【悲報】気がつけば目の前に知らない遺跡があるんですが…【なにこれ】 作:絆蛙
テスト期間だったので無理でした(勉強したとはいっていない)
全話見直すと誤字多くてやばかったです……えー、サブタイトルも今これ使って大丈夫か、と思いましたけどまあ、未来の私がどうせ何とかするでしょう。ついでにビヨジェネのpromiseマジでおすすめです。
今回は中々に難しかったので、また違和感のある文などあればこっそり修正してると思います……バイト終わりにオールで書くのはしんどすぎた。
あと、漫画のULTRAMAN面白いですね、普通に。アニメ見てみたいです。
あっ、今回はアンケート純粋にちょっと気になったので、お願いします。私からすると今くらい…よりちょっと少なめが理想的だと思ってるんですけど
結城友奈と継受紡絆を詳しく知らない人は同じような性格、と思うだろう。
事実として、彼女と彼の性格は少しどころか、かなり似ている。
友奈の性格を讃州中学の学生たちや関わった他の者、仲間たちに聞けば、明るく前向きな性格で常に元気いっぱいな女の子。行き当たりばったりで能天気でKYな部分もあるが、いざというときには頼れる性格だと答えるだろう。一方で、紡絆は何処までも底なしに明るく前向きで常に元気いっぱいの男の子。色々と行動が無茶苦茶だしバカみたいな思考ではあるが、人を集め、周りを笑顔に出来る不思議な力を持つ、頼りになる性格があると答えるだろう。
そして男女隔てりなく彼女と彼は接することは出来るし、コミュニュケーション能力も高い。さらに運動神経は流石に紡絆の方が上ではあるものの、運動能力にも長けている。
他にも双方ともに誰かを助けたいと思う気持ちは同じで、違う点と言えば友奈は勇者に対する強い憧れがある。対する紡絆は憧れでも何でもなくただ人を助けたいから助ける。
これだけならば似ているようだが、実は似ているようで似ていない。
そもそも友奈の場合は義務感ではなく、
この違いは大きく異なるだろう。当然というのは、当たり前だということ。
人助けは当たり前、普通だなんて思う人は、正直友奈以外にも居るだろう。
確率は低いだろうが道端に落ちている財布があれば交番に。迷子がいれば迷子センターや一緒に親を探したりその他諸々と。
だが、もとより誰を救いたいのかも定まらないまま、ただ独り闇雲に困っている人が居れば、助けたいなどと願うのは---比べると分かる通り、正直可笑しいのだ。後者のそれは、そんなのは所詮理想であって、叶うはずもない。
さらに、ほぼほぼ趣味と化してるのも問題だろう。友奈ですら趣味に押し花があるし他に好きなものだって存在する。でも紡絆は趣味が人助けみたいなものだ。
一応彼も星や宇宙について勉強はしているが、それは夢であって夢ではない。あくまで記憶のなかった頃をなぞっているだけ。本当の夢かどうかと言われれば、紡絆は分からないとしか答えられない。ただ記憶を取り戻した時に後悔しないように、勉強しているだけ。
他には暇潰しにゲームをすることはあれど、それは身体を休めるように強制されたり禁止された時のみ。基本的には人助けしかしない。
それはもう、さっき挙げた趣味というべきよりかは人助けに自身の生を見出している、とも言えるかもしれない。
結局のところ紡絆の人助けは少々どころか過激過ぎると言えるだろう。だが、それが彼の魅力でもあるのかもしれない。
自己満足だろうが、助けたいから助ける。やりたいから助ける。放っておけないから助ける。
余計なことと言われようが、紡絆は全てを失ったからこそ他の人には色々な幸せだと思えることを経験して欲しいのかもしれない。笑顔になって欲しいのかもしれない。
ただ---彼と親しい仲、勇者部の者たちからすれば、命を落とす可能性がある場合でも突っ込む紡絆の姿は気が気ではないのだが、何度言っても無理であることはウルトラマンになってもなお戦うことを絶対に退かない姿勢から簡単に察せられるだろう。
そもそも友奈とは違い、紡絆のは完全に自己犠牲どころか天秤にかけるはずの自己が存在してないのだ。
でなければ、ウルトラマンに変身してダメージが還元されること、命に関わるような人助けでも行動したりはしないだろう。せめて躊躇するはずなのに、躊躇という文字を知らないと言わんばかりにやるのだから。
友奈と紡絆の違いは、そこだ。友奈も中々に人助けとしては過剰だが、紡絆は過剰、過激というより異常という言葉が似合う。
まぁ、ウルトラマンに選ばれたのだから当然と言われればそれまでだが。
それはともかく、他にも全くと言っていいほど友奈と紡絆には違うことはあるし、実はテストでは普段の言動からは考えられないほど高得点を取れているのが紡絆である。
---といっても、宇宙関連限定ではあるが。
結局のところ、友奈と紡絆は表面だけ見れば似ているのだ。実際の性質は全くとまでは言わないが、似ていない。奥底まで見れば、紡絆の方が異常なのである。
もちろん人間であることから、友奈と紡絆の好みは違うし、性別も違えば、行動することも理由も違う。過去も違うし、友奈は紡絆と違って記憶を失っていない。
ただ共通して言えるのは、身体能力とコミュニュケーション能力が高いこと。何よりも、二人ともバカな程にお人好しで明るく前向きと言えることくらいだろうか。
---とまぁ、彼女や彼だけではなく、勇者部に所属する者は誰もがお人好しなのだが。
そしてそれだけ紡絆の異常な部分を挙げたが、今は別の意味で異常だ。
その理由としては---
「よっ、ほっ、おっ、ひょいっと!」
川で忍者になっていた。
その近くには、子供たちがキラキラとした瞳を向けているが、ここで疑問を挙げよう。
---何故人間が川の上を走っているのだろうか、と。
理由としては、至極簡単。紡絆は反発を受ける一瞬に逆の足を踏み出して沈む前にそれを繰り返しているのだ。
NINJAみたいなことをしているが、ただ単にウルトラマンの身体能力強化による恩恵により全力でやっているだけで、仮に彼の普通の身体能力でやろうものなら沈む。
ちなみに紡絆は人を背負ってないが、人を背負っていたら間違いなく沈んでいるので、似たようなことをした
それでも、彼はNINJAの水面走りを擬似的に再現して見せた。子供たちだけではなく、
「あ、やべっ。ミスったああああああぁぁぁぁ!?」
当然、沈んだ。
凄まじい水飛沫を巻き起こしながら紡絆の肉体が沈むが、紡絆は諦めて泳ぐ。
最初からそうしろという話だが、本来なら跳躍してキャッチした後に、すぐ陸へと戻る予定だったのである。
じゃあなんで川の上を走った、と言われれば行けると思ったとしか返ってこないと思われるので、聞かない方が良いだろう。
「ぷくぷく……ぷはぁ! あー、びしょ濡れ……傷治っていてよかったー」
5月7日。遅くなった風の誕生日パーティを行った日。
そして今日は月曜日であり、5月9日。
腹以外は治っていた紡絆も完治したのはいいが、友奈と東郷を先に行かせ、現在遅刻中の紡絆は朝っぱらから普段での範囲内の全力ダッシュで学校に向かっていると、子供が困っていたので地面を蹴って飛び出し、川を走った。
それだけである。
「お、おにいちゃんだいじょうぶかー!?」
「おー! へーきへーき! それより投げるぞー!」
サッカーボールを片手で挙げながら斜め上に飛ばす意識をしつつ、首の付近で固定して片手で押し出すように投げた。
そのように砲丸投げのような要領で飛ばすと、ボールは無事に子供たちが居た方へと見事落ちた。
「ありがとー!」
「気をつけて遊べよー!」
「はーい!」
距離的に大声でしか会話出来ないため、次は気をつけるように言いつつ、紡絆は手を振る子供たちを笑顔で見送り、ふと別の畔に視線を向ければ、泣いている子がいた。
何かを探しているようで、紡絆は迷いなくそこへ泳いでいく---ついでに、近くにあった流されてきたものらしいものだけは回収していた。
そして川から出ると、すぐに走って鞄を投げ捨てた場所に戻り、鞄を回収してからタオルで流されてきた物を拭く。
綺麗になったのを見て頷くと、カバンにタオルと一緒に突っ込んでからびしょ濡れのまま泣いている子に近づいていく。
「よっ……と。えーと、どうしたんだ? 何か探し物?」
出来る限り優しく、目線を合わせるように屈みながら声をかける。
そこで探していた女の子は紡絆のことに気づき、目元に涙を貯めながら一瞬悩み---すぐに打ち明けた。
「そ、それがね……」
「うんうん」
「と、ともだちのくーちゃんを……なくしちゃって……。みつかんないのぉ……! うわぁぁぁん……!」
不安そうに、悲しそうに言う女の子。
まだ幼く、一人で探しに来たのだろうか。泣き始めた女の子に紡絆が慌て出した。
(く、くーちゃん? あぁ、人形かぬいぐるみの名前か? というかこの絵面はやばい! 慰めないと!)
一体何が分からないが、紡絆は閃いた。
幼い子供は、人形やぬいぐるみに名前を付けることは多いというイメージがある。だから名前らしきものを聞いてどちらなどではないかと納得するが、今は女の子をあやさないと間違いなく通報されて警察のお世話になることは間違いなし。
しかしほんのひと握りの可能性だが、解決出来るかもしれない、と思いながらあやすための行動に入る。
「い、一旦落ち着こう! ほら、よしよし。お兄ちゃんも一緒に探してあげるから、二人で探せばすぐ見つかるよ!」
「い、いいの……?」
そっと頭を撫でながら優しい言葉を掛ける。
そしてあやしながらカバンから取り出したハンカチで女の子の涙を丁寧に拭い、紡絆は頷きつつ穏やかな笑顔を向けた。
「あ、でもさ。お兄ちゃんはくーちゃんと会ったことないんだ。だから特徴とか、教えてくれないかな? どんな感じか教えてくれたら、絶対見つけるから!」
「ほ、ほんとに……?」
「もちろん! だから今は泣くより、見つけてあげよう! きっとくーちゃんも不安で、泣いてる。だからくーちゃんのためにも、キミのためにも一緒に探そう?」
「……うん!」
女の子が力強く頷き、泣き止んだのを見ると紡絆は心底安心したように息を吐く。
主に通報されずに済んだことによって。
「それじゃあ、どんな感じかは言える?」
「ん……えっと、くまさんのぬいぐるみで……赤いリボンがあるの。ピンク色のお洋服を着ていて、可愛いの!」
(ふむふむ……あれ、これでは?)
さっき川で泳いでいた際に拾ったものを思い出し、カバンに視線を向けると、特徴が完全に一致していた。
だがカバンから取り出して渡したら怪しまれても困るので、どうするか悩んだ結果、一つ芸をすることにした。
「そっか。じゃあさ、お兄ちゃんがここで一つ魔法を見せてあげよう」
「まほう?」
「そう、くーちゃんを呼び出す魔法」
「おにーちゃん、まほう使いさんなの!?」
「まだまだ修行の身だけどね。でもお兄ちゃんの魔法は準備が必要で、それは誰かに見られたらダメなんだ。だから少しの間だけ目を瞑ってくれないかな?」
子供というのは純粋で、魔法と聞いて目を輝かせ、紡絆の言葉をあっさりと信じて女の子が目を瞑る。
一応変身魔法という名のウルトラマンに変身することは出来るので、嘘では無いのだが魔法ではないので、少しの申し訳なさと共にカバンからぬいぐるみを取り出し、周囲を見渡して良さげな花を一つ摘んだ。
「はい、もういいよ」
紡絆の言葉を聞いて女の子が目を開けるが、首を傾げた。
何の変化もなく、何も無いからだ。
「あれ……?」
「ここからが本番。今からここにあるお花がキミが探しているくーちゃんを呼び出してくれるところを見せてあげるから」
「お花さんがくーちゃんを?」
「そうだよ。じゃあ、三秒のカウントするからこの一輪の花をしっかり見てて」
きょとんと不思議そうに見つめながら頷く女の子の姿を見ながら、紡絆は笑みを浮かべ、行動する。
「さーん、にー、いーち---はいっ!」
カウントを終え、同時にパンっと両手を打ち合わせて高い音を鳴らす。
突然の拍手に女の子が驚くが、また驚くことになる。
気がつけば紡絆の手からは花が消え、彼女が探していたくまのぬいぐるみに変わっていたのだから。
原理を説明すると、猫騙しの要領だ。
大人ならすぐに分かるだろうが、子供には突然現れたようにしか見えない。高い音を鳴らすことで瞬きした一瞬にぬいぐるみを差し出したという割としょうもない種も仕掛けもありまくる魔法という名のマジックでもなんでもないやつである。
「どうぞ」
「くーちゃんだっ! おにーちゃんすごいすごい! どうやったの!?」
「あはは……それは秘密」
ぬいぐるみを差し出し、実際にあっているようで、大はしゃぎする女の子を見てすっかりと元気になったことに紡絆はただ微笑む。
普通に渡しても幼い子なら怪しむことなく喜ぶだろうが、どうせなら元気にもなって欲しい。だからこそ、芸のひとつをした。
子供の、それも幼い子にしか通用しないであろう技だろうが、元気になったことから成功したのだと紡絆は安堵の息を吐く。
ちなみに花は服から出して、そっと地面に埋めていたりする。
「それより、くーちゃんはどうやらちょっと汚れちゃったみたいなんだ。だから帰ったら綺麗にしてあげて。えっと……母親、お母さんは?」
「うん! あっ……そうだった! お母さんがまいごだった!」
「じゃあ、今度はお母さんも探してあげよう!」
「さがす!」
手を差し出し、手を繋ぐと紡絆は女の子と一緒に歩幅を合わせながら歩いていく。
迷子になったのは明らかに母親ではなく女の子の方だろうが、紡絆は微笑ましそうに見るだけでツッコミを入れたりはしない。
ただ不安にさせないように女の子と会話をしながら、時々褒めるように撫でてあげたり、会話をしながらあちこちに視線を向けて意識を聴覚に集中させたりして母親の場所を探っていた。
と言っても、女の子の会話が途切れることがないため、割と大変なのだが、全く苦とは思わずに平気に対応してることから、紡絆は慣れているのかもしれない。
「それでね、お母さんはいつもやさしくて、でもたまにこわいの。わたしがわるいこにならないようにっていってるんだけど……」
「そうだな、お母さんはキミよりずっと生きてきたから、キミが将来困らないように注意してるんじゃないかな。お母さんの言うことは聞いていて損はしないし、お母さんはキミがそのくーちゃんを想っていたように、同じくキミのことを物凄く想っていってるんだと思う」
「わたしと、おなじ……?」
「そう、だからお母さんや家族を大切にね。大丈夫、キミはくーちゃんを一人で泣きながらも探せるいい子だ。お母さんの言うことをしっかり聞いていれば、きっといい子に育つよ」
「……うんっ。えへへ、おにーちゃんの手、あったかい」
「なら良かった」
紡絆は女の子の頭を撫でながら間違えないように助言し、彼女の母親を探していると、ふと彼の耳には遠のいていくが、誰かを探すように叫んでいる女の人の声が聞こえた。
「---か! ---いるの!?」
「……見つけた。ちょっとごめん! しっかり捕まってて!」
「ふぇ?」
だんだんと遠のいていくことから、分かってないのだろうと察した紡絆は女の子に謝りつつお姫様抱っこの形で抱えれば、かなりの速度で走っていく。
落とさないように抱えているとはいえ、不安にさせたかも---と思っていると、女の子がはしゃいでいたので問題ないと判断した。
「---夢叶! 見つからない……どうしたら---」
「こっ、この子の、おかあ……さん、ですか……!?」
かなりの距離を走ってきたのだろう。
息を整えながら追いついた紡絆は慌てて話しかけ、女の子を降ろす。
そして紡絆に気づいたであろう女の人が確認するように振り向いた瞬間---
「おかあさんっ!」
「っ!? 夢叶っ! もう、心配させて……!」
夢叶、という女の子が母親らしき人に抱きついた。
目元に涙を貯めながら抱きしめる母親らしき---いや、母親の姿を見て紡絆は顔を綻ばせる。
名前も知らず、何故紡絆が彼女の母親か判断出来たかと言うと、母親の特徴で特定したのだ。
仮に女の子が知らなければ、紡絆は走ってでも探す予定だったが、杞憂だったらしい。
そして紡絆が見守っていると、母親が気づいたように夢叶と手を繋ぎながら頭を下げてきた。
「すみません、ありがとうございました! お陰で夢叶と合流出来て、本当に何とお礼を言えばいいのか……」
「いえいえ、お礼なら笑顔という点で受け取ってますし、気にしないでください! あ、でもお礼と言うなら、是非とも困ったことがあれば讃州中学勇者部のホームページにご依頼をお申し付けください! じゃあ、俺は学校遅刻中なので……!」
別にお礼目的で人助けしている紡絆ではないため、捲し立てるように言いながら長居をしないためにカバンを持ち直して会釈した。
「じゃあ……夢叶ちゃん、でいいのかな。今度は無くさないようにね」
「うん! それとね、おにーちゃん。言いたいことがあるの!」
「言いたいこと?」
紡絆が何か分からずに、母親に視線をやれば、母親も分からないようで首を横に振っていた。
ただ夢叶の表情は明るいが、真剣なので紡絆はしっかりと聞くことにしたのだろう。
耳を傾ける紡絆に、夢叶が口を開いた---
「その……」
「んー?」
「ゆ、夢叶ね、大きくなったらおにーちゃんのおよめさんになる!」
照れたようにぬいぐるみで顔を隠しながら宣言する夢叶の姿に、母親は困ったような、申し訳なさそうな表情を。
紡絆は若干驚きながら、子供らしい姿に微笑む。
「んーなら待ってるよ。じゃあ、またね」
「う、うん…っ」
「本当に、ありがとうございました。それと……すみません」
「いえいえ。ではっ、何かお困り事がありましたら是非とも讃州中学勇者部に!」
母親は感謝を述べながら、色々と申し訳なさそうにしていたが、紡絆は子供の冗談だろうと本気にせずに気にしてないというように首を横に振り、すぐに走っていった。
「おにーちゃん、またねー!」
「おう!」
走りながら振り向くと。頭を深く下げてお辞儀する母親と笑顔で手を振る夢叶の姿を見て、手を一瞬だけ振り返しながらすぐに前を見て走っていった---
「遅刻しましたー!」
「継受くん。遅刻したなら連絡を---ってどうしてそんな濡れてるの!?」
「あっ、川泳いで濡れたままだった!」
ちなみに、友奈と東郷とは同じクラスの紡絆なので、友奈と東郷は察して苦笑を。
クラス内は笑いに包まれていたのは余談だろう。
場所は変わって勇者部の部室。
そこでは体操服の紡絆が一人だけ違和感はあるが、いつも通りのメンバーが居た。
「それで紡絆くんがびしょ濡れのまま来たんですよ!」
「何やってるのよ……」
「いやー、子供が困ってたので川にダイブしたり女の子を助けたりしてたら自分がびしょ濡れになってたことすっぽりと記憶から抜け落ちてたんですよね、笑えます」
「笑えることじゃないような……」
「遅刻しているのに人助けするのは紡絆くんらしいわ」
あははーと笑いながら遅刻した時の状況を話す紡絆。
後輩から飛んでくる言葉は華麗にスルーした。
「でも紡絆くんのことだから、その子たちのこと笑顔にできたんでしょ? さすが!」
「子供は笑顔で過ごして欲しいからな。女の子の方にはお嫁さんになる宣言されたのは反応に困ったけど」
「紡絆先輩……それは……」
「いや手を出したりしてないから! そんな目で見ないで!? いっちゃんダメージ来るから!」
じとーとした目で樹に見られ、弁解しようとする紡絆。
相も変わらず、紡絆が居るだけで騒がしかった。
そんな姿を見ながら、風が咳払いをひとつ。
「さて、話はそこそこに。今日も勇者部の活動を始めるわよー!」
「「はい!」」
「はーいー!」
「はいは伸ばさない!」
「あっ、はい。スミマセン……」
「準備しますね」
気持ちを入れ替え、早速ツッコミを受けた人物が居たが、勇者部は今日も今日とて依頼を受けては達成するために活動を始める。
時に戦い、時に学び、時に遊び、時にご飯を食べ、時に相談に乗り、時に人助けする。
讃州中学勇者部はやることが多い。
503:名無しの転生者 ID:2W3+hc0D7
で、イッチ。言い訳は?
504:名無しの転生者 ID:9WgWf2xze
今なら弁解を許すぞ
505:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
子供の冗談じゃん! そんな本気にしなくたっていいじゃん!
506:名無しの転生者 ID:LcKaVLuv6
イッチって幼い子にしか興味がないから友奈ちゃんたちに手を出さないのでは……?
507:名無しの転生者 ID:uvW29Nalv
なんだよ、まったく。イッチもこっち側なら早く言えよなー!
508:名無しの転生者 ID:DVoeGyzOY
世間はそれをロリコンと呼ぶんですけどね
509:名無しの転生者 ID:CfGmhWhoF
通報しておきますね〜
510:名無しの転生者 ID:wJcUojCq5
ここは全く変わってなくてなんか安心したわ
511:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
勝手にロリコンにされた挙句勝手に通報されそうになってるんだけど
俺からすると子育てする父親の気持ちだったんだが
512:名無しの転生者 ID:95cSrPHuF
だって……暇だもん
513:名無しの転生者 ID:Ro83XVNlN
つーか、そんなことどうでもいいんだよ。いつになったらもう一つの安価すんだよ
514:名無しの転生者 ID:ZtvtDKWRX
安価ずっと残ったままやぞ!
515:名無しの転生者 ID:7/qRX7RNt
残る一つなんだっけ?
516:名無しの転生者 ID:0aoQxsGL4
安価の存在忘れてたわ
517:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
ひっで! お前らが勝手に蒸し返したくせに!
>>515
友奈の相談を聞く、だよ! 絶対すぐ終わるやつ!
518:名無しの転生者 ID:husfnKacn
友奈ちゃんって抱え込みそうに見えて相談はしそうだもんなぁ
519:名無しの転生者 ID:8qIOToBjD
でもイッチも含めて勇者部は絶対ほぼ一人で抱え込む連中の集まりやろ……
520:名無しの転生者 ID:3FnwdIdx2
とりあえずイッチは反省しろ
521:名無しの転生者 ID:jnHERDPgI
安価がどうであれ、イッチは一人で抱えたせいで死にかけたからな。ウルトラマンの重圧は特撮好きからすると分かるけどよ
522:名無しの転生者 ID:t3mn08nJH
テレビ放送されてなくてホントに良かった…
523:名無しの転生者 ID:MaXgvaOT3
いくらバカなイッチでもそろそろ学習してるだろ
524:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
流石に抱え込んだりはしないって。前にも言った気がするが、家族が死んだことについて自分を責め続けてたけど、もう姫矢さんと会った時に解決してるし、むしろ何も考えてないまである
525:名無しの転生者 ID:cGEZ8Dqm7
何も考えてないのは逆にやばくて草
526:名無しの転生者 ID:ThCCu/2Re
ここのイッチは両極端にしか出来んのか…?
527:名無しの転生者 ID:UYq2HcHVP
はへーだから幼女を『堕した』んですねぇ!
528:名無しの転生者 ID:deTQC5yIc
このロリコンめっ!
529:名無しの転生者 ID:CxVMy2DjF
絶対イッチはラノベかエロゲーに出てくる主人公タイプだろ
530:名無しの転生者 ID:DSI9dOi/I
美森ちゃんの時もそうだけどさ、いつか刺されても知らんぞ。あ、毒殺はされかけてたな!
531:名無しの転生者 ID:7s5X8vEed
むしろそろそろ刺されろ
532:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
あはは、面白い冗談言うなぁ。
確かにウルトラマンの力を手に入れた時点で主人公っぽいけど、そんなわけないでしょ。アニメや小説じゃあないんだから。
それに刺されるわけないだろ。ハーレム主人公でもないし、そもそも彼女とかいないし普通に生きてるだけなんだから
533:名無しの転生者 ID:KGrRITQIt
普通(水面走り)
534:名無しの転生者 ID:VIr+lrgPZ
普通(おもちゃのために自ら車に轢かれそうになる)
535:名無しの転生者 ID:17K5KC84H
普通とは(哲学)
536:名無しの転生者 ID:dFFrCMYsH
>>532
ちょっと真面目に誰かこの子に辞書送ってあげて……
537:名無しの転生者 ID:wnYEU0l+B
イッチってさぁ、小学生からやり直した方がええんちゃうん…? 毎回価値観が何処かに逝ってる
538:名無しの転生者 ID:gHMTrrJoC
さては前世でもアホだったろ?
539:名無しの転生者 ID:eb5lyql2J
まあ、いうてイッチの場合は今の世界で生きた人格と合わさった感じっぽいから前世の記憶っつーより前世の知識、って方がしっくりくるイメージ
540:名無しの転生者 ID:c0Qr9p6fg
前世の記憶を取り戻した人たちも色んなパターンあるもんなぁ。
例えば人格塗り替えるタイプ、完全に融合するタイプ、前世の記憶はあるけど、そのままなタイプとか
541:名無しの転生者 ID:zW2oy37pb
>>539
ほんこれ
今までの様子からして、前世の記憶を思い出しても性格とか変わってないようだし
つまり、ずっと自己犠牲だったんかコイツ……やべぇわ。特撮ヒーローになるだけあるわ
542:名無しの転生者 ID:+/d6ruLmm
ま、イッチははよ安価達成してくれ
543:名無しの転生者 ID:FdH8ldq+B
次の安価もやりたいからな!
544:名無しの転生者 ID:J41Y5gAg+
安価は(イッチを地獄に送り込むための)楽しみのひとつなんだ
545:名無しの転生者 ID:dPzg0QSmS
さらっと次もやること確定してるのは草
546:名無しの転生者 ID:iROGbDKMp
今度は恥ずかしい系をやらせたいぜ
547:名無しの転生者 ID:1YPgze61p
>>532
日常を過ごす上で一般人なら死にかけるようなことをするのが普通なのか……
548:名無しの転生者 ID:rnlUiFWCO
>>532
これマジ?
夜道には気をつけておけよ
549:名無しの転生者 ID:Z6IugRMxc
そろそろ百合空間をもっと見せろ
550:名無しの転生者 ID:6MEW9jqBn
次の安価ではイッチはイチャイチャを見守るとかになりゃいいのに
551:名無しの転生者 ID:0IbcVDYgO
平和だなぁ……
552:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
ある意味平和だけどここのせいで平穏とは言えない件について。
まぁ、安価と他色々頑張りますわ
結城友奈にとって、継受紡絆はかけがえのない友だ。
互いに似ているためにすぐ息が合ったのもあるが、紡絆は気の合う異性の友達なのだ。
というより、はっきり言うと、勇者部の女子一同は異性の友人が居ない。話すような仲は居ても、明確に友人とも言いきれる仲はいないのだ。
唯一言えるのが、紡絆だけである。
その中でも、友奈と東郷は紡絆をただの友達ではなく、親友だと思っている。紡絆も同じく思っていることだろう。
風と樹とは違い、家が近所である友奈と東郷は紡絆と一緒に居る時間も多かったし、行動も大半共にしていた。
だからこそ、自然と友達という枠組みに入るのではなく、親友として思うようになったのだろう。
だが、親友とはいえども、紡絆は異性だ。
現に---
「紡絆くん、もう大丈夫?」
「あー、ちょいまちー。まだズボン履いてないから」
友奈は紡絆の部屋の前で待っていた。
理由としては、制服がそんな短時間で乾くはずもなく、風邪を引かないためにも着替えるために一度家に戻ってきたというわけだ。
そして流石に紡絆自身も友奈を異性で、女の子と認識しているため、外で待たせる訳には行かないと家の中に入れたわけである。
「ごめんごめん。じゃ、行こうか」
「うん! よぉーし、紡絆くんに負けないくらい頑張るぞー!」
「俺も負けないようにしなくっちゃなー」
着替え終えた紡絆は私服となったが、一緒に外に出ては鍵を閉めてから依頼先へ移動するために歩く。
その間、紡絆は友奈に話しかけていた。
「そういやさ、依頼なんだっけ?」
「あ、ええと……ちょっと待ってね」
ここに東郷が居ればすぐに返ってきただろうが、残念ながら居ないし二人とも覚えてもなかった。
そのため友奈が確認のためにスマホを弄ってる間に紡絆はしっかりと前を見て、何かがあったら対応できるようにしておく。
「あった! えっと、荷物運び、だね。依頼主さん曰く、運んで欲しいものがいっぱいあるんだって」
「なるほど、シンプルで分かりやすいな」
「そうだね」
頭を使う心配もないことにやりやすいというように頷くと、友奈も同じことを思ったのか、頷いていた。
二人とも頭を使う作業は得意ではないのだろう。そもそも身体を動かす系統の方が好きな二人なので、それは察せられると思うが。
「さて、それじゃあさっさと終わらせますかね!」
「おーっ!」
とにかく依頼をするには依頼主の元へと向かわなければならない。
紡絆が気合を入れるような言葉を言うと、少し急ぎ気味に二人は依頼主の元へと向かうのだった---。
場所は変わり、依頼主の元へ辿り着いた紡絆と友奈は説明を聞いた。
イベントをしたいため、衣装や小道具、大道具などといった資材などを運んで欲しい、ということだった。
距離はそんなにないため、予算的にも業者に頼む訳にもいかず、時間がないためにやたら多い荷物なだけあって時間がかかる。
そして人員を荷物運びに割ることも難しい。
そんな時に知ったのが、讃州中学勇者部のこと。
依頼を受けてくれるということで、藁に縋る思いで依頼したらしい。
そもそもどうしてそんな依頼をすることになったのかというと、普段は間に合うように余裕を持っているのに、何故か今回は上からの指示で早めさせられたらしい。
そのことで、あの連中はこっちの苦労も知らないで---などといった愚痴には友奈も紡絆も苦笑するしかない。
閑話休題---
「こほん、それでお願いしたいんだけど……大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ。大道具といっても、グランドピアノクラスはないですしね」
「私も大丈夫です! お任せください!」
「じゃあ、お願いね。
分からないことがあったら気にせずに聞いてくれていいから。本当に助かっちゃう」
「はい、そちらも頑張ってください」
「えぇ」
話を聞いてから急いで仕事に戻る依頼主を見送ると、本当に時間が無いのだと分かる。
紡絆もすぐに気を引き締め、大量にある荷物を見つめた。
「これ、一日で終わるか?」
「ど、どうだろ…?」
「ま、やっていくしかないよなぁ。
俺こっちやるから、友奈はそっち任せる」
自然とした気遣いなのか、紡絆は明らかに重たいと分かる物ばかりがある方を担当するといい、友奈に任せると言った方は比較的軽い物ばかりだ。
「分かった! けど、大丈夫?」
「大丈夫だって。こういう風に男手が必要な時があるから、俺がいるわけだしな。
それよりぱっぱとやって終わらせよう」
「うん。無理はしないでね」
「そっちもな」
重ねた椅子を紡絆は一気に持ち、少しでも早く終わらせるために歩みを進める。
友奈はダンボール箱を持って紡絆の隣を歩いていた。
「あ、これ……連絡するべきか?」
「時間かかりそうだし、それがいいかも。これ運び終わったら東郷さんと風先輩に連絡しよ?」
「そうだな。もし遅くなるようなら、先に東郷だけ家に帰してからもう一度来ればいいか……」
ふと気づいたように声を挙げると、友奈も同感というように頷いていた。
誰かに任せるという選択肢はないようだが、足が動かない東郷を車椅子で押すということは彼女の命を預かるということだ。
紡絆は友奈なら譲れるが、他の人たちのことは信頼していてもあまり譲るという気持ちはなかった。
それは友奈も同じくで、その役目を譲るとしてもどうしてもそうするしかない時のみである。
「あ、もう見えてきた。本当に距離はそこまで離れてないんだね」
「ただあの量は……確かに他に終わってないことが多いなら、依頼した理由にも納得。そもそもイベントをするなら準備期間が一番人員も時間もかかるからな」
距離は荷物を持ちながらでも、歩いて五分ほどの距離だ。
本当にそこまで離れている訳ではなく、確かに業者に頼むかどうかと言われると予算に関係があるなら頼まずに少しでも別のことに使いたいだろう。
何らかの事態に陥って足りなくなったりしたら買うことだって出来るのだから。
「っしょ。えーと……友奈、そこのテーブルに置いといて欲しいだって」
「ここ?」
「そうそう、椅子は…こっちか」
ある程度設置する場所についてのメモを貰っていた紡絆は椅子を正しく置き、友奈の荷物も書いてある通りに指示していた。
本当は持っていくだけで良いという話だったのだが、どうせならと自ら志願したのだ。
そして置いたものを置くと、東郷と風に連絡だけしてすぐに戻り、別の物を取りに行く。
設置する場所に辿り着けば、紡絆がしっかりと指示を出して指定の場所へ置き、また取りに行けば、また指定の場所に。
ただそれだけを繰り返す作業だが、これがまた体力をかなり使う。
運動系が得意である友奈と紡絆ですら、そもそも中学生だ。まだまだ若いとはいえ、体力の量というのは一般の学生よりかは多いが、少ない。
ウルトラマンを宿す紡絆に至っては、強化された身体能力を使っていないのだ。だからこそ、通常の彼が持つ身体能力と体力のみでこなしているため、実は体力の消費が凄まじい。
何よりも、ただ歩くだけではなく、二人とも物を持っている。人間というのは物を持ちながら歩くだけでも筋力を使ってしまう。歩くだけなら一番使うのは足だけだが、持つということは腕の力も必要なのだ。
紡絆が重たい方を優先的に持ってるとはいえ、友奈の方にも重たい物は入っているだろう。
あくまで五分というのは目安であって、重量によってはそれ以上に時間もかかったりする。
「……ダメだな、これ」
戻って見てみれば、ようやく残り半分くらいと言うべきか。機材に至ってはより慎重に扱わないといけないため、一人で持つというのは危険すぎて出来ないのである。
その分、二人で持つということは時間がかかる。
だからこその、発言。
「ふぅ……でも重たいのはかなり無くなったよ?」
「残りは俺一人で持てるから大丈夫。ただ……作戦を変更しよう」
「作戦?」
腕で汗を拭った友奈に言葉に紡絆は提案すると、友奈が首を傾げる。
そもそも作戦なんてないのだから仕方がない。
「まず友奈。先に帰って、東郷を家に帰してあげてくれないか? 正直、時間かかるからその方が東郷を待たせずに済む。
そして次に、友奈が東郷を帰してる間に俺は残りをやる---これが俺の立てた作戦だ!」
「確かにまだまだかかりそうだもんね〜。役割分担ってことだ。
でも紡絆くんも疲れてるのにそれは……」
「へーきへーき! ほら、頼んでいいか? それにここから帰るってことだから友奈にも負担かけさせるし、気にすることじゃない」
作戦という名の自身に負担をかけるだけのものだが、紡絆の言う通り体力の減っている友奈は帰る時にまた体力を消費する。
---ただし、それは作業を続ける紡絆の方が負担がでかいというのは誰にでも分かるのだが。
それは友奈にも分かっているのか、迷うように渋るが、紡絆の言ってることは間違っていない。
「じゃあ、紡絆くんの言う通りにする……けど、戻ってくるからあまり無茶はしないでね?」
「おっけー。そっちも気をつけろよ?」
「もちろん! じゃあ、すぐに戻ってくるから!」
「や、そんな急いで来て体力なかったから意味ないから、ゆっくりでいいからな?」
「そこは大丈夫!」
「そうか…じゃ、こっちはこっちで任せろ!」
「うん!」
まとまったらしく行動する---前に互いに頷く。
任せる、という意味だろう。
友奈は学校へ。紡絆は残りの作業を終わらせるために、向き合う。
「さーて……別にこれを全て片付けてしまっても、構わんのだろう?」
誰に言ったのか、某傭兵の如きセリフを吐いた紡絆は残る戦いへと挑んだ。
本当の戦いはこれからだ! という、打ち切りエンドのような雰囲気を醸し出しながら。
626:名無しの転生者 ID:sHVAVDmeB
それで暇になった……と。バカなのか?
627:名無しの転生者 ID:XAzw1vTcm
間違いなくバカだな。平常運転だ
628:名無しの転生者 ID:ep9q81n4+
だからあれほどフラグはやめろと……
629:名無しの転生者 ID:vSX2IDtWA
イッチってフラグをすぐ回収するよな。一級持ってんじゃないか?
630:名無しの転生者 ID:lfeUldfAs
友奈ちゃんの負担を減らそうと努力した点だけは褒めてやろう
631:名無しの転生者 ID:zwSEBXJ07
ただ結局んとこ、終わってないと意味ないんだよなぁ。
無能
632:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
あと少しだったんだ……あと少しで終わったはずなんだ……! まさか体力の限界が訪れようとは……!
633:名無しの転生者 ID:9CyOQqnNg
確かにイッチは文学系というよりかは体育会系だもんな。体力は一般人よりかはあるだろうが、いくら人外じみていて、某正義の味方に憧れる魔術使いのような人間みたいな不幸だと叫ぶ人みたいな考えを持っていても結局は人間だから限界はあるでしょ。てか、途中からへとへとになってたのになんで行けると思ったん? 馬鹿なのか? 馬鹿なんだろ!?
634:名無しの転生者 ID:dCF2T257h
なんか……イッチって残念だな
635:名無しの転生者 ID:rB/7pdplu
主に頭がな
636:名無しの転生者 ID:4PgfB4xig
身体能力と戦闘センスと引き換えに頭は悪いんだろうな……可哀想に
637:名無しの転生者 ID:HFHf8l+Ih
神は一つ、二つは与えても全部は与えなかったんやなって
638:名無しの転生者 ID:AIsabB2ol
ちゃんと自己管理しよーぜ。イッチは無茶しすぎなんだよ
639:名無しの転生者 ID:V+nGuDxu3
本来ならこれを時間もない中運ばなきゃいけなかったのか……全くさぁ。上の連中って早めることだけはするくせに考えてないのマジでやめろよ
640:名無しの転生者 ID:QnZ7Uq3ai
前世…会社……無能な上司……うっ、頭が
641:名無しの転生者 ID:9O+G4VWFS
思い出したくない記憶が蘇る……!
642:名無しの転生者 ID:569A3nyw1
社会人って大変なんだな……
643:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
俺のどこが残念なんですかね……?
644:名無しの転生者 ID:tR1EcvGQG
>>640
やめろぉ!(建前) ヤメルルォ!(本音)
645:名無しの転生者 ID:tNa/YBYzw
>>643
頭
646:名無しの転生者 ID:fFvL1RPlE
>>643
存在そのもの
647:名無しの転生者 ID:YAyXUDYlL
>>643
バカ
648:名無しの転生者 ID:Io9YvSqCj
>>643
女たらし
649:名無しの転生者 ID:9iucjplnf
>>643
前世の知識すら役に立ててないとこ
650:名無しの転生者 ID:FGn3+G/Il
>>643
草
651:光を継いだ転生者 ID:nX2S4UypW
いや、前世なんて役に立たない知識ばかりだしなぁ。
勉強にちょい使える程度よ。
それに女たらしって……俺のどこを見たらそう思えるんだよ
652:名無しの転生者 ID:TZ9Gqp6yt
はー?
653:名無しの転生者 ID:rkeDdeEWM
殴れるなら殴ってるわ
654:名無しの転生者 ID:1U9MULtEU
天然怖いわぁ。それにイッチが色々と純粋過ぎて逆に怖い
655:名無しの転生者 ID:vSOvL8qVt
そのまま寝てろ、バカ
現実だけではなく、掲示板にですらバカ扱いされている紡絆だが、そんな彼は荷物の下敷きになりながら暇潰しとして会話をしていた。
残る荷物の量はそんなにないのだが、猛ダッシュで行き来をした紡絆に体力の限界が訪れ、少し休もうとしたら積み上がっていた荷物に潰されたというわけである。
「……ふぁぁ、寝れそう」
体力の回復と筋力の回復を待つため、暇な紡絆は欠伸をした。
むしろ寝そうになっている。
別に紡絆は起き上がれないわけではないが、割れ物があるかもしれないので下手に動けないのだろう。
ちなみに思い切り廃棄物と書かれているのだが、気づくことは無かった。
「あー……どうしよー」
助けを求めたいところだが、残念ながら誰もいない。
というか、流石に重たいため早く退きたいのが本音である。
ダンボールの山に潰されてしまうと重たいことから、中には本などあるのかもしれない。
少なくとも割れ物は優先的に運んでおり、違う場所に置かれていたような記憶が紡絆にあるため、ないとほぼほぼ断言出来るし割れたような、ヒビが入ったような音は聞こえなかったことからないのだろう。
つまり、結局のところは問題はなかったが、重たい何かが入っているということだ。
本なのか、使わなくなった衣装などか、それとも壊れたのか、または取れないほどに汚れまくって使えなくなった置き物なのか、それは分からないが。
しかし、暇なのだ。手も動かせないから何もすることはなく、ただ時間を過ぎるのを待つだけ。
もうそろそろ諦めて起き上がろうかな、などと言った考えが生まれてくる始末---
「紡絆くん、お待たせー! ってえぇ!?」
そんな時、友奈は戻ってきたのと同時に、驚愕した。
いきなり仲間が荷物に押し潰されていたらびっくりするだろう。
「おー、友奈。へるぷー!」
「ちょ、ちょっと待ってね!」
紡絆の助けを求める声を聞いて、急いで荷物を退かしていく。
一つ一つ積み上がっている荷物を退かしていくと、少ししてから紡絆は解放され、廃棄物と書かれていることに気づいた時には纏めた場所に置いておいた。
「いやー、助かった助かった」
「どうしてあんなことに?」
「あとちょっとまで減らしたんだけど、疲れたから休もうとしたら気づかずに潰されちゃってさ。たはは」
「もう、無理はしちゃダメだよ。大丈夫? 何処か痛めてない?」
「ごめんごめん。俺は大丈夫だから終わらせよう! 報告して終了だ! もう軽いものしかないしすぐに終わるから!」
「ん〜、確かにもうあまりなさそう。あとちょっと、頑張ろっか!」
押し潰されていたことから痛めたのではないかと心配するが、平気そうに残りを片付けようと言う紡絆に友奈も残りの量を見て頷き、再び作業へ入った。
本当に少ないのか、20分もすれば全て無くなっており、ぎっしりとあった部屋の中はほとんど蛻の殻となっていた。
残るは報告だけとなり、依頼主に確認して貰うことに。
「うん……完璧ね。本当にここまでしてくれるなんて、驚いたわ。
本当にありがとう。代わりといってはなんだけど、これ受け取ってくれない?」
そう言って差し出してきたのは、喫茶店のクーポン券だ。
二枚差し出されるが、紡絆と友奈はどうすればいいか分からないような表情をしていた。
元々見返りが欲しくてやったわけではないのだから、差し出されるとは思わなかったのだろう。
「え、いや別に俺たちはそのために受けた訳じゃあ---」
「いいからいいから。私、行かないし商店街で取ったものだから。ささやかなお礼」
「あ、じゃ、じゃあ……ありがとうございます」
「ま、まぁ……そこまで言うなら貰いますけど、ありがとうございます」
しかし無理矢理と言った感じで握らされてしまうと、流石にいらないと言う訳にも行かず、渋々受け取りながらお礼を述べる友奈と紡絆。
「気にしないで。貴方たちはまだまだ子供なんだから、大人として何かはさせて欲しかったの。また困ったことがあったら頼むかもしれないし、ね?」
「……なら、またの御依頼、お待ちしてますね。じゃあ、時間も時間ですし、まだやることあると思うので、そろそろこれで」
「イベント、頑張ってくださいね!」
「ここまでしてもらったんだもの。任せておいて!」
互いにやるべきこと、帰らなければいけないということから会話を程々に別れを告げ、任せてと言ってのけた依頼主の言葉に嬉しそうに笑みを浮かべた紡絆と友奈は会釈してから去っていく。
後日の話だが、イベントは無事に行われ、大盛況だったという嬉しいニュースがホームページに届くのだが、今の紡絆と友奈にはそれを知る術はない。
そして帰り道。
ただ歩きながら、無事に達成出来たことに紡絆と友奈は安心した様子だった。
何事もなく、怪我もなかったのだから。
「そういえば、無事に帰れたのか?」
「うん、ただ東郷さんから紡絆くんが無理しないように見ておいてって言われちゃった」
「……いつの間に俺の保護者みたいになってるんだ? そんな無理しないって」
気になって聞いてみたが、紡絆は聞いた言葉に苦笑する。
しかし本人はそう言っていても、周りから見れば紡絆の行動は無茶ばかりなのだ。
離れていてるからこそ、心配するような発言をされるのは不思議ではないだろう。
「でも紡絆くん。さっきの依頼、自ら重たい物ばかりのをやってたよね。私を気遣って?」
「? あぁ、それがどうかしたか? いらない気遣いなら謝るが」
ふと思い出すように聞かれた言葉に、普通だというように答える紡絆。
そんな紡絆の言葉に友奈は嬉しそうにしつつ、首を横に振った。
「ううん、男の子だなーって」
「むしろ女の子って言われる方が困るんだが!?」
「あはは。そうじゃなくって、なんというか……ええっと、そう! かっこよかったよ? 私を気遣って重たいのを優先的に持ってくれたところとか!」
「ん……そ、そうか」
友奈の言葉を聞いて、珍しく紡絆が照れ臭そうに頬を掻く。
普段恥ずかしがることはそうそうないが、友奈の言葉は嘘偽りない真っ直ぐな言葉。
だからこそ、紡絆の心に一直線に響いたのだろう。
子供なら、本気でも冗談でも照れることは無い。それは幼いが故の純粋さなのだから。
しかし、友奈は美少女で同年代の異性だ。流石の紡絆も気恥しい。
「ま、まぁ……友奈も女の子だしさ、重たいものを持たせても男としてのプライドがなぁ。それに!」
「それに?」
「仮に友奈が怪我して肌に傷をつけたりしたらどう責任取ればいいか分からなくなる!
ほら、友奈は可愛いんだし、肌も健康的で綺麗だしさ」
「へっ!?」
そして、反撃の一撃。
思わぬ言葉に今度は友奈が恥ずかしそうにするが、こちらもたた嘘偽りない真っ直ぐな言葉故に、だ。
本気で言ってるのだと誰でも分かる雰囲気と表情に、友奈も気恥しくなる。
天然と天然。はっきり言って、互いにある意味相性が良く、相性が悪いと言えるだろう。
「………」
「………」
主にこういうことに関しては、互いに悪いのだろう。
普段なら言われてもそこまで問題ない紡絆でも純粋な言葉には恥ずかしがるし、異性と関わりが少なくて、友人としては紡絆しかいない友奈も異性に言われると恥ずかしい。
そのため、無言な空間が発生してしまう。
それを打ち破ったのは---
「あ、あー……どうせなら、何か食べに行こうか。クーポン、貰ったし」
紡絆だった。
依頼主に貰ったクーポン券のことを話題に挙げることで、逸らそうとしているのだろう。
「う、うん……そうだね。いこ!」
それに気づいたのかは定かではないが、友奈も乗る。
そうなるとお店へ行くことが決定したが、さっきの発言に関しては二人とも触れるようなことは無意識にしなかった。
「行くにしても、友奈は食べたいものあるか? 一応喫茶店ならなんでもいいクーポン券らしいが……」
「う、うーん……そう言われると思いつかないかも。見て回りたいかな?」
「んじゃ、目に入った店にしますか」
「そうしよう!」
あまり遅くなりすぎても店が閉まってしまう可能性があるため、若干急ぎ気味に歩きながら、二人は楽しそうに会話しつつ移動していく。
話題は沢山あり、尽きることがない。コミュニケーション能力が高い二人だからこそ、だろうか。
いいや、きっと二人の仲が良いのが一番の要因かもしれない。
他の人からしたら、くだらなくて、普通で、平凡で、それでも沈んでゆく夕陽に照らされながら歩く二人の姿は何処か輝いて見える---楽しそうに見えていた。
普通でいい。いつもと何ら変わらぬ、日常。
それを感じているのだろう。
「……ん。あれでいいか?」
その時、ふと止まった紡絆が指差す。
場所は何らかの喫茶店だろうか。限定スイーツをやっているらしく、紡絆が指差したのは彼が食べたい---わけではない。
一瞬友奈の目線から興味が惹かれていたことに気づいたので、聞いたわけである。
「え? うん、私はいいけど……紡絆くんは?」
「俺は別に食べれたら何でもいいからなぁ……」
「あは、紡絆くんらしいね」
「マジか……自分じゃ自分らしいなんて分からないけど」
「んー、上手く言える自信がないから気にしないで? ほら、行こう!」
何故か返答すると笑われたことに紡絆は首を傾げるが、友奈は話を折ると喫茶店の方に駆け寄って行った。
紡絆はそれを見つつ、すぐについていき、辿り着くとドアを開く。
「いらっしゃーい」
やる気のないマスターと思わしき女性の歓迎の挨拶が聞こえる。
店内は古い喫茶店のようにノスタルジーとアンティーク溢れた内装で、こじんまりとしていてとても落ち着いた感じだった。
紡絆がふと見ると一人の女性がカウンター席に座っていた。
その傍らには山のように積まれたマンガ本。やる気のない様子がすぐに分かってしまうが、今は気にせずに外からあまり見えない席に二人は座る。
「なんかいいね〜」
「内装? まぁ、確かに落ち着く感じだもんな。
客もみんなリラックス出来るような場……あのマスターの態度もあるかも」
メニューを友奈に渡しながら、紡絆は店内を見渡す。
年寄りが全体的に多いが、誰も彼もが楽しそうで、笑顔だ。
まるで自由に自分を出していられる、柔らかいマシュマロのような雰囲気が店内に満ちている。
そんな店内と人々を見て少し嬉しく思うと、先ほどのマスターと思わしき女性が水を二つ持ってきて、テーブルに置いた。
営業スマイルなんてどこ吹く風と言った感じで、むしろ眠そうだ。
「注文決まったら呼んで〜」
「あ、はい。えっと……これって使えます?」
「使える使える。別になんでもいーよ」
やけにフランクな女性に紡絆は苦笑するが、悪くもなく、むしろ心地が良くて当たりの店だと感じた。
「あ、私注文いいですか?」
「ん、決まった?」
「はい、私はこの限定スイーツと、紅茶で。紡絆くんはどうする?」
「俺はコーヒーと……おまかせで」
「りょうかーい」
気の抜けた返事をしながら、店員は注文を受けて調理場に引っ込んでいった。
接客する気が明らかに0だが、不快な思いをさせないのは彼女の持つ独特な空気故だろうか。
そもそもおまかせというメニューがあるのも珍しい。
基本的なおまかせメニューとは高級寿司屋や日本料理店などが得意とするメニューで、シェフが「ここに来たからにはそれなりの覚悟ができているんだろうな」とでも言いたげな薄笑いを浮かべつつ、「その日仕入れた最高の材料を最高の技術で調理しているんだから黙って食え」みたいな、ハンパない気合いの入れ方で作る料理なのだが、この店の場合適当に出す、という意味しかない。
「……まぁ、俺はあの感じ好きだけど」
変に飾らなくとも被らなくとも、自然体で居られる感じ。
まるで勇者部に居る時と変わらない雰囲気に居心地の良さを覚えながら、楽しみという様子が表情に出ている友奈の姿を見て笑う。
(さて……ここなら安価を達成出来るか。食べ終わったら聞いてみよう)
多分今までで簡単で逆に困りそうだと内心で頭を抱える紡絆だが、外の様子を眺める。
もう夕方過ぎの時間帯だからか、人の数は少ない。完全に夜になれば増えるだろうが、今はまだそんなに居なかった。
それでも商店街を歩く家族連れの夫婦や、友達と思われる人と並んで歩く姿など、様々な笑顔の姿を見ていると紡絆は何処か満たされていた。
「---くん? 紡絆くんー?」
「あ、あぁ。ごめん、どうした?」
「もう来てるよ? 店員さん、行っちゃった」
「あー……それはちょっと悪いことしたかもな。会計の時、謝罪しておくとして……今は食べようか」
「うん! いただきます!」
どうやら思い耽っていたらしいと自分自身に呆れた紡絆は、限定スイーツであるケーキを食べ始めた友奈を見て、さっきのマスターと思われる店員を見る。
彼女は何も気にした様子もなく、漫画を読んでいた。
それを見て紡絆は出されたコーヒーを飲みつつ、ふわふわで甘い、フレンチトーストを食べる。
「んー♪ これ、美味しい〜♪ 紡絆くんもどう?」
「い、いや……ケーキはいらないかな……暫く」
見るだけでも中々だが、食べるとなると思い出しそうになるため、目を逸らした。
紡絆にとって、ケーキは一種のトラウマとなっていた。それは風の誕生日会を迎えるためにケーキの練習をしていたのが原因なのだが、友奈たちはアレを知らない。
少なくとも一ヶ月くらい経たないと、紡絆は食べないだろう。
「そっか。そういえばコーヒーは苦くないの?」
「ん、俺はな。飲んでみるか?」
「じゃあちょっとだけ……って苦い!?」
「まぁ、ブラックだからなー」
「わぁ…大人だー」
飲んでいたコーヒーを紡絆がコップの持ち手を持てるように差し出すと、持ち手を持って飲んだ友奈の反応が想定通りで、紡絆は笑いながら返却されたコーヒーを飲む。
「そうか? でも、この店のコーヒーは普通に美味い。雰囲気といい、この店は好きだな」
「はふぅ……私も何だか気に入っちゃった」
「また暇があれば来るか……」
「うん」
友奈は賛成というように頷き、美味しそうに食べながらも幸せそうな表情をする姿に紡絆はコーヒーを飲みながら何処か微笑ましそうに見つめる。
(食べ終わったら、安価の内容やるか……展開が予想出来るから、すぐ終わりそうだけど。その場合俺もひとつ、気になることがあるからそれを聞いてみよう)
これでも紡絆の生きていた記憶上では、友奈と東郷の付き合いはとても長い。
まぁ、二年間近くの記憶しかないのだから当たり前なのだが、紡絆は友奈のこともかなり分かっているつもりだ。
だからこそ、安価の相談を聞く、ということはすぐ終わるだろうな、と予想を立てていた。
「ご馳走様でしたっ!」
「ごちそうさまでした。友奈、終わったならちょっと聞きたいことあるんだが……」
「聞きたいこと? いいけど、私でも答えられる?」
食後の挨拶をすると、紡絆は早速本題へ入るための下準備として言ってみると、友奈は首を傾げる。
「それは友奈次第なんだが…なんかこう、悩みとかないか? 相談に乗れることで」
「急だね〜。どうしたの?」
「ちょっと気になって」
「うーん……そう言われても、今はないかな?」
(はい、終わりー。知ってた! テストとかまだだもんな! 近いのは中間だし!)
こうなることを予想していたのか、内心で軽くため息をつく。
友奈は解決出来ないことなどあれば、紡絆とは違って相談するタイプだ。一方で、
色々と似ている割には、そこで見事なまでに真逆なのである。
「じゃあ……話を変えよう。友奈はどう思ってる?」
「へ? 何を?」
「バーテックスとスペースビーストと戦うことについて、だ」
そう、それこそが紡絆が聞きたかったこと。
あの時は色々と大変だったが、何故か最近は全くと言っていいほど襲撃が来ない。
ならば、聞けるのは落ち着いた今しかないと思ったのだろう。
「えっと……もちろん戦うよ? 誰かが傷つくことになるくらいなら---」
「いや、違う。俺が聞きたいのはそれじゃない。
俺が聞きたいのは友奈の本音だ。
誰かとか別の人とか、勇者部のみんなは関係なく、
友奈が言おうとしている言葉は、紡絆は知っている。以前に聞いたし、紡絆自身もその想いは持っているからだ。
だけど、それはあくまで
「それは……」
「無理に聞くわけじゃない。
けどさ、俺なんかが頼りになるかは分からないけど、男としては---いや、俺としては頼って欲しい。
怖いなら、怖いと言って欲しい。弱い所を見せて欲しいと思う。
友奈も女の子で、中学生なんだ。
俺の前くらいは本当の気持ちを言ってくれないか? 気丈に振る舞わずに」
言い淀む友奈の姿を真っ直ぐ、真剣に見つめる紡絆の瞳には、何の嘘も入っていない。
ただ本当に知りたいと思っているのだろう。
無理には聞かないと言ってる点から、別に答えなくとも良い。その場合、紡絆だってしつこく聞く訳ではなく、すぐに引くに違いない。
友奈の中で迷いが一瞬生まれる。しかし、見つめ返すと、紡絆は何ら変わらぬ様子だった。
だからこそ---
「……うん。本当はね、勇者に初めてなった日、私も東郷さんと同じで、恐怖を感じてたんだ。
樹海に入った時だって不安だったし、バーテックスを見た時も狙われた時も、凄く怖かった。
それでも一番怖かったのは、紡絆くんが死にかけていたときだったんだ。
誰かを失うことが、大切な友達がいなくなると思うと、不安で不安で、とても怖かった」
本音を零す。
それは、友奈が秘めていた弱音だろう。
一見すると、友奈は年齢の割には鋼メンタルを持つ少女だ。でも本当は、年相応のメンタルを持つ少女で、他者のために奮い立たせることの出来る強い勇気があるだけなのだ。
だから当然、恐怖心を抱く。もし一人だったならば、涙を流していたかもしれない。
だがあの場で友奈が弱音を吐いて、涙を流して、弱い姿を見せれば、ただでさえ恐怖心を誰よりも抱いていた東郷がどうなるかなんて、分からない。
そのため、決して涙を貯めても泣くことはしなかった。恐怖に震えていても、動かないことはなかった。
だが今紡絆の目の前に居るのは、ただ一人の、何処にでもいる一人の少女だった。
思い出しているのか、手は震えている。いや、よく見れば体も震えているのだろう。
「……そっか。それはごめん。
でも、友奈は東郷のために勇気を出した。
戦う手段があったから、それを選んだ。本当は怖かっただろうに、本当は逃げ出したかっただろうに」
あの時、友奈は紡絆がウルトラマンに変身出来ることを知らなかったが、あの場に居たのは友奈、東郷、紡絆。
その紡絆は怪我を負っていて、戦える状況とは言い難かった。しかも勇者にはなれないと断言された後だったからこそ、あの場で動ける友奈しか居なくて、選択肢が無くて、友達を、親友を守るために恐怖を勇気で捩じ伏せて変身してみせた。
「だから、これからは何かあったら、弱音を吐きたかったら、俺がいつでも話を聞く。
友奈が一人の普通の女の子ってことを知ってるし、何があったって、助けるから。
友奈がそうやって誰かのために勇気を出して、誰かのために戦うなら、俺が友奈を守る。
そうしたら、友奈も守れるし、みんなも守れる!」
友奈の震えていた手に紡絆は手を重ね、いつもと何ら変わらぬ、笑顔を見せる。
だがその言葉の中には、一つだけ大事なことが抜けている。
紡絆が言ったのは、あくまで
「そっか……紡絆くんは……変わらないね。
紡絆くんと話していると、勇気を貰えるよ。
だから紡絆くんが私を守ってくれるなら、安心だ。
でも、それなら……私も紡絆くんを守る! これでおあいこになる、よね?」
果たして紡絆が入ってないことに気づいたのか定かではないが、友奈は手を重ねる紡絆の手にもう片方の手を重ね、笑顔で聞くように言って見せた。
友奈の震えは、既になかった。不安も、恐怖も、全て。
そして友奈の目の前には驚いたような表情をする紡絆の姿があったが、その紡絆はすぐに柔らかい笑顔を浮かべると、頷く。
「……そうだな、おあいこだ。俺が友奈とみんなを。友奈が俺とみんなを……か。
俺たちは一人じゃないもんな!」
「うん!」
この場には居ない、勇者部のみんなも同じだろう。
東郷は言っていたが、風も樹も同じ気持ちに違いない。紡絆が自身のことを勘定に入れてないと分かっているからこそ、紡絆を守るという考えを持つ。
どうせ他人のことしか考えてないだろう、と察せられているのは普段の行いからして、勇者部の者なら誰でも分かる。一度や二度ではなく、勇者部の活動で数えられないほどの危険を行っているのだから。
---しかしこの光景は、どうだろうか。
ここは喫茶店で、友奈の置いていた手に紡絆が重ね、その上にまた友奈が手を重ねている。
それは---
「若い子はお熱いわねぇ」
「カップルかしら? 若いときを思い出すわぁ」
「リア充め……」
「お似合いのカップルさんだ。良いなぁ……」
ぼそぼそと聞こえてくる声。
店内にいて、見渡した人たちか、はたまた声が大きくなって少し聞こえたのが気になったのか、紡絆と友奈の姿に気づいた人たちがふと漏らした声。
それに気づいた二人が店内を見れば、かなり注目されている。マスターらしき店員は漫画に集中しているが、かなり見られてることに違いはなかった。
若い人から、年寄りにまで注目され、微笑ましそうに見るもの、羨ましそうに見るもの、
「ご、ごめん。なんか……ほんと」
「う、ううん……えっと、わ、私の方こそ……ごめんね?」
この状況を注目されるとなると、流石に恥ずかしいのだろう。
両者ともに赤面すると謝るが、紡絆はともかく、友奈は普段の明るさなど鳴りを潜め、大人しくなって俯いていた。
そして羞恥心よりも、
「え、えーと。そろそろ出ようか! あんまり居座ってるとあれだし!」
「そ、そうだね! 時間も時間だから帰らなくっちゃ」
話題を変えるようにというか、その場から離れるように紡絆が勘定書きを取ると、支払ってから友奈と共に出ていく。
そのせいで店内に残る人々に完全にカップルだと思われたのだが、マスターだけは相も変わらずお釣りを返すと漫画を読んでいたのは余談だろう。
「ん……っと。いつの間にか夜になってたのか」
「そうみたい。結構依頼に時間掛かってたもんね」
「早く帰らないとな」
「うん」
外に出ると、既に暗くなっていた。そう思うと、出てきたタイミングも良かったかもしれない。
明日も学校があるため、色々と帰っても準備をしなければならないのだ。
それに紡絆とは違って、友奈には家族がいる。遅くなりすぎると心配させてしまうため、帰宅するために帰り道を歩く。
その中、紡絆はただ真上を、空を見ていた。雲は出ておらず、キラキラと光り輝く星と綺麗な夜空。
それに街灯によって暗闇を作ることはなく、光が消える様子がない。
「あっっ……」
その時、友奈は視界の先で小さな子供の手が思いがけず声を漏らし、風船が離れ、夜空へと少しずつ上がっていく様子が見えた。
小さな子供の表情は、風船を離してしまい、なくなると考えたのか僅かに曇る。それどころか、瞳に涙を貯めていた。
「あ……紡絆くん---ってあれ!? きゃっ!?」
だが、まだ完全に上がる前なら取れる。そのため、友奈は一言かけてから走ろうとしたが、紡絆の姿がない。
それどころか何故か隣から少し突風が来たため、瞬きすると居ないと判断し、慌てて見渡してから---気づいた。
友奈の目の前---正確には風船が上がって行った位置に、紡絆が既に居り、風船の紐を掴んでいる姿を。
明らかに、人間離れした跳躍力。おおよそ4メートルは飛んだだろうか。
計算すると、400センチメートル。一般住宅の2階建て、もしくは、二階建てロフト付きと同じくらいの跳躍だ。
勇者に変身してその身体能力を使えば友奈でも跳べるが、紡絆は生身でやって見せた。
通行人ですら、酔っているような人ですら我を忘れ、呆然とその姿を見ていた。
「ママ、ママ! あのお兄ちゃんスゴい! 今、ビューンって飛んだよ!」
「よっ……はい」
軽々と着地すると、小走りで子供に近づき、無邪気に瞳を輝かせる子供に目線を合わせるように膝を着くと、安心させるように優しい笑みを浮かべながら風船を差し出した。
「ありがとう! お兄ちゃん、すごいね!」
「今度は離さないようにな」
風船を受け取る子供の髪をぐしゃぐしゃにしない程度にくしゃくしゃ撫で回すと、笑顔を浮かべながら母親の手を握りつつ、こちらに手を振る子供の姿に紡絆も手を振り返していた。
母親らしき人は信じられないものを見たような表情で気づいたように慌てて軽く頭を下げていたが。
「……友奈?」
「え? あ、ううん」
その様子を見ていた友奈は、紡絆に呼ばれてすぐに隣に向かう。
「もしかして驚かせたか? ごめんごめん。
普段はいつも通りだけど危機が迫るか、助けたいと願うかどうにもならないと思うと
ウルトラマンの影響っぽいけど普段は大丈夫だし問題ないから。
ほら、火事場の馬鹿力みたいな感じ」
説明してなかったことを思い出すと、友奈に説明する。
それは人間の脳が普段リミッターを掛けていることと同じ原理だろう。紡絆の今の肉体ならスペースビーストの攻撃を受けても問題ない点から常時リミッターを解除していても問題はないだろうが、無意識に押しとどめているのだろう。だからこそ、生活に困っていない。
もし常時解放されているならば、ドアノブ、誰かの手、荷物、皿、お箸、ボール、ぬいぐるみ、ダンボールに荷物。それら全てを潰していた可能性が高い。
もちろん、解放されている力を制御出来てなかったら、の話だ。
だが、普段は紡絆自身の素の力ということから荷物運びの依頼時に彼自身が持つ身体能力のみだけで運んでいた点を考えると意識せず抑えていた、と考えるべきだ。
その根本にあるのは彼の前世の記憶の影響。
どうにもならない状況にならない限りウルトラマンではなく、人間として過ごすために。頼りきらないために。
それに荷物運びは危機が迫っているわけでもない。どうにもならない問題でもなかったのだ。
しかし今回の風船の件は既に人間ではどうにもならなかったことからウルトラマンの
そのことから紡絆の推測は間違っていない。
結局のところ、本当にウルトラマンとしての身体能力を解放しようと意識すれば制御出来てることから出来るのだが。
というか、水面走りと風の誕生日会の時に既にやっている。
あくまで無意識なのは抑制だけだ。本人の身体能力がまず人外じみてるので、それすら意味あるのか微妙なラインとはいえ。
「そうだったんだ……。驚いたけど……」
「けど?」
「な、なんでもない! それより、ちゃんとそういうのは風先輩とみんなに言っておいた方がいいかも!」
「あー、だな。俺も忘れてたし、グループで送っとこ」
誤魔化すように友奈が言うと、紡絆は歩きながら、時々前を見て人とぶつかったりどこかに体をぶつけたりしないように気をつけながらスマホで打っていく。
少し遅めになっているため、友奈も速度を下げ、後ろを着いていくように歩く。
友奈から見れば紡絆の背中を見る形だが、その背中を見て思う。
(喫茶店の時もだけど、今も同じ……。
紡絆くんはいつもそうだ。誰かが落ち込んでたり、悲しんでたりすると、すぐに駆けつける。
それに喫茶店の時の言葉から考えると……私のことも気づいてたのかな。本当は怖かったこと)
紡絆は友奈が動くよりも前に行動し、笑顔にした。
本当は恐怖心を抱いていたことを気づいていたのかは分からないが、友奈の弱音を引き出した。
(紡絆くんは本当に、誰かの影を照らして、勇気を与えてくれるような明るい光……みたい)
誰かが曇っていたら、悲しんでいたら、落ち込んでいたら、怖がっていたら、寂しそうにしていたら、そういったふうに表情に影を落としていると、紡絆は誰かを笑顔にする。
曇った空が晴れるように、影に日差しが入り込むように、光で照らして。そして、誰かに勇気を与えることも出来るのだ。
そんな姿の紡絆を友奈は---
「これでよし……」
友奈がそんなことを考えてることなど知る由もない様子で送信したのか満足気に頷く紡絆。
そんな姿を後ろから見ていて、友奈はくすりと笑った。
「ん? 友奈?」
「早く帰ろっか!」
「お、おう」
紡絆がどうかしたのかと振り向くと、友奈はたた微笑しながらまた隣へと並び、紡絆は返事しつつもはてなマークを浮かべた。
しかし考えても分からないため、すぐに考えるのをやめたが。
「あ……ねぇ、紡絆くん」
「なんだ?」
「あの星って?」
その時、歩きながら友奈が気になったのか、紡絆に対して指差しながら聞く。
聞かれても実物を見ないと分からないため、視線をそこへ向けると、南東方面で、夜空に見られる明るい星があった。
「あー。そっか……もうこれも今月で終わりだもんなぁ。
あれは春の大三角形。
あっちの北斗七星から見たら分かりやすいんだが、こうやってカーブして、オレンジ色をしたところがうしかい座のアルクトゥールス。
で、こうやって線を結んでいくと三角形に見えるから春の大三角形って言われてる。
あそこはおとめ座のスピカで、青白い色のやつ。
それで向こうの黄色っぽい色をしてるやつがしし座のデネボラ。
まぁ、春を代表する星座だな。
ちなみに北斗七星からカーブしてアルクトゥール、スピカからまた伸ばし、4つの星が台形に並んだところにからす座がある。
それで北斗七星からからす座までのカーブを『春の大曲線』って言うんだ」
一度二人は止まると、紡絆は真剣な表情で教えるようにひしゃくの形に並んだ七つの星を指差し、柄の部分を、水を汲む部分とは逆の方にゆっくりとカーブを描くように南の方へ指を動かし、また伸ばすと、今度はアルクトゥールスとスピカからデネボラに真っ直ぐに繋げて、正三角形になるように指を動かす。
さらに北斗七星からからす座までカーブして春の大曲線のことまで説明していることから、有名とはいえ紡絆が勉強していることが分かるだろう。
さらに見づらい場合のため、スマホで拡大して再び説明する紡絆の姿に友奈は自身の知らぬことについて話す様を見て納得しつつ、感心するように頷いた。
「紡絆くん。本当に詳しいんだね」
「あれは有名だからな」
「ううん、紡絆くんの説明がいいんだと思う。私も分かったし」
「そっか」
真剣な表情で説明していた紡絆は友奈に褒められ、どう反応すべきか分からないと言ったふうに少し困ったような嬉しそうな表情をしていた。
彼からすると、マイナーな星座で褒められるならともかく、自分以外にも春の大三角形くらいならあまりにものメジャーすぎて説明出来る人は他にも居るだろうと思っているため、少し困ったような表情をしたのだろう。
しかし知識を褒められるのは嬉しいもので、友奈ほどの美少女に褒められるのもまた嬉しいため、両方の感情が出たのだと思われる。
(それに……紡絆くんと居るのは楽しいんだよね。話が合うのもあるんだろうけど、きっと紡絆くんだからなんだろうな……)
友奈が視線をそっと星から紡絆に変えると、彼は真剣な表情から一転して口角を上げながら星と夜空を眺めていた。
影を照らして、勇気を与える明るい光。それが友奈が抱く紡絆の印象。
そして一緒に居て楽しいと思える存在で、先ほどのように時にドキッとさせられる。
あまりにもの真っ直ぐで、純粋で、無茶な行動をする姿には似たような性格な友奈ですらヒヤヒヤさせられるが。
それでも、異性で、お隣さんで、同じ部活の仲間で、大切な親友という関係で居られるのはただ似てるからではなく、ただ話が合うからではなく、継受紡絆という一人の男の子だからこそ、楽しいと、一緒に居たいと思えるのだろう、と友奈は思った。
そんなことを思っている友奈のことには気づかず、紡絆はふと星に向かって手を伸ばし、何を思ったのか無言で星空を見ていたにも関わらず、何処か目を細めながら呟きだした。
「……ウルトラマンはさ、何処か分からないけど、地球ではない星から来たんだ。
どんな星で、どんなことがあって、何があったか分からない。
もしかしたら母星は滅んだのかもしれない。でも地球に来たってことは、ウルトラマンは人類が好きなんだろうな。
だから力を貸す---じゃあ俺たちに出来ることは、ウルトラマンに人間も頑張れるんだって、一緒に戦えるんだって示すことだと思うんだ」
紡絆は前世でウルトラマンを知っている。
M78星雲、ウルトラの星。銀河系から300万年光年離れたところにあるとされている星だ。
別名、ウルトラの国、光の国とも言われている。
だがそれは、紡絆の知っているウルトラ兄弟たちがいる星だ。
紡絆に宿ったウルトラマンの場所ではない。
それどころか、彼に宿ったウルトラマンに関しては
それでも、ウルトラマンは来てくれた。
脅威が迫ったからか、別の目的があるのか、それは知らないしどうでもよかった。
ただ紡絆からすれば---前世の彼からすれば嬉しいのだ。
例え巻き込まれることになっても、戦うことになっても、ウルトラマンは人間を見捨ててくれてないと。助けてくれたと。
テレビで見ていた通り、来てくれたと。でもそれは、ウルトラマンだけが戦うことではない。
変身者として、
人類が何もせず、諦めて、降参して、抵抗をやめて、抗うことをやめていたら、きっとウルトラマンは助けてくれない。来てくれなかっただろう。
だったら、こうやって来てくれて、命懸けで戦ってくれて、力を貸してくれるなら、人類が出来るせめてもの恩返しは共に戦うことだと。
「そうして乗り越えてさ、平和が訪れたら……良いよな。
誰も一人じゃ戦えない。一人だと押し潰されて、いつか完全に潰れる。
でも誰かがいるなら、みんながいるなら俺たちは---人類は絶対勝てる! そんな感じ、するのは俺だけか? まぁ、こんなこと言ってて恥ずかしいんだけど……はは」
照れ隠すように笑う紡絆だが、説得力は恐らく誰よりもあるだろう。
ウルトラマンの重圧で一人で戦わなければと抱え込んだからこそ、あと一歩のところで死ぬことになっていた可能性が高かったのが紡絆だ。
だがあの連戦を乗り越え、あの厄介な組み合わせに勝てたのは紡絆一人の力ではなく、勇者一人の力ではなく、みんなの力があったからだ。
まだまだ連携としてはダメダメな方だろうが、力を合わせたから勝てたことに変わりはないだろう。
「ううん……分かるよ。私もそう思う! それはきっと紡絆くんだけじゃなくて、みんな同じこと思ってるんじゃないかな? だから、誰も欠けちゃダメなんだ。
またみんなで笑顔で、明日を過ごしたいから。勇者部として活動したいもん! それはもちろん、紡絆くんも入ってるんだからね?」
「ん、流石に分かってる。だから……一緒に頑張ろうぜ、これからもさ!」
「もちろんっ! 頑張ろうね、一緒に!」
紡絆が友奈と向き合うと、紡絆は真剣な表情で拳を突き出す。その意図を察した友奈は、真剣な表情で紡絆の拳に自身の拳をこつんと合わせた。
それは、星が輝く夜空の下での約束。誰も欠けることなく、スペースビーストとバーテックスを打ち倒し、人類が勝利する未来へと、笑顔で明日を過ごすための、勇者部としてこれからも過ごすための交わした約束。
その約束は今、ここで成されたのだろう。
二人は拳を合わせたまま笑い合い、隣に並び立ちながら帰り道を共に歩く。
楽しく会話をし、夜空に浮かぶ星にも負けないほどの何処までも明るい笑顔を浮かべながら---
〇継受紡絆/ウルトラマンネクサス
あくまで普段の超人的な身体能力は無意識に抑制している。危機的な状況や助けたい、どうにもならない状況になると本人の意思に関係なく勝手に発動する。無論、自分の意思でも可能らしい。
今回喋りまくってた通り、星について詳しいよ!
〇結城友奈
彼女も他者のために自身を奮い立つことの出来る勇気があるだけで、一人の年相応の少女。
紡絆はそれを察知していたのかもしれない。
でも彼女は、紡絆に守られるだけの少女ではない。
▼紡絆くんについてまとめ
友奈ちゃん→影を照らし、勇気を与えてくれるような明るい光
東郷さん→希望を与え(てくれ)る光
風先輩→真っ直ぐな眩い光
樹ちゃん→優しく照らしてくれるような光
▼質問
Q.樹海化に巻き込まれる前の戦いで転移
A.多分一戦目ぺドレオン、ガルベロス戦のやつですかね?
原典である『ウルトラマンネクサス』という作品にはそんな樹海化みたいなのはないです。原典の方はあくまでデュナミストが見る夢の中なので。
本作オリジナルのもので、それが何なのかは近々…次回辺りに明かされます。本作にあたってすっごく重要です。
文字数はどれくらいが好み?
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1〜2話(1万字くらい)
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3〜4話(1万7000字未満)
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5話(約2万字)
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6〜12話の現在(だいたい3万超か3万)
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投稿日数頑張って増やして♡
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別によゆー
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いいぞ、(その調子で)やれ