのを手伝ってもらえますでしょうか?さすがにこの量を一人で片付けるのは骨が折れますので」
「わかった。とりあえず端の方から進めて行く。で、どこを見ればその管理番号が書いてあるんだ?」
「はい、基本的には本の見返しに印字してありますのでそこを確認してもらえると助かります。ただ……」
「ただ?」
「ここにある禁書は取り扱いがとても難しい本ばかりですのでくれぐれもお気をつけください」
「……一応聞いておくが噛み付いたりとかしてこないよな?」
「そのような本もあるかもしれません。ですので、その際は背の部分を優しくなぞってみてください。そうしたら噛みつきはしないと思います」
「わかった。とりあえず全員ばらけるぞ。見つけ次第、本は封印する。これでいいな?」
江藤さんが音頭を取ると、全員散開して各々本の見返しを確認し始めた。とりあえずその場に座り、近くにあった本を確認する。
言われた通りに、本の背を優しくなぞる。何もないとは思うが、一応なぞっておいて損はないだろう。
表紙を確認し、見返しに示されている印字を確認する。
どうやら、これは外れのようだ。そうしたらならばまた次の本を調べて行く。それを何回も何回も繰り返して気づけば数時間が経っていた。
「あとはこの辺りを残すのみになりましたね」
「そうですね……流石に疲れました」
「それでは早く終わらせましょう。流石にスーツが埃まみれなのは如何ともし難いので」
◇◇◇
それから全員で本を探したが、該当する本は見つからなかった。全員が全員見逃すはずがない。
「どういうことだ?」
「わかりません。ただ、この場にないということは絶対にあり得ません。それだけは確実に言えます」
「ふぁぁ……疲れたぁぁぁぁっ……あ?」
轟があくびと背伸びを同時にしていると、素っ頓狂な声を出した。どうしたんだろうと見てみると、天井を指さしていた。
「おい、アレって……」
「アレ?」
指さしていた方を確認すると、禁書エリアの天井に何かが張り付いていた。しばらく様子見していると、その何かはカサカサと動き回り天井から書棚を介して目の前に落ちてきた。
「な、何だこれ?」
「……わからん。だが、気をつけろ全員。何か嫌な予感がする」
江藤さんがそう言った瞬間、黒い物体は、ギョロリと大きな一つの目玉を開示した。皆がギョッとしているとその黒い物体は、ジロリジロリと全員を確認すると、またカサカサと書棚を跋扈していった。
すると、一瞬黒い物体が弾けて中身が見えた。
それは、本だった。
「……もしかすると探していた本かもしれない?」
「可能性は十分ありますね。とりあえず、アレを捕まえないことには話が進まないようです」
「みたいですね……」
全員が距離を取り、黒い物体を見つめる。すると、その黒い物体は禁書エリアを逃げるようにして走り回り始めた。
「おいおい、アレ逃げるみたいだぞ!?」
「急いで捕まえないと……これ以上被害が拡がったら溜まったものじゃないです!書棚の修理費だけでどれだけ行くことになるのやら……」
「まぁ、とりあえず捕まえることにしましょう。アレを捕まえて封印しないと先ほど言ったように被害がこれ以上ひどくなるのは分かりきっていますので」
「わかりました!」
こうして、黒い物体=封印対象の捕獲?が始まった。