入学式から戻ると、全員の机の上に大量の教科書といくつかの紙が積まれていた
(うわぁ大量だぁ。何があるんだろ?)
教室に戻った生徒たちは机に積まれたものに興味津々だった
(国数英理社と・・・体育音楽美術にダンスの教科書!?何この学校一体どうなってんの?そりゃあウイニングライブは重要だけどまさか専用の教科書があるなんて思わなかったよ。それと・・・時間割か)
生徒たちが教科書などを興味津々で見ていると1人の教師が入って来て教卓の後ろに立った
「皆さん、静かにしてください。」
入って来た教師がそう言うと教室が一瞬で静かになる
「ではこれより、先ほど体育館でも言っていた通りオリエンテーションを始めます。私はこの教室の担任になりました千歳卯月(ちとせうづき)です。これから1年間よろしくお願いします。」
そう言って卯月は黒板に自分の名前とふりがなを書いた
「何か聞きたいことがあれば、この後の話が終わってからお答えします。それではこれから、各種の説明をします。一番上にあった封筒から【寮の所属先について】と書かれた書類を見てください。」
「これに書かれている寮の名前があなたたちがこれから暮らすことになる寮となります。」
教室の中は悲喜がこもった声に包まれた
(えっあの怖そうな人が寮長の美浦寮なの私!?うわ~やだ~)
「皆さん、あまり騒がないように。」
シィン・・・
「では、続けます。続いて時間割についてです。封筒の中にある時間割と書かれている紙を取り出してください。」
「これがあなたたちの時間割です。教室にも掲示してはおきますが、決して失くさないようにしてください。」
「最後になりますが、明日までに全ての教科書やワークブックに名前を記入しておくように。それと、明日は体力テストを実施するため、靴の準備を十全にしておくように。」
「主なことは以上です。では、何か質問がある人はいm」
「はいはいはいはい!」
「では、廊下から4番目の列の一番後ろにいる生徒。名前を言ってから質問してください。」
「はい!1年3組のビッグアーサーです!先生は結婚してるんですか?」
その質問に生徒たちはクスクスと笑っている者もいた
「いえ、結婚していません。このキツイ言い方のせいで一度も彼氏ができたことはありません。これで満足ですか?」
この答えにクラスの生徒たちは全員気まずい空気になった
「は、はい・・・。ありがとうございました。」
「他に質問がある人はいますか?」
シーン
「また質問したい場合は職員室にいるので、いつでも来てください。それでは本日の日程は以上となります。各自自分の荷物を持って各々の寮へ移動してください。では、さようなら。」
「・・・さようなら。」
先ほどの気まずい空気を引きずっているからか生徒たちはボソッとした挨拶をしてしまった
どうにか気まずさを払おうと入場前に話したウマ娘に声をかけた
「ねぇ、卯月先生なんかすごくなかった?」
「うん。彼氏の話の時すごい剣幕で話してるのを見ていると逆に哀愁を感じてとてもかわいそうに思えたのよ。」
「でしょー?」
「だけど先生にも先生の都合があるのよ。だからその事はそっとしといてあげましょう。」
「はーい。」
「あっ!そういえば名前聞いてなかったね。私はイスラボニータ。あなたは?」
「あたしはハープスターよ。」
「ハープスター・・・いい名前だね!これからよろしくね!」
「よろしくお願いします。」
「あそうそう。寮ってどっち?」
「あたしは栗東寮でしたよ。」
「えーいいなー!私もそっちがよかったー!そっちはすごいお母さんみたいな雰囲気で優しそうだもん。」
「ふふっ。でも決まったことだからお互いの寮に行きましょう。」
「はーい。」
そうしてイスラボニータは寮についての紙にある地図を見ながら美浦寮へ向かった
「ここが・・・美浦寮・・・。」
入口には、【説明会は1階 談話室で行います】と書かれた張り紙があった
「談話室ね。よし・・・行きますか。」
幸いなことに入口近くには談話室まで続く案内の矢印があった
「おお・・・いっぱいいるなぁ。」
談話室の中にはたくさんの生徒たちで埋め尽くされていた
「新入生の皆さんはこちらでお待ちください。」
(あ・・・あの人、入場する時に花を着けてくれた人だ・・・。あの時のことでも聞こうかな?でもどうしようかな?前見たらあの怖い人がいるからもう始まるっぽいし・・・)
そうこう考えているうちにオリエンテーションが始まっていた
「ようお前ら。ようこそ美浦寮へ。入学式の時も言ったが、私はシリウスシンボリ。この寮の寮長だ。ここに来たからには寮のルールは守ってもらう。ルールについての説明は彼女に任せる。では、よろしく頼む。」
そう言われて前に出てきたのは前髪を右にまとめて後ろ髪をポニーテールにしてまとめたピンク色の瞳のウマ娘だった
「新入生の皆さんこんにちは!私は学級委員長のサクラバクシンオーです!今回は皆さんにここで暮らす時のルールについて説明しに参りました!」
「まず1つ目は20時までにはここへ戻ることと!」
「2つ目に朝の6時に起きて夜の10時に寝ること!」
「3つ目に喧嘩しない生活を心がけること!」
「そして最後に目標に向かってバクシンすることです!」
「というわけでいざ、バクシィィィィィン!!!」
そう言って彼女は生徒たちのいる所をゆっくり走った後、入口の方向にドタドタと足音を響かせながらすごい速さで駆け出していった。
マシンガントークのように捲し立てる彼女の話し方に新入生たちは唖然としていた
(一体何だったんだあの人・・・?)
「チッ、やっぱりこうなったか・・・{小声}」
「悪いなお前ら。あいつはこういう奴なんだ。少しは理解してくれ。これで大まかな説明は以上だ。細かいことは今配布している紙に書かれているからこれを読んでくれ。あと、それにお前らの部屋番号も書いてあるからそこに入るように。それじゃあ解散。」
寮長の説明が終わると紙を受け取った者から続々と部屋へと向かっていく。彼女も例外なく紙をもらい、部屋へと向かっていった
「308308っと。3階の8番はどこだろな~」
3階まで上って少し歩いた所に308号室はあった
(おっ、あった308。荷物ここまで持って来て真っ赤っかだしさっさと入ろうか。)
ガチャ
「こんにちはー。」
「おっ、君は・・・もしかして新入生?」
308号室にいたのは黒色と茶色の毛が混ざったセミロングに前髪の中心部分の黒い部分を左に寄せ、木で出来ていると思われる指輪のようなものを右耳に着けたウマ娘だった
「はいそうです。」
「そうかそうか。君、名前は?」
「イスラボニータです。今日からよろしくお願いします。」
「俺はディサイファ。よろしくな。」
「先にいたってことは、もうデビューしてるんですか?」
「ああ、もうデビューしたさ。結果は3着だったけどな。でもまだまだこれからってところよ。」
「へぇ~」 ガサゴソ
「って話聞いてないのかよ・・・まぁいい。ディサイファって名前だけでも覚えてくれれば結構だ。今後ともよろしく。」
こうして彼女の学園生活が始まった・・・
やっと完全新規のウマ娘達が出せました。次回は3.5話として栗東寮に行ったハープスターのお話を制作します。栗東寮は現実の設備の差のせいで西高東低になってしまった故に登場キャラが多くなるのがつらいところ。でもお兄ちゃん頑張っちゃうぞー!グハァッ