九尾と蝙蝠のヒーローアカデミア   作:潰れないネジ穴

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全力でトガちゃんとくっつけようとしていたら、既にくっついていました。
挙句、切島が...
なんか芦戸とも距離近いし...いや芦戸は全員と距離近いか。

迷走の結果、こうなりました。
仲良いのはいいことだよね!


入学初日のあれこれ

「実技試験1位の子、すごいわね。」

「序盤は遠距離から狙撃、中盤で体力が無くなってきても増強型の個性でポイントを伸ばし続けた。流石としかいいようがないね...」

「心配なことといえばあの事件のことでしょうか...」

「無いとは思いますが、ヴィランと関係を持っている可能性も...」

「チッ...」

「まあまあ、ここ2年警察組織によって監視が続けられていたわけだし、定期的なカウンセリングもしてきた。私は問題ないと思うよ。君達の言いたいことは分かるが、その程度のことで不合格にするような雄英じゃない。」

 

いつもの校長の優しげな口調の中には少しの怒りが込められているように思えた。

2年前の事件の被害者が試験を受けると何処からか聞きつけた公安は、合否判定の教員会議に出させろと無茶を言ってきた。

あろう事か実技1位の合格にケチまで付けようとしている。心底腹が立つ。

 

「しかしね、校長先生...」

「それに、このような強力な個性がヒーロー側についてくれるなんて、有難い限りじゃないのかい?技術こそプロに劣れど、戦闘面では光るものがある。」

「そんなに心配なら、うちで面倒を見ましょう。」

「うん、君の個性なら安心出来るね。お願いできるかい?」

「では、2位の爆豪くんなのですが...」

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

でっか。

目の前には私の身長の何倍もある扉。

 

「でっかいねぇ。」

 

ヒーちゃんはいつも通り手を繋いでニヨニヨしている。

そろそろ手を離していただいても良いのではなかろうか...

 

「やだ。」

 

あらそうですか...

なんにせよ、2人とも受かってよかった。2人暮らしで片方別の学校なんてヒーちゃんが愚図りそうだ。想像するだけで胃が痛い。

しかし重そうだな。多少力を入れて開けてみる。

 

バァーン

 

存外勢いよく開いてしまった。見た目の割に軽いんだなこの扉。軽く注目を集めてしまったようだが仕方ない。

 

「初めまして!僕の名前は飯田 天哉だ!」

 

ビシィッと音がしそうな程に真上から90度に肘を動かし、手を前にかざしてきた七三眼鏡男。

 

「ども~、私が九重 彩狐。後ろの子がヒーちゃん...じゃなくて、渡我 被身子。」

「宜しく!君たちの席は...九重君が2列目の4番目、渡我君が3列目の3番目だ!」

「お、ありがと。」

 

近くて良かったね、そう言おうと後ろを振り返ると、修羅の如き顔をしたヒーちゃんがいた。

いい加減私に話しかける男全員に敵意剥き出しにするのやめようね。

 

ドサッと席に座ると、右斜め前の女の子が話しかけてきた。

 

「私、蛙吹 梅雨。梅雨ちゃんと呼んで。」

「私、トガ!渡我 被身子です!宜しくね!」

 

私が返事をしようとした瞬間、ヒーちゃんの自己紹介が始まった。

 

「宜しくね。さっき飯田くんと話してた時は怖い人かと思ったけど、いい子そうで安心したわ。」

「あー、ヒーちゃん前からこうなんだよ。今色々あって近所のアパートに2人暮らしなんだけどさ。私がお母さん代わりだーっとか言って私に話しかける男の子全員睨みつけるようになっちゃってさ。止めろって言ってるんだけどねぇ。悪い子じゃないから仲良くしてあげてよ。私、九重 彩狐。宜しくね。」

「そう、大変ね。宜しく。」

 

この大変ね、はどの大変ねなのだろうか。2人暮らしの事だろうか。

もう慣れてしまったが、確かに最初は大変だった。

 

「お、九重じゃん!お前は受かってるだろうとは思ってたけど、同じクラスとはな!知ってる奴が居ると心強いな。」

「よっ、赤髪男。」

 

片手を上げて返事をする。

 

「お、その2人知り合いなのー?私、芦戸三奈。宜しくね~!そうそうこの赤髪は...」

「い、言わなくていいだろ!」

「あはは~、冗談冗談。」

「ところで、俺さっきからめちゃ睨まれてる気がするんだけど...」

 

梅雨ちゃんと同じ説明を2人にする。

 

「大変だったねぇ~!なんかあったら頼ってくれていいからね!」

「ありがと、芦戸。」

「やっべ、距離間違えたかな...」

「ん?どしたん、切島。」

「な、なんでもねぇよ!」

 

焦る切島を他所に周りを眺める。

 

「机に足をかけるな!」

「アァん?」

 

うわぁー。

先程の七三眼鏡男と目付きとガラ悪め男が言い争いをしていた。

芦戸も梅雨ちゃんも、うわぁーって顔をしてる。やっぱそういう顔になるよね。

 

「あ、私そろそろホームルーム始まるし、席着いてようかな...」

 

芦戸は言い争いが飛び火して来ないように自席に戻るを選択。良かった。うちの周りが平和で。

その後、緑谷とかいうモサモサ緑男が教室に来たりなんだりするのだが、最後に入ってきた(と言うより寝袋でモソモソ這ってきた)不審者のインパクトには欠ける。

 

「お友達ごっこしたいなら他所行け。ここはヒーロー科だぞ。」

 

ドアの外になんかいるぅーーーー

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」

 

明らかに先生です、と言わんばかりの台詞を吐いている不審者、もとい黒髪ボサボサ髭男。

インパクトの強すぎる登場に流石の生徒もザワザワし出す。

 

「担任の相澤消太だ。宜しくね。」

 

担任!?

 

「キュウちゃん、私あの人と仲良くできる気がしません。」

「良いんだよ、仲良くしなくて。友達じゃなくて、先生だから。」

 

こっそりヒーちゃんが耳打ちしてきたのでツッコミを入れる。

 

「早速だが、これ着てグラウンドに出ろ。」

 

▼▲▼▲▼

 

というわけでグラウンド。

 

「「「個性把握テストぉぉぉおおお!!??」」」

 

私たちの叫び声がグラウンドに響く。めっちゃハモったな。奇跡?

 

「入学式は?ガイダンスは?」

 

焦ったように麗日が聞く。ちなみに名前はさっき更衣室で聞いた。全員分。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。」

 

ボソボソとやばい事を言い放つ我らが担任に私達も、あぅあ...みたいな情けない声をボソッと漏らす事しか出来ない。

 

「お前たちも中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト。国は、未だ画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない。まあ、文部科学省の怠慢だな。」

 

今度は愚痴りだしたよ。在校1日目だが、雄英が魔境と呼ばれる理由がわかった気がする。

 

「実技試験1位は九重だったな。中学の時、ソフトボール投げ、何メートルだった?」

 

げ。急に私に来た。

今、さっき飯田と言い争ってたヤンキーに舌打ちされた気がしたが、気にとめないこととする。

絡まれたら嫌だしね。

 

「に、24m...」

「はァ?小学生並みじゃねぇかよ!どうやったら人投げれるレベルになるんだ!?」

 

切島が驚いた声を上げる。

 

「人投げるってどういうこと?」

「あ、芦戸。あいつ試験の時俺をでっかいロボットの顔面に向かってぶん投げやがったんだよ!」

「うそ!凄!」

「いや、私の個性のトリガーは力入れるか入れないか、だから個性無しって言われると不安になっちゃうんだよね...」

「おい、早く始めるぞ。」

「はーい。」

「円から出なきゃ何してもいい。投げろ。思いっきりな。」

「じゃ、遠慮なく。」

 

『野生解放』

 

腕に力を込め、渾身の1発を投げる。

 

「ぶっ飛べぇぇぇぇぇえ!!!!!」

 

私の叫びと共にソフトボール(よりちょっと重い、黒い線の付いた何か)は空の彼方に飛んで行った。

これ、どう計測するんだ?メジャーもって走んの?

 

「まず、自分の限界を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

ピコッ

 

「「「うおおおおぉぉ!!!!」」」

 

歓声が上がった。

あ、自動計測なのね。ちょっと重かったのはそれでか。

 

「645mってまじか!」

「なにこれなにこれ!面白そう!」

「個性思いっきり使えんだ!流石ヒーロー科!」

 

湧くみんなを制止し、先生が話し出す。これ、なんかヤバそうだな。

 

「面白そう、か。ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし、8種目トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう。」

 

「「「えええぇぇぇぇぇええ!!!!」」」

 

今日何度目の絶叫だろう。嫌な予感が当たってしまった。これは手抜けないな。

 

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