ようやく十三話目が書き上がりましたので投稿します。
戦闘の描写でかなり悩まされて今に至ります。
はっきり言って、出来良いかかなり不安です。
現在、アリーナにはIS『月詠』を纏う簪とIS『甲龍』(シェンロン)を纏う鈴が対峙している。
「こうして戦うのって初めてよね」
「そうだね。こうして鈴と戦うとは思ってもみなかったよ」
二人がそう話していると試合開始の時間になる。
『それでは両者、所定の位置まで移動して下さい』
アナウンスの指示に従い、二人は所定の位置まで移動し、それぞれの得物を手にして構える。
「さあ、いくわよ簪!」
「お手柔らかに、鈴!」
『これより、鳳鈴音対更識簪の試合を開始します。始め!!』
「「はああぁぁぁ!!」」
二人は試合開始と同時に互いの間合いを詰め、簪は夢現を鈴は青竜刀『双天牙月』で打ち合い、鍔迫り合いとなる。
「やるじゃない簪。この甲龍のパワーと互角にやり合うなんて!」
「鈴こそ!」
鍔迫り合いの後、二人は互いに距離を取り、射撃兵装を展開しようとしたその時、
突如、アリーナの上空から紫の閃光が迸り遮断シールドを貫く。それが地面に当たり爆発が起こり、衝撃と爆音がアリーナ全体に響き渡る。
「な、何!?」
「鈴!上を見て!」
簪に言われて鈴は上を見ると全身装甲で腕が異様に長い黒いISが四機がいた。
『簪!鳳!試合中止だ!!すぐピットに戻r----!?!?』
千冬が二人に避難するよう指示しようとする途中でノイズが起こり通信が途絶えた。
「千冬さん!・・・通信が妨害されてる!?」
「簪!避けて!!」
鈴が叫ぶと、黒いIS四機が簪と鈴にレーザーキャノンを撃ちながら向かってくる。二人は寸前で回避して一旦距離を取る。
「鈴!先に逃げて!」
「簪!?アンタはどうすんのよ!」
「私は時間を稼ぐ!だからあなたは先に!」
「できるわけないでしょ!!それにアンタ一人で何ができるって言うのよ!!」
「別に最後まで戦うってわけじゃないわ。生徒達の避難が終わるまで「簪!!」・・・っ!?」
簪が喋っている途中で鈴がまた叫ぶと、紫のレーザーが簪に迫る。刹那、鈴が割って入り、双天牙月でレーザーを弾いた。
「簪!あたしも手伝うわ。一人よりも二人で戦ったほうが良いでしょ」
「・・・ごめんね、鈴」
「いいわよ別に。さあ、いくわよ!」
「ええ!」
簪は夢現を構え、鈴と共に敵IS達に向かって行った。
アリーナ管制室
「ダメです!二人との通信が回復しません!」
「ちっ!あの所属不明機達の所為か!」
モニターに映る敵IS達を見て千冬は舌打ちをする。
現在、アリーナに続く通路は全て封鎖されてしまったせいで生徒達の避難が遅れが生じているのと、アリーナに残っている二人の救援を向かわせることができないでいる状況に千冬は苛立ちを隠せないでいた。
すると、管制室の内線に電話が掛かってきた。何事かと思い千冬は電話に出ると、
『千冬姉、俺だ』
電話の主は一夏だった。
「一夏!お前今何処に居る!」
『Aピットに続く通路にいるけど、隔壁が邪魔して足止め喰らっている所。それより状況は?』
「生徒の避難があと少しで完了する。それと簪と鳳が所属不明機達と交戦している。だが、状況が余り芳しくない」
『・・・・だったら急がないとな。千冬姉、隔壁をそっちで開ける事はできないか?』
「ダメだ。こちらからアクセスを受け付けない。今、教員達でシステムクラックを実行中でまだ時間が掛かる」
『そうか・・・千冬姉、隔壁を壊しても構わないか?緊急事態だし』
「・・・こんな状況だから仕方ない。一夏、隔壁を壊して急いで二人の所に行け。責任は私が持つ」
『ごめん、千冬姉』
「気にするな。それとスコールと楯無達が生徒達の避難誘導に出ている。終わり次第アリーナに向かわせる」
『頼む。人数は多いに越したことはないから』
「ああ。二人を頼むぞ」
『了解』
そう言って一夏は電話を切った。
「織斑先生、本気ですか!?いくら織斑君が強いと言ってもあの数は相手にするのは危険すぎます!」
「真耶、普通に考えればそうだが・・・・一夏なら心配はない」
「どういう事ですか?」
「まあ、見ていればわかるさ」
真耶に向かって、意味ありげな笑みを見せる千冬であった。
その頃、簪と鈴はというと・・・・
「ああもう!いい加減に落ちなさいよ!!」
先程から鈴は、敵IS達に双天牙月と衝撃砲『龍砲』を駆使して攻撃を仕掛けるも避けられ、攻撃が当たってもまるで効いている様子が見受けられないなどして鈴はかなりイラついている。
「そこ!」
簪は鈴の攻撃に合わせて高性能誘導ミサイルユニット"山嵐"を展開し、計48発のミサイルを一斉射する。
ミサイルが敵IS達を襲うも、レーザーの拡散連射で撃ち落される。レーザーの弾幕を掻い潜ったミサイルが敵ISに直撃するが多少バランスを崩すだけで致命傷には至っていない。
「まだよ!」
簪は夢現を構え、バランスを崩した敵ISに向かって行き、斬撃を放つ。斬撃は敵ISの腕に当たるも表面を削るだけで終わってしまう。そしてお返しとばかりに敵ISがその太く長い腕を駆使して連続パンチを繰り出す。簪はパンチをかわして腕が伸びきった所で突きを繰り出す。だが、突きが当たる寸前で敵ISが身体をコマのように回して腕を振り回す。簪は咄嗟に避けようとしたが間に合わず、吹き飛ばされてしまう。
「(思った以上に硬い。しかもあの躯体にも関わらず動きが速い・・・・!)」
そう思いつつも、簪は体勢を立て直し、再び攻撃に移った。
その後も簪と鈴は攻撃を続けるも、中々決定打が決まらず膠着状態になってゆく。そんな時、簪はある事に気づく。
「・・・ねえ鈴。あのIS達、なにか変じゃない?」
「どういう事よ?」
「うん、あれって人が動かしてるのかなって」
「何言ってんのよ。ISは人が乗らなきゃ動かないでしょ」
「・・・でも、あのIS達から"生気"や"殺気"といったものが感じられない。さっきから動きを見ているとすごく機械的な所があるし、しかも関節があり得ない角度で曲がってたりしている。人が乗っているならそんな動きは絶対にできないよ」
「じゃあ、あれが"無人機"だと仮定してどう攻めるのよ?」
「・・・今のままだと攻め手に欠ける。ジリ貧ね」
「じゃあどうすんのよ・・・って、うわぁ!?」
鈴が喋ってる途中で敵ISがレーザーキャノンをぶっ放し、鈴の顔のすぐ横を掠める。
「このぉぉぉ・・・!調子に乗るんじゃないわよ!!」
今の攻撃で怒り心頭となった鈴は敵IS達に突撃しに行った。
「鈴!待って!」
簪が鈴を止めに後を追おうとするが、行く手を敵ISに阻まれてしまう。
「そこをどいて!」
簪はイグニッションブーストで敵ISの懐に入り、超至近距離で春雷を浴びせ体勢を崩すと、間髪入れずに夢現を振るい右腕を斬り落とす。斬り落とした右腕から何本かのケーブルとオイルが流れ落ちる様子が見える。
「やっぱり無人機!」
戦っている相手が無人機とわかると、簪は無人機の頭部に向けて追撃の突きを放とうとしたが、横から別の無人機が簪に向けてレーザーキャノンを放った。簪は避ける事ができず直撃を受けて吹き飛ばされたしまう。
「まだ終わらない!」
体勢を立て直した簪は山嵐を展開しようとしたその時、
「うわぁ!」
「えっ!・・・きゃあ!?」
別の無人機達に突撃していった鈴が吹き飛ばされて、簪にぶつかってしまう。
すると、無人機達はその隙を逃さないとばかりにレーザーキャノンを最大出力で一斉射する。計七門から放たれたレーザーは一つに収束し、極大のレーザーとなって二人に迫る。
「「避けられない!?」」
迫り来る極大のレーザーに二人は避けられないと目を瞑る。
「・・・・ROYALGUARD!」
刹那、極大のレーザーは二人に命中する手前で突然レーザーが弾け散った。
「・・・・何も起こらない?」
「助かったの・・・・?」
「二人とも、無事か?」
「「え?」」」
二人は声のするほうを向くと、白の変わりに緑のラインが入ったダーク・ナイトを纏い防御の構えを取った一夏がそこにいた。
「「一夏!?」」
「ああ、良く頑張ったな二人とも」
そう言って一夏は二人の頭を撫でる。そして無人機達のほうを振り向き、
「さぁて、ここからはこっちの番だ!」
「一夏、こいつらは無人機!手加減する必要はないよ!」
「わかった!」
簪のアドバイスを聞いた一夏はアラストルを構え、無人機達に突っ込んでいった。
先頭にいた右腕を斬り落とされた無人機が突っ込んでくる一夏に向けて左パンチを繰り出すも、一夏は紙一重でかわすと同時にアラストルを振り抜き左腕を斬り飛ばす。だが攻撃はこれで終わらず、一夏はアラストルを振り抜いた勢いを利用して、その場で一回転して無人機に斬撃を叩き込む。胴体を切り裂かれ斜めに真っ二つとなり、無人機はその地上に落ちていった。残った三機はすぐさま一夏に狙いを定め、レーザーキャノンを撃つ。
「SWORDMASTER!」
すぐさま、ダーク・ナイトを赤のラインが入ったSWORDMASTERスタイルにチェンジさせ、迫り来るレーザーを回避しながら当たりそうなレーザーを斬り払う。
すると、一夏は一旦距離を取ると同時に腰を落とし、アラストルを逆手に持ち替え、右手に力を込めながら構える。するとアラストルの刀身に白いオーラと雷が纏い付く。
「Drive!(突っ走れ!)」
一夏はそう叫ぶと同時にアラストルを振り上げた。刹那、アラストルに込めれた一夏の魔力とアラストルの雷と凄まじい速度の剣風が絡み合った巨大な衝撃波『ドライブ』が放たれる。『ドライブ』は真ん中にいた無人機に命中し、手足だけを残して消し飛んだ。
残った二機は一夏の左右に回り、挟撃を仕掛ける。一夏は身を翻して攻撃を避けて一回転しながら距離を取る。すると、無人機は反転して再び一夏に襲い掛かろうとしたが、
「・・・狙いは?」
「完璧!(ですわ!)」
そう声がすると、無数のレーザーが無人機を襲う。簪と鈴がレーザーが放たれた方向を見ると、AピットのカタパルトからスターブレイカーとスターライトMK-Ⅲを構えたマドカとセシリア、そしてその後ろにIS『ミステリアス・レイディ』を纏った刀奈がいた。
「三人とも、こいつらは無人機だ!遠慮する必要はない、全力でいけ!」
「「「了解!!」」」
マドカとセシリアが共にライフルで二機に集中砲火を浴びせ釘付けにする。
「これで!」
すると、マドカはスターブレイカーから雪片弐型に持ち替え、零落白夜を発動させる。そしてイグニッションブーストで無人機との一気に間合いを詰めると上段からの斬撃を振り下ろす。無人機は両腕で咄嗟にガードするも間に合わず、胴体を縦一閃にされ爆発して地面に落ちていった。
「終わりよ!」
同じように刀奈もランス『蒼流旋』を構え、もう一体の無人機に急接近し、鋭い突きを放つ。無人機は近づけさせまいと右パンチを繰り出すが、振り抜こうとした時に蒼流旋の穂先が拳に当たる。刹那、蒼流旋が拳ごと右腕を貫き潰してゆく。突きの勢いは止まらず、そのまま無人機の胴体を貫く。貫かれた無人機はそのまま地面に墜落していった。
「終わったか・・・」
一夏はそう呟くとアラストルを背中に納める。すると、刀奈とマドカとセシリアそして簪と鈴が一夏の所へ駆け寄ってくる。
「一夏君、怪我はない?」
「ええ、俺は平気ですよ。みんなはどうだ?」
一夏は刀奈達に怪我はないかと尋ねる。
「私は大丈夫よ。簪ちゃん達は?」
「私は平気」
「あたしも平気です」
「私も」
「わたくしもですわ」
それを聞いて一夏は安堵する。
「さて、あとの処理h「一夏君!あれを見て!」・・・どうした?」
突然、刀奈が声を上げるので一夏は振り返ると、先程倒した無人機三機が突然起き上がり宙に浮いていく。一定の高さまで浮くと、三機が妖しく煌き出す。
「・・・おいおいマジかよ!?」
一夏はあの輝き方に見覚えがあり、驚愕する。
そして煌いた三機の表面に黒い穴が開き、そこから数多くの悪魔達が這い出てきた。
「な、何よあれ!?」
「・・・悪魔?」
「ああ。しかもセブン・ヘルズ勢揃いだな」
セブン・ヘルズ。
七つの地獄を拠点とする魔界の住人達の総称。
先日、セシリアを襲ったヘル=プライドを始め、七つの各地獄の名を冠する下級悪魔達がわんさかと湧いて出てくる。その数は百体程である。最後の一体が出てくると無人機は輝きを失い、再び地面へと落ちていった。
「(あの無人機は地獄門の機能を持っているのかよ!?・・・・考えるのは後だな。今はこの事態を片付けないとな)」
すると一夏は簪と鈴の二人に近づき、
「簪、鈴。SEはどれくらい残っている?」
と、二人のSEの残量を聞く。
「私はあと・・・100ぐらいってところね。鈴は?」
「こっちは70切っているわ。これ以上は厳しいわ」
「そうか・・・二人とも、手を出せ」
一夏に言われて二人は手を出す。すると一夏が手を出すと掌から二つの光球が現れる。そして光球は月詠と甲龍の手に吸い込まれてゆく。
「えっ!これって?」
「SEが回復している!?」
簪と鈴は自機のSEが回復している事に驚く。
「そりゃそうだろ。さっきのはダーク・ナイトのSEを譲渡したんだからな」
そう言うやいなやダーク・ナイトはアラストルだけを残して解除され、一夏は落ちていく。
「危ない!!」
と、鈴は叫ぶ。でも鈴の心配をよそに、一夏は綺麗に着地する。だが、着地した先が悪魔達の真っ只中だったのですぐに取り囲まれる。直後、一夏の後ろにいたヘル=プライド二体がジャンプして襲い掛かろうとする。
バアァァンン!!
突如、銃声が鳴ったのと同時に飛び掛ろうとした二体は真横に吹き飛ばされる。
「随分と面白そうな事になっている一夏。俺も混ぜてくれよ」
簪と鈴は声のするほうに目を向けると、観客席から背中にレッドクイーンを担ぎ、左手に大型リボルバー銃"ブルーローズ"を構えているネロがいた。
「ネロ!?何でアンタがここに!?」
「ようリン。な~に、主役は遅れてくるものさ」
鈴に向かってのんきに挨拶するネロ。するとネロは観客席を飛び越え、一夏の近くに着地する。
「遅いじゃないかネロ、どこでサボってたんだ?」
「悪いな、道が混んでいたもんでな」
そんな軽口を叩きながら二人は背中合わせになり、悪魔達と対峙する。
「ほとんど避難が終わっている。あと残っているのはあの五人だけだ」
「そうか。なら・・・こいつを使っても問題ないか!」
そう言うとネロは右腕の袖を捲くり、サポーターを外すとネロの象徴たる悪魔の腕『デビルブリンガー』が顕になる。
「ネロ!?その腕は!?」
デビルブリンガーを見て、鈴は驚く。
「後で話してやるよ!」
そう言うとネロはサポ-ターを投げ捨て、右腕を軽く振る。そしてレッドクイーンを抜き、地面に突き立てると柄を捻り上げる。すると、レッドクイーンに内蔵された『イクシード』が起動し、バイクのエンジン音に似た爆音が発せられると同時に赤い炎が噴き上がる。そして何度かイクシードを噴かしてアリーナに爆音を響かせた後にネロはレッドクイーンを地面から抜くとそのまま肩に担ぐ。
「楯無さん、簪達を連れて下がってくれ」
「わかったわ。・・・皆、下がるわよ」
刀奈は一夏の指示に従い、皆を安全な場所までを下がらせようとする。
「ちょっと、楯無さん!?」
「本気で言ってますの!?いくら一夏さんでもISなしであの数を相手にできるわけありませんわ!?」
鈴とセシリアは刀奈に抗議しようと近づこうとするが、マドカと簪に止められる。
「一夏なら、あれくらいの数で遅れは取らない。それに・・・今の私達じゃあの一夏の足手纏いにしかならないわ」
「「・・・・・っ!?」」
簪の言葉に鈴とセシリアは言葉が出なかった。
「大丈夫。兄さんならあの程度の数は問題ない。それに、彼も居るしね」
「彼・・・ネロの事よね。マドカ、ネロって一体何者なの?」
「鈴ちゃん、その話は後でよ。さあ、早く離れわよ」
刀奈は多少強引に鈴とセシリアを下がらせ、自分達も下がった。
「(一夏君、無事に戻って来て・・・・)」
声には出さないが、刀奈は一夏の無事を祈るのであった。
「さて、刀奈達も下がった事だし・・・・始めようか!」
「ああ。・・・お前ら、遠くからわざわざご苦労だったな。歓迎してやるぜ!」
一夏はアラストルをネロはレッドクイーンの剣先を悪魔達に向けて
「「This party' getting crazy! Let's rock!!(イカれたパーティーの始まりだ!派手に行こうぜ!!)」」
そう叫んだ二人は悪魔達に向かって走り出した。
如何だったでしょうか?
次回は一夏とネロが無双を繰り広げます。
こんなスローペースの作品ですが、ご愛読のほどをよろしくお願いいたします。
感想又は誤字報告、アドバイスがありましたらお願いいたします(ただし、批判するだけはやめて下さい)
See you again