【世界観が】ジョーカーアンデッドに転生しました【迷子】 作:ウェットルver.2
【世界観が】ジョーカーアンデッドに転生しました【迷子】4スレ目
1:ジョーカーアンデッド?(>>1)
ジョーカーアンデッドに転生した「>>1」が【シンフォギアの世界】での全並行世界の人類絶滅を回避するために情報収集、情報共有、考察共有をするスレです。
活動内容の履歴、詳細、および実際の考察や、各情報、“設定”の詳細は別スレ
「【ジョーカーニキは】隔離スレ(※鍵なし)【見るな】」
の、コメント番号1番からご確認ください。
こちらのスレでは、隔離スレで選考された考察のみを「>>1」へと共有し、基本的には選考から外れた考察を投稿してはいけません。「>>1」からの情報提供が皆様のコメントで埋没してしまうためです。
以下、「>>1」こと「ジョーカーニキ」のコメントです。
えっと、これでいいんだよね?
2:名無しの装者
スレを始めて早々に悪いが。
ジョーカーニキ、ふたつ言っておくことがある。
①【シンフォギア装者、および聖遺物所持者は殺すな。】
各考察の末、明確となった「各論共通の結論」だ。
楽観視が含まれる意見はすべて除いた、合理性の結果だ。
詳細は語れない、いや、語るべきではないので省略する。
そちらの世界のヒューマンアンデッドの特異性からして、前回の「♡2」に封印されているアンデッドが真にヒューマンアンデッドであるか否かの確証はない。
私と同じ「フィーネ」である、そちらの世界の私ならば、なんらかの事情を知っているのだろうが、②【「♡2」の詳細を知られてはならない。】
「フィーネ」のほうが情報のアドバンテージが多い以上、主導権を握られてしまい、そちらの世界の“雪音クリス”を危険に晒す可能性もある。同様の理由で①を破った場合、殺人の容疑から社会的にも追い詰められ、拘束、封印され、“雪音クリス”を守れなくなる。
そもそも、おまえも気づいているだろうが。
「♡2」は『SPIRIT HUMAN』になっていようと、おまえたちのいう特撮【仮面ライダー剣】での正式なテキスト表記は『SPIRIT』であって、ラウズカード本体に『HUMAN』の文字は記載されていない。
つまり、すべてがイレギュラーである可能性が非常に高い。
絶対に明かすな。知られるな。悟られるな。
以上だ。
このログは、スレ1番目で必ず記述しろ。要約してもかまわん。
初見の奴がアホみたいな“提案”を強いる可能性もあるからな。
3:ジョーカーアンデッド?(>>1)
お、おう、結構あるんだね。
4:名無しのアンデッド
「へたすりゃ人類滅亡」のやべー世界だからな、ジョーカーニキの。
ついうっかりタイミング悪く、グランギョニルで並行世界と【ジョーカーニキの世界(仮
名)】が繋がったら、アンデッドが並行世界に行くどころか、人類滅亡の罰ゲームが並行世
界全域に広まる可能性だってあるわけだし。
バトル・ファイトで誰が優勝しようと、その影響が並行世界全域に及んだら、「全人類退化
からの新種の霊長種台頭」で【シンフォギアの世界】全滅まであるからな………。
5:名無しのアンデッド
初見です!
はあっ!? めちゃくちゃやべーだろ、なんだこのスレ!?
6:名無しのアンデッド
お、初見か。やべーぞ?
【シンフォギアの世界】なら、グランギョニルを使っている【シンフォギアXDの世界】を感染源にばんばん全人類絶滅させるかもしれないクソ世界に転生したジョーカーニキのスレにようこそ。
7:名無しのアンデッド
やー、まさか、「イッチの世界にディケイドがきた」&「フィーネキの世界がシンフォギアXDの並行世界に近い」ってだけで、「【BLACKの世界】*1と【BLACK RXの世界】*2がある」≒「シンフォギアの無印ほか各シリーズが独立した“並行世界”もある」説まで出るとかなー。あっちのスレも賑やかになったもんだよ。
………いや、ふざけんなぁ!?
元になる平行世界のシリーズごとの“並行世界”とかありか!?
要するに「アニメ五期+ソシャゲ(XD)」込みで無印のない世界が最低でも五つあってへたすりゃ「パチンコ媒体の【シンフォギアの世界】もある」っつってるよーなもんだろ結局イッチの世界のこと全然わかんねーじゃねーか!
8:名無しのアンデッド
餅つけ。団子でも食ってろ。
っつーか、グランギョニルが【シンフォギアの世界】がベースじゃなくても転移できるっぽいから、ひょっとしなくても【シンフォギアの世界】以外の世界もやべーぞ。
なんなら“統制者”と別世界の意思総体が意気投合してバトル・ファイトを広める=全人類絶滅√まである。要するに悲劇的な運命のほうの英語が主題についてる世界とかは巻き込まれたら詰む。とりあえず詳細は隔離スレに行け。
9:名無しのアンデッド
………それ、XDの某案件を含めたらガチでヤベーやつじゃ?
10:名無しのアンデッド
せやで。ほな隔離スレで絶叫して、どうぞ。
11:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>6 >>7 >>8
なんか、こうして読むと責任デカいなぁ……仮説が外れているといいなあ。
とりあえず、人間に擬態しようと思う。
12:名無しのアンデッド
>>11
は?
13:名無しのアンデッド
>>11
はぁ?
14:御嬢様ネキ(与太担当)
>>11
あら! どういう風の吹き回し?
15:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>14
クリスちゃんの歌を聞いていて、なんとなく思ったんだ。
いつまでもビクついても、それって問題の先送りであって、実際に人間に擬態したうえで悩み抜いて、かつ生き抜くわけではないよね、って。
だから、人間に擬態したうえで生活しようと思う。
16:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
>>11
いいのかい?
君の欲望が、なまじ擬態したがゆえに深淵から浮かびあがる可能性もあるよ?
それでも、あえて擬態をする道を選ぶのかい?
17:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>16
………怖いけど。
あの子が、自分から歌を歌って、あんなに笑顔になれているなら、さ。
なんていうか、もうそれでも幸せだなって。
18:御嬢様ネキ(与太担当)
>>17
待ちなさい。それ失恋ムーブよ。
絶対あとで拗れるから。はっきり今、この場で断言なさい。
あんた、クリスちゃんのこと恋してる?
相手を「ほしい」と思う? 怪物どうこうは捨ておきなさい。
男女間とか同性間とか、兄妹愛の範疇とか家族愛の範疇とか、そういううえでの人恋しさも含めて、素直に正直に言いなさい。
19:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>18
して、る。と、思う。
ほんのわずかでも、そんな気持ちがあるとしたら、間違いなくしてる。
だけど、その気持ちをむけたくない。
20:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
>>19
あー、なるほど、これは重傷だね。
「人恋しさ」と、「異性愛」の区別がなくなりかけている。
OK、OK、ありがとう御嬢様ネキ、対処法が見つかったよ。
21:御嬢様ネキ(与太担当)
あら、じゃあパス。色男爵ニキ、やあっ~ておしまい!
22:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
あらほらさっさ。
さあ、ジョーカーニキくん、ひとつ質問しようか。
23:ジョーカーアンデッド?(>>1)
なんです?
24:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
………クリスちゃんと(自主規制)*3なこと、したいかい?
25:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>24
はあ? したくないですけど?
26:名無しの装者
うん? (自主規制)とはなんだ?
どういう意味だ? なにを訊こうとした??
27:名無しのアンデッド(隔離スレ担当)
フィーネキ、自分から地雷踏みに行かなくていいから……!
28:御嬢様ネキ(与太担当)
こういうとき、バラルの呪詛って便利よね。
29:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
>>25
なら、純粋な人恋しさだ。
安心し給え。
それも、特定の人間を求めるものだ。
男女間の恋愛とはまた別のものだよ、ほら、特定の友達のことを想ったりするのと大差がない。君たちの距離感は「戦災地での共存関係」から始まっているからね。
いつ死に別れるかも知れない明日だ、その不安が欲を混ぜ、増幅させただけだよ。
安心して愛おしく抱きしめ、我が子のように守り、妹のように愛し、家族や仲間のような絆を信じて進み給え。ガチ恋ならAどころかB&C越えてDEFZまで求めるからね。
ちなみにヨーロッパ系では、親愛の接吻、特筆すると唇を当てない、または唇
つまり君の感情表現が“そっち”に近いだけで、お堅い日本人のそれで妄想されがちな“ふしだらな”ものとは別である可能性も高い。
30:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>29
そう、いう、もの、かなぁ?
31:名無しの装者
私はあの御方以外に許した憶えはないが。
わりとそんな感じであっている連中もいる、という程度で憶えておくといい。もちろん全員が全員そうではない。俗にいう「大和撫子」さながら、そういう精神性が絶滅危惧種になった世界もあるだろう。
32:御嬢様ネキ(与太担当)
>>30
ほら~っ、そういうところ!
そういうところが初心なのよ、あなたは!!
>>31
あと、あなたも!
33:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
「日本人の悪いところ詰め合わせセット」みたいな純朴さだよね、ホント。
34:ジョーカーアンデッド?(>>1)
ダメなの?
35:名無しの装者
ダメなのかしら?
36:御嬢様ネキ(与太担当)
>>34 >>35
可愛いからヨシッ!
>>34
でもおじさんになっても続けていると、よっぽどなイケオジになれないと萌えポイントにならないから、なるべく失恋の経験を積む覚悟で恋をした方がいいわよ!
結果としてゴールインしようと、それはそれで大勝利だと思いなさい!
37:名無しのアンデッド
めちゃくちゃなこと言ってんなあ御嬢様ネキ!?
38:名無しのアンデッド
なるほど、与太話担当なだけはあるわ。
39:名無しの装者
>>36
まあ、世俗にまみれた人間であれば、それは普通……なの、か?
40:名無しのアンデッド(隔離スレ担当)
おまえら、おまえらマジでほんっとマジでコノヤロー…………!
せめて、そこは「ライダー民らしい」と言ってやれよ……。
ハート様*4くらいだぞ、マジで親愛あってのキスやろうとしたキャラ……!
41:クウガ
置いてけぼりなう。平和だなぁ……
42:名無しのアンデッド(隔離スレ担当)
ったく、このスレ、本当にあったまるときは、あったまるよなぁ。
隔離スレ作っておいてよかったわ………。
43:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
とにかく、ジョーカーニキの気持ちは恋だけど、人恋しさは男女間の恋愛や性愛とはイコールで結びつくわけじゃない。家族愛だって恋しい日がある。性愛抜きで。
なので、勇気をもってカードを手に取りたまえ!
44:御嬢様ネキ(与太担当)
マジで恋と性愛と愛情を勘違いするやつ多いわよねー。
ファザコンとかマザコンとかシスコンとかブラコンとか、なんにつけても家族愛や恋しさを馬鹿にしすぎて、愛の距離感がわかんなくなったとしか思えないわ、私は。
恋も性愛も愛情もない関係はね、残念ながら「無関心」って呼ぶのよ。
決して健全な関係とは呼ばないわ。だって、死んでも恋しく思わないって、それって友情なの? 家族愛なの? ばっかばかしい。
45:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>43 >>44
肝に銘じさせていただきます………。
馬鹿にしたことはないけど、その、前世で自重しすぎたかも………?
46:御嬢様ネキ(与太担当)
>>45
あー、そういう? “お堅い”家?
御愁傷さま。日本人の愛は“奥ゆかしい”を通り越して、“引きこもり”なのよね。
………………ま、がんばりなさいな。
他人の涙が見えるうちは、嫌がることをしないうちは。
どんな恋も否定はされないものよ。友愛からの献身も、ね。
どんな愛も、立派な恋心を生むもの。胸を張って愛しなさい?
47:名無しのアンデッド
>>46
【キバの世界】の住民だったりします??
48:御嬢様ネキ(与太担当)
>>47
………あのねぇ。
ひとの愛を血液型占いで決めつけるのは、なにごとも退屈なものよ?
49:ジョーカーアンデッド?(>>1)
人間に変身してみた。真っ裸だこれ。
思ったより、周りの反応がすごい。なにも言ってこない。
50:名無しのアンデッド
まさかのwwwHA☆DA☆KAwww!?
51:ジョーカーアンデッド?(>>1)
なんか、名前がどうとか聞かれるんだけど。
………前世の名前は話が違うと思うから、名乗るのやめとく。
52:名無しのアンデッド
あ、察したわ、このスレふざけとるの一部だけじゃなコレ。
>>51
やめとけ、やめとけ。
今回聞いた限りじゃ、おまえさんだいぶ前世が鬱屈してそうだしな。
もう新しい自分に転生……いや、変身しちまえ。その方が楽じゃろ?
53:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>52
うん、その発想はなかった。でも納得した。
そっか、だからなんとなく「変身」って打っちゃったのかな………?
54:御嬢様ネキ(与太担当)
あ、やばい、ちょっと隔離スレ行ってくるわね。
なに? なんなの? あなた私を殺す気なのかしら!?
55:名無しのアンデッド
捨て台詞が完全にオタクのそれなんじゃが。
56:名無しのアンデッド(隔離スレ担当)
察してやれ、御嬢様ネキ、たぶんライダー作品だいたい観てる。
たぶんこれ鎧武も知ってる。
57:ジョーカーアンデッド?(>>1)
……あっ、そういう!?
うっわ恥ずかしい。ってか、なに? うん??
58:名無しの装者
>>49
ほう、全裸か……親近感わくな。
>>57
どうした、ジョーカーニキ?
59:ジョーカーアンデッド?(>>1)
なんで聖書の内容を朗読してるの?
ジョーカーのほとんどの傷が癒えるまで、一週間。
それでもたったの一週間で治癒しきったジョーカーの生命力たるや、やはり普通の生き物ではないのだろうな、と確信させながらも、数日では完治に至らないほどの傷をノイズと戦えば受けるのだな、とも、彼の今後を思う気持ちが強まってくる。
不死身、ひょっとすると不老不死でもあるのかもしれない。
だとしても、やはり、戦う理由は「ひとのため」だからこそ。わたしは。
また傷ついてしまうかもしれない。
そんな物事にジョーカーが関わることを、できればやめてほしいのだ。
未だ解けぬ包帯に滲む、黒ずんだ緑色を見れば、なおのこと。
テロ組織のリーダーであるおじさんも思うところはあるのだろう。包帯に一瞬だけ目を向けると、ジョーカーへと平静を装うように問いかける。
「………。
疑うわけではない。『手筈通りにやってくれ』、いいか?」
「いいですよ」
おじさんの組織の、上層部の兵士たちが集まった部屋。
壇に立ち、姿を晒したジョーカーへと、すべての目線が集まる。
わたしは、ジョーカーのそばにいる。
おじさんに曰く、念には念を、まずはわたしを守れるように、なおかつジョーカーとの繋がりを伝えやすくするためにいたほうがいい、らしい。けど。
「だいじょうぶ」
わたしを見ているわけじゃない、だろうけれども。
それほどの目線を浴び続けている、という状況が怖い。
全員がジョーカーに何を思うのか、わからないからこそ怖い。
だから、わたしに目線は向かっていないことを言外に伝えられて、安心するように窘められても、全員が次に、ジョーカーに何をするのかがわからなくて、怖い。
左手を握る。
手を握り返して、離し、ジョーカーはカードを右手で翻す。
左右非対称の肉体の中心をなぞるように、カードをバックルへと通した。
「………じゃあ、」
SPIRIT。
通り抜けたカードの名前を読みあげるバックルから、半透明な板状のオーロラが浮かびあがり、ジョーカーの目の前で静かに揺らめき始めた。
「
ジョーカーの肉体が、扉を潜るようにオーロラの中を歩む。
あらゆるものを掻き切る爪は丸く、黒い皮は白く、蜘蛛を思わせる手は柔らかく、カマキリの鎌にも似た死神の武器は消え、身ひとつ纏うものがない姿に変わる。
「は、」
だか。
はだかだ。わあ。
「ひゃあっ!?」
あわてて目を閉じて、見ないようにしようとしかけて。
落ち着いて、瞼を開いて、ゆっくりとながめる。ひざを折り、座りこみ、うつむいた“それ”の姿をわたしは捉える。
夜に空を見あげるときの、空の色。
太陽の光が届かない彼方から、ほんのりと浮かびあがるような星の光に染まる、どことなく青みのかかった夜空の髪。
日本人の黒髪と呼ぶには、どこか生き物らしくない色。
さわってみる。なでてみる。
自分の知る男性のもの、父親のものよりも柔らかい。
かといって女性ではありえない、母親譲りの髪質とも違う。
どれでもあるようで、どれでもない。
人間の髪、そう呼ばれるものがどちらの性にも偏らず、ただ模倣されただけかのような歪さがあった。子供の髪、そう思うほうが自然なのかもしれないし、そうであっても硬いかもしれない。
前髪の隙間から覗ける瞳にも、やはり、どこか、違和感はある。
虹彩はある。黒目も普通だ。白目に浮かぶ血管が緑色であることを除けば。
見れば見るほど、「人間」と呼ぶには無理のある姿。
でも、なぜか、その色を見て安心する。
「………ジョーカー?」
「うん。」
聴きなれた声。
人間の姿をしたジョーカーが、人間の姿になったことをなんとも思っていないかのように、そうなることが当然であるかのように、生まれ持っての人間がやるのと同じように、いつもとまったく同じように……顔を、あげる。
「わ、」
やっぱり、人間だ。
目も、鼻も、頬も、唇も、耳も、眉も、人間のものだ。
生まれたばかりの子犬が立ちあがるように、よろよろと身体を揺らしながら。
人間になったばかりのジョーカーは、ひとの貌を、唇を動かす。
「ああ、やっぱり、か」
頬のない咢に頬が生まれて、歯が頬を滑る感覚に慣れていないのか。
しゃべり方がぎこちなく、なんとか表情筋をおおきく動かして慣らそうとする。
「なるだけ、なってみたけど……全然ちがう。暖かい」
皮膚表面を走る静脈の色が、人間と同じ緑色だからか。
ほかの兵士たちには、ただの人間になったようにしか見えないのかもしれない。
拳銃を構えて撃とうとしたらしい物音が聞こえて、すぐに誰かに殴り倒されたかのような騒音が響き渡る。殴ったのは、いつもおじさんの隣にいた、お兄さんだった。
「ああ、うん、いいよ、そう見えるだけだから。
………ほら、ひとの血の色じゃないだろ?」
かるく指を噛み、血を流し、色を兵士たちに見せつけるジョーカー。
意味を察したのだろう。ほとんどの兵士が目を見開き、ある者は後ずさる。
殺せる人間になったわけではない。
人間に見える“怪物”へと姿を変えただけなのだと、ようやく理解する。
それもそうだろう。
図体が変わって解けた包帯、あの内側にあるものも赤色ではない。
黒ずんだ肉でもない。最初から黒い、ジョーカー自身の肉の色なのだから。
ほんのちょっとだけ残っている、動揺していないひとは……何を思ったのだろう。
「おまえの名前は“ジョーカー”でいいのか?」
「………はい、それでお願いします。」
「そうか。……それじゃあ、話を進めるぞ」
おじさんは動揺していない。なんで?
「さて、聖書には、こんな記述がある。
創世記31章。
ヤコブが故郷カナンに帰る際、ヤボク川を渡ったのち、神に祈りを捧げた。
すると神は“人”を遣わして、ヤコブとの勝負を望まれた。ヤコブと“人”は戦い、のちに勝利者となったヤコブは、“人”からイスラエルの名を与えられる。
イスラエル、その名前の意味はさておこう。
………かのような、遣わされた“人”を、我々は何と呼ぶのか」
「これは例え話だが、黙示録にはこうある。
青い馬に乗ったものは、死を齎すものとして世に現れる。
彼の者の前には、勝利による支配を、ひとによる戦争を、飢餓を、それぞれ齎す三人の、馬に乗ったものが現れる。………なんのことかは、もはや語るまい。
ちなみに、ギリシャ語では“青”ではなく、“
突然、聖書のことを語り始めるおじさん。
「あ。」と、なにかを思い出したかのように、ちいさくつぶやくジョーカー。
ざわめく兵士たち。ジョーカーのこめかみを走る汗、唾をのむ音、わたしを兵士たちから遮るように引き寄せて背中にまわすときの手の柔らかさ、あたたかさ。
よくわからないけれど。
ジョーカーが警戒している。
その様子を見て「にっ」といたずらっぽく笑うと、おじさんは再び前を向く。
「まあ、いろいろとあるが、な。
どちらにせよ、『人間ではない』ことが確かであれば、ジョーカーを理解するうえでは問題あるまい。そのうえで、改めておまえたちに訊ねたい」
おじさんは、じっ、と、自分の部下たちを見つめる。
「これでもまだ、『悪魔だ』と呼ぶのか?」
その瞳に喜悦はなく、陶酔もなく。
なにかを覚悟したかのような、そのうえで前に進むかのような目線で。
まっすぐに自分の部下を……見つめて、いる。
60:ジョーカーアンデッド?(>>1)
やりやがった、あのえらいひと。
プロパガンダに使われるかと思った。全然違った。
すっごい曖昧に言って、聖書頼りに部下を全員説得しやがった。
あれがバル・ベルデの英雄とか呼ばれたひとの実力なの? 怖い。
さっきまで化け物呼ばわりだったのに、対応が、みんなの対応が変わりすぎて怖い。ねえ、あのさあ、あの………どうすればいいの、これ。
61:名無しのアンデッド
え、天使扱いでもされてんの?
62:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>61
ちがう。死神扱いされてる。
明日お肉屋さんに並ぶ養豚場の豚みたいな顔とか、なんかそんな感じの、「明日には処刑されますよ」って言われたらボクもしそうな顔で、みんなこっち見てる。
こわい。陰気がすごい。そうじゃないひともいるけど覚悟決めた感がこわい。
クリスちゃんも、みんなにガチで引いてる。泣いちゃいそうになってる。
63:名無しのアンデッド
とりあえず、あやしたら?
64:御嬢様ネキ(与太担当)
>>60 >>62
……あー、なるほど? そう見えたわけね。
諦めなさい、ジョーカーニキ。これ東洋だとわっかんないわよ。
黙示録前提の社会って、要するにサービス終了がうっすらと見えたソーシャルゲーム・サービスみたいなものなのよ。生まれたときから。ずっと。
人間として、世界の終わりを自覚し続けるの。
それなのに「運営側」から首突っ込んだら、どうなると思う?
65:ジョーカーアンデッド?(>>1)
………たすけて。
66:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
クリスちゃんは平気みたいなんだし、まず安心したらどうだい?
67:ジョーカーアンデッド?(>>1)
>>66
します。
68:色男爵ニキ(昼ドラ担当)
>>67
うんうん、その調子で癒されていたまえ。
会議終了後。
新しい拠点となった、かつての拠点の隣町。
元より軍事施設があり、ライフラインの要となる電波塔があるために、侵攻予定にあった国境沿いの辺境。かつての国軍が立ち去った跡。
これまでの所業ゆえに恐れられながらも、“怪物”の手のうちにあることから信用はされた者たちの中でも、特に“おじさん”と少女に呼ばれた者に近しい地位にある男たちは、紛争地帯ゆえの不景気に苛まれていた酒場に集い、うつむいたまま酒を少しずつあおっていた。
「………あんなもん見せられたら、なあ」
「そうだよな」
男たちは思い返す。
自分たちが、少年兵になったばかりの頃。
いくら「おとな」が理想を掲げ、正義を掲げ、勇敢な戦士を称賛しても、自分の隣に寝転がる「こども」が身体に穴をあけ、血を噴き出す現実は変わらない。
死後の世界に救いがあると教わり、そう信じて戦う者もいた。
そいつは笑顔になった。
尊い犠牲になれば現世が救われるのだと、そう信じて戦う者もいた。
そいつも笑顔になった。
悪しき敵を倒せば、神が認めてくださると呟く者もいた。
そいつも笑顔であり続けた。
死ぬまで。
死ぬ「こども」であることを恐れた。
比較的、まだ安全な塹壕から撃つことを覚えた。
物陰に隠れながらも、どうやって敵に当てるのかを学んだ。
手榴弾をどう投げるべきか、煙幕をどう張るべきか。生き残るための努力は惜しまず、敵を殺すための努力も惜しまず、涙を呑んで戦い続けた。
そうやって生還して、「おとな」になって。
勝利と美酒と、女を嗜めるようになった。可哀そうでも殺すこともできる。
―――ノイズからは、腰を抜かして逃げるけど。それでよかった。
死ねない「こども」が現れるまでは。
「こども」の理想と夢と綺麗事を掲げて。
なにをされても死ねない肉体で、自分から望んで戦い続ける。
「おとな」を望んだ「こども」たちとは、なにもかもが真逆だった。
ノイズの脅威から人間を守ろうとして、血だらけ、傷だらけになっても、死にかけても、まるで諦めない。逃げようともしない。逃げりゃあいいのに。
人間をノイズのように皆殺しにできるくせに、力を楽しむ素振りもない。
むしろ、殺せば殺すほど。
「こども」は泣きながら帰ってくる。
今となっては、人間の貌で。そうなるのだろう。
「………なんだったんだろうな、俺たち」
「馬鹿野郎。」
無駄ではない、はずなのだ。
戦いが無駄であったならば、怪物に力を貸す日も来ない。
抱いた女との日々だってそうだ、子供ができたと戸惑う仲間もいた。
自分たちの英雄が、その仲間の子供の頭を撫でる日がくる。微笑む時がくる。
“クリス”なる小娘と、その小娘を守るように自分たちを警戒し、目で威嚇した「こども」の、あの一瞬の……
なのに、たったそれだけのことが。
なぜか、かつてでは絶対ありえない気がするのだ。
「あいつ、マジの死神になったり、しねぇよな?」
「………その前に、俺らが終わらせるしかねーんだろうよ。
おまえもガキができたんだろ、嫁がいるんだろ? 気張ろうぜ?」
制限時間は、「こども」が「おとな」になってしまうまで。
正確には、“ジョーカー”が変わり果ててしまうまで。
「あいつが俺らになったら、俺ら、全員天国行きだぜ」
「地獄行きの間違いだろ。よくても煉獄だ。
(煙草か
今頃、自分たちに殺人を覚えさせた「おとな」はどうしているのだろうか。
殺人に快楽を混ぜ込んだ「おとな」に、神はどんな裁定を下すのか。
職業軍人というやつが、どういう教育を受けて殺しを覚悟しているか、ただの少年兵であった自分たちには分からない。笑うことしか知らない。
「………なんつーか、死神の鎌って、ゾッとするけど安心するよな。
マジでやらかしたときは、絶対、裁いてくれるんだからよ」
「おい、やめとけよ。
そりゃ多分、狂いかけだぞ、おまえ?」
ああ、ほらな。
また笑おうとする。無理やり「おとな」の世界に逃げようとしてしまう。
だから怖いんだ、自分たちは。
いつまでも「こども」であり続ける、あの怪物が。
見ているだけで、正気に戻されそうで。
見ているだけで、狂気に逃げたくなりそうで。
「おとな」で、いられなくなってしまうから。
恋も愛も、「じゃあカップル成立ね!」「ラブコメね!?」の解釈だと、これでもかってくらいの落とし穴があるのが、家族間や校友間で拗れた場合なんですよね。
道徳的に、とか、倫理的に、とかではなく。
そもそもの恋を「どういう恋なのか」わからずに、周りが言うような「男女間の恋愛」や「○○コン」と捉えてしまうとか。
「恋バナだ!」と錯覚して浮ついた相手の話を信じすぎるのもよくないのです。
自分の心の正直な気持ちは、決めつけられて変わるものではないのです。
世の中には、隣人愛や親愛からくる「人恋しさ」ってものもあってですね……そんな回でした。酒とて「人恋しさ」までは誤魔化せないのです。
そう考えると装者のみんなすげーな。
前回の小説「【世界観が】ジョーカーアンデッドに転生しました【迷子】」は、
「藤丸ぐだ男」さま
「澪問」さま
「ノリの人」さま
「Koroking」さま
の、誤字報告の提供でお送りいたします。
ほかの方の誤字報告の提供につきましては、現在「誤字として扱っていいのか」を再考したのちに検討させていただきます。こちらの操作ミスによる誤字報告の削除につきましては、申し訳ありませんが、後書きによる「曖昧な記憶」からの紹介は控えさせていただきます。