白いウサギは人肌に溶ける(全年齢版)   作:37級建築士

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勢いで執筆、デメテル様のお話は二部構成でした。




(12)いつでも遊びにおいで、美味しいミルクはいかが? 神デメテル

 

~Side.デメテル

 

 

 

 その子を見たのは、ヘスティアの秘密を探ろうという悪戯がきっかけだった

 

 おめかしして二人出かけようとするところに皆と押しかけてたあの時。そういえばその時には胸に抱きしめたりもしたわね。だって、とってもかわいい男の子だったし

 

 それからは、ヘスティアの大事な子供というのもあったけど、彼はとても有名人になったから、関心を向けようと向けまいと自然耳に情報は入ってきた。

 有名になれば当然興味がわく。会いに行こうかとも思った。けれど流石にそれはぶしつけだし、ヘスティアを困らせるから、だからそれまで

 

 それなのに、偶然出会った一人の彼に、それまでの遠慮はどこかに落ちてしまった。気になって、その姿を見ていた。観察していたのだ

 

 店に入って、楽しくお酒を飲む光景を、同じく店に入って遠目に見ていた

 

 ちょっとした探偵ごっこか、そんな悪戯。今度ヘスティアと駄弁るときにいいネタになるから、だから見過ごしていた

 

 今思えば、わたしも悪いことをしたなって思う。まさか、酔いつぶそうとする相手だったとは、気づかなかった

 

 

……そこからは、我ながら大胆な行動だったと思う

 

 

 

 ホームに帰る道すがら、彼が家屋の壁にもたれて苦しんでいる姿に驚いた。

 

 デメテル・ファミリアのホームに、偶然たどり着いたのか彼はいたのだ。私を先回りするように、ベル・クラネルは私の視線を奪い、そして本能を直に殴りつけたのだった

 

 そこからは、わたしも躍起になっていた。他派閥の眷属をホームに招いて、そして自分のベッドで朝を迎えさせた。よろしくないことはヘスティアの顔を見れば十分わかる

 朝になって、ルノアに頼んでヘスティアに言伝を送って、そしてそれからすぐにヘスティアはホームに駆け込んできた。

 

 全部説明して、そしてまだ動けない彼を見て、ヘスティアは重い溜息を吐いた。吐ききった後に私にこう言った

 

 

『……事情は分かったよ。夕方になったら迎えに来るから、それまでベル君をお願いしていいかい?』

 

 

 無論、構わないと頷いた。

 

 長年の神友であるからと、わたしを頼ってヘスティアは自分の仕事に向かった。本当はここにいてずっと手を握っていたかっただろうに、都合が悪いことにギルド関連の外せない用事だったとか

 

 後ろ髪をひかれながら、どうにか場を後にしたヘスティアに手を振り、今一度私は布団で顔色を悪くして眠る彼と向き合う

 昼餉を作る必要があるから、今はごめんなさいねと言って、そっと頭を撫でてあげる

 

 

『君のことは信用しているけど、けれど……お願いだから、ベル君に変な気を起こさないでおくれよ』

 

 

「……ごめんなさいね、ヘスティア」

 

 

 真っ白な髪の毛、今は瞑っているけどその奥のルベライトの瞳は愛らしくあどけなさが隠しきれていなかった。

 真っ青な、未だ汚れを知らない青年であり、少年。ニキビ一つない滑らかな頬を触れば、胸の奥から先までびりりと痺れが走る

 

 乳房が熱い。熱を灯して疼いてしまう。ここが、母性を与える場所だから、生理的な反応が生々しくて、我ながら笑ってしまった

 

 ヘスティアには申し訳ないけど、でも仕方がない

 

 女神である以前に、女として

 

 豊穣の女神である私は、イケない欲が出てしまった

 

 この欲には逆らえない。だから

 

 

 

『ごめんなさいね』

 

 

 

 

 

 

…………とぷぷ、とぷん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~午後三時~

 

 

 

「……」 

 

 

 

 汗だくの体、借りたシャワーを終えた後、僕は用意された服を着る。

 

 可愛らしい、オレンジの花柄のパジャマだった。女性の着るものなのにすんなりと体にはまった。団員の私服を借りたらしくて、それは良いのかと聞いたけど事情を離したらむしろ着て欲しいとまで言っていたと、女の人は良くわからないことが多い

 

 昼過ぎに目を覚まして、なんだかんだでもう三時になってしまった。

 

 未だ体調がすぐれず、動きもぎこちない僕はベッドに腰掛けて、茫然とその背中を見ている

 僕の介抱をしてくれた女神様。神さまの友神で何度か顔を会わしたこともある。けど、こうして二人だけになるのは初めてだ

 

 

「もう少しだから、ちょっと待っててね」

 

 

「……はい」

 

 

 

 初めてだ。陽光が柔らかく部屋を照らす南向きの寝室。簡易キッチンでエプロンを身に着け大匙をかき回す。食事を用意している母親のようなたたずまいで、デメテル様はそこにおられる

 

 僕のために、神さまが迎えに来るまで面倒を見ると、さっき言った

 

 事情も聞かされて、昨夜からは本当にいっぱい迷惑をかけてしまったことも、聞かされた

 

 ごめんなさいを言う前に、大丈夫だよと励まされて頭を撫でられるのは、とてもずるい

 何も言えず、この甘々な施しに僕は蕩かされている

 

 こんな状況で、僕は落ち着いてしまっている。居心地が良くて、部屋もいい匂いで

 

 まだ、顔半分や肩に人肌の感覚は残っている

 

 

……どうして、こんなに

 

 

「……リトルルーキー君」

 

「え、僕ですか?」

 

「あなた以外にいないでしょ。でも長いわね、名前で呼んでも?」

 

 構わないです、首を縦に振る。嬉しそうにちょっと跳ねた。主に、一部分が

 

「ベル、ベルくん……ぁ、ベルちゃんなんて」

 

「……ぅ」

 

「ベルくん、の方が良いのね……ごめんなさい、あなた可愛いからつい」

 

 いけないおばさんでごめんなさいねと、笑っておどける姿に心が揺さぶられる

 

 怒るものも怒れない、もとよりそんなつもりはないのだけれど

 

 でも、きっとこの人の一挙手一投足には不思議な力があるのだろう、と思う

 

 

「お腹空いていないかしら、栄養一杯のスープがあるから、よかったらいかが?」

 

 

 

「……はい、その」

 

 

 

 

 言い淀む声、喉の奥で出かかる言葉は、寸でのところで噛み砕く

 

 その言葉でこの人を呼んでしまえば、きっと僕は取り返しのつかない所へと転がり落ちてしまうからだ

 

 

 

「で、デメテル様……はい、頂きます」

 

 

 

 お盆に乗った、スープ皿には白濁した色が目に映る。

 

 牛乳を使ったシチューなのだろう。オレンジや緑と、野菜のいい匂いが漂う

 

 食欲なんて無いと思っていたけど、優しいスープの匂いが胃袋に活を入れる。そうなれば、スプーンを手に取るのは早かった

 

 暖かい、良い匂いで、暖かくて、暖かすぎて

 

 

「……いいかしら」

 

「!」

 

「病人なら仕方ないわ」

 

 抵抗することもできず、その手は僕から匙を回収した

 

 恥ずかしいから大丈夫ですと、言い張ることも許さない。問答無用で、この人は甘い母性を施してくるのだ

 

「ちょっと失礼」

 

「……ぁ」

 

 

 ベッドの横に椅子で腰かけていたデメテルさまは、何を思ってかベッドの方へと腰かけて、体をぴったりと僕の横にくっつける

 お盆が傾かないよう必死で、拒む言葉は出せない。全部が先手で、何もできない後手に回っている

 

 

「……庭の畑でとれたお野菜、そしてミルク、甘くて美味しいミルクなのよ」

 

 ミルク、その言葉で反応してしまう。まさか、いやまさか

 

「牛乳よ、お嫌いかしら?」

 

「……だ、大丈夫です」

 

「そう、ならよかった。酔った次の日には優しいスープが欲しくなるものね、昨日はあなた本当にひどく酔ってたから、たくさん戻して、空っぽの上荒れているから……胃に優しい味に仕上げたのよ」

 

「……ッ」

 

 

 木匙を手に、一掬いのシチューにデメテル様の吐息がかけられる。

 

 潤った唇、口先を少しすぼめて吐く息の温度が溶け込んでいく。看病の、ごくありふれた光景。経験が無いなんて言わないし、なにもおかしい行動じゃない

 

 だけそ、間近に体を寄せて、デメテル様のお顔で行われるから、きっと、それは良くないことに思えてしまう

 

 背徳的で官能的、顔が熱くなる。まだ何も食べていないのに

 

 

「さ、お口を開けて……あ~ん」

 

 

「……ぁ、んむ……ん、く」

 

 

 暖かい、熱すぎずぬる過ぎない温度が舌に触れる。先に熱が口内に染みて、遅れて味が感じられてくる。

 

 死んだ感覚に生が吹き込まれる。水しか口にしていないから、唾液がどっと溢れて喉が唸る。あまくてしょっぱい、まろやかな舌触りの優しいスープ

 

 溶け込んだ野菜の滋味、潰して溶けたイモ類のコク、キノコのうま味。内臓が喜びで震える味だ

 

 

「……おいしい?」

 

 

「はい、とても……うぅ」

 

 

 涙が出てしまう。取り留めなく溢れる涙が、きっと昨夜の痛みを思い出したから

 

 嫌なことをいっぱい体験して、そして今は優しさを施される。そのうえで、この暖かい味はとどめとなった。

 

 我慢できず、涙があふれて。だけどお腹は空いて

 

 

「ん、ぐく……はむ、うぅ……ひく、でめてるさまぁ~~ッ」

 

 

「もう、泣いたり食べたり忙しい子ね……うふふ、やっぱり可愛い子」

 

 

 笑われて、可愛がられて、恥ずかしいのに心地が良い

 

 気丈に振る舞うことも意味は無いと悟る。きっと、この人の持つ魔力がそうさせるのだ。神デメテル様のもつとっても強い力

 

 神デメテルの持つ母性に、きっと地上の人々は容易に抗うことはできない。証言できる、この人の母性は最強なのだ

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 時刻は夕暮れ、あっという間に時間というものは過ぎ去っていく

 

 ベッドに坐して、何でもないお話をしあって、時にちょっとした暇つぶしの遊戯に興じたりもした。料理の手伝いもして、今は夕飯の料理を籠に抱えて神さまと帰路についている

 

 看病を受けて、服も着替えて、昨日の雨が若干残る帰り道を行くのだ

 

 湿った匂い、街を流れる風の温度

 

 あの、デメテル様の部屋で過ごした感覚が上書きされていく。デメテル様の温度も、匂いも、全部、過去になるのが物寂しい

 

 

 

「ベル君?」

 

 

「……はい」

 

 

「大変だったね、ホームに着いたらまた休んでおくれ。して欲しいことがあったら言うんだよ、僕は君にいっぱい看病するつもりなんだぜ。本当なら、ギルドの用事なんてほったらかしたかったんだ……ベル君、やっぱり寂しかったかい?不安だったかい?」

 

 

 腕に抱きつき、柔らかく神さまは迫ってくる

 

 不安か、寂しいのか、その問いかけはには

 

 

「……はい、そうですね」

 

 

「うはーッ! 君って子は、うんうんわかってる、いっぱい甘えたかったんだね。そうだろうとも! 看病はいっぱいしてあげるから、このぼくに何でも言っておくれよッ」

 

   

  

 

 ホームについて、神さまは言葉の通り僕に尽くし過ぎるぐらいに看病を施した。そんな中、色々と喧嘩とかあったりして、騒々しいいつものホームで見る姦しい光景をよそに、僕は早い就寝に落ち着く

 

 満たされていないとは思っていない。帰りたかったホームに帰れたのに、文句は言わない、だってこれ以上は贅沢だから

 

 贅沢、そう贅沢なんだ

 

 

 

 

……でも

 

 

 

 

 贅沢すぎる願いはあさましい。だから、心は本音をしまい込んで、賢い振る舞いを保とうとするのだ

 

 あの家ではできなかったことだ。あの女神さまは、僕のそういう頑張りを簡単にやめさせる。所詮メッキ、容易にはがれるもの

 

 だけど、そんなメッキもはがせない僕もいる

 

 強がることに意味も無い。そうはわかっていても肩ひじは張ってしまう。時に楽になって、駄目な自分を見られてもいいかなって、そうなることは以前にもあった

 

 だけど、あの人の人時は今までの日じゃない。そう、あの母性の前には、僕は僕ではいられない。

 

 怠惰で、甘美で、どこまでも駄目になってしまうそんな体験

 

 

 

……贅沢だ、よくない、よくないのに

 

 

 

 ありのままの、恥ずかしい僕であっても受けれいてしまう女神さまがいる

 

 あぁ、これは本当にたまらない。誘惑に抗うのは、武器を持って戦うことよりも難しい

 

 

 

…………良くないのはわかっている。だから、一度

 

 

 

 

 最後に一度、一度だ

 

 それを気に、踏みとどまるべきだ。だから、明日か、明後日か、体が治り次第会いに行く

 

 デメテル様に会う。お礼をするために、謝罪をするために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

 

 

 

 

 

 日を改めて、訪れたホームの出先に彼女はいた

 

 まるで、僕が来るのを先んじて予期していたように、デメテル様は花に水やりをしていた

 

 じょうろの水が鉢植えから溢れている。きっと、来るとは思っていなかったのだろう。わかりやすく反応していた。だから、予言は無い

 

 今日は、運が良い日ということだ

 

 

 

「あの、これ!」

 

 

「……あら、あらあら」

 

 

 陽気でぽかぽかした反応を見せる。僕が渡したのはお金だ、正確には服屋で使える商品券数枚だ。

 

 直接お金を渡すよりはこの形が良いと思ったから、それで渡したのは一万バリスの券を四枚

 

 

「あの日、汚してしまってごめんなさい!」

 

 

「……あ、そういうこと」

 

 

 いきなり渡された商品券の意味を理解し腑に落ちたといった感じだ。前置き無く渡したのは間違いだったと反省。けど、以前のこともあるから頭が常に下がりっぱなしなわけで、うん、思い出したらね、本当に申し訳なさすぎるというか

 

 介抱してくれたことには本当に感謝している。そこは揺るがない、けど問題は対価だ。僕が一方的に迷惑をかけて、それで助けられて、お礼はしてもしきれない

 

 だから、最低限この弁償だけは優先するべきだと思った。僕の吐いたモノで汚してしまった服のお金、いくらかかるかわからなかったけど、でも多めに見積もって渡して、これでどうにか足りると踏んだ

 

 

「いただけない、って言ったら」

 

 

「……ッ」

 

 

「プルプル震えて、そうね……わかった、もらって気が済むならそうするわ」

 

 

 ありがたく、そう言い僕の手を取り券をしまう。胸の谷間に、よりにもよってなぜ?

 

 

「この服ポケットが無いもの」

 

 

「……じゃ、じゃあこれで」

 

 

「あ、ちょっと待ちなさい……ねえ、待ってて」

 

 

 呼び止めに後ろ髪が捕まった。デメテル様はおっとりした調子で、何かを考えて、そしてまとまったのか一人何度もうなずいた

 

 

「ベル君」

 

 

「!」

 

 

 未だ慣れない呼びかけに背中が伸びる。デメテル様は凍り付く僕に近づいて、そして

 

 

「……手を出して」

 

 

「は、はい」

 

 

 

 言われるままに、促されるままに、差し出した右の掌

 

 手首をそっと掴む。そして何を思ったのか

 

 

「えい」

 

 

 

……もにゅん

 

 

 

「ふひゃわああああああああああああああああああああああああああああッ!!?!?!?!?」

 

 

 

 

 訳の分からない声が出てしまった。なんで、どうして

 

 

 

「……お詫び」

 

 

「!」

 

 

 

 デメテル様は笑っている。悪戯が成功した顔をして、そしてあどけないまま言葉を繰り出す

 

 予想外で、だけど腑に落ちる

 

 デメテル様は、僕の手を掴んで胸の前に抱き留める。引き寄せて、近くなって

 

 

 

「ベル君、わたし結構暇な神さまなのよね」

 

「……さ、さよう、で」

 

「だからね、ホームの裏口からすぐ私の部屋に入れるわ。ね、菜園をまっすぐ抜けて」

 

「…………え、えっと、つまり?」

 

 

 意図が見えずにいる、そんな僕を面白がって、最後のとどめとばかりに

 

 一歩、踏み込んだデメテル様に僕はつんのめって、顔が落ちる。いや、落とされた

 

 

 

「!」

 

 

 

 覚えている、忘れるわけもない

 

 あの辛い夜も、そして穏やかな朝に、そして気持ちのいい昼に

 

 僕はこうやって包まれた。デメテル様の豊かな谷間で、まどろみを得たのだ

 

 

 

「……暇つぶし、付き合ってちょうだいな」

 

 

 

「————ッ」

 

 

 

 力が抜ける。砂糖を煮詰めた暖かい液体が、耳から伝わって脳を溺れさせるような心地で

 

 甘すぎる母性が、僕の力を奪っていく

 

 

 

「……いけないわ、ほんとうにいけない遊びよ。ええ、でも」

 

 

 

 ほんの少しだけ、小さくささやいか言葉に、海の底に沈むようなおどろおどろしさを覚える

 

 こんなにも甘くて、優しくて、暖かい、そんな女神の言葉に

 

 僕は、ああ、もしかしなくても

 

 

 

 

「裏口の鍵、隠している場所を教えてあげる。たまにでいいの、貴方が疲れた時、ちょっと駄目になりたい時が来たらここへ遊びに来なさい、美味しいものを作ってあげるわ」

 

 

「……ふぁ、ふぁぃ」

 

 

 

 

 抵抗できず、力が抜けきって僕は肯定の言葉を唱える

 

 誰にも明かせない、一人隠れてこっそりと通う日々が今日から始まる

 

 頻繁にじゃない、それだけは弁えて、都合のいい関係を僕はデメテル様から与えられた

 

 お礼も、謝罪も、何も通じない

 

 施しは、ずっと続くのだ

 

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

「……ごめんなさいね、ヘスティア」

 

 

 

 

 罪悪感はある、良識は捨てていない

 

 だけど、自分に嘘をつくのは神も人も変わらない。どこまで行っても、神は身勝手で独善的で、利己的だということがよくわかる

 

 施す行為は、施す側にとっても甘美だから。だから、この胸はあの子の不浄すら受け入れてしまった

 

 嫌悪感も無く、ただただ慈愛で接してしまう

 

 噴き出る母性は、きっとそのせいで。薬を飲んだってこの熱は収まらない

 

 ため込んでしまえば、体にだってきっと悪い。だから、だからこれは仕方ない

 

 謝罪は受け入れない、お礼は受け取っても関係はそのまま

 

 施し続けるのが良い。きっと、あの子の方もそれでいいのだから

 

 

 

「ヘスティアには悪いけど、いやいっそ二人で……ふふ、それもありかしらね」

 

 

 

 子供はいつだって母性に飢えている。施すことは良いことだ、だから、ほら

 

 

 

 私は何も間違ってはいない、うふふ

 

 

fin




以上、デメテル様の母性愛にロックオンされたベル君でした。噴き出る母性(意味深)に触れてしまったベル君の不運というか幸運、そんなお話

デメテル様いいよね、もっと出番欲しい


感想等あれば幸い、モチベ上がって日々健康に過ごせます。

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