ようこそ努力と感情の教室へ   作:ガムの小説部屋

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さっそく亀更新申し訳ありません。ガムですm(_ _)m
2021年最後の投稿になります。そして、お詫びというわけでは一切ないのですが、今話は本文が1万文字オーバーの大サービスとなっております。長くなりすぎましたが、今は年末年始なので大丈夫!(現実逃避)

ということで本編どうぞ!


第5話 実力至上主義へ

有栖との再会をしてから数日が経ち、明日はいよいよ5月になる。すなわちポイントの支給日だ

 

 

「なぁ、六花。お前はどう思う?」

 

「冬也様。どう思う? だけでは何が聞きたいのか分かりません」

 

 

ちなみに俺こと星ヶ峯冬也は立花と二人で自室で夕食を食べているところだ

 

 

「あぁ、すまん。六花はこの学校のSシステムもといこの学校のルールについてどう思う?」

 

「ルールですか?」

 

「そうだ。六花も流石に気づいてるんだろ?」

 

 

俺は六花にある種の確信、信頼とでもいうのだろうか。そういうのを俺は持っていた

 

 

「えぇ、私ではなく一之瀬さんが気づいてましたね」

 

 

だが、こういう時の六花は自分のことについては自分からは語りがらない

 

 

「……それで"六花”はどう思ったんだ?」

 

「そうですね……一言で言えば、合理的でしょうか」

 

 

ただ、これでも昔より話してくれるようにはなったと思う。俺がしっかりと聞けばの話だけど

 

 

「合理的?」

 

「はい、社会において結果を残せば報酬を与え、逆に足を引っ張れば罰を与える。実にうまく社会を模している学校かと」

 

「なるほどな」

 

「ちなみに、冬也様はどうお考えで?」

 

 

そう聞いてきた六花を一度見て改めて自分もこの学校について考える

 

 

「まず、俺と六花の気づいたルールの内容について一致しているとはここでは確かめないが、俺が感じたのは“何故”っていう疑問かな?」

 

「何故? という疑問……ですか」

 

「あぁ、お前は社会を模すことを合理的と判断したんだよな? だが、俺からしたら社会を模すことに疑問をもった」

 

「それはどのような?」

 

「それは、また今度にしよう。まだ答え合わせもまだだ。ここでの話はすべて憶測に過ぎないしな」

 

 

そういって俺は話を打ち切った。俺らの考えは全て明日の答え合わせを踏まえてするべきもの。だがしかし、俺がここでこの話をしたのは明日以降になると話すことができないと思ったからだ。全ては明日のポイントの支給日。そこから先についてはその時考えれば良い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして、日付が変わり5月1日の朝、星ケ峯冬也は端末にてポイント支給の確認を行っていた。

 

 

「やっぱり……といったところか」

 

 

そこには90000ptの数字、即ち

 

 

「支給無し……さすがに予想してたとはいえこれはな。俺の予想通りだとしたらさすがに前代未聞なんじゃないの?」

 

 

いくらポイント支給が増減するとは言っても支給無しは無いだろって思ってたけど、そんなこと無かったか。いや、それよりも

 

 

「すぅー……さすがに休みすぎました? ははは……ちょっと学校行くの怖い」

 

 

俺が原因でこんなとこまでになったなんて事ないよな? 綾小路に軽く聞いた限りじゃあ俺がここ数日行っていた教室の雰囲気と何ら変わらないらしいし、俺の行動が最たる原因なんてことはないと信じる他ない

 

 

「もうそこら辺は考えるのやめとこ。近々中間テストもあるしちょっとだけ勉強して忘れよっと」

 

 

そのまま、勉強するために机に向かおうとするとそこで携帯が音を立てて震える

 

 

「ん?」

 

 

携帯を手に取り 画面に表示されてるのは『坂柳有栖』の文字。こんな朝早くから何だ? 

 

 

「ここで考えてもあれだし、出るか」

 

 

そして、俺は画面に映っている緑色のボタンを押す

 

 

『おはようございます。星ケ峯君』

 

「おう、おはよう有栖。こんな朝早くからどうした?」

 

『いえ、今日は早めに起きられましたのでただのご挨拶ですよ』

 

 

ただの挨拶か……まぁ、タイミング的にそんなことのためだけに電話してきたわけではあるまい

 

 

「……そうか、じゃあ俺が代わりに聞こう。ポイントの変動は()()()()?」

 

『はい、ありましたよ。きっちり10万Ptとはいきませんでしたが、それに近しい所まで』

 

 

Aクラスで10万Ptに近しいまでのポイント支給。そして、俺らDクラスでポイント支給なし……いや、ちょっと違うか。しかし、なんとなく思ってたけど、これだからクラス分けがアルファベットってランク分けにも思えてくるんだよな

 

 

「この学校、なかなかの性悪な学校じゃないか」

 

『ふふ、そうですね。ぜひお父様に言ってあげてください』

 

 

有栖の父親はこの学校の理事長で、俺とも何かと縁がある。幼少期は有栖の友達としてよく歓迎されてたんだよな

 

 

「いやいや、俺がお前の親父にそんなこと言えるわけないだろ」

 

『そういえば、そうでしたね』

 

「それで、朝の挨拶とやらは終わりか?」

 

 

俺にはこれ以上の用事は思いつかないので、改めて勉強の準備をしようとすると

 

 

『あ、あと、それとですね』

 

「他になにかあるのか?」

 

『い……一緒に学校に行かせて頂けませんか?』

 

「それくらい別にいいけど、どこに集合する?」

 

『それではですね──』

 

 

その後は有栖との待ち合わせ時間やらなんやらを決めて、簡単な世間話をしていた。

有栖との電話の後に学校へと行ける準備を進め、有栖と決めた待ち合わせ場所に向かう

 

 

「ちょっと早すぎたか?」

 

 

現在待ち合わせ時間の15分前。流石に早く来すぎたのでまだ来ていないと思っていたのだが

 

 

「もういるんだけど、早くね?」

 

 

いや、早く来てる理由はなんとなく分かるけどさ。有栖は杖もちで歩きは正直言って遅い。そこで俺を待たせないように早く来たんだろう。そんな理由から、いつもより早めの登校になってるしな(有栖いわく)

 

 

「ふふ、遅かったですね。星ヶ峯君」

 

「すまない有栖。待たせたか?」

 

「いえ、今来たところですから」

 

 

なんかこのやり取りデートの待ち合わせみたいなセリフだな

 

 

「……今のはなんだかデートの待ち合わせみたいなセリフでしたね」

 

 

どうやら、有栖は俺と全く同じことを考えたらしい

 

 

「それで今日はちょっと早めの登校になるけど行くか?」

 

「そうですね、今日はせっかくですから少し遠回りしていきましょうか」

 

「姫の仰せのままに」

 

「姫はやめてください!」

 

 

そんなやり取りをしながら、俺と有栖はゆっくり学校へ向かう。

 

 

「星ケ峯君はどうするんですか?」

 

「どうするって何がだ?」

 

「今後の立ち振る舞い……とでも言いましょうか」

 

 

有栖の疑問に何かを感じた俺はしっかり答えようと思案していると有栖が先に話しかける

 

 

「私の予想では今日から……いえ、入学してから既に各クラスの対立構造になっています」

 

 

有栖がしゃべり始めたを聞いて俺は有栖に答えようとしていた言葉を飲み込む

 

 

「そうなった時にBクラスとCクラスどちらも強敵となると思われます。でも、私が本当に競いたい相手は貴方なのですよ。星ケ峯君」

 

「それはとても光栄だな」

 

「はい、とっても光栄なことですよ? でも、星ケ峯君は前に出てくることを望まない」

 

「そうだな」

 

「ですから、私と個人的に戦ってくれませんか?」

 

 

そう言った有栖は不安と期待が混ざったような複雑な顔をしていた。確かに、有栖と競い合えるというのは本当に光栄なこと。でも、今の俺にはそんな簡単に肯定の返事は出来ない

 

 

「……気が乗ったらな」

 

「はい。今はその返事を頂けるだけで結構です」

 

 

有栖はその答えだけで納得してくれたのか何かを察してくれてるのかは分からないが、それ以上は何も言ってこなかった。その後は、軽い雑談をしながら学校へ向かった。その間、横を通り過ぎていく生徒がこちらを見てくる目線がちょっとばかしむず痒かった。

そして学校に着いて有栖と別れるとき、俺にこんなことを言ってきた

 

 

「星ヶ峯君……治りましたか?」

 

「ん? 治ったって何が?」

 

「いえ、何でもありません。忘れてください。また放課後にでも連絡させていただきますね」

 

「お、おう」

 

 

なんか様子がおかしかった気がするが、正直言って有栖の頭を完全に理解するなんて俺には無理だ。何か俺には考えの及ばないことでも考えているのだろう。

そして有栖の背中を見送ると俺の背後から綾小路が登校してきたので、一緒に行動することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2

 

 

登校してからは、綾小路と軽く世間話をした後に俺が長期休み(サボり)の間に進んだ勉強をして始業チャイムを待つ。これがここ数日の俺のルーティーンになっていた。だが今日はどこか違うようで

 

 

「おい、星ヶ峯!」

 

「ど、どうしたの? 池君」

 

 

なんか鬼の形相で俺に迫ってくる池達のおバカトリオ。俺はなんもしてないのに何でこんな詰問されているんだろ? 

 

 

「どうしたの? じゃない! あの美少女は誰だよ!」

 

「び、美少女? ……あー、有栖のこと?」

 

 

あいつは見た目かわいいくて人目を惹く容姿をしてるから気になるのは仕方ないか

 

 

「そうだよ! その子だよ! お前の彼女なのか?」

 

「いや、ただの幼馴染だけど……」

 

「とか言って本当は付き合ってるんじゃないのか?!」

 

 

そう言って俺に詰め寄ってくる池と山内、そして後ろで見てる須藤がめちゃくちゃ怖い

 

 

「有栖に恋愛のれの字も無いと思うけど、今のところ」

 

「……そうか、なら信じてやろう」

 

「あ、ありがとうございます?」

 

 

なんか俺は許されたらしい。いや、ほんと今のはなんだったんだよ。

 

その後、学校の始まりを告げるチャイムが鳴り生徒たちは席に着き、そこへなにやら大きな筒状のポスターらしきものを抱えた茶柱先生が入ってくる。その様子はなにやらいつもとは違うようで不思議に思った生徒が軽口を叩いても大きな反応を見せない。

 

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか? 気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」

 

 

何か質問があることを前提としたような言葉に数人の生徒が手を上げる

 

 

「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか? 今朝ジュース買えなくて焦りましたよ」

 

「本堂、前に説明しただろ、その通りだ。ポイントは毎月1日に振り込まれる。今月も問題なく振り込まれたことは確認されている」

 

 

その茶柱先生の返答でクラスのみんながざわめき出す。実際に端末を取り出しポイントを確認するもの、近くにいる友達と確認し合うものなど様々な反応を見せている。そんな教室の騒然とした雰囲気に

 

 

「……本当にお前らは愚かな生徒たちだな」

 

 

そんな一言が茶柱先生の口から発された。そんな茶柱先生の表情は怒りや悦び、呆れや落胆、期待といった様々な感情がせめぎ合いとても不気味な雰囲気を纏っている

 

 

「ポイントは振り込まれました。これは間違いない。このクラスだけ忘れられた、などという幻想、可能性もない。わかったか?」

 

 

この一言で俺は茶柱先生の態度の違和感についてすべてを理解した。言ってしまえばこれは学校側が用意した茶番だ。教師の口から直接言うことはなく生徒自身からこの学校のルールについて気付かせることによってより深く生徒の意識の中に刷り込ませる手法だ。要するに、この学校は俺たちDクラスを失意のどん底まで一度徹底的に落とそうとしているわけだ。まぁ、他にもあるかもしれないが今は良いだろう。

と、この先に起こるかもしれない俺への詰問の対処法と言う名の現実逃避をしていると

 

 

「ははは、なるほど、そういうことだねティーチャー。理解できたよこの謎解きがね」

 

 

高円寺がなにか納得がいった様子で笑った。こいつ茶柱先生の言動だけで理解できちゃうんだから何気にすごいよな。俺ができるかと言われれば自信が無いかも

 

 

「簡単なことさ、私たちDクラスには1ポイントも支給されなかった。ということだよ」

 

「はあ? なんでだよ。毎月10万ポイント振り込まれるって……」

 

「私はそう聞いた覚えはないね。そうだろう?」

 

 

本堂の反論に対して至極冷静に返していく高円寺。お前のその机の上に足を上げたり教師に対して指さしたりしなければ優等生なのにもったいない

 

 

「態度には問題ありだが、高円寺の言うとおりだ。全く、これだけヒントをやって自分で気がついたのが数人とはな。嘆かわしいことだ。しかも、()()()()()()()()()()()()()()()のにな」

 

 

その言葉を聞いた瞬間俺は背筋が凍る感覚に支配された。冷や汗がやばい……あの先生はなんてことを言ってるんだ? そんなことをいったら

 

 

「……先生、それはどういうことですか?」

 

 

ほら、このクラスの実質的なリーダーである平田君が手を上げてしまったよ。すると茶柱先生はあろうことか

 

 

「だそうだ星ヶ峯。無断欠席の罰だ、前に出て私の代わりに説明してやれ」

 

 

そんな無茶ぶりを要求してきた。周りの生徒からの視線がものすごく痛い

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。なんで俺が先生が今から話そうとしてることを知ってる前提なんですか?」

 

「だから言っただろう? 無断欠席の罰だと。これくらいで済むのなら安いもんだろう?」

 

 

俺の質問の返答にはなっていないが、俺は入学式の当日に職員室に行っている。そのことが茶柱先生の口から話されるよりは俺が今前に出てしまった方が確実だろう。ここまでのことを想定していたのならこの教師性格悪いぞ! 

 

 

「……分かりました」

 

 

俺は渋々前へ出て茶柱先生が一歩引いたところの位置に移動して空いてしまった教卓の前へ立つ

 

 

「では、茶柱先生からの指名によって代打として話すことになりました。星ヶ峯冬也です。改めてよろしく。と、話に入る前に一つだけ言わせてもらうが、俺は知ってるわけじゃなくて、()()()()()()()()を元に話すからそこんとこよろしく」

 

 

正直、あまり意味ないと思うが一応こう言っておかないと変な疑いをかけられたらたまったもんじゃないからな

 

 

「では先生、一つお聞きしましょう」

 

「なんだ?」

 

「おそらく、Dクラスのみんなが一番気になっているところであるだろう“なぜポイントが振り込まれなかったのか”というところの詳細を教えてください」

 

「……遅刻欠席、合わせて110回。このうちの欠席は大部分が星ヶ峯の無断欠席だ。そして授業中の私語や携帯を触った回数391回だ」

 

「えー、なんかいらない情報もあったけどこういうことらしい。そして、みんなも密かに疑問だったであろう教師が俺たちの素行不良について何も言わなかった理由が明かされたわけだ。俺らは普段の生活をテストされていた。そして、そのテストの結果がこのポイント支給が0ポイントというわけだな。で、ここから分かるのが、この学校では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というわけだな。確かに茶柱先生は入学式の日に言ってたね。『この学校は実力で生徒を測る』って、そして俺たちDクラスは最低最悪の評価をいただいたわけだ」

 

そこまで言うとクラスのみんなは何かに気づいた様子でざわついている。当たり前だ、このことを予想していなかった生徒は10万ポイントもらえると思っていたのに実際は0ポイントしかもらえない。要するに、今月を支給なしで過ごさないといけない。そして、もう少し先が見えている生徒は、俺らは1ヶ月で10万ポイントを吐き出した事実に驚いていることだろう

 

 

「では先生俺はこの辺で……」

 

「待て星ヶ峯。この後もお前の出番はあるからそこにいろ」

 

「え? まだあるんですか?」

 

 

いったい、この先生は俺に何を求めてるんだよ! これ以上俺は言うことも無いと思うんだけど。

 

 

「ということで、()()()()()()を聞いてもらったわけだが、花丸大正解だ。よくお前が学校に来た少ない日数でここにたどり着いた」

 

 

この先生やけに俺を持ち上げようとするよな? なにが目的なんだよ……

そんなことを胸中に思いを馳せていると平田がそんな話聞いてない! 的な反論を見事な正論カウンターパンチを茶柱先生から喰らって撃沈していた。

 

 

「では、せめてポイント増減の詳細を教えてください……。今後の参考にします」

 

 

苦し紛れの表情をした平田のせめてもの質問に

 

 

「それはできない相談だな。人事考課、つまり詳細な査定の内容は、この学校の決まりで教えられないことになっている。社会も同じだ。お前が社会に出て、企業に入ったとして詳しい人事の査定内容を教えるか否かは、企業が決めることだ。しかし、そうだな……。私も憎くてお前たちに冷たく接しているわけじゃない。あまりに悲惨な状況だ、一つだけ良いことを教えてやろう」

 

 

あっさりと否定した茶柱先生。薄ら寒いような笑みを浮かべると

 

 

「遅刻や私語を改め……仮に今月マイナスを0に抑えたとしても、ポイントは減らないが増えることもない。つまり来月も振り込まれるポイントは0ということだ。どういうことか分かるか? 星ヶ峯」

 

「……これから俺たちが何をしようとポイントに関係はないということですか」

 

「そういうことだ。覚えておいて損はないだろう?」

 

 

この一言を境に生徒の表情に暗雲がたちこめる。正直言って、茶柱先生のここまで生徒を追い込むとは思っていなかった。入学式の当日も感じたことだが、この教師はどこか学校全体の意図とは違った思惑的なのをチラチラとのぞかせている。だが、今回に限って言えばそれを感じ取りにくい。思惑と学校の意思が合致しているのか、俺の指摘によって出さないように気をつけているのか判断はつかないが、このどん底も教育の一環というのは間違いないだろう。

と、いろいろ考えているとホームルームの終了のチャイムが鳴る。

 

 

「ちょっと、無駄話が多すぎたようだな。ここから本題になるが、星ヶ峯。最後のお前の出番だ。これを受け取れ」

 

「はい?」

 

 

そして俺は茶柱先生が手にしていた筒から白い厚手の紙を渡され、俺が先に見るように促され、素直に指示に従って中を見ると、そこにはクラスの名前とその横に数字が書かれており、Dクラスが0、Cクラスが490、Bクラスが650、Aクラスが940。これがポイントだとすると、1で100ポイント。1000で10万ポイント1(=10万円)と言うことになるのか。そして、俺の予想がドンピシャで当たってしまったこともこれでほぼ確定と言ったところか。

ここまで考えた俺はこの紙を黒板に張り出す。

 

 

「茶柱先生、これは各クラスの評価……と思って良いんですよね?」

 

「ああ、それでかまわない。お前たちはこの1ヶ月、学校で好き勝手な生活をしてきた。学校側はそれを否定するつもりはない。遅刻も私語も、全て最後は自分にツケが回ってきただけだからな────」

 

 

ここまでの話を聞いて、改めて何というか、この学校はほんとに社会の縮図というものを再現しているというか、ほんと……性悪な学校だな。

そんなことを俺は今朝の有栖との会話を思い出しながら心の中で苦笑する。そんなことを考えていると平田の手がまた上がる

 

 

「何故……ここまでクラスのポイントに差があるんですか」

 

「それについては星ヶ峯、お前が話してみろ」

 

 

本当にこの先生が俺に求めているものが分からないが、俺の最後の出番はここらしい

 

 

「はぁ、言っときますけど、あくまでこれは人に聞いた推論であって、知っていた訳ではないことをもう一度言っておきます」

 

 

俺はもう一度息を大きく吸い、最後の一仕事に軽く気合いを入れる

 

 

「クラス分けの基準は学校ごとに違います。生徒の人間関係や一人一人の性格、あるところは生徒の親同士の相性なんかも見るそうです。ですが僕たちは新入生、高校側にそんな情報は多くありませんが、僕たちはこの学校に入る前に入試と面接を受けて入りました。それに俺たちの中学校の学校生活を聞いているかもしれない」

 

 

ここまで言うと気付いた者もちらほら出てきているのかクラスがざわめき出す

 

 

「要するに、そうやって得た情報のなかで俺たちは優秀な者はAクラス、そうでない生徒はDクラスという風にふるいにかけられた。大手の塾でも良くある分けられ方ですね。勉強が同じくらいできる者同士を近くに置くことで生徒同士による切磋琢磨で育てようとする手法です。ですが、俺が話したのはあくまで簡単な分け方ですのでもっと詳細な分け方はあるだろうし、それは俺にも分からないし、茶柱先生に聞こうにも先ほど平田君に人事考課という話をされたところから察するに、こういうところも話してはくれないでしょう。そして、ここが大事だけど、このポイントはクラスの評価です。つまりこのポイントを上げることによって()()()()()()()()()()。もし、今ここにDクラスが500ポイントを持っていたら俺らは今、Cクラスなっていた。というところでしょうか?」

 

 

話はこれで終わったという意味を込めて茶柱先生にアイコンタクトを送る。すると、席に戻れと顎で示されたのでおとなしく席に戻る

 

 

「お前ら、星ヶ峯の説明で理解したか? 星ヶ峯の推測は、これも花丸大正解だ。つまり、現時点のDクラスであるお前らは、落ちこぼれが集まる最後の砦というわけだ。そして、お前たちは最悪の不良品ということだ。実に不良品らしい結果だ」

 

 

席に戻る途中に見えた堀北の顔が強ばっていた。無理もない、堀北のようなタイプには一瞬でプライドをズタズタにするには効果的な一言だっただろうがな。とはいえ、さっきはあんな説明をしたが俺にはまだ疑問というか違和感がまだ残る。それはこの学校の評価基準。確かにAクラスが優秀でDクラスが不良品、我が不良品ながらに理解できる。だが、櫛田や平田のような奴はAとはいかずともBクラスあたりには居そうな気がするが、俺が全く見えていない一面があいつらにはあるのか、それとも俺の推測の評価基準に誤りがあるのか……

 

 

「さて、もう1つお前たちに伝えなければならない残念な知らせがある」

 

 

黒板にもう一枚紙が追加で貼り出される。生徒の名前とその横に数字が書かれており、それが縦に一列で並んでいる

 

 

「この数字が何か、馬鹿が多いクラスでも理解できるだろう」

 

 

もちろん俺にもそれは理解できた

 

 

「先日やった小テストの結果だ。揃いも揃って粒ぞろいで、先生はうれしいぞ。中学で一体何を勉強してきたんだ? お前らは」

 

 

小テストの結果を見ると俺の下には須藤の14点のみ。俺はその一つ上の15点だ。後の生徒は60点台が大半と言ったところで堀北や高円寺は90点と高得点。す、すげー

 

 

「良かったな、これが本番だったら8人は入学早々退学になっていたところだ」

 

「た、退学? どういうことですか?」

 

「なんだ、説明していなかったか? この学校では中間テスト、期末テストで1科目でも赤点を取ったら退学になることが決まっている。今回のテストで言えば、32点未満の生徒は全員対象ということになる。本当に愚かだな、お前たちは」

 

「は、はあああああああ!?」

 

 

この衝撃の事実に声を荒げる俺以外の退学候補達。

 

 

「それからもう一つ付け加えておこう。国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。それは周知の事実だ。恐らくこのクラスの殆どの者も、目標とする進学先、就職先を持っていることだろう」

 

 

正直な話、俺にこれは当てはまらないが、その話の真偽は気になっていた。

 

 

「が……世の中そんな上手い話はない。お前らのような低レベルな人間がどこにでも進学、就職できるほど世の中は甘くできているわけがないだろう」

 

 

茶柱先生の言葉を聞いて確信した。この学校が非常にうまくできていること。そして、これが世間一般に漏れてしまうとこの学校がなくなってもおかしくはないほどの危うさな上で国に管理されているというこの学校の特殊性の意味を

 

 

「つまり先生、それは俺らがAクラスまで上がらないとその恩恵を受けられないと考えてよろしいんですか?」

 

「よく分かったな星ヶ峯。その通りだ。お前らの将来の望みをかなえて貰えたければ、Aクラスに上がるしか方法はない。それ以外の生徒には、この学校は何一つ保証することはないだろう」

 

「ですが先生。それでもあの進学率と就職率に嘘はないんですよね?」

 

 

その質問を俺がした瞬間、茶柱先生の表情が少しばかり強ばった気がした。が、それも一瞬のことで普段表情に戻った茶柱先生は

 

 

「……それはお前ら次第だ」

 

 

直接的な回答を避けたが俺にはそれだけで十分だった。茶柱先生は一度教室を一瞥すると

 

 

「浮かれていた気分は払しょくされたようだな。お前らの置かれた状況の過酷さを理解できたのなら、この長ったるいHRにも意味はあったのかもな。中間テストまでは後3週間、まぁじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法はあると確信している。できることなら、実力者に相応しい振る舞いをもって挑んでくれ」

 

 

その言葉を最後に教室を出て行く茶柱先生。茶柱先生が去った後の教室には重苦しい空気を醸し出すDクラスの生徒のみが残された

 

 




第5話いかがでしたでしょうか!

ちょっと後半部分は原作と被るところが多かったと思いますが、このあたりは変化を生じさせるのが難しかったので、似通った内容となりましたが、前半部分は結構重要な部分になる予定ですので楽しみにしていただけたらなと思います!

そして、さっきは後半部分は似通った内容と書きましたけど、それでも結構重要なものをぶっ込んだつもりですので、何か疑問や違和感を感じる事があるかもしれません。この作品は結構疑問を疑問のままに放置してる僕の癖みたいなものでもあるのであれですが、その疑問はその先の展開で重要になるかもしれませんから、くまなく見て探してみるのも面白いかもしれませんね!


そして、それをぜひ感想として書いていただき、ついでに評価もいただけたら幸いです!


ということで皆さん良いお年を!
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