地獄の沙汰も君次第   作:Marks_Lee

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この世の果

裁判を終えた後、あの亡者の目がずっと気になっていた。お前は絶対許さない、そう言っているようなあの目。

 

「どうされましたか?」

 

「いえ、本当になんでもないんですけどあの亡者の目が気になりましてね……あれは一体なんだったんでしょうか」

 

「そうですね……稀にですが裁判の判決を不服に思って睨みつけるような行動を撮る場合がありますが、今回もそれではなかったでしょうか?」

 

「だと良いんですが……なんと言うか精神をすり減らすってこう言うことを言うんだな、と改めて思いました」

 

「なるほど……それはお疲れ様です。急ぎでやる裁判はもうないのであとは書類等をまとめる仕事をしてください」

 

「わかりました」

 

書類をまとめる仕事をし終えると、終業の鐘が鳴った。時間はあっという間に過ぎて、もう夕方だ。はなを迎えに行って、そのあとはどうしようか。

 

「種田さん、もしよろしかったら後でうちに来ませんか?」

 

「佐藤さんの家ですか?」

 

「はい。実は、姉が会いたがっているようで……ですので会ってくれると機嫌も良くなってこちらも助かります」

 

「そうですね……わかりました。後で伺います」

 

「ぜひお願いします」

 

佐藤さんの家は以前、閻魔様と行ったから場所は覚えている。何か持って行ったほうがいい気もするがどうしたものやら。

 

はなを迎えに行った後に、一応シャワーを浴びてさっぱりした後、予備のスーツに身を通す。そういえばこっちに来てから服を買った記憶がない。

 

洋服を扱う店があるかどうか佐藤さんに聞いてみよう。

 

◇◇◇

 

はなを抱っこ紐で後ろに背負い、家を出た。その際、佐藤さんの元へ行く前に何か拵えようとミトカワに行き、良さそうなクッキー缶を見つけた。値段もそこまで高くなく、茶受けにはちょうど良さそうだったので迷わず購入する。

 

閻魔様の執務室から少し離れた廊下の先に、佐藤さんの自室はある。ここは以前、閻魔様と一緒に行ったので覚えている。その後のホットケーキと巻尾さんからの注意もよく覚えている。

 

扉の横についている呼び鈴を押すと、ガチャリと扉が開き、佐藤さんが顔を出した。一度会釈をし、開けてもらうように促すと扉が大きく開かれた。

 

「こんばんわ」

 

「こんばんわ。玄関先で失礼しますがこれ、よかったらどうぞ」

 

「クッキー缶ですか。ありがたく頂戴します」

 

「え?もう種田来たの?早くない?」

 

「こんばんわ、ぼたんさん。その服は……」

 

みてみるとぼたんさんは白の着物を着ていた。柄は花や鞠があしらってあり、見た目にも華やかだ。

 

「あぁ、これ?流石にあの洋服は私でもキツいと言い続けたら妹が用意してくれたのよ!どう?似合う?」

 

「はい、似合ってます……ん?」

 

佐藤さんの部屋に来てしばらく経ったから気づいたが、以前と匂いが違う気がする。なんと言うか、前より少し甘い匂い?が混じっている気がする。

 

「どうされましたか、種田さん」

 

「あぁ、いえ。なんでもないです」

 

「そうですか?ではそこに座って待っていてください」

 

座布団が敷いてあったので、遠慮なく座らせてもらう。佐藤さんの家は純和風と言った感じで、畳の青い匂いがまだしていた。

 

佐藤さんの方を見てみると奥の土間で何かを準備していた。どうやら、食事の準備をしているようだ。

 

少し待たせてもらうと、膝の上にぼたんさんが座ってきた。

 

「……どうしました?」

 

「いいえ、なんとなく」

 

「そうですか」

 

ぼたんさんも見た目は幼いが女性だ。そして女性に対して重いと言ったら失礼に当たると思い、何も言わずにいた。しばらくじっとしていると、ある程度準備を終えたのか佐藤さんがこちらに顔を向けたと思った瞬間、ピタッと固まった。どうやら、この状況が飲み込めてないらしい。

 

「……姉さん、そこを退いてください」

 

「いやよ」

 

「理由をお聞きしても?」

 

「ただ、なんとなくよ。悪い?」

 

「悪いといえば悪いですが……食事の準備が終わったので二人とも手を洗ってきてください」

 

佐藤さんは笑顔で言っていたが、眉尻の辺りがピクピクと動いていた。これは良くないと思い、洗面所へ行きすぐに手を洗った。

 

手を洗い終えると、机の上には、色とりどりの料理が器に盛られていた。各自席に着くと、全員が手を合わせる。

 

「「「いただきます」」」

 

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