【悲報】気がつけば目の前に知らない遺跡があるんですが…【なにこれ】 作:絆蛙
ブレーザー見てテンション爆上がりした俺氏。ネクサスを思わせる演出と見た目いいゾ〜これ。でも正直、ウルトラカウントダウンしてたレグロスよりULTRAMANの予告がテンション上がりました(自白)
そんなことでテンション爆上がりで書き終えてテンションダダ下がりしたこの話。
正直ここまで来ると何しても紡絆くんが曇る展開が予想できないんだけど、周りが何故か曇っていく展開しか浮かばない。おかしいな…。
ただこの場合誰よりも妹ちゃんにクリティカルヒットするのなんなんだろうね。
なお紡絆くんは勇者部全員どころか深く関わりのある人たちなら全体特効持ちの模様。
そういえば関係ないけど、この小説って明確的に恋愛感情を抱くような描写をしたことって(微ヤンデレ枠の)小都音ちゃん以外なかったりします。
匂わせ程度は何度もしてますけどねっ!てか自分の小説見直したら割と凄まじい誤字してたの笑った、誰だよアサルトリリィのレアスキルをSimejiの変換に入れてるやつ。俺だよ、明らかにおかしいのあったら変換のせいなので感想でも誤字報告でもなんでもいいので報告して貰えると助かります。いちいち英語打つの面倒いからシンフォギアの聖詠とか入ってたりするんで…
「やっと、やっとまた会えたね……。ずっと、ずっと長い時間、このときを待ってたんだ……はるるん」
「陽灯……」
深く感情の込められた視線と声音。
今にも泣き出しそうな二人の少女は確かに紡絆だけを捉えていて、友奈は首を傾げる。
「わっ…しー?はるるん……はると?」
二人の少女が呟いた言葉を拾った友奈が聞き返すように呟く。
誰かの愛称、そして名前であることは察することは出来てもこの場にそのような名前を持つ者は居ない。
二人のうちのどちらか、ということもなさそうな雰囲気で、どちらかというと東郷と紡絆に向けられていた。
「貴方が戦ってるのを感じてずっと、呼んでたんだよ」
「須美のこともな」
そういって嬉しそうに微笑む少女たち。
しかしまた新しい名前が出てきて、視線の先を友奈が辿って口を開く。
「えっと…二人の知り合い?」
「…いいえ。初対面だわ」
「………うーん、俺も会ったことがない」
首を振って答える東郷と限界まで唸り、記憶を呼び起こしていた紡絆も首を振る。
多くの人々を助けてきた紡絆は知り合いは多いが、知っていたら流石にここまで包帯巻きにされている少女たちは紡絆の記憶でも深く残るはずなのだから。
「っ……!」
「あ……はは〜……」
それを見た少女たち---特に金髪の少女は紡絆の反応を見た後、誰も気づかないほどに、ほんの僅かに辛く悲しそうな表情をして一瞬目を伏せた。
「………?」
だが一瞬、見ても分からない程度だというのに強化された目を持つ紡絆は認識し、何故そんな悲しそうにしていたのか知らないため、首を傾げる。
まるで改めて真実を知ったかのような反応にも見える。
「…わっしーとはるるんってのはね、私たちの大切なお友達の名前。いつもその子たちのことを考えてて二人でよく話してたから、つい口に出ちゃうんだよ」
「そう…なんだよ。ごめんな」
そう言って誤魔化すように金髪の少女は笑い、銀髪の少女は重ねてしまったことにか謝罪をしていた。
ただ間延びした口調で話すのと謝罪するのとは裏腹に彼女たちからは悲しみの感情が伝わり、それでもそれを押し殺して笑うその痛々しさに、友奈の胸はぎゅっと締め付けられ、東郷と紡絆は何を思っているのか。
ただ、分かるのは彼女たちは自分たちを呼び、何か目的があったということ。
「あの…私たちを呼んだって…」
「そこの祠だ」
「祠?」
「バーテックスとの戦いが終わった後でなら、その祠を使って呼べると思ってね〜スペースビーストが出現した時にも試したんだけど、何らかの
「!」
そういって少女が指さす方向には、樹海から戻ってきたときに目の前にあった祠がある。場所こそ違えど、それは確かに学校の屋上に建てられている祠と同じものに見えた。
しかし、そんなことよりも気になるのは---
「スペースビースト……」
「バーテックスもご存知なんですか?」
「一応、あなたの先輩…ってことになるのかな。私、乃木園子っていうんだよ。それで、こっちは---」
「---銀。三ノ輪銀。隣にいる園子の、友達だよ」
スペースビーストの存在と、バーテックスの存在を知る乃木園子と名乗った金髪の少女と、三ノ輪銀と名乗った銀髪の少女。
だがバーテックスはともかくスペースビーストの存在を知ることに紡絆は目を驚いたように見開いていた。
バーテックスは伝手があれば存在を知っていたって不思議ではない。
実際、彼の妹は大赦という組織からバーテックスの存在を知っていた。
でもスペースビーストという存在は知っていなかったのだ。つまり、バーテックスと違ってスペースビーストの存在はバーテックス以上に秘匿されていると思われる。
故に、知っていることに紡絆は驚いた。
「わ、私! 讃州中学二年、結城友奈です!」
「東郷……美森です」
「…あ。継受紡絆」
名乗られたのもあって二人が名前を名乗ったのに遅れて気づいた紡絆は慌てて自身も名乗るが、スペースビーストという存在を知っている人物がいるという事実に反応が遅れたのだろう。
「友奈ちゃん。…美森ちゃん。---紡絆くん、か」
「よろしく……な」
そう言って小さく名前を反芻した少女、乃木園子と挨拶語を告げる少女、三ノ輪銀。
「あの…先輩というのはつまり乃木さんや三ノ輪さんも?」
「うん。私たちも勇者として戦ってたんだ。隣にいるミノさんともう二人。友達と四人で、えいえいおーってね。今は、こんなになっちゃったけど…」
「バーテックスが、先輩をこんな目に合わせたんですか…?それとも、スペースビーストが…?」
「あ。ん〜とね。敵じゃないよ」
「これでもあたしら、そこそこは強かったからな」
明らかに普通ではない怪我を負っている二人。
しかし敵にやられた傷ではなく、彼女たちも勇者。スペースビーストにもやられたわけではない。
そうなると、答えはもう、ひとつしかないだろう。
「えっと……あぁ、そうだ。友奈ちゃんは、『満開』…したんだよね? わーって咲いてわーって強くなるやつ」
「は、はいっ。しました、わーって強くなりました!」
「……私もしました」
「そっか…」
「……まさか」
園子はわかっていて、それでもあえて確認の為に聞いたのだろう。
しかし三人の頭の中には満開をした時の姿が思い浮かぶが、珍しく東郷ではなく、紡絆は気がついたように声を漏らした。
友奈たちの返答を聞いた彼女は少し目を伏せ、そして小さく息を吸い込んで---何かに気づいた紡絆を肯定するかのように真実を口にした。
「咲き誇った花は、その後どうなると思う?」
「…散る、ってことか」
「そう、正解。満開には『散華』という隠された機能があるんだ。満開の後---体のどこかが不自由になったはずだよ」
『!』
心当たりがある。
友奈と東郷は自覚している部分に思わず手をやり、それがより一層、彼女の言葉の信憑性を増すことになる。
「それが『散華』。神の力を振るった、その代償。花一つ咲けば一つ散る。花二つ咲けば二つ散る……でもその代わり、勇者は決して、死ぬことはないんだよ」
突きつけられた本当の真実。
つまるところ、勇者は満開を使用すればするほど、身体能力を失っていく。神の力という強大な力を、何の負荷もなく振るえるはずもない。
ただ代わりに、失いはするが死ぬことはないということだ。
「で、でも死なないなら……」
「…本当にそう思うか?あたしたちは死なない。けど、死なないからこうなった」
「…………」
ただ励まそうとしたのかもしれない。ただ自分たちの不安を少しでも和らげたかったのかもしれない。
ただそれでも、その言葉は長くこの状態で生きているであろう二人には何の慰めにもならないのだ。
何より紡絆は理解して、口を開こうにも開けなくなった。
彼女の、乃木園子の容態を。三ノ輪銀の状態を、彼だからこそ知れた。
特に乃木園子の方は---
「私たちも……戦い続けてこうなっちゃったんだ。元からぼーっとするのが特技でよかったかなって。全然動けないのはきついし、それに隣にミノさんもいたから」
「…痛むんですか?」
「痛みはないよ。敵にやられたものじゃないからね」
「満開して戦い続けて、こうなっただけだからな。もちろん敵はちゃんと撃退した」
「満、開して…戦い、続けて…」
「それじゃあ、その体…は…代償で…?」
話を聞いても、信じたくない。
既に分かり切っていて、答えは出ているのに聞かざる終えなくて、ほんの少しの期待に縋って聞く。
だが---
「うん、そうだよ」
そんな期待は、あっさりと打ち砕かれた。
海から吹くその風は、体だけではなく心にまでしみこんで、その心を乾かしていく。
「ど…どうして…私たちが……」
いつもは明るくポジティブに振る舞う友奈のスマホを握る手は、体は震えていた。
ただ口から漏れた言葉は間違いなく彼女の本音で、それを聞いた園子はただ答えを述べる。
「…いつの時代だって、神様に見初められて供物となったのは、無垢な少女だから。穢れ無き身だからこそ、大いなる力を宿せる。その力の代償として、体の一部を神樹様に供物として捧げていく。
---それが、勇者システム」
「私たちが…供物……」
友奈だけじゃない。
流石の東郷も大きくショックを受けていて、唯一変わらないのは紡絆だけだ。
ただそれでも、拳を強く握りしめているところから思うところはあるのだろうが。
「大人たちは神樹様の力を宿すことができないから、私たちがやるしかないとはいえ、酷い話だよね〜…」
それが、勇者システムの全貌なのだろう。
無垢な少女でしか宿すことの出来ない勇者の力。
だからこそ、真実を隠すしかない。真実を語ってしまえば、勇者という存在はこの世界から消えてしまうのだから。
それこそ自分の身を一切顧みないほどの自己犠牲の精神を持つ者が居ない限り。
「それじゃあ…私たちはこれからも…体の機能を失い続けて…?」
掠れた声を絞り出した東郷の体は、小刻みに震えている。そんな東郷の肩を、友奈がしっかり抱きしめた。
そして東郷を安心させるように、目を見つめながら無理やりにでも笑顔を作る。
「でも、十二体のバーテックス
「倒したのはすごいよね。私たちの時は、追い返すだけが精一杯だったから…」
「そうなんですよ!だからもう、バーテックスとは戦わなくてもいいんです!」
まるで自分に言い聞かせるように友奈はそう、言葉を重ねた。
神樹様が予言した、十二体のバーテックスは全てちゃんといなくなった。
であるならば---もうひとつの存在は?
「そうだといいね……でもね。スペースビーストはいつ現るかは分からないんだよ。それに貴方たちが呼称した融合型昇華獣だって、ウルティノイドだって」
「そ、それは……」
「…みんなには戦わせない。俺が戦えばいいだけの話だ。ウルトラマンなら身体機能が失われることもない」
すると園子も銀も、僅かに悲しそうな表情を浮かべた。
「…それは出来ないだろ?」
「…散華はないよ。でもウルトラマンは無敵じゃない。神様でも……ね。それは、変身者である貴方が一番分かってるんじゃないかな?」
「…っ」
まるで自分のことを知っているような二人の発言に僅かに驚くが、紡絆には否定する材料はなく口を閉じるしかなかった。
さっきの戦いから考えると実体化出来るのは通常時の半分、それも変身することが出来るだけ。
紡絆はあの時、ただ気絶していただけだと言っていたが、正確には違う。
エネルギーが切れた影響で変身が解け、全身を襲う痛みに意識が持っていかれ、力尽きていただけなのだから。
「そ、そうだ…! 失った部分は…ずっと、このままなんですか!?皆は…治らないんですか!?」
「治りたい…よね。私も治りたいよ。歩いて大好きな人に会いたい。友達と一緒に…また遊びたいよ」
一瞬だけ園子の視線が紡絆に向けられ、それは紡絆すらも気づくことはなかった。
しかし彼女の言葉はほんの少しの希望すら抱かせないもので、何よりも二人のその状態が希望が無いということを物語り、簡単に打ち砕かれる。
残酷な現実を前に、再び友奈は言葉を失った。
「ッ!?」
二人の少女から残酷な現実を知らされた三人だが、紡絆は突如として複数の足音が近づいているのを感じ取り、瞬時に友奈と東郷を庇うように前に出る。
瞬く間に現れたのは仮面を付けた神官の装束を纏った人間。仮面の特徴な勲章はこの世界の人間なら誰でも知っているもので、大赦のものだ。
神官達は一言も言葉を発する事なく紡絆たちを取り囲み、紡絆はエボルトラスターを迷いなく手にしていた。
不気味で、嫌な予感がしたからこその行動。
無論攻撃ではなく逃走のために変身出来るようにしていたのだが---
「彼女たちを傷つけたら許さないよ」
「ああ、なにかしようってもんならあたしらも黙ってないぞ」
今までの会話からは考えられないほどに冷徹な声が発せられる。
のほほんとした間延びした声、隠しきれない人の良さと優しさを感じさせた声から一転して、圧の掛かった言葉。
それに大赦の神官たちは顔を二人に向けていた。
相変わらず、喋らない。
「何よりも、彼の機嫌を損なうのは貴方たちにとっても良くないと思うけれど?」
「……?」
園子のその言葉を聞いた瞬間、神官たちはさっきの態度が嘘のように跪いて平伏していた。彼女に従うように。
妙な、奇妙な光景。
異質な光景ではあるが、今の友奈と東郷にはそれを気にする余裕はなく、紡絆は違和感を覚えるだけ。
「あれだけ言ったんだけど、会わせてくれなかった。だからあたしらは自力で呼んだんだ」
「私たちは崇められちゃっててね。特に私は半分神様見たいなものだから…」
「……神、か」
エボルトラスターを収納しながら、紡絆が見つめる先にいる二人の少女。
彼からすれば、彼女たちが神のようには思えず、被害者にしか見えない。
まだ若く、これからだというのに供物として捧げられ、今や人として見られてないのだろう。
果たしてそれは、どれだけ辛いものなのか。
そして自分に対して大赦の人たちが取る態度が彼女たちと
「…悲しませてごめんね。大赦の人達も、このシステムのことを隠すのは一種の思いやりではあると思うんだよ〜。……でも私は、そういうの…ちゃんと言ってほしかったから…。 分かってたら、友達ともっともっと遊んで…。だから……伝えておきたくて…」
「園子……」
唯一見える左目から涙を流す園子を、銀は心苦しそうに見つめ、そんな彼女を放っておけなくなった紡絆が動こうとする前に、東郷が車椅子を動かしていた。
紡絆は足を止め、ベッドに自身の車椅子を寄せた東郷に任せることにしたらしい。
そして東郷は園子に手を伸ばし、溢れる出る涙を手で拭った。
触れた手の感触に園子は少し驚いて、そして懐かしそうに微笑んだ。
でも東郷には、何故彼女がそんな顔をするのかわからない。
「そのリボン……それとバッジ、似合ってるね。バッジはふたつ、ちゃんと持ってるんだ…」
「この…リボンとバッジは…何故か分からないけれど、とても大事なものなの…。どうしてふたつ持ってるのか、分からないけど…凄く大切で、離せなくて…でも両方とも無くしちゃいけない大切なものってことだけは覚えてるのに…ごめんなさい。私…何も思い出せない…っ!」
胸に付けられた二つの流星のバッジ。
そして青いリボンを見た少女は嬉しそうに、悲しげに告げる。
対する東郷は頭の横で結ばれたリボンに手をやり、涙を流しながら謝っていた。
事故に遭って、気がついた時このリボンは自分の腕に巻かれていて、バッジに関しては絶対に無くさないと言うように強く握りしめていた、と聞いていた。
だからこそ、その二つが大事なものだという事だけはすぐに理解できたのに、何故そうなのかがどうしても思い出せなかった。
バッジに関しては、どうして同じものがふたつあるのかすらも。
でもきっと---彼女と自分にとって、とても大事で繋がりであることだけは、東郷の頭では今は分かっていた。
「方法は…このシステムを変える方法はないんですか!?」
友奈の悲痛な叫びが、海辺に響き渡る。
その言葉が無意味であることを理解しても、してしまっても、そう望ませざる負えない。
「…ない、と思う。神樹様の力を使えるのは勇者だけ、神樹様が作り出した結界が展開されて樹海で戦えるのも勇者だけ」
「そして勇者になれるのはごくごく一部、私たちだけなんよ……たった一人、勇者でもない例外を除いて……ね」
「例、外……?」
「そ…それって……」
銀と園子の視線が、東郷と友奈の視線が、この場で唯一、勇者システムを持たずして樹海には入れ、止まった時間の中でも動ける存在である明らかなイレギュラーである紡絆に視線が向けられ、流石の友奈も言いたいことは理解したのだろう。
強いショックを受けたように、目を見開きながら涙を貯めていた。
「…俺か」
そしてまた、紡絆も理解しているようで、紡絆の言葉に園子は悲しげに頷いた。
「それはどうしてなんだ?なんで俺だけが樹海に入れる?俺が、ウルトラマンだからなのか?」
「…それは私にも分からないんだ〜…。どうして貴方なのか…どうして貴方しかダメなのか…なんで貴方は傷つき続けなくちゃいけないのか……どれだけボロボロになっても、戦い続けなくちゃならないのか……
。酷い話だよね、本当に……酷いよ…。これ以上……なんで……」
「………俺は---いや、やっぱり、やめておく」
少しずつ尻切れが悪くなっていく声。
途中から聞こえなかったが、そうは思わない。そう言おうとしたところで、その発言は彼女を、彼女たちを傷つけるということを察した紡絆は口を閉じる。
自分のために何故か悲しむ少女たちに対して、彼はそのようなことを言えるような性格をしていない。
ただ唯一言えるのは、このシステムをどうしても変えたいなら、彼を犠牲にすれば誰も使う必要はなくなるということか。
無論、紡絆はそれを知ったら迷うことは無いだろうが。
「…あはは。暗くなっちゃったね…私からの話はおしまい。
---いつでも待ってるよ、大丈夫。こうして会った以上、もう大赦側も貴女の存在をあやふやにはしないだろうから…」
「じゃあ…これで。帰してあげてくれ」
東郷にだけ告げられた言葉。
当然超人的な聴力を持つ紡絆にも聞こえてはいるのだが、言葉の意味はよく分からない。
そして別れを告げる銀の言葉に従ってか、大赦職員が彼女たちを先導する。
話が終わったからだろう。
未だにすべてを受け止めることができていない友奈と東郷は、何も言葉を発さないまま先導する大赦の人について行き、紡絆だけは先に行くように告げて一人残っていた。
余裕がないのか、二人はただ頷いて用意されていた車に案内されて向かって行ったが、紡絆は友奈と東郷が十分離れたのを見て、改めて二人の少女と対峙した。
「…行かないのか?」
「そう…だな。正直、残った理由はある。
色々と聞きたいことがあるんだ。どうして俺がウルトラマンということを知っているのか、どうしてスペースビーストの存在を知っているのか、一体どれだけのことを知っているのか。過去の俺はどうだったのか、どういう存在だったのか。俺の記憶が失った理由を知っているのか。俺にとって、君たちにとって、俺はなんなのか。
でも…なんだろうな。今はそういうのどうでも良くて、俺はやらなくちゃいけないことがある、そんな気がするんだ。会った時から、ずっと。
だから今、それに従おうと思う」
「……?」
まるで話が繋がってない発言に園子も銀も首を傾げていた。
紡絆は一度目を伏せ、息を吸い込んで口を開く---
「ごめん…!」
「……え?」
「は……?」
ただ頭を下げ、突如として謝る紡絆に、園子も銀も呆然とした。
何の脈略もない行動。
むしろ平然と居られる方がおかしいだろう。
「…急に謝られても困るのは分かる。俺もさ…分からない。分からないんだけどさ、二人を見たとき、不思議と謝らなくちゃいけないって思った……」
紡絆自身も、その理由はよく分かっていないのだろう。
ただそう思っただけに過ぎず、でもするべきだと思った。
だからこそ謝った。
「そっ……か」
色んな感情が渦巻いているのか、唇を震わせながら、何とか振り絞るようにして園子がそれだけ呟くと、無言が生まれる。
何かを口にしようとして、躊躇って、我慢しているような、感情を抑え込んでるような、そんな姿。
その姿を見て、紡絆は一歩踏み出した。
「俺、記憶ないんだ」
「……うん」
「二年前からずっと、俺の記憶は無い。死にかけて、気がつけば助かってて、家族が居て、思い出すこともなければ今も思い出せない。なんの手がかりも掴めない」
一歩と、また一歩と近づき、紡絆は自身のことを話していく。
決して記憶は蘇ることはなく、存在していたのかすら怪しくなるくらいに少しも思い出せない。
「だけど、君たちは過去の俺を知っているんだろ?だって俺の事を親しげに呼んでいた。
そして---きっと、顔見知り程度の関係性じゃなかったと思う。だって二人が俺に対して向ける感情は、明らかに異常だったんだ---もう会えないと思っていたような人物と出会った時のような、そんな感じだった。
何より俺が、君たちの悲しむ顔を見て、胸が凄く痛くなった。申し訳なさ…っていうのかな…」
それはきっと、紡絆がそうだったからだろう。
二度と会えないと思っていた家族と再会し、暮らせるようになった。
かつて経験したからこそ、理解したということ。
何よりいくら紡絆とはいえ、見知らぬ他人に対して心苦しく、胸は痛めても知り合いより強く痛めることはない。
それに二人の少女が否定することがなかったのが、紡絆の正しさを証明する。
「だからごめん。記憶を失って……悲しい思いをさせて、ごめん」
「っ……」
誰が悪いとか、何が原因とか、そういうのは今は関係なかった。
そもそも、紡絆という人間は誰かを責めず、自分を責める。
ただ間違いなく、紡絆が彼女たちを知らないと言った時、辛い思いをさせた。
悲しませてしまった。
その事実だけで十分で、傷つく彼女たちを、彼は放っておけなかった。
それが、紡絆という人間なのだから。
「……はるるんは……紡絆くんは、悪く、ないよ……」
「…そうだとしても、記憶を失ったのは俺だ。それに変わりはない。何があったかまでは分からない……けどさ、俺は必ず記憶を取り戻すよ。だから君たちも諦めないで欲しいんだ」
園子の隣に歩み寄った彼は、膝を曲げて視線を合わせる。
いつもと何ら変わらぬ、彼が彼たらしめる笑顔を浮かべて。
彼の心の光は真実を知っても砕かれることはなく、絶望の中でも、どんな時だって輝き続ける。
だからこそ、誰もが紡絆のことを
「絶対に治る。俺が必ず見つけ出してみせる。だからもう少しだけ、まだ諦めないで欲しい。希望を、捨てないで欲しい。俺に何が出来るのか、それは俺も分からないんだけどな……でも俺に出来ることならなんだってする。だからまだ、ほんの少しだけでもいいから……諦めないでくれないか?」
なんの確証もない。
何をやればいいかすらも分かっておらず、感情的でしかない。
それでも紡絆は、治らないから諦めるという選択を持っていなかった。
希望を、持って欲しかった。
「……貴方は、変わらないんだね…」
「…記憶を失っても、敵いそうにないな」
「俺は俺だからな。たとえ記憶を失ったとしても……変わることはないんじゃないかな」
「そっか……じゃあひとつ、お願いしてもいい?聞いてくれたらきっと、私は勇気を持てるから」
「…ああ。何だって言ってくれ。叶えられることなら、二人の願いくらい聞いてやる。叶えてやる」
治らないという現実を知って、いつか治ると、希望を持つのは、諦めないのはとても難しくて、信じることほど相当な勇気がいるものは少ないだろう。
だから紡絆は自分に出来ることなら、なんだってする気だった。
何を望まれたとしても、それで二人が勇者を持てるならば、彼はなんだってするだろう。
彼の目が、本気だと物語っていた。
その視線を受けた園子は考えるように目を伏せ、まとまったのか目を開けると色んな感情を含んだ笑顔で僅かに動く手を紡絆に伸ばした。
「それじゃあ……ぎゅっとして欲しいな…」
「…分かった」
何故そんなお願いをしたのか、自分でいいのか、そういった野暮な質問をすることなく、紡絆は一切の迷いもなく優しく園子の体を抱きしめた。
普通であるならば感じないはずなのに、その体は凄く脆く感じて、壊れてしまいそうなくらいに震えていて、やはり紡絆にとっては、神様でも何でもなく一人の少女にしか思えなかった。
「……うん、ありがとう。もう、大丈夫だよ」
どれだけそうしていたか。
それほど時間が経っておらず、園子の声が耳元で聞こえた紡絆は離れる。
「そっちは…何かあるか?」
「……あたしは」
次に紡絆は、銀に問いかけた。
彼女からは別にお願いしていいかと聞かれてはいないが、きっとそうする必要があると思ったのだろう。
「…手を握ってくれたら、いい」
「……分かった」
園子の傍から離れ、銀の元へ向かった紡絆は彼女の願い通り、その手を覆うように握った。
優しく、壊れないように。
「……やっぱ、変わんないな」
「そうなのか?」
「ああ……」
ただ懐かしげに儚く笑う銀の姿を見ても、何も思い出せないが自身を知る彼女がそう言うならそうなのだろうと納得する。
そして彼女の手を握って少しすると、銀の方から離したため、紡絆もやめていた。
「これでいいのか?」
「大丈夫だ、ありがとうな…」
「…そっか。心配しなくたっていい、みんな戻す。世界も守る。バーテックスは、あれが最後じゃないんだろ?」
再び話を戻すように、紡絆は園子に視線を送りながら問いかける。
紡絆が聞いたのは、友奈の言葉を肯定する言葉じゃなかったからだ。
「…もし最後じゃなかったら、貴方はどうするの?」
「決まってる、戦うしかない。スペースビーストも全て倒せていない。メフィストの決着もつけてない---これ以上、みんなに失わせる訳には行かないからな。ウルトラマンに散華はないだろ?」
「うん…ないよ。でも、私たち勇者と違って貴方は、ウルトラマンは---死んじゃうかもしれないんだよ。現に、貴方の体はもう…」
「---知っていたのか」
「……うん、私もミノさんもね」
「そっか……そうだな、そうかもしれない。だとしても---俺はウルトラマンだ。背を向けて逃げることなんて、絶対に出来ない。
戦いから逃れることは、出来やしないんだ。この力は、いつだって誰かを救うために、大切な一人の人間や多くの人間、守りたい者を守るために受け継がれてきた光だからな」
死、という言葉は至ってシンプルだ。
生命が生命活動を終了するということ。
普通の人間なら死ぬという現実に立ち止まり、戸惑い、躊躇し、歩みを止める。
それが
しかし既に
そんな紡絆を見てか、園子は息を吸い、ため息を吐くように息を吐く。
誰であろうと、それが半分神様のような存在であっても、止めることは出来ないのだろうと。
彼を止めることが出来るのは、それこそ彼に宿る存在だけかもしれない。
「…大赦の人たちは貴方を神様だと思ってる」
「……俺が神様?」
急に大赦の話になったからか、紡絆は意図が理解出来ずに首を傾げた。
そんな紡絆を見てもなお、話を続ける。
「そう、無垢な少女でしか使用できない勇者システム。バーテックスに対する唯一の対抗手段だったのが勇者。
でも例外である存在がこの世界に現れた。だから大赦にとって---ううん、人々にとっては、神様」
「それが、ウルトラマンか……」
「うん。誰がなんと言おうと、ウルトラマンの力はとてつもなく強力で、人からすれば神様のようなものなんだろうね…バーテックスにも対抗出来て、スペースビーストすらも倒せる強大な力。
だからこそ、スペースビーストという存在が現れた今は、特に。
だからそれを宿す貴方は、彼らからすれば神様。状況を打破できる都合のいい何か…ってところかな」
デウス・エクス・マキナ、という言葉はご存知だろうか。
演出技法のひとつ、古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという手法。
この世界にはバーテックスという存在、スペースビーストという存在がいる。
バーテックスは人類では勝つことができる存在ではなく、勇者という存在が必要。勇者の犠牲の上に、乗り越えることのできる存在。
対するスペースビーストは人類が乗り越えるにはあまりにも文明が崩壊し衰退しすぎてしまっている。
この世界の切り札的な存在である勇者は満開を使用しなければ倒すことは出来ず、満開を使用し続けてようやく一体、というところか。
しかし分子分解するほどの力は持たないため、結局スペースビーストを殺すには足りない。
なによりバーテックスと違い、スペースビーストの学習能力は凄まじい。
そもそもスペースビーストという存在に関しては、宇宙からやってきた人類からすればオーバーテクノロジーにも匹敵する科学力を持つ者たちが人類に協力しても殲滅するのは不可能だった。
いくら神樹様の力を宿す勇者でも、倒せない。
だが、そんなスペースビーストやバーテックスに対抗する力を持つ者がいる。
この世界は滅びの道に行きつつあり、ただでさえ追い詰められていた人類が新たな脅威に絶望したとき、遥か宇宙の、別次元からやって来て、倒してくれる存在---
「ウルトラマンは神様じゃない……でも人からすれば神様のような存在……」
そう、それがウルトラマンだ。
人類からすれば、勇者とはこの世界の切り札、救い手。ヒーロー。
人類からすれば、ウルトラマンとは解決困難な状況を覆し、絶望を希望に変えてくれる神様。
ならば、
「さっきの大赦の人たちが俺に対して態度がおかしかったのはそれか?でも、どうしてそれを…?」
「別に特別な意味は無いんだ。ただ---」
「…大赦の人たちは何かあれば、必ず貴方を頼ると思うんよ。たとえ貴方がどうなろうとも---」
そう、誰も彼もウルトラマンを宿せる訳ではなく、ウルトラマンは一人しかいない。
そして継受紡絆という人間はウルトラマンに選ばれ、今のこの世界で唯一のウルトラマンだ。
そして継受紡絆という人間は、この世界で唯一男であるにも関わらず勇者システムを使用せずして樹海へと入れる人間。正真正銘のイレギュラー。
無論過去には樹海の世界に入れるかはともかく、ウルトラマンを宿す存在がもしかしたら居たかもしれないが、今は彼がウルトラマン。
だからこそ、大赦は半分神様である園子と似たような態度を紡絆にとる。いや、園子以上の態度、まさしくこの世界の神である、神樹様と同等のような存在のようなもの。
例え紡絆が死にそうになっても、死にかけても、何かがあれば頼る。
なぜなら、継受紡絆という人間が子供でも、人の身であろうとも、事情を知る人間からすれば神の化身のような存在なのだから。
いつの時代にだって、人は神様という都合のいい存在を頼ってきたのだから。
縋るしか、もはやこの世界が生き残る術がないのだから。
だから関係ない。全員がそうでなくとも、必ず誰か一人は神のような存在である紡絆に願う。救いを求める。
その末に、たった一人の人間が死んだとしても、必要な犠牲。人柱。
どこまでも愚かで、醜くて、汚くて、身勝手で---けれども。
「…心配してくれてありがとう。けど、大丈夫。絶対にこの世界を救ってみせる、君たち勇者も、人も、みんな救ってみせる!
だから---決して諦めるな」
紡絆という人間は確かに
それだけの資質を、兼ね備えてしまっているのだ。
そんな人類の願いすら、彼は断ることをしないだろう。
だが、彼が今言った決意は雲を掴むような話。言葉だけでは簡単だというのにただ、何故だろうか。
不思議と、笑顔でそう告げて見せた紡絆を見てると、信じてみたいと思えてしまうのは。
まるで底が見えず、どんな暗闇をも照らす光のような、それを体現したかのような彼の姿。
「……そうだね、うん。分かった…」
「……じゃあ、俺はもう行く。二人を待たせてるしさ」
「自分の過去のことは……いいのか?」
「ああ、いい。俺自身が思い出さなくちゃ意味がないし……きっと君たちにとって記憶を失う前の俺は……陽灯という人間は大切だったと思うから。でも、そうだな…俺が生きてる理由は、記憶がなくて何も覚えてなかったのに生きなきゃと思ってた理由は、きっと君たちに会って、謝りたかったのかもしれない。それでも過去の俺は後悔してなかったはずだ、君たちのことを悪いとも思ってないはず。どんな状態であろうと、生きててくれたことが、嬉しいと思う。
---だから、生きててくれて、ありがとう」
「ぁ---」
「……っ!」
分かったわけでも、知ってるわけでもない。
思い出せたわけでもない。
だがその言葉は、全てを知る園子と銀にとって、特別な意味で、自覚はなくとも救いの言葉で、でも辛い言葉でもあって、彼女たちは色んな感情を含む表情で無意識に涙を流していた。
「今度は……次こそは必ず、全て掴んでみせるから。辛いだろうけどもう少しだけ、辛抱してくれ」
そんな彼女たちに、紡絆は少しでも気が楽になるように両手で頭を撫でて、ただ優しく、それでも明るく微笑みながらそう告げた。
---二人の記憶にしかない、一人の少年の記憶。
明るくて、お人好しで、優しくて、温かくて、中心に居て存在するだけで周りを照らすような人物。もう、会えないと。ようやく知れた情報で同じ存在と知ってもその少年は変わってるかもしれないと不安だった胸の内。
だが過去と現在の姿が重なり、何ら変わらぬ姿に抑えていた感情は爆発したのだろう。
勇者でもなければ神様でもない。たった二人の、年相応の少女でしかない女の子の泣く姿だけが、三人しかいない空間に轟く。
そして紡絆は、一人決意していた。
(---記憶もないのにおかしいと思うけど、俺は彼女たちに笑顔でいて欲しい。
でもきっとそれが残り少ない、俺に果たせる役目なんだ。それまで、力を貸してくれ……ウルトラマン)
紡絆のポケットに隠されたエボルトラスターは、反応が返ってこない。
ただ紡絆は確信したように目を伏せ、別れを告げてからこの場を去る。
---全ての決着の日は、間違いなく近い。
20:名無しの転生者 ID:vbWTYYF67
これが勇者システムの全貌か……
21:名無しの転生者 ID:mG89mD+U3
やっぱろくなもんじゃねーなクソだわ。この世界がクソだわ
22:名無しの転生者 ID:LgiWsc/+a
満開を使用する度に身体機能は失われ、勇者は決して死ぬことは無い…だから戦い続けられる存在ってことか…大人が戦えず、少女しか戦えない
23:名無しの転生者 ID:M314U+1f1
で、イッチはイッチで先代勇者と関わりがあったっぽい…と。
名前が明かされたが陽灯ね……絶対元適能者でネクストだろお前
24:名無しの転生者 ID:kBrW+pvtB
なにそのイッチに対するイジメ。…勇者の方も予想通りとはいえ、相当えぐいぞこれ
25:名無しの転生者 ID:4dOvY3xIU
さて…やることは決まったな
26:名無しの転生者 ID:d7eg5sOgZ
勇者を戻す、イッチを殺させない、世界を守る……か。いや無理じゃん。まだザギもいるんだぞ?
27:名無しの転生者 ID:+e+LAFSr4
イッチは変身出来るのか? それにあんなこと言ってたが勇者を戻す方法は思いついたのか?
28:名無しの転生者 ID:wj31U17ks
もうろくに戦えないやつが戦ってもな……
29:名無しの転生者 ID:vXT18Cqbu
分かるのはひとつ、やっぱり勇者部のみんなに満開を使わせちゃいけないってことだけだな。あの言い方的にバーテックスもまだ居そうだもんなぁ…
30:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
方法は分からないし俺もそう長くは無い。
変身に関してはスケールを縮めればあと一回変身は出来るけど、その辺は考えてるから問題ないよ。少なくともメフィストとの決着までは持たせられる。
問題は勇者の代償だが---神樹様が供物として取ったなら、俺の身体機能を全部捧げるのはどうだろうか。ほら、俺ってウルトラマンに強化されてるから多分人の二、三倍くらいは価値あると思うんだけど
31:名無しの転生者 ID:gpQarUhhB
今に過ぎたことじゃないけど何言ってんのこいつ
32:名無しの転生者 ID:uIXfb6f9W
とち狂ってるだろ、ざけんな。
真面目にやれよ
33:名無しの転生者 ID:Qps/zzWtq
てかもう手遅れだからお前が捧げても無駄に終わるだけだろ。
まぁ、方法はおいおい考えていくしかないような
34:名無しの転生者 ID:BMYjROvTH
今は優先すべきは勇者たちの心だと思う。多分この真実を知ったら、相当追い詰められるから何をしでかすか分からん。
これでイッチの状態を知ろうものなら暴走してもおかしくない
35:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
それはなしかぁ…そうだな、ひとつずつやれることをやろう。
過去に関してはごめんだけど全く分からん。そもそも俺がネクストっていうウルトラマンだったとしても戦闘の記憶はないし樹海に入れる理由も未だに不明だからさ。それに仮にそうだったとしたら、過去の俺は守れたってことだろ?
ならそれはそれでよかったって話だ。今はそんなことより、彼女たちを戻さなくちゃいけない
36:名無しの転生者 ID:5VsOV5nlC
でもスペースビーストもいれば、メフィストもザギさんも、ティガニキたちを追い詰めた最強の敵も残ってるし、バーテックスもいるだろ。
イッチの動ける回数はマジでないから、相当考えないと……
37:名無しの転生者 ID:2icuQVcyc
これだから信じるべきじゃなかったんだ。
元々きな臭いシステムだったし、明らかに頑丈すぎる精霊バリアも勇者を殺させないための力だったりしてな
38:名無しの転生者 ID:x64Jy/NPg
有り得そうなのがまたなぁ…
39:名無しの転生者 ID:5dtf4y0ks
ひとまず過去のイッチに関しては今はいいだろう。こいつが記憶戻らない限りは予想したって無駄だし、仮にネクストだったとしても終わった話だからな。ただ先代勇者の彼女たちとイッチの関係性は気になるが……。
特に乃木園子の方は明らかにイッチに抱いてる感情違ったぞおい
でもやるべきことをまとめると三つ。
ひとつ、イッチはこれ以上無理をするな
ふたつ、勇者たちのメンタルケア
みっつ、勇者たちを戻す方法と次の戦いを生き残る術を考える
40:名無しの転生者 ID:NIIS8SZa7
もう余裕がないからな、謎はあっても捨てるしかない。
今は現実を見て一つ一つやるしかねぇ
41:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
>>39
そんな感じあったかな…?あんま変わらなかった気がするけど。どちらかというと東郷に向けられてたのでは?
あ、そういえばなんだけど、ひとつ思ったんだ。
俺って…そもそも何?
42:名無しの転生者 ID:wQMomBm6y
急になんだよ。知らねぇーよ
43:名無しの転生者 ID:lIv0wpYFF
主人公でしょ
44:名無しの転生者 ID:XssaXSt0o
相変わらず空気変えるの上手だな、舐めてる?
激クソ鈍感野郎だろ。むしろどうして向けられたのが東郷さんだと思ったのか。明らかに違ったろバカ
45:名無しの転生者 ID:TSKzts3kW
流石に真面目なのに変なこと聞き出したイッチには辛辣だな…いつもか
46:名無しの転生者 ID:ETvEzeFO9
女たらしとしか…
47:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
いや、割と真面目なんだが。それに俺はいつも通りなだけで口説いてるわけでもないんだけど…?
それとごめん。言い方悪かった、もしかしたら俺、この世界にとって特別な感じだったりする? いや違うな、なんて言えばいいか分からんけど、まあそんな感じかどうか気になった
48:名無しの転生者 ID:tvDS2w2RL
話聞いてなかったんですかね、このバカは
49:名無しの転生者 ID:aMCULvvxy
少女にしか使えない勇者システム、樹海に入れるのは勇者のみ。なのに入れて、記憶がない。
先代勇者と関わりがあると思われ、なおかつウルトラマンを宿して神樹様を含む全勢力から狙われる。
どこに特別じゃない要素があるんだ…?
50:名無しの転生者 ID:R73OLN5Aw
てか、割とお前に全てかかってるぞ
51:名無しの転生者 ID:/XkjT7cvk
つまり…転生者らしいな?
52:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
転生者だもん
53:名無しの転生者 ID:M3mMGghuH
あっそうじゃん
54:名無しの転生者 ID:9yTZM6WAo
スレのIQ下がってね?
55:名無しの転生者 ID:7XLgXEuUh
イッチ以下は致命傷すぎる
56:名無しの転生者 ID:0scoMQkIF
なんでそんなこと聞いたし
57:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
いや…何かあるってわけじゃないんだが俺が居るからスペースビーストが現れたのでは?って今更ながら思った。多分相当有力だと思うんだけど
58:名無しの転生者 ID:pNB7YjdAP
なわけ
59:名無しの転生者 ID:S22IUmdQH
お前(何があったか知らんけど)二年前(スレには)居ないじゃん
60:名無しの転生者 ID:x7xjH/I7f
最初のスレ建てて一年も経ってないし…え、経ってないのこれ
61:名無しの転生者 ID:xCVGek/PV
濃厚すぎるというか、一年は経ってるイメージだった。まだ半年くらいだぜ、これ
62:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
えー…スペースビーストが現れた理由もしかしたらって思ったのに。でもそうか、仮にスペースビースト居なくともイレイズがこの地球にいる時点で俺関係なしにウルトラマンが居たのか…
63:名無しの転生者 ID:IevKB6689
元々そういう次元宇宙だったんだろうな。だからスペースビーストが現れたのは必然なんだろうが……だからこそイッチが転生者として召喚されたんだと思う。いや、この場合憑依…?それとも元々この世界に存在していたパターン…?
にしたって確かに、本来役目を終えたはずのイッチに再びウルトラマンが宿るのはおかしいよな。本来なら無意識にでも選んだ次の継承者に行くはずだが……
64:名無しの転生者 ID:BvVI5oqva
あー確かに。話逸れるけど、それはそれで謎だな
65:名無しの転生者 ID:8v+EcXk04
……陽灯という人間(過去のイッチ?)が役目を終える→次の適能者にバトン→実はこの世界には(神樹様という存在がいるため頼りきりだから)適正を持つ者が他に誰もいない→居ないけど脅威は去ってない→誰かに宿らないとウルトラマンが戦えない→唯一宿せたイッチに再びだったりして
66:名無しの転生者 ID:mxTZoWCK5
いやいや、それはないだろ……ないよな?
67:名無しの転生者 ID:bNVE1smUp
…ん?待ってくれ、やめろ。これ以上絶望的な状況出すな。
つまり---イッチ死んだらウルトラマン居なくなるじゃん…
68:名無しの転生者 ID:GwvnJaDX2
え……なにこの詰み的な状況。
ちょっと待ってくれ、このままじゃBADEND直行ルートじゃねぇか!嘘だろ!?
イッチが光を託せないってなると、こいつ死ぬぞ!?間違いなく死ぬぞ!雑魚だぞ、今!木偶の坊だからな!?
69:名無しの転生者 ID:rHpwFJg4X
と、とにかく…ここからは慎重にことを進めよう。
イッチはひとまず勇者たちを何とかしろ、代償に関しては俺たちは俺たちでどうにか出来ないか考える。
少なくとも最悪なのは、お前が死ぬことだ。お前が死んだら俺たちは干渉出来ないからな…それにお前が死んだら勇者たちがさらにやばい。メンタル崩壊するぞ。
あーくそっ、せめてイッチが変身回数限られてなければなぁ…
70:名無しの転生者 ID:wMYXboHo/
全てを終わらせたら戻る可能性…って選択もあったからな…
71:名無しの転生者 ID:JDV8pYYyR
ノア様に覚醒出来ないのがな…
72:名無しの転生者 ID:r1E9cJJDB
あ、でもさ。あの子たち…流石に今日はあれだけど、乃木園子と三ノ輪銀だっけ、あの子たちにもう一度話を聞きにいくのもありだよな
73:名無しの転生者 ID:pk9P8Mdwd
いや、でもな。あの様子からしてイッチが過去の記憶を失ってるってことから彼女たちがイッチと会うのは辛そうなんだよな…忘れられてるんだから
74:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
……ん? あれ……
75:名無しの転生者 ID:ZzGWlBXc9
…イッチ?
76:名無しの転生者 ID:AA0Wt1neL
なんだ、動きでもあったのか
77:名無しの転生者 ID:39ePB9t1A
まだ車の中では?帰ってるんだろ?
78:名無しの転生者 ID:1DcodALqC
まさかスペースビーストか!?
79:名無しの転生者 ID:K9+1M0Wpz
ここで出るか普通!?いや、さすがにそれはないんじゃ…!ああ、でもこの世界なら有り得そう!
80:名無しの転生者 ID:BK7xG4B1t
やめろー!やめろー!
81:名無しの転生者 ID:tgCyCCPm+
おい早く状況教えろ!
82:名無しの転生者 ID:KDj+JdrMt
何があった!?襲撃か?それともトラブルか!?洒落にならんぞ!?
83:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
いや、ごめん。そういうのじゃなくて……その、さ。
こんな時になんだが……めっちゃ言いにくいし申し訳ないんだけど俺、左腕動かないし温感も感じられないんだけど
84:名無しの転生者 ID:dKOm9XR/N
……は?
乃木園子と三ノ輪銀。
二人の話を聞いて、自分が先代勇者と何らかの関わりがあったことを知った。
彼女たちを鼓舞し、これからだというのに---ただ車の中で、妙な違和感を覚えた。
機能を失った左目が熱を発し、熱いという感覚が伝わってきたかと思えば静まり、また熱くなる。
それの繰り返しで、ポケットの中で異常を知らせるかのように素早く鼓動音が鳴っていた。
(……ウルトラマン?)
ただエボルトラスターを右手で握ると、小さな鼓動が脈のような速さで発せられる。
しかしその鼓動は普段よりも徐々に弱くなり、感じられる光は小さかった。
そして光は消沈し、休眠に入ったかのように動かなくなった。
それと同時に急に左腕が熱く感じたかと思えば、突然と熱いという感覚が失われ、胸が苦しくなる。
だが表には出せない。
隣には暗い表情を浮かべる東郷と友奈が居て、これ以上のことはどれだけの負荷になるか。
隠し切るしか選択肢は無い。
(…ま、さか……)
嫌な予感とは、当たるものか。
力が入る右腕と違い、左腕を上げることが出来ない。
本音を言うならば、あまりにも苦しくて、耐えきれない痛みに胸を抑えて蹲りたかった。
だが紡絆はそれをせず、右手で自然と左腕を掴み、持ち上げる。
---だが力は入らず、まるで血が通っていないかのように左腕の感覚がない。
かつての戦い。
紡絆がダメージを受け、機能を失うことになったのは左目だった。
あの時は確証がなかったが、それは神の呪いだという。
今まではウルトラマンが呪いの進行を抑えることで防いでいたが、さっきの戦いはどうだ?
ウルトラマンは、普段の半分しか実体化出来ない。その問題が紡絆とはいえ、本来の実体化は出来なかった。
だが---普段でも進行を止めるのが精一杯であるなら、少なからずエネルギーを消費していると考えたらどうだ?
人間が免疫力が低下し、病気にかかるように、ウルトラマンにとってエネルギーの消耗は今回の場合は抵抗力の低下を意味する。
だが、あくまで呪いを受けたのは紡絆であり、ウルトラマンはただ防いでエネルギーを消費しているだけ。
だからウルトラマンに悪影響はなく、紡絆を護っていただけに過ぎない。
そして今、左目だけでなく左腕を失った。
つまり、受けた左目から徐々に
(……どうにか
---それが、呪いを抑える役目を放棄させることであり、自身の死であることを理解していながら、紡絆は自身の命を、簡単に捨てる。
今まで力を貸してくれた恩を、返すように。自分がどうなったとしても勇者を、ウルトラマンを救う道を。
探さなければならなくなってしまった。
なぜならウルトラマンの死は---地球にとっても世界にとっても、宇宙にとっても大きな損害へとなるのだから。
ウルトラマンという希望は、決して無くしてはならないのだから。
○継受紡絆(陽灯)/ウルトラマンネクサス/ネクスト(?)
元
勇者システムを知った上でも諦めず、既に自身の命が長くないことを自覚してる上にウルトラマンのためについに分離を考え始めたやつだけど、他人の気持ちを考えるべきだと思う。
でもぶっちゃけ人類からすると自分が死ぬことになっても勝手に守ってくれるのでマジの『都合のいい存在』
現在の状態→(遡ると腹から背中まで貫通してる傷跡があるけど)全身包帯ぐるぐる巻きレベルでボロボロな上に傷だらけかつ(服のお陰で分からないが溶解液でほぼ全身が)爛れてるし蓄積されてる毒でたまに吐血してるし左目の視力が消失してるかと思えば温感と左腕を持っていかれた+まともに動くのも厳しくて常に
だが、これらはあくまで紡絆本人が自覚し、
となるとこれだけとは限らないが、どちらにせよ彼の命は風前の灯火。
変身回数は残る一回。
○ウルトラマンネクサス
ここで第一話へ戻ると分かるかもしれない。
ちなみにもし分離したら、ウルトラマンは(エネルギーを使ってるだけなので)復活するが……。
○結城友奈
原作より曇った。
そりゃ(システムを変えたとして自分たちが助かる代わりに紡絆くんだけが犠牲になるってなったら)そうなるわ
○東郷美森
実は原作よりも曇ってる。
バッジはどうやら園子も関わりがある…ようだ
○乃木園子
先代勇者で半分神様のような存在。
五話の時点では確信はなかったが、前回の紡絆くんファイルで正体を完全に確信。
(紡絆くんは全く気づいてないけど)明らかに彼女だけは他の面々より並ならぬ感情を抱いてると思われる。
紡絆くんの状態は呪いや毒に関しては知らないけど(アンファンスでエナジーコア鳴らしてる情報は持ってるので)肉体が限界だということは知っているよ
○三ノ輪銀
実は園子より満開してないので、半分神のような扱いは受けてない。
割と黙ってたし控えめだったが、我慢しているだけ。
紡絆くんのことを確信したのは園子と同じく前回。
○大赦
ウルトラマンを神樹様と同列に考え、なおかつウルトラマンを宿す紡絆は神様同然だと思っている(らしい)
彼ら彼女らは人類に危機が迫ったとき、間違いなく継受紡絆という人間を頼るだろう。
それが身勝手だとしても、生き延びる術はそれしかなくて、ウルトラマンこそ神様なのだから。
それでも、彼は応えて見せるのだろう。その末に、己がどんな結末を迎えたとしても、彼はウルトラマンに選ばれてしまったのだから---