その後少し時間が経ったあと、日下部さんが訪問してきた。懐に収まらないほどの箱を脇に抱え、ニコニコと笑っていた。
あれは一体なんだろう?そう思いながらも日下部さんを部屋に入れた。
部屋に入ると、部屋に置いてあった机を中心に佐藤さんと巻尾さんが座っていた。その対面に日下部さんが座ると、その横に座らせてもらった。
「初めましてっス。私、佐藤の後輩の巻尾というっス。よろしくお願いするっス」
「ありがとうございます。申し遅れました。私、技術開発部特別主任の日下部と言います」
「わ、わぁ……本物っスよ!種田さん、どうやって知り合ったんスか?」
「えっ、たまたま隣室で偶然と言ったらいいんですかね。まぁ、大体そんな感じです」
「私が大きな音を立て過ぎたので種田さんが文句を言いにきたのが最初でしたよ」
「そうでしたっけ?そうだったような気もする……」
「すいません。お話中に水を刺すようなことになってしまいますが現状の報告を先にさせてもらってもいいですか?」
「あっ、すいません。どうぞ、お願いします」
「わかりました。まずは、これをみてください」
佐藤さんが広げたのは、現状をまとめ上げた資料だった。男たちが乳児棟に引きこもってから消えてなくなるまでの詳細な図が展開される。
「ここで疑問に思ったのが扉を開けている、ということです」
「扉を開ける?それって何か特別なことなんですか?」
「特別というより鍵が必要なんですよね。そして、その鍵は作る際にその場所を鮮明に意識しないと開けないという仕組みになってます」
「はい、それはそうです。と、いうことはこの男たち意外に誰か内通者がいるということですかな?」
「私見ではそう考えています」
「なるほど……」
「内通者がいるということは、つまり犯人たち以外に協力者がいるということになると思うんですが、それどうやって調べられるんですか?」
「そう、そこが詰まっているんです。犯人たちに弱みを握られているならともかくそうでないのなら味方する理由が見当たらないんです」
「確かに……」
「かと言って身内のことを探るのはあまり気が進みません。どうしたらいいのでしょうね……」
4人の間で空気がしんと静まるのを感じた。誰も答えを持ってはいるが口に出そうとしないと言った感じだろうか?
「では、話を切り替えて私の見解を話させてもらいます。今回、私が持ってきたこれを使ってみてもらってもいいですか?」
「さっき日下部さんが抱えていた箱のやつですか?」
「はい。これを使ってみてくれると助かります」
「わかりました。では、開けさせてもらいます」
机に置かれた箱を開けると、中には小さな機械がいくつか見れた。大きさは大中小とあり、中身は見えない。