「なるほどねぇ、そう言うことだったんだ。よしっ、こっちでも調べておくよ。たねちんは帰っていいよ」
「わかりました」
「えっ俺様は!?」
「君にも聞きたいことは山ほどあるけど今日はいいよ。また後日、お茶会しようね」
閻魔様がニコリと微笑むと、アルカはブルブルと体を震わせた。その後、執務室を出るとアルカは大きく息を吐いた。
「オイオイ、なんだあの化け物!?あんなのいるなんて聞いてねぇぞ!?」
「化け物って閻魔様のこと?」
「あれが閻魔か……いや、本当に恐ろしかったぜ。マジで逆らうなんてこと出来ねぇわ」
「それはたしかにそうだ……そういえばさっきの質問なんだけど、アルカは外からやってきたのか?」
「あ?まぁそうだな。あっちで片割れを探しているうちにどこか暗い場所に紛れ込んでよ。そこからどことなく声が聞こえてな」
「なるほど……その声ってやつに逆らおうとはしなかった、と」
「なんと言うかよ……今日あった閻魔みたいなあの逆らえない空気ってやつがよ、その声の主人からも感じられたんだよ」
「そうなのか」
つまり、この世のどこかには閻魔様みたいなのが少なくとももう一人はいるということになる。それはそれでカリスマ性があると言うことに他ならない。
「さて、俺様はまたどこかに飛んでいくぜ。次は、本契約になるといいな」
「あっ、そういえば聞きたかったんだが」
「なんだ?」
「アルカと本契約をするとどうなるんだ?」
「そりゃお前さん……もれなく吸血鬼の仲間入りだよ」
「きゅ、吸血鬼!?」
「そう、吸血鬼。吸血鬼になっちまうと、もれなく太陽の光は浴びれねぇ体質になっちまう。何せ浴びたら死んじまうからな」
「じゃあ、今の仮契約の状態では?」
「どうなるのかは知らないが、まぁ死なないと思うぞ。じゃあ、聞きたいことは終わりか?じゃあな。何かあったら呼べよ。今日みたいなのはマジで勘弁だけどな」
そう言うとアルカはまたどこかに飛んで行った。吸血鬼……マジか……
◇◇◇
その後、佐藤さんと落ち合い、ちょうどいい時間だったので昼食を共にした。どうやら、佐藤さんも先日の件で調べたいことがあったらしい。
「それで種田さん、吸血鬼をちゃんと認識はしていますか?」
「認識、ですか?うーん、ちゃんとはしていない気がしますね。情報も確実なものとは言えませんし」
「そうですか。では、午後はそこら辺を調べて知識をつけることをおすすめします」
「わかりました」
午後の時間は執務室で過ごす。どうやら、佐藤さんが調整してくれたおかげで今日は裁判はないらしい。
備え付けのタブレットで図書館の資料を探すことにするとしよう。