薬を作るのに必要な材料が書いてある紙を渡されたので、確認をする。書いてあったのはこの3つ。
・牛頭の角のかけら
・天の蜘蛛の糸
・地獄の曼珠沙華
何度読み返してもこれがどこにあるのか皆目見当もつかない。一人悩んでいると、肩を叩かれた。振り返ってみると、佐藤さんだった。
「もしかしたらなのですが種田さん。全てお一人で解決しようとしてませんか?」
「えっ?」
そう言われたら確かに自分一人でこの問題を解決しようとしていた節はある。ただ、ずっと誰かに頼りっぱなしじゃダメだと言う気持ちも少しはあった。
「あー、その……はい。そうですね」
「種田さんの場合、誰かに頼ると言うことをもっと覚えた方がいいと思います。ですから、もうすこし頼ってみてはどうかと」
「そうですね……それじゃ手伝ってもらってもいいですか?」
「わかりました。とりあえずその紙を見せてください」
佐藤さんに薬の材料の紙を見せると、顎に手を当て考えていたがしばらくするとどこかに連絡をし始めた。
「ええ、ええ……はい。それでは、失礼します。ひとまずひとつは埋まりました」
「ひとつですか?」
「はい、アポイントを取ったので牛頭の角のかけらをもらいに行きましょう。天国は、緊急要件で通したのでその後に行きましょうか」
「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ、はなちゃんのためですから」
佐藤さんに深々と頭を下げた。どうやら、なんとか取りに行けるらしい。
「では、まず牛頭の角から取りにいきましょうか」
「すいません。勉強不足であれなんですが、牛頭の角ってどこにあるんですかね?」
「種田さんが知らないのも無理ありませんよ。牛頭は現世と地獄、そして天国の境目にある門のところにいます。ですので、そこまで扉を開けて行くことにしましょう」
「わかりました」
◇◇◇
佐藤さんに扉を開けてもらい、着いたのは一面真っ白な空間だった。床の質感はリノリウムのように若干冷たさを感じるが、それ以外は何もないただたds広い空間だった。
「種田さん、こっちです」
佐藤さんが先に歩いていくので、後ろをついていく形で歩を進める。しばらく歩いていくと、とても大きな門が見えた。その左右には、門を守るように何かがいる。
「あの牛の頭の方が牛頭、馬の頭の方が馬頭です」
「牛頭と馬頭、ですか。どこかで聞いたことある気がしますね」
「牛頭と馬頭はかなり有名ですから。江戸時代の妖怪図などに描かれてもいましたし何よりモチーフとしてわかりやすいですから」
「た、確かに」
その大きな門に近づいていくと、牛頭と馬頭がいた。ただ、近くに行くとわかったが、あの頭は……その、あれだ。被りもにしか見えなかった。
「あれが、牛頭と馬頭」
「はい、牛頭と馬頭です」
「気のせいじゃなければ頭のアレは被り物にしか見えないんですがそれは」
「では本人たちに聞いてみましょうか」