【悲報】気がつけば目の前に知らない遺跡があるんですが…【なにこれ】 作:絆蛙
人は一人で生きることは出来ず、人は光を強く求める。
闇に飲まれそうになったとき。絶望が這い上がってきたとき。影に支配されかけたとき。
光は希望を与え、人はその光と希望を深く求める。
少年は光だった。
その輝きは誰もが持てるものではなく、とても眩しくとても強く、誰もが望む『理想の偶像』であった。
どんな状況でも諦めず。
どんな状態でも明るく。
どんな時だって前を向いて。
どんなことがあろうとも誰かを助けようとした。
そんな彼が
少年が
なれば、そんな少年の存在はどれだけ大きいのだろうか。
もし真実を知ってしまえば、彼と深く関わる少女たちの心は、どうなってしまうのだろうか。
少年が居なくなってしまえば、彼女たちはどうなるのか---それは神すら分からない。
ただ傍に居る。
それしか出来なかった紡絆は力の入らない左腕を抑えながら、家へと入る。
もはやここまで目立つものは隠し切れることでもなく、 小都音には話さなければならないだろう。無論、呪いであることは隠して、一時的にという形にして。
それより今の問題はふたつ、死ぬつもりはなくとも自分の命が尽きようとしていること。
もうひとつは、皆の精神状況が芳しくないこと。
車の中で友奈が自身の気持ちを抑え込んでいたのを見ていた紡絆は、彼女自身も危ういと理解している。
だが、なんの確証もない、中身のない言葉だけを伝えても意味が無い。
ならば、出来ることは---
「おに…ちゃん?」
そんな思考は、目を見開いて呆然とする小都音の姿を見て、掻き消された。
スマホは壊れたが、電波が入るようになってから連絡は入れてもらっていた。
しかし小都音の場合はそうではなく、紡絆の様子を見て、だろう。
「どう……したの?その、腕…」
「これは…」
だからこそ話すしかない。
自身の命のことは話さず、左腕と左目のことを。
そうして紡絆は、 事情を説明していく。
長きに渡る戦闘の影響で回復が追いついておらず、無理しすぎた結果、左腕が一時的に動かなくなり、左目に関しては攻撃を受けた際に視力が悪くなって見えなくなっていること。
温感に関しては目立つものでもないので、話さなかった。
「それは、治る……の?」
「あぁ---いや、俺よりもみんなだ」
「…みんな?」
確証がない。
故に嘘のつけない彼は答えずに話を変えると、何か言いたそうな様子ではあったが、みんな、という発言に違和感を覚えたのだろう。
暗い表情を浮かべたまま小都音は聞く。
「ほら、延長戦が終わったけど、まだ後遺症が残ってるだろ?解決しないとなーって。それが解決するまで、延長戦は終わったって言えないだろ」
「…お兄ちゃんは本当にいつも、他人ばかりだね」
「…小都音?」
「ううん…正直、私にはどうすればいいか分からない。でもお兄ちゃんがこのことを話したってことはみんなに心配かけたくないから。隠したいんでしょ」
確かに左腕という明らかにバレる箇所でも、話さないことは出来るはずだ。
確かに紡絆は嘘をつけないが、あくまですぐバレる…のと自ら自白するだけで決して嘘の発言が出来ないわけではないのだから。
わざわざ小都音に話したのは、何か案がないか聞きたかったのもあるだろう。
「俺だと浮かばないし…小都音にはバレると思ったからさ。左目のことも、バレたしな。でもよく分かったな」
「お兄ちゃんのことは、誰よりも見てるもん。いつも無理ばかりして、自分のことを顧みなくて、ただ突っ走るお兄ちゃんを」
「…なんか、ちょっと棘があるような…」
「気のせいだよ」
「いや」
「気のせいだよ?」
「アッハイ……」
明らかに言葉の節々に棘があるような発言だが、ただ笑顔を浮かべてるだけなのに妙に圧のある笑顔に紡絆は屈した。
「……お兄ちゃんがそうするって言うなら、私は止めない。止められないから。でも、これだけは約束して」
「……?」
「絶対に無事に帰ってくること。私の元に……帰ってくること。そうしてくれたら、私は協力する」
紡絆の覚悟は頑固たるもので、誰であろうと崩すことは出来ない。彼はもう---いや恐らく、ウルトラマンに選ばれた時から既に止まれない領域に来ている。
あれだけ言ってもなお、紡絆は決して止まることはしなかったのだから。
ならば、小都音に出来るのは止めるのではなく、場所を作ること。
だがそれは無意味に等しい。なぜなら---
「…?当たり前だろ、小都音は俺の家族で、ここが大切な居場所なんだ。俺はウルトラマンだ。
俺が戦う理由は、人を救うだけじゃなくて、みんなと、小都音と生きるためでもあるんだから」
「-----」
既に紡絆は、答えを持っているからだ。
死ぬために戦うのではなく、生きるために戦い、皆を生かすために守り、自分も生きてまた次に誰かを助けるため、
それは人である限り誰もが持つ欲望と呼ばれるもの。
しかし全てを救おうだなんて、人の身では不可能で、烏滸がましいだろう。
例えそれが不可能であっても、紡絆の望むそれは人が手を伸ばすにはあまりにも大きすぎて、成し得なくて、出来るものがいるからば、神にも等しい。
それでも足掻き続ける。
誰であろうと救いたい。笑顔で、幸せな日々を送って欲しい。
それが紡絆の決して変わらぬ、奥底。
強さで、彼をウルトラマンとたらしめる要素の、ほんのひとつに過ぎない。
「そ……か」
「大丈夫だって、俺はこんな感じになっちゃってるけど、
「………」
机から乗り出すようにして、小都音の頭を撫でる紡絆は、笑顔だった。
それを見て、小都音は目を伏せる。
眩しいものから、目を逸らすように。
(---そこに、お兄ちゃんはいないんだ……。誰かのことばかり考えて、誰かのためだけに行動して……例え
自身の状態を知っていながらも、またしても他人。
自分の容態に気づいていながらも、天真爛漫の如き笑顔と太陽のように明るく過ごす。
---自分を数に入れないのが、彼だ。それは本人たる紡絆自身が、かつて千樹憐から光を継いだ時に語っている。
「小都音?」
「…なんでもないよ」
「そうか?」
きょとん、と人の気も知らず、人が心配していることも知らず、自分自身ですら数に入ってないことにも気付かず、不思議そうに見つめる紡絆から小都音は決して目を合わせることは出来なかった。
(……ねぇ、お兄ちゃん。私は、何も出来ないんだね…。力があったら…違ったの?私は……お兄ちゃんに、みんなに守られるだけしか、出来ないの……?お兄ちゃんばかりが苦しむなんて…絶対に間違ってる、おかしいよ……)
ただいつも通り、何も変わることなく過ごす紡絆。
だが、紡絆はそうでも周りはそうとは言えず---。
「……ね、お兄ちゃんの体は……ううんお兄ちゃんは…大丈夫なの?」
「……あ〜…えー……と」
真実を確かめるべく、そう告げてきた小都音の返答に、紡絆は曖昧に返すことしか出来なかった。
嘘が付けない、ついたとしてもすぐにバレる。本気で隠す努力をしたとしても、多少は隠せてもやはりすぐバレる。
それが紡絆の利点でもあり---また同時に弱点でもあった。
明らかに怪しくて、明らかに平気ではない状態。
(……やっぱり、そうなんだ…。お兄ちゃんはもう…
だからこそ、小都音は紡絆の反応を見て、完全に確信した。
確信、してしまった。
紡絆と違い、頭が良くて、兄のことをしっかり見ていて、故に小都音は戦いの場にいなかったとしても、紡絆の様子を見ていなくとも、全てが確信していく。
(きっと…身体機能も、お兄ちゃんの場合は治らない。まるで、日に日にお兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなくなっていくみたいで…ぜんぶぜんぶ、こわれる…壊れてく……私からお兄ちゃんを奪っていく世界…そんなの、本当に必要なの…?
きっとお兄ちゃんは…帰ってこない、帰ってこられないんだ……だって、お兄ちゃんはもう……次に戦うことになったら、死ぬから…そんなの…私は、私は……むり、だよ…絶対に、もう……耐えれない……どうしたら、よかったの…?どうしたら、いいの……)
俯いたままの小都音は、膝元に置いた手のひらを握りしめる。
彼女の心には依然と変わらず泥沼のような感情が濁流のように押し寄せては渦巻き、まとわりついていき、絶望という二文字が相応しいものが浮かぶ。
それでも、それでもほんの少しの、ほんのミリ単位の希望に縋り付くように、小都音はこの場だけでもいいから否定してくれることを願って、視線を上げる--
「そ、そうだ。そういえばさ、今度の文化祭、結局まだ決まってないけど、どうなるんだろうな」
しかし、結局紡絆は誤魔化すという手段すら取る事が出来ず、その話題転換は全てを肯定するのと同義。
小都音の中に、信じたくて僅かに残っていた希望すら打ち砕かれ、自らのスカートに皺が出来ることも気にせず丈を握り締める。
紡絆が話している言葉が耳から流れていくほどに頭が真っ白になり、瞳は光を失ったかのように虚ろだった。
全ての気力を失ったかのように脱力し、小都音は無言で立ち上がった。
「…小都音?」
突然立ち上がったことで、小都音の様子がおかしいことにようやく気づいた紡絆。
だが、気づくのはあまりにも遅すぎる。
この場で彼女が欲しかったのは、嘘でもいいから『大丈夫』という発言だったのだから。
「……お兄ちゃん、ごめんなさい。私寝るから……またふたりでどこかに出かけようね」
「え?あ、ああ…それはいいけど…?」
しかし小都音は微笑むような笑顔でそれを告げると、振り返って部屋に帰るようにささっと出ていってしまう。
それを見ながら急に出かける約束になったことに紡絆は目をぱちぱちと瞬きさせ、考えるように唸っていた。
「うーん……気のせいか?まぁ、やっぱり樹ちゃんのことも気になるんだろうな…なるべく早く、俺のことがみんなにバレる前に治す方法見つけないとな…!」
笑顔だった、というのもあるのだろう。
全く見当違いの考えを導き出し、紡絆はより一層気合を入れる。
やはりどんな真実があったとしても、どんなことがあったとしても、彼は彼だった。
もはや自身の命は、あと僅かだと自覚しているにも限らず---
201:名無しの転生者 ID:cgP4zua9b
で、どんな感じなん?
202:名無しの転生者 ID:SK9iqeBcX
悪いけど、やっぱ思いつかねえんだわ。勇者システムの全貌が分かったところで、システム自体の情報がなけりゃ解析が出来ん…
203:名無しの転生者 ID:sEvPyVW1L
こっちもこっちで世界の技術、割と高いんだけどやっぱ神の力使ってるだけあって方法分かんねーっす。理論もクソもねぇからな…神の力なら神樹様と直接話すしかないかもしれん
204:名無しの転生者 ID:W08pEnKWj
そりゃそうなるよな…せめてイッチの世界に行けたら解析出来るかもしれんが、そんな能力もなければそもそも地球に行けないっぽいし…やはり乃木園子と三ノ輪銀に話を聞きに行くべきでは?
205:名無しの転生者 ID:32TVm6E02
それがいいだろうな、ちなみにイッチの体は?
昨日は左腕と温感喪ったとか言ってたが
206:名無しの転生者 ID:YYmpBUQ9e
強制はいやーきついっす
207:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
今のところ、特に何も無いな。
ただ侵食は進んでる感じはする。あとめっちゃ視界がチカチカするというか光が見える。あの、ほら…なんて言えばいいのかな、視野の中央部に見えるヤツ。
目眩が半端ない……
208:名無しの転生者 ID:ZwqO094VU
それ光視症じゃね?いや閃輝暗点か?
どちらかと言えば脱水症で出来る症状では…?
209:名無しの転生者 ID:COv59axo3
それは水分摂ってくれとしか
210:名無しの転生者 ID:jPn08HImJ
いやでも、呪いの影響で視覚障害が起きてる可能性あるからなぁ…左目なんて実質永久失明だろ?
211:名無しの転生者 ID:27E7wBkhG
これ、どないしろと…?
212:名無しの転生者 ID:DXtCyQSsN
いやー…さすがに思いつかねーわ。一晩相談したが、何も案出ない。
213:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
とりあえずは、勇者システムのことは風先輩には報告しようと思う。
ただちょっと気になることがあるというか……
214:名無しの転生者 ID:XdFg4yZvP
気になること?なんだ?
215:名無しの転生者 ID:fjFxMJ/4H
素直に話せ、流石にこれ以上隠し事は冗談抜きでやばい
216:名無しの転生者 ID:jz/xNj03M
もしかしてノア様もやばいとか…?
217:名無しの転生者 ID:SeM6lkhte
それはマジでやばい(語彙力皆無)
218:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
いや、なんかさ、スペースビーストの振動波が全くないんだ。それが不気味でさ…でも何故か行方不明者が日に日に多くなってる。
ちょっと気になって…クソしんどかったが夜中に現場に行ってみたら物だけ落ちててさ…明らかに救えなかった証拠だった。俺がもっと早くに駆けつけていれば…。
けど、これ本当にスペースビーストの仕業?バンピーラは倒したよな?
それにしてはみんなから聞いてたのと違って、振動波が感知出来ない。
219:名無しの転生者 ID:iI6UZufLC
いや、お前無茶すんな言ったのになにやってんの…?
220:名無しの転生者 ID:sYnIy2qiz
…もしかして、あいつかもしれん。
作中最強のスペースビースト、ザ・ワンを超える存在…全てのスペースビーストの能力を使用できる怪獣…!
やつなら時を風に仕掛けてくるだろうからな。
221:名無しの転生者 ID:zqLF16Tpb
奇しくも憐編と似た状況……か
222:名無しの転生者 ID:7EkhgIItj
そうなるとイッチにとって、それがウルトラマンとして最後の最終決戦になるか…
223:名無しの転生者 ID:aDoruENFI
しかし…本当にそうか?
もしかしたら、やつも強化されてるんじゃないのか
224:名無しの転生者 ID:FbuKgMEjc
強化…まさか、それがティガニキたちを追い詰めた敵か?確かにいくら最強とはいえ、ウルトラマンが四人も居たら倒せるはずだ。
それこそ、無限の再生能力でも持たない限り…
225:名無しの転生者 ID:GlgKjRD9O
つーことは…まさかネオ融合型の力も継いだか?
226:名無しの転生者 ID:PFCCxQHT3
そんなはずはない…と思いたい。
でもグリッターの力が必要言ってたしな…それくらいのクラス、それこそガタノゾーアを超える力、または能力を有しているってことだ。
そうなると『ウルトラマンだけ』では倒せない敵かもしれない。
バーテックスの力があって、超再生などの力を持ってるなら恐らく、ネオ融合型の力も持ち合わせている。
そう判断していいだろう
227:名無しの転生者 ID:ZnCSEBap8
ダイナニキは音信不通になったし、ティガニキも最近は音信不通。
まあイッチの宇宙に干渉してからティガニキたちの時空は一気に動いたっぽいから、多分干渉した影響で何らかの異変が発生したのかも。元々あの宇宙、イッチの宇宙とは信じられないほどに転生者が多いから歴史変わりまくってるし、いつ来ることが不可能になっても不思議じゃないからな。
その代わりイッチの宇宙は状態を伝えてくれる転生者がいないから状況不明で、少なくともゼロファイト2が終わってるか始まっているか…。
なおかつウルトラマンの増援は期待出来ず、最強の敵はほぼほぼ確定…そしてまさかの強化された状態説…イッチは身体機能消失してる上に自分から長くないと言うレベル
228:名無しの転生者 ID:3SBN+cEy3
……どないすんの、これ。知りたくもない真実を掘り当ててしまったぞ
229:名無しの転生者 ID:MByYsKsMb
いや〜ちょっと……流石に無理じゃないですかねこれ……もう無理だわ。なんか色々追い詰められてきてる…もしあいつがその最強の敵なら、イッチは絶対に勝てないし勇者は満開を何度使用しても勝つことは出来んぞ…
230:名無しの転生者 ID:4653HHWoI
転生者って言っても滅びる世界は滅びるし守れないものは守れない。
誰も彼もが全てを救えるようなヒーローになれるわけでもなければ、ハッピーエンドを迎えられる訳では無い…それは分かってる、分かってはいるんだが……
231:名無しの転生者 ID:6kQT700Iz
いくらなんでもイッチ一人に背負わせすぎだし残酷すぎるでしょこの宇宙。
転生者はまだ分かるし色んな理由も推測も出来る。でも、なぜイッチの宇宙のウルトラマンすら地球に入れないんだよ本当に……!
232:光と絆継ぎし転生者 ID:NEXU_ultra
>>227
それは悪いことしたかな…ティガニキにはウルトラマンの重圧を抱えてた時にお世話になったし、今度は俺が助けに行かなきゃなあ。
それとみんな。
大丈夫だって、俺は決して諦めない。
何時からかは分からない。でも違和感を覚えたのは、総攻撃後の、目覚めたときから徐々にだったんだと思う。
ただ普通に生きてきた
でも、俺の記憶はそれだけじゃなかったからな。もう全部、前世の記憶は思い出したんだ。彼にあんなこと言って、俺が地球を守れないなんて情けないにも程がある。口だけの人間には、なりたくない。
俺は守るよ、この宇宙も、地球も、ウルトラマンも勇者も、人も、みんなも。
だから諦めないで、俺に協力してくれないか?俺一人じゃ、きっと乗り越えられない。
俺は知識もなければ、みんなみたいに深く考えるのは無理だ。けど、俺はみんなが好きだから、守りたいんだよ。
多くの希望を背に、悪に屈することなく勇気を持って立ち向かい、勝利を掴み次世代へと紡いでいく---それがウルトラマンだ。
もし俺が死んだとしても、俺の生きてきた証は、光は次へと託される。
だから、俺が今を守るんだ。そうすることで、きっと誰かの幸せを守ることは、できる。俺が立ち向かうことで、きっと意味はある。
ウルトラマンは、決して諦めちゃダメなんだ
233:名無しの転生者 ID:0bKaTgOek
おまえ……
234:名無しの転生者 ID:dfDUsuZZm
…なんつーか、イッチがウルトラマンに選ばれる理由が分かってくるな…ほんと
235:名無しの転生者 ID:p3zAAwntF
にしたって、なんかイッチもちょっと……おかしい、ような。本当に前世で何があったんだ、こいつ…? もう死ぬかもしれないってのに一切迷いがない。
けど、そうだな…ああ、諦めたら終わりか
236:名無しの転生者 ID:nXoy3DG99
まさかイッチに励まされる日が来ようとは…。
でも1つ修正があるとしたら、お前も生きなくちゃダメってことだ
237:名無しの転生者 ID:nNyn88szq
どんな絶望の中でも、立ち向かう強さ。諦めない思い……か。
だからきっと、ノア様はイッチを選んだのかもしれないな。自分自身の力を託せる、人間に。
『絶対に諦めない』という考えを持つ存在に
238:名無しの転生者 ID:VFkkp3RzW
イッチが俺たちを頼ったんだ。
俺たちも俺たちで、まだ諦めちゃダメだな…だったら、応援してやろうじゃねーか。
直接戦うことは出来ない、何もすることは出来ない。
けど、ウルトラマンが立ち上がれる力を、イッチに勇気を与えることは俺たちだって出来るはずなんだ。
それをいつも、テレビで見てきたんだからな…!
239:名無しの転生者 ID:pIbm8rafd
そういや、異星人やら宇宙人が居たって前言ってたな… その経験が今のイッチを作り上げたっぽい? 確かに最初に比べて、イッチも逞しさを感じるようになってきてるし。
けど『彼』って誰のことだ…?
240:名無しの転生者 ID:6ubwEwvKw
そんなことは今はいい。この戦いが終わったら、全部聞けばいいんだよ。
だからイッチには絶対に生きてもらうぞ。
俺らの情けない姿をこれ以上、いつも弄っているイッチに見せるわけにはいかねぇ…!
乃木園子と三ノ輪銀に出会った日の翌日、自身の左腕の機能が停止した件についてはバーテックスとの戦いで転んだ時にヒビが入っていて、帰った後に骨折していたことに気づいたという小都音の提案を使った紡絆は、周りを納得させれた。
というのも、あれだけ凄まじい速度で回転していたのだから、否定出来る人物がいなかったのもある。
それはともかく、勇者部の活動も程々にタイミングを計り、三人は風を屋上へ呼び出した。
「勇者は…決して死ねない?体を、供物として捧げる…?」
「満開を使った後、私たちの体はおかしくなりました。身体機能の一部が欠損しているような状態です。お医者さんの言う通り、あくまで一時的なのだと思ってましたが…乃木園子と三ノ輪銀によればそれが体を供物として捧げるということだと言っていました」
わざわざ屋上へ呼び出した理由は、昨日聞いた話の真実を全て話すためだ。
まだ樹や小都音、夏凜には話さず、先に部長である風には話を通そうという提案で、東郷が代表して語った。
その真実を知らされた風は言葉を失うが、しばらくして口を開く。
「…この話、樹や小都音、夏凜にはもう話したの?」
「いえ…。まずは風先輩に相談しようと思って…」
「そう…」
その話を他にしたのか風は確認すると、友奈から誰にもまだ話してないことを知らされる。
この真実を知ったのは、ここにいる四人。
風が僅かに瞑目する。
三人が取った行動は正しかっただろう。
いくら嘘をついてない様子だったとしても、その真実が本当かどうであれ、この目で実際にそうなったのか見た訳では無い。
あまりにもの重大すぎて、仮に事実ならばどうなるかなんて想像出来ない。
「じゃあ、まだ二人には話さないで。小都音にも一応ね。確かなことがわかるまで、変に心配させたくないのよ」
あくまで問題を先延ばしにするだけだが、風の方針に異論を唱えるものはいなかった。
そして邪魔しないように喋ってなかった紡絆は自身のギブスに何かが落ちてきたことに違和感を覚えて空を見上げると、 雨が降り始めた。
(……なんか、イレイズと会う前の時みたいだな)
随分前、ではない。
割と最近のことだが、あの時もまた、このような天気だった。
実際、紡絆はその後に自身の肉体がどうなっているのか知らされてしまったのだから。
しかし今度もまた、こういう時に雨。ただひたすらに不穏さを漂わせる雨雲。
紡絆はまるで空が彼女たちの状態を示すかのようにも泣いているようにも感じ---ひとまずこの場は解散となったが、紡絆だけは屋上に残って雨の降る街並みを遠い目で見ていた。
唯一動く片手に握られた市販の新しいスマホ。
そこには、今日もまた
そう、反応はない。
一度もエボルトラスターがスペースビーストの出現を知らす反応もせず、毎日毎日と行方不明になる人々が紡絆の知らぬ間に増えている。
明らかに人為的ではなく、超常的な現象だろう。
それでも、今の紡絆には何も出来ない。もはや彼には、探し回れるほどの力は残っていないしそもそも何故そうなってるのかすら分からないのだから。
だからこそ、今出来ることをしなければならないだろう。
「ひとまず…安価だな?」
---この世界はもうダメかもしれない。
この男、あまりにも平常運転だった。
けどまあ、どうせこの後は帰るだけで、やれることは今は無いのだから普通に過ごすという意味では、彼は正解なのかもしれない。
真実を伝えられ、間違いなく口数が減っていた勇者部の活動も終えて、晩御飯を食べ終えた。
『お姉ちゃん、何かあったの?』
残る洗濯物を畳む作業をしていると、不安そうな表情を浮かべる樹の姿があった。
どちらかというとそれは心配から出ているもので、可愛い妹の気遣いに嬉しく思いつつも風の頭にはひとつのことが浮かび上がる。
友奈や東郷からもたらされた情報。
『満開』の代償。今も樹の声は戻る気配はなく、スケッチブックに可愛らしい丸文字で文章を書き会話をしている。
その事が無意識に表情に出ていたのだろう。
取り繕うように表情を切り替え、話題をシフトさせる。
「なんでもないわよー。敢えて言うならあたしの女子力が日に日に上がっていくから困りものだなって思っただけ」
『本当に?』
「本当よ、ホントー。そう、アレはアタシがチアリーダーの助っ人に駆り出されたときの---」
『それは何回も聞いたよ?』
耳に蛸が出来るくらいに聞かされた同じような話。
特に身内である樹は散々聞かされていたので、苦笑を浮かべていた。
けれども何も変わらない話は、普段と同じ日常というものを感じさせるもので、例え失ったものがあっても変わらないものがあると実感出来る。
同時に、そのいつも通りのものが壊れてしまうのが怖くて、風は気丈に振る舞う。
自分は姉で、姉の自分が不安だと妹の樹も不安にさせてしまうのだから。
「それよりほら、もう遅いから寝なさい。アタシもこれが終わったら寝るから」
『うん、おやすみなさい』
「ちゃんと温かくして寝なさいよ?もう夜も冷える季節なんだから風邪を引いちゃうかもしれないし、あのバカと違って体が強いわけじゃないんだから」
『流石に紡絆先輩でも風邪は引くんじゃないかな……』
「そぉ?アイツ、だいぶ前だけど39度の熱あったのに普通に動いてたわよ?」
『そうなの!?』
この場に本人が居たら文句のひとつは言われていたが、哀れなことにバカで通じてしまうことにツッコミを入れてくれる人物はここに居なかったが、まさかの情報に樹は驚いていた。
「ま、依頼終わったら倒れたんだけどね」
『なんていうか…紡絆先輩らしいね』
「あの時は相当焦ったなぁ……自分の体くらい管理しろーって文句は言ったけど、困ってる人優先とか言い出したから総出で無理矢理寝かしたわ。それでも床を這って動こうとするから拘束したけど」
不思議なことに、その光景を知らない樹ですら浮かぶ。
相も変わらずいつまでも平常運転なのは紡絆らしいのだが、流石に病を患っている時まで人助けなのはどうなのだろうか。
「樹はそんなことしないって分かってるけど、風邪を引いたらしんどいだけなんだかんね」
『そんなこと出来るのは紡絆先輩だけだよ…』
「それはそうね」
これに関しては体の強弱は関係なさそうだが、ほとんどの人間はそれほどの高熱だと寝込むのが普通だ。
一体どこに這いつくばってでも高熱を出しながら外に出て人助けしようとするようなやつがいるのか---。
多分本人はほとんど意識はなく、本能で行動していただろうが。
「というわけだから、参考にならないやつは忘れて、樹はちゃんと温かくしなさい」
『うん、小都音ちゃんにも心配かけたくないし、そうするね』
「ならよし」
紡絆のせいで少し無駄話してしまったが、風は部屋に帰る樹を見届けてから再び思考に没頭する。
話題転換には持ってこいの存在だが、思考を放棄する訳にはいかない。
立場が立場なだけに考えることは山ほどあるし、未だに分からないこともあるのだ。
そもそも風は勇者部の中では年長者だが、まだまだ子供。
逃げ出したくなることだってあるし知らないことも多い。
少し前みたいにただ戦って生き残るだけの方が、何も考えなくて良い分楽だろう。
しかし先代勇者、満開の代償。
日常生活にも支障が出るそれは、もはや無視し切れるラインを超えている。
それでも、風は勇者になれなければただの中学生。
出来ることの方が少なく、大赦にはメールを送っているが帰ってくる答えは毎回似たようなものだ。
一時的、調査中といったもの。
その繰り返しで、何よりも不可解なのは紡絆の存在だ。
こちらも同じくずっと大赦にメールを送ってきたが、まるではぐらかすかのようにウルトラマンを宿した存在、同じく調査中ということしか返ってこない。いつまで経っても、紡絆に関してだけはちゃんとした返事は来ない。
じゃあなぜ、
今日伝えられた真実のこともあって、本当は紡絆のことも分かっているのでは、と勘くくってしまう。
でも考えても分からないのも事実であり、それでも唯一の救いは紡絆の存在だろうか。
「…はぁ」
紡絆だけは勇者ではないため身体機能を失うことは決してなく、いつも通りに過ごしてくれる。戦うことで怪我はあれど、後遺症があるわけではない。
そのお陰で、いつもの日常を過ごせていた。誰も不安にならず、押し潰されることもなかった。
だからこそ、不安なのだ。
紡絆の身に何かが起こったら、どうなるのだろうと。
もし何かが起きてしまえば、自分も含めて勇者部がどうなるかなんて想像が出来ない。
特に彼はもう、変身しただけでエナジーコアを鳴らしていたのだ。
以前聞いた説明を考えると不安の種で、恐らく全員が言わないだけで気づいているだろう。
同時にまたそれほど継受紡絆という存在が勇者部の中でどれだけ大きな存在になっていて、自分たちが彼を頼りすぎているということに気づいて苦笑する。
(けどまぁ、紡絆ならきっと、大丈夫よね。変わった様子はなかったし、いくらエナジーコアが点滅していたって言っても前の戦いからそう時間経ってなかったのもあるでしょうし……)
---現実は残酷で、容赦なくて。
そんな希望すらも、あっさりと打ち砕く。
果たして本当のことを知ったとき、いつも通り過ごすことは出来るのだろうか---
薄暗い部屋。
月光に照らされながら、少女---東郷美森は息を荒らげる。それは死の恐怖だった。
否、人間なら誰しも
その感情を持たぬ人間など、自分の命に本気で一切の執着を持たない者くらいだろう。
彼女の手に持つ小太刀は暗い部屋の中で鈍く光を反射して、鋭さを主張する。
「はぁっ…はあっ…!っ…!!」
渇ききった喉に唾を落とし、己の正気を疑う。
深く息を吸おうとも、直ぐに軽く短い吐息に飲まれる。本能が危険を感知し、視界が点滅する様な感覚に陥る。
だがそれでも、東郷は小太刀を汗ばむ手で握り締めて決して離さない。
今からやろうとすることを考えると、覚悟を決めた身でも躊躇してしまう。
それが普通であり、それが人の持つ本能。本来持っているはずのブレーキ。持っていなければならない制御装置であり、恐怖という名の防衛本能。
そんな東郷の脳裏に浮かぶのは、あの日の乃木園子との言葉だった。
初めて会ったはずなのに、なぜか懐かしい雰囲気を纏った彼女たちだったが、彼女は遠回しに言った。
満開の代償で失った部分は二度と戻ってくることはない、と。
彼女たちが嘘をついているとは思えない。彼女たちの状態が、確かにそれを示していたのだから。
だが、そうなんだと簡単に受け止められるような内容ではないだろう。
なればこそやらなければならないことがある。
東郷を含め仲間たちは、体が本当に治らないのかということを確かめる術を持っていなかった。
それでも、確かめる術はひとつだけ残っているのだ。
頭の中では、何度も何度も自問自答が繰り返される。
---本当にここまでして試すべきなのか?
---彼女たちの言葉だけでも信じられるのでは?
---もし推測が外れてしまえば?
---ここまで怖い思いをして、最悪の事態を迎えてしまえば?
浮かんでは消えていく弱音を、ただ強引に捩じ伏せる。
このような結論に至ってしまったのは自分であり、これからやることは他の人に頼めるようなことではない。
でも誰かがやらなければ証明できるものも出来なくて、確信を持つには必要なこと。
だからこそ、やらなくては行けなかった。
東郷は手に持つ小太刀を柔らかい腹部に宛てがう。
だがやはり、覚悟を決めたというのにいざ行うとなると、目前に迫る危機を感じた体の反応は正直で、背筋が泡立つ感覚と共に額からは汗がとめどなく流れ、肺は過度に酸素を求め、二酸化炭素を吐こうとしない。異常なくらいに息が乾き、視界が白くなり、今にも恐怖で気絶しそうだった。
考えないようにしても嫌に身体の全神経がその部分に集中して、次の瞬間に来るであろう熱にも似た痛みと熱さを脳が勝手に想像する。
「っ…!っ…!!」
視界の端には自身で改造を施した
電源は切られ、バッテリーすら抜かれている。電源が点かないことも確認したし間違っても起動はしない。
そもそもこうなると、どうやっても起動出来ない状態。
全て抜かりはなかった。
それを最後に改めて自身の状態と向き合い、己の中にある恐怖心を全て飲み込んで小太刀の頭に手を添える。
肺の空気を少しだけ抜き、息を止めた少女は目を閉じるのと同時に、次の瞬間には躊躇することなく腹部に刀身を力の限り込めて一気に押し込む---。
---ゆっくりと、目を開く。
痛みは無い。それも当然だ。
視線の先、東郷の腹を貫くはずだった切っ先は、本来であるならば鮮血に染まるはずの刀。
だが皮膚に到達する直前に
「っ!?……はぁっ、はぁっ…!……やっぱり、そうなのね……っ!」
力を失った東郷の手の中から、するりと小太刀が零れ落ちた。
落下した小太刀が床へと衝突し、鈍い金属音を響かせる。
その音を気にせず、東郷は執拗く全身に響く心臓に手を添える。まだ、間違いなく生きている。何処も傷ついてなければ、何処も痛くは無い。
それに安心し、喜ぶのも束の間。
実験は成功し、東郷の立てた
「……やっぱり…やっぱり…っ!彼女たちの言葉は全部正しい……ッ!
そう、傍らには
無論、念の為言っておくが、ここには東郷しかいない。
さっきも確認したがスマートフォンは電源を切っているし、内部バッテリーまで取り出している。
だから、誰もスマホを起動出来る者もいなければ、勇者システムは---勇者アプリは起動する筈がなかった。
だが現実は、残酷だった。まるで勇者を死なすことを許さないと言わんばかりに精霊が現れては護って見せた。
否、それは果たして---
東郷の視線の先、今も、卵の殻の割れ目から除く無機質な双眸が、じっと東郷を見上げている。
今まで自分たちをサポートしてくれていた精霊たち。
だというのに、今の東郷には精霊たちが護ってくれているようには一切感じられず、もはや得体の知れないただのバケモノに思えて仕方が無かった。
「でもまだ……確認しなくちゃ……」
東郷はまだ、やるべきことがあった。
もはや自害は無意味。
だとすれば、自分が、自分だからこそ調べなくてはいけないことを調べるために脱いだ服を着用し、場を片付けてから何度か深呼吸。
気持ちが落ち着いたことを自覚すると、起動したパソコンの画面と向き合う。
既に、傍らには役目を終えたかのように精霊は居なかった。
真実を知ってもなお、彼女を突き動かすのはなんなのか。
確かに信じたくなくて検証して、信じるしかなくなってしまったこともある。
でも、彼女にとってまだ大切なものが残っていた。絶望をするには、まだやらなくちゃいけないことがある。
こっちを後回しにしていたのは、簡単な話だ。
こっちに関しては東郷の命には関わることでは無い。
じゃあ、それが誰なのか?
それは---
「紡絆くん……」
そう、勇者でもない身で樹海に入ることが出来、ウルトラマンを宿した人間。
紡絆の事だった。
彼女は、彼女たちは勇者になった時くらいに紡絆からウルトラマンのことに関して情報を共有されている。
でも、思い返して見れば紡絆は総襲撃後からおかしいのだ。
以前からは考えられないくらいに落ち着きがあって、過度な行動はしないようになっていて、動くことが少なくなっていた。
まるで
「何より不可解なのは……以前の戦い」
ネオ融合型昇華獣、ノスファルモス。
スペースビーストと本物のバーテックスにはなれなかった星座の力を含んでいるのもあって、凄まじい力を持つ敵。
そこは良い。
問題なのはそっちではなく、紡絆が右に対する反応速度は一瞬だったのに対して
それを調べるために、東郷はパスワード付きのフォルダを開いて入力。
そこには
何処も彼処も、笑顔を浮かべていたり明るい表情を浮かべる姿の方が多く、こういう状況ならば見ているだけで此方が元気になりそうな画像。
スクロールしては見ていくが、やはり画像だけでは分からない。
そのため東郷は動画を次々と開くことにした。
すると、どういうことだろうか。
どの動画にも、いつからか
瞬きの一瞬だけでも、今気づいたと言わんばかりに数フレーム遅れて反応していた。
何よりも、体が痛みを発したかのように行動の節々の動作がmm単位で遅れていて、浮かべている表情にも普通ならば気づかないほどに、僅かに苦しそうな様子があった。
明らかな違和感。
東郷の脳裏には以前の戦いが思い出され、過去のデータを照合する。
バーテックスやスペースビーストとの戦いが始まる前の始まった直後、しばらくした後、それから最近の動画ファイル。
継受紡絆という人間は動いてないと気が済まない人間で、東郷はもはや彼の日常風景を見た者が引くレベルで保存している。
そんな彼女にとっては似たような動画を発見するのはそう難しくはなく、そもそも紡絆自体がこういうデータが必要な時には打ってつけの人間だった。
改造したパソコンなのもあって、動画時間を合わせて限界までスローにしながら照合する。
複数の動画が重なり、ちょっと遅く反応する動画、
しかも後者に関しては、
流石に戦いの記録はないが、東郷の記憶内にあるデータを脳内で照合すると、ますます確信が強くなる。
あの時のノスファルモスの分身を、紡絆は真正面から破ってみせた。ワンフレームのミスも許されない状況なのに、彼は驚異的な反応速度だけで乗り越えたのに、左から突如現れる時だけは、絶対に遅れていたのだ。
さらに日常風景でも確認出来るmm単位で遅れている行動の節々。反応、反射速度。
どれも不自然に遅れているし、人助け命の紡絆がそういった場面でも気づくのが遅れるなんて、以前までなら有り得るはずもない。
それから導かれる結論は一つ。
「やっぱり紡絆くんは---
何らかの要因で、機能を失ったということ。
だが、紡絆は勇者では無い。だとしたらウルトラマンか?と言われると、間違いなくNO。
奇しくも先ほどの検証が、ウルトラマンが原因であることを否定する材料になる。
なぜなら乃木園子は
むしろあったら、最初の頃に伝えていたはずだ。メタフィールドのデメリット、エナジーコアやコアゲージの理由も答えていたのだから、わざわざそこだけ隠す必要などない。
じゃあそれは、
「最初の頃は、怪我を負っていただけ……だとすれば---」
自分たちが満開したあとは、紡絆にそういった異常は見られなかったし、その前の戦いはだいたい一緒だ。
ウルトラマンのダメージは還元されるとはいえ、今まで身体機能の停止なんてなかった。
でも、
紡絆が目覚めたあとの戦いから、前々回の戦いまで。
おそらく、その中のどれかで何らかの異変が起きた。
原因は不明だが、戦いのことを一切言わなかった紡絆のことだ。
彼のことをよく知る東郷は、それらもまた自分たちに負担をかけないためだというのは理解している。
それに今見返すと、それ以降の動画から紡絆の行動が少しずつ遅れたり硬直が増えているのだ。
最近のであれば、スローにしなくても分かるほどに。
それは、日に日にボロボロになっていたという証拠。
「紡絆くん、あなたは……」
さらに。
あの時は考えることが別にあってそうだと納得はしたが、以前の戦いで何かがあると確信した東郷は、それはもういつも以上に紡絆を観察していた。
しかし紡絆は樹海に居た時も帰ってきたあとも別に痛むような様子はなかったのだ。
いくら骨にヒビが入ってたとしても、紡絆には痛覚があるのだから痛みを感じるはずで、現に今日も欠伸して右目を閉じていた紡絆は階段で転んで痛がっていた。
その他にも、あの時一時間くらい帰ってこない姿に違和感があって、友奈と一緒に屋上へと戻ったのだ。
確かにまだ肌寒い日ではない。
けれども、雨にずっと濡れれば人間というのは寒くなる。
もう真夏でもないのだからびしょ濡れになれば寒い、と感じることはあるだろう。
けれども紡絆は服から雨粒が落ちるほどに濡れても寒いと言うこともなければ、肌寒くなると思って差し出した
思い返せば思い返すほど不自然な場面が出てきて、パズルのピースのように繋がっていく。
信じたくない、出て欲しくない答えを、東郷の頭は勝手に導き出していき---
「温感と、左腕も……失ってると、言うの……?」
東郷は、完全に
それが本人に聞かないと分からないとしても、原因は分からないとしても、答えが出てしまう、出てしまったのだ。
「だとしたらウルトラマンに変身して、すぐにエナジーコアがなった理由も、納得がいく……じゃあ、紡絆くんはこれ以上戦えば---」
ウルトラマンのエナジーコアは変身者の生命活動を意味する。
前回の戦いでは、紡絆は変身して間もなく鳴っていた。
前々回の戦いではすぐには鳴ってなかったのに、だ。
しかも一切攻撃が出来ていなかった。光線を打とうとしても、打つことは不可能だった。本来のウルトラマンの身長の半分でもあったし、飛行すら出来てなかった。
それは体がボロボロだから、生命力が低下しているから、動くことすらままならなかったのだろう。
つまるところ、変身する力がやっとだということ。
だからこそ、東郷の頭は理解してしまう。
回復することもなく、戦う度に傷は増えて、左目を失っていたかと思えば、今日の紡絆を見ていつの間にか左腕と温感を失っていたことに気づいた。つまり、紡絆の体は今は想像も出来ないくらいに酷い状況のはずで、表に出さないだけで、動くだけでも痛いのだろう。
さらにエナジーコアが変身直後に鳴るのは、変身者の命が失われかけていること。
ならきっとこれ以上戦い続ければ……次に戦えば、継受紡絆という人間は勇者と同じく身体機能を失い続ける---いや
「紡絆くんが、死ぬ……?」
言葉にすると、不思議と心にストンと落ち、記憶が駆け巡る。
最近の紡絆は、以前と違って動く方が少なかった。以前までなら部活を始めようとしたら止めるまもなく即座に依頼へ向かっていこうとするのを、みんなが慌てて止めたはず。
でも今は最低限動く程度。とても紡絆らしくない行動。
それは、
でも、変身だけでエナジーコアが鳴るということは、次に戦いがあれば待つ先は死。だが、紡絆は間違いなくそれを言わないし戦うだろう。
言ったら、彼は必ず止められると知っているから。
それに気づいた東郷は動揺し、全身の力が抜けたように腕がぶらりと揺らぐ。
掴んでいたはずのマウスが地面に落ち、動かしていたはずの意志は折れ、その瞳には絶望と呼べる暗闇が宿る。
「そんな…紡絆くんが死ぬ、だなんて……うそ…だって、いつも、いつもあんなに……ッ!」
頭で理解しても、感情が追いつかない。
次々と浮かべば、一度違和感を覚えたせいで異質感だけ残して消えていく紡絆の姿。
どんなときも明るく、そんな気配を一切感じられないほど普通に過ごしていた。
でも、こうやって考えてしまったら、目覚めてからの行動がおかしかったことが分かる。
信じたくない、というように首を振るっても、何も変わらない。ますますと大きくなっていき、勝手に脳が整理しては真実だけを突きつけてくる。
もっと早く気づいていれば、という後悔が巡り、それでもたった一つの希望が浮かんだ。
「ぁ……だ、大丈夫……だって、紡絆くんは約束を、破らない。いつも、いつも守って……まも……て?」
ふと思い出す。
本当に、そうかと。
確かに紡絆は約束を破ることはしなかった。それこそ約束を果たせない状況---例えば交通事故にあったりしない限り。
これまでの戦いだって、なんだかんだ交わした約束は全て守ってきた紡絆だが、東郷の脳はここでも無情にも記憶を再生する。
つい最近、約束をしたのはいつだ?
久しぶりに二人きりで出かけて、帰っていくその背中を見てると不思議と不安になって、思わず叫んだ言葉。
『また一緒に出かけよう』と。
「やく……そく……? やく…そく、だなんて……いつ、したの……?いつ、したんだっけ……?」
そう、果たして紡絆は
あの嘘が全くつけない紡絆が、自身の肉体が限界だと知っている頃に、果たせない約束を交わすか?
あの時の紡絆はそう---
---彼は、たったの一度も
それを口にすれば、東郷ならば必ず気づくと分かっているのだから。
「ぁ……あぁ……っ」
気がつけば、全てが変わってしまう。
気が付きたくなかったことを、自身の頭が自分の意志に関係なく真実へと到達してしまう。
誰も約束してない。自身の体が危ういということを伝えられていない。
なぜもっと早く、身内以外ではずっと近くにいた自分が気づかなかったのか。気づいてあげられなかったのか。
いや、止めるか云々はともかく以前までの東郷なら必ず気づいていたはず。
前兆はあった。
あの合宿の時から、ずっと。
ふと不安になる紡絆の笑顔。
何処か遠い場所を目を見る姿。
それは---紡絆が何処か遠くに行ってしまうと、心のどこかで思ってたからでは、と。知っていたからでは、と。
そう、本当に気づく可能性はいくらでもあった。あったのだ。
でも、考えたくなくて、そんなはずは無いと思って、考えに蓋をしてしまっていただけ。
だってそれを考えたらもう---
「いや……いや……いやぁっ…!」
現実になってしまうと、無意識に理解していたのだから。
ウルトラマンではなく、ちっぽけな人類の一個体に過ぎない紡絆が脅威として扱われる理由。
それは、彼の存在が勇者部の支柱になっており、紡絆がいるだけで本来勝てないはずのスペースビーストに対して、融合型に対して、勇者が拮抗し、勝つことが出来る。
流れが、勢いが乗るのだ。
何故なら、紡絆は
どれだけ絶望があっても、どんな絶望の中でも、紡絆が諦めなかったからこそ、今が続いていた。
でももう---
「たえ、られない……そん、なの……確認しなきゃ…紡絆くんに確認しないと……!大丈夫、気を取り戻さないと…私が私らしく居なきゃ、紡絆くんに心配かけちゃう…。大丈夫、大丈夫…ッ!ずっと、ずっと一緒に居られる…居られるはずだから……!紡絆くんならきっと、いつもの顔で、大丈夫だと言ってくれるはずだからッ!!だって、紡絆くんは私の…私の希望だもの……ッ!!」
---人というものは、必ず何かに縋る。
絶望的な状況に陥った時、気づいてしまったとき、なにかに助けを求める。
周囲の人間、両親、親しい存在、誰にもある何かに縋って、救いを求める。
それは東郷も同じで、彼女は藁にもすがる思いで自身の心を保つ。
ただ分かるのは、それが崩れ去ってしまえば、彼女の希望は打ち砕かれるということ。
奇しくもファウストの言葉が全ての的を得ていたかのように。
歯車は既に、狂っていた---
日は過ぎ、秋もちょっとずつ近くなっていく。
より一層肉体がやばくなっていることを紡絆は他人のように考えつつも、流石にギブスは外して包帯を巻くだけにしつつ、ただ日常を過していた。
しかし過ごす日常は何処かおかしくて、誰もがいつも通りに過ごせるはずもなく、お役目や代償に関して話題が出ない。
そもそもひとつの疑問が残っている。
延長戦は終わった。
じゃあ、何故
(スペースビーストならば俺に任せたらいい。大赦もウルトラマンを神聖視してるなら、わざわざ勇者を使うはずがない)
勇者は限られている。
だからいつか脅威が現れてもいいように、対抗手段として勇者という存在が必要で、温存しておきたいだろう。
乃木園子の言葉が正しいなら、勇者はごく一部しかなれないのだから。
スペースビーストのみなら、それこそウルトラマンに任せるはず。
だが、まだバーテックスが存在するなら?
ウルトラマンがスペースビーストの対抗出来る存在であるように、この世界では勇者がバーテックスに対抗出来る存在。いくらウルトラマンでもバーテックスに対抗出来るとはいえ、だ。
バーテックスがいるからこそ、まだ大赦は勇者部から端末を取り上げないのでは、と簡単に予想がつく。
無論、そのような予想を紡絆が立てられるわけがないので、彼の予想ではないのだが。
(多分だけど、夏凜と樹ちゃんは問題ない。一番危ういのは東郷かもしれないな)
実は今日、紡絆は東郷に家に来て欲しいと呼ばれている。
真実を知っているのは、自分を含めて四人。
友奈、東郷、風だ。
その中でも東郷は一番頭が良いだろう。
最下位は紡絆だが、どちらにせよ今危ういのは先ほど挙げた三人。
しかしながら紡絆の体はひとつしかなく、そもそもその体すらまだ問題ないが、左半身を侵食しかけていることからいつ左足から全身まで動かなくなるのか分からない。
後は時折視界がチカチカすることか。もしかしたら視力が完全に消されるのかもしれない。
今の紡絆にとって、最大の敵は時間だ。
自分が死ぬ前に解決しなくてはならない。自分が動けなくなるまでに救う手段を見つけなくてはならない。自分が何も出来なくなる前に戦いを終わらすかウルトラマンを救わなければならない。
そこに自分が助かる、という選択がないのが、良くも悪くも狂っている彼らしいが、結局のところ全て時間なのだ。
(まぁ、やれることをやるしかないか……)
ただそれだけを考え、紡絆は東郷の家へと入っていく。
既に見知った靴が二足あり、どうやら紡絆がラストだった。
慣れた様子で歩いていき、集まるように言われている東郷の部屋へと入ると、そこには当然ながら東郷が居て、友奈と風も居た。
「っ……!」
「…?遅れました、すみません」
「やっと来たわね……で、話してくれるんでしょうね、東郷?急に話があるって言ってたけど…」
入ってきた紡絆は東郷の様子が少しおかしく感じたが、気のせいかと思いつつ遅れたことに謝る。
そのことに特に気にした様子はなく、早速本題へと入っていた。
このメンバーが集められたことから、どんな話を切り出してくるか予想するのは容易い。
それでも呼び出した本人からは要件は伝えられてなくて、努めて明るく、いつもの調子で場を作った風に東郷は深呼吸をして心を落ち着かせると、瞑目する。
「三人に、見てもらいたいものがあって」
車椅子を動かす東郷を紡絆たちは視線で追う。
彼女は自身の学習机と思われるところへと向かっており、紡絆はとりあえず座っている友奈とその横で立つ風の近くに移動した。
するとカタン、と軽い音を鳴らしながら引き出しから何かを持ち出した東郷は、戸惑う三人へと向き直る。
東郷が取り出したのは、短い長さの棒…のように見える。
長さ30センチ程度のその棒には、黒い下地に金の装飾。そして小さく青い花が彫られていた。
いや、それは棒などでは無い。
■■■■にとって、何度も見たことのあるものであり、とてつもなく見覚えのある物。
この場で紡絆はその手に持つものがなんなのかを誰よりも早くに理解した。
しかしそれが見せたいものかと思い、首を傾げる。
そんな三人の前で東郷は何も言わず空いた右手を棒の端に添える。
チャキリ。と一つ音がして、その中から鈍色に光る刀身が現れた。
「ッ!」
その瞬間、紡絆は迷うことがなかった。
距離にして数m。
ポタ、と水音に近い音が静かな部屋に響き、ゆっくりと床に流れていく。
「と…東郷さん……?」
「っ……いま、の…」
東郷が自身の右側の首筋に向け、勢いよく押し付けようとした小太刀を、紡絆は寸前で掴んだ。
その際に
完全に自害しようとしていた光景。
しかし東郷の目は不自然に静かで、何処か確信を得たかのような、奥に見える僅かな暗い空虚の瞳を見た紡絆はそれが理解出来なかったが、行動の理由は理解した。
「あ、あんた今!紡絆が止めなかったら「いや……風先輩、違います」……どういうこと?」
忘我から抜け出した風が詰め寄ろうとした言葉に被せるように紡絆が否定する。
そう、見ただけでは明らかに東郷が自殺のためにやった行動にしか見えない。
けれども、紡絆の身体能力は今や常人ではない。
「今、ほんの僅かですけど精霊が現れるところが見えました。俺が止めるまでもなく、精霊が守ってたと思います」
「精霊が……!?」
そう、紡絆の目は確かに捉えた。
小太刀が当たる直前、精霊が出現しようとしていたところを。
紡絆の目ですら僅かなのだから、当然風や友奈には見えてないだろうが。
「……やっぱり、紡絆くんには見えたのね。本当は風先輩たちにも見てもらおうと思ったのけれど……その通り、私はこの数日間、十回以上自害を試みてきました」
「なっ……!?」
紡絆という人間がここにいる時点で、止められることは察していたのだろう。
一瞬だけ申し訳なさそうな表情を浮かべたが、僅かに俯いた東郷は衝撃的な言葉を言い放つ。
そんな東郷に友奈と風は言葉を失う。
紡絆はやっぱりか、といった表情を浮かべていたが、まるで紡絆と東郷の言葉を証明するかのように東郷の精霊が全て出現し、今も小太刀を掴んだ状態の紡絆の手から、刑部狸が小太刀をそっと取り、引き離しては机に置いていた。
「切腹。首吊り。飛び降り。一酸化炭素中毒。服毒。焼身…そのどれもすべて、精霊に止められました」
まるで他人事のように淡々と東郷は語る。
その表情からは、どんな感情も読み取れない。
ただただ事実を並べるように、とても信じられないようなことを東郷は口にしていた。
「何が…言いたいの…?」
風がかろうじて絞り出した言葉は、とても弱々しかった。
カラカラになった喉がひりついて、僅かに痛みを訴えている。
風は瞬きも忘れて東郷の次の言葉を待った。
そんなこと、聞かなくても本当はわかっているだろう。
あの紡絆ですら分かっている。
「今私は、勇者システムを起動させてはいませんでしたよね」
「あっ…そういえば、そうだね」
「それにもかかわらず精霊は勝手に動き、今も刀を持っていきました。精霊が、勝手に」
「だから…何が言いたいのよ東郷!!」
語気を荒げる風に対し、あくまで東郷は冷静だ。
冷静に、誰にとっても---それこそ自分にすらも、残酷な事実と推測を告げる。
「精霊は、私たちの意志とは関係なく動いている、という事です。
精霊は私たち勇者の戦う意思に呼応して私たちを助けてくれる存在だと、そう思っていました。でも違った。精霊の行動に私たちの意志など関係ない。前提として、もっと早くこの結論に至るべきだったんです。
風先輩や友奈ちゃんも、見たことあるでしょう?私たちの意思に関係なく精霊は現れては
「あ……」
その言葉で、思い出したのだろう。
友奈が一番自覚しているはずだ。
牛鬼が特に、そうだったのだから。あまりにも精霊は、自由すぎた。
例え端末から戻そうとしても、戻ることがなかったことがあったのだから。
どの精霊にも当てはまる。
「---それに気づいたら、この…精霊というシステムは勇者の御役目を助けるものではなく、勇者を御役目に縛り付けるもの。死なせずに戦わせ続けるための装置なんじゃないかって思えたんです」
「で…でも、私達を守ってくれたって事に変わりは無いし、それは悪いことじゃないんじゃ…」
「友奈ちゃん……私はそうは思わないの。
なぜならアプリを起動しなくてもシステムが動くってことは、もし端末が無くても、私達は樹海化に巻き込まれるということ。それこそ、紡絆くんみたいに。
なにより一番最初の頃はともかく、二度目のとき私は戦意を持てなかったのに樹海化に巻き込まれたもの」
「………」
自身のことを挙げられ、何とも言えない表情を浮かべる紡絆。
しかし東郷の言葉も最もで、事情を知っていた風以外は一番最初の時なんて戦う気持ちはなかったはず。
その時は
でも、二回目は普通に巻き込まれているし紡絆に関しては端末もなしに普通に入れてる。
いくら紡絆だけは不明とはいえ、今のこの話に確実性を生むには材料となり得る。
「…乃木園子の言葉には嘘がなかった。私たちは死ねないし満開の後遺症が治ることはない。先代勇者という前例があった以上、大赦は全て知っていたはず。私達は、何も知らず騙されて、私たちは最初から大赦にとって消耗品でしかなかった…ッ!」
勇者の不死性。そして満開の代償。
あの日、乃木園子が語ったこと。信じたくないと目を逸らした勇者の真実。
東郷が行った『検証』によって、 それは正しいということが証明されてしまった。不確かな情報が、確かな事実へと変わってしまった。
人間というものは、所詮見る聞くだけじゃ完全に信じることなど出来ない。
行動し、それを経験してようやく確信を持つことが出来る。
---それにしては、東郷の行った行動はあまりにも危険極まりなく、異常すぎるが。
だが、改めて乃木園子や三ノ輪銀の言葉に嘘が何一つなかったことが突きつけられる。
「そんな…そんな…っ!」
「じゃあ樹の声も……みんなの失ったモノも……治らない…?私たちは、生贄…ってこと…?」
『生贄』。
読んで字の如く。身を捧げて最後まで敵と戦うことを義務付けられた存在。それが『勇者』であり、生贄だ。
満開などという、明らかに人類を超えた存在であるウルトラマンに近しい力を無償で手にするなど都合のよすぎる話はあるはずがない。
物語であるならば勇者という存在は土壇場で覚醒し敵を打ち砕くだろう。
でも、この世界の勇者は違う。
先代の勇者は大赦の嘘を一種の思いやりだと諭した。
失う前提を知らせず、気楽とは言い難くとも気負いはせずに戦えるようにとの配慮。
実際にその作戦は功を奏し、バーテックスが七体出現し、その上ファウストや融合型昇華獣という敵が居てもウルトラマンの力があったとはいえ『満開』することで乗り越えることは出来た。
倒すことが出来た。
そして乃木園子や三ノ輪銀は自分たちの頃は追い返すのが精一杯だと言っていたのだ。
間違いなく今代の勇者は強い。追い返すのではなく、バーテックスを倒せるのだから。
でも強いが特別優れているわけではない。
だからバーテックスを打ち倒すために意図して代償を払い一時的に力を得てバーテックスを倒すしかない。
スペースビーストにも対抗して行かなければならないため、想定よりも多くする必要も出てくるだろう。
そうしていずれは身体機能をほとんど失い、動けなくなっていく。
それこそ勇者の辿る確定された未来、運命。決して覆すことの出来ないもので、そうしなければ世界は破滅を迎える。
人類が生き残るための消耗品として使い潰され続ける。
全ての戦いに決着が着くまで---。
絶望がまとわりつき、友奈と風の心を闇が覆うように這っていく。
そんな中でも、東郷は紡絆に視線を送る。
確かめねばならない。
聞きたくないという思いと確かめなければならないという相反する感情を胸にしながら、ほんの僅かな希望を抱いて。
「それと…紡絆くん。それは
「…ッ!?」
突然と矛先が向けられ、紡絆は表情に出してしまう。
続いて言われたなら、取り繕うことは出来たかもしれない。
だが油断しきった状態で言われ、紡絆は素の反応で東郷を見つめ返した。
「え……ど、どういう…こと?紡絆くんも、同じ……?」
ただでさえ治らないという情報だけでもいっぱいいっぱいだったのに、新たな情報が出てきた。
同じ、同じとは一体なんの事か。勇者でもない紡絆は満開を出来ない。樹海に入れるが、それだけだ。
でも同じという発言をこの場で考えるならば、それは---
「…紡絆くん、左目が見えないのよね?」
「…はっ……!?」
「え……?」
確信を持って言われた言葉。
風と友奈の視線が紡絆に向けられ、紡絆は驚いたような表情を浮かべていた。
「み、見えないって……どういうことよ…どういうことなのよ、紡絆ッ…!」
「い、今までそんなこと…本当、なの?」
なぜ東郷が気づけたのかは、紡絆は分からない。
でももはや隠し切れるものでは無いと理解したようで、目を一度伏せると、口を開く。
「あちゃ〜……いつ気づいた? 俺にしては割と隠せてたと思ったんだけど」
「…気づいたのは最近。でも……」
「ああ、俺は左目が見えない。視力を失ってる」
「あたしと……同じ?う、うそ……でしょ……?そんな、そんなこと…そんな様子一度も…ッ!」
潔いといえば潔いだろう。
かなり重大なことを、軽い口調で告げる紡絆だが、周りはそうではない。
なぜ隠していたのか、なぜ一言も言わなかったのか。
どうして左目が見えなくなっているのか。
ウルトラマンに満開と同じような力は、無い。
メタフィールドという命を削る技はあるが、それだけ。
まるで現実から逃れるように、縋るように言葉が口から漏れる。
そんな風の姿を見て、困ったような表情で紡絆は首を振るしかなかった。
それは紡絆がバレないように振る舞っていただけだし、片目だからこそバレなかっただけ。もし両目だったらすぐにバレていただろう。
「それだけじゃない……でしょ?」
「…そこまで気づいてたかぁ。いや、それもそうだよな」
紡絆は左腕が動かなくなってから今に至るまで、一度も動かしたことは無い。
動かないのだから動かせないのだが、東郷を止める時も紡絆は左手ではなく右手を逆手にして止めた。
本来突然のことで止めるとしたら、早い方でやるだろう。あの場合ははっきり言えば、左手で止めた方がやりやすいし早い。
特に普段の紡絆ならば、自身の手が傷つくことを構うことなく凶器を掴んでいたはず。
でもわざわざ右手で止めたのだ。
「そうだよ、俺は左腕の感覚と温度が感じられない、温感も失った」
「……え」
「っ……やっぱり」
愕然とした様子で友奈の口から声が零れ、東郷は信じたくなかった事実を確信して、握り拳を強く握っていた。
「なんで……どうしてあんたはいつも、いつもそんな大事なことを隠してんのよ……なんで、相談してくれなかったのよ…あたしたちよりも失って、なんでいつも通りで居られるのよ…ッ!」
「……?別に
「は……っ!?」
何故そこまで気にしてるのかと、そういったように紡絆は首を傾げる。
まるで理解出来てないといった様子で。心底不思議そうだった。
「失った理由は俺も分かりません。でも良くないですか、死ぬわけでもないですし、俺がそうすることで
確かに紡絆という人間は何処までもお人好しだし自己犠牲の塊だった。
だが、その思考はどう考えたっておかしい。
今目の前にいる人間は、本当に自分たちの知る男の子なのか?普段とは考えられない、どこか不気味な在り方を持つ姿に、風は---いや友奈も東郷も背筋が凍る。
「つ、紡絆くん……?何を言って……」
「これ以上満開をすれば、みんなは確実に失っていく。でも、失う原因が分からないからこそ、俺は戦える。それで何かを失ったとしても、
震える声で、友奈が口を開いたが、返ってくる言葉は優しさを込められつつも自身のことを一切顧みない発言。
嘘は言っていない。
紡絆の身に降りかかる現象は予想を立てているもので、確信しているものではない。
だからこそ失う原因が正確に何かは分からないし
所詮は不便だな、と思う程度で、紡絆という人間は元から壊れている…いや、その表現は正しくないだろう。
しかし今の彼は、
じゃなければ、自らの身体機能を捧げたらどうかとといった提案はしない。
「ね、ねぇ、じょ…冗談…だよね? 失ってるっていうのも本当は違うんだよね…?違うって、言ってよ…紡絆くん!」
「………」
友奈の必死の訴えにすら、紡絆は何も答えられない。
それを答えてしまえば、
---沈黙は、肯定だ。
「っ……事実なのよ。友奈ちゃんも風先輩も、知っているでしょう?紡絆くんは以前のネオ融合型昇華獣との戦いで、
東郷自身も信じたくはないはずだが、ここまで答えが出てしまえば彼女の頭では全て理解している。
そもそもこの話をする前から、ほとんど確信していたものだった。
ただ、残酷な真実だけが知らされていく。
「っ……で、でもっ!な、治る可能性もある…んだよね?」
「いや、残念ながらないだろうな。俺の左目が失われたのは海に行った後の戦いだ。それからずっと、治ることもなければ…今度は左腕と温感が消えた、それだけだ。でも
希望が壊されていき、過去に起きた出来事が全て積み重なり、今の結果を作り上げていく。
紡絆の言葉に、友奈は何かを口にしようとして、口を噤む。誰も、口を開けないのだ。紡絆の発言に言葉を失ってしまっている。
紡絆の言葉に、在り方に『不気味なナニカ』を感じ取って、何も言えない。
もはや、この場の誰も楽観的な思考も持ってなければ希望を抱くことすら出来なかった。
そしてあらゆる真実に追い詰められ、残酷な現実が立ち塞がり、限界を迎えてしまえば---
「あたしの…せいで……あたしのせいで、みんなが……樹が……紡絆が……っ!」
瓦解する。
色んなものを抱えて、勇者部を作って、みんなを勧誘して、戦いへ参加させてしまって、責任を感じていた風には特に、一気に降り掛かってきた。
「全部……あたしのせい……大赦は、これも知ってたの……?だから、だから勇者じゃない紡絆を……違う、あたしが勇者部に、入れたから…だから紡絆までも……う…ぁあああああああ!」
「!風せんぱ---がぁッ!?」
混乱する頭でも、自分が原因であることを自己完結した風はその場から逃げ出すように目元を隠しながら駆け出していく。
それに気づいた紡絆は、彼女を追うように手を伸ばすが、突如として
「…!風先輩…!紡絆くん!」
ただ目の前の出来事に固まっていた友奈は紡絆が倒れたのを見て慌てて近づくと、紡絆は体を丸めるように蹲っていた。
「あぐっ…げふ、げほっ……!ぐぁ…ぐ、ぅぁ、あああああぁぁぁ!?」
左胸を抑え、ただ苦悶に満ちた悲鳴に近い声が部屋に木霊する。
既に温感はない。
熱いという感覚ではなく、苦しくなるような痛みが襲いかかり、咳が酷くなっていく。
「つ、紡絆くん、どうしたの!?あつっ…!? し、しっかりして!」
異常すぎる光景に何をすればいいか分からず、 紡絆の体を抱きしめるように支える友奈だが、高熱が出ている時のように熱く、それでも放っておくことが出来ないため背中を摩る。
「大丈……ぶ?」
違和感を感じた。
何をやればいいかなんて分からなかったし何故突然苦しんでいるのかも分からなかった。
ただ放っておけなくて、紡絆の体に触れて、触れてしまったからこそ、感じた。
手のひらにぬちゃり、とした生暖かい感触があって、見るべきではないというように警報を鳴らす。
でも気になって、それがなんなのか知りたくて、友奈はその警報を無視した。
「え---?」
自身の両手の手のひらに付着していた
灰色だった服の色を服を汚す赤。
口元から零れる赤い液体と、生気を感じさせない真っ暗な左目。両目から流れる赤い涙のようなモノ。
いつもと違って、余裕のない苦しそうな表情。呼吸をするだけで精一杯で焦点は定まっておらず、傷口が開いているのか血が留まることなく流れていく。
---全てが、物語っていた。
「あ……ああ…ああぁぁ…!!」
「…ッ、ゆ、友奈…大丈っ……ぶだから…落ち、着け…!」
血の気が引いたかのように蒼白になり、友奈の瞳が虚ろになると脳が現実を遮断するように視界が真っ暗になる。
そんな友奈を落ち着かせようと紡絆が声をかけるが、胸の苦しみは消えた訳じゃなく手で強く握りしめたままだった。
(声が、届いてないのか…?くそっ、目が…チカチカする……。頻度が増えてきたこれは……なんだ?ダメだ…苦しい、とにかく痛すぎる……何も考えられない…。違う、ダメだ、ダメだっ!まだ終わってない…まだ、彼女たちを救ってない…!この身が朽ち果てようと、それだけは、それだけはしなくちゃ……いけないんだ……!)
原因は分からない。
ただ恐らく自身を蝕む呪いというのは推測出来るが、意識を失いそうな程に苦しくて、それでも保って、視線の先はランプのように点滅する。
それでも変わることはなく、心臓が握りしめられているかのような苦しみを味わい、体中からは叫びたくなるほどの痛みが何度も発せられる。
そんな状態でも紡絆は足掻いて足掻いて足掻いて足掻き続けて---
「……!」
紡絆の全身から
それはまるで、紡絆の生きる意志が呪いを抑え込んだかのように。
(収まった…?ウルトラマンの力か?エボルトラスターは動いてなかったが……いや、なんだっていい!)
血に関してはどうしようもないし、痛みが消えた理由はまったく分からない。
分からなくとも、収まったならやるべきことはひとつ。
絶望しそうになっている目の前の、普通の女の子に光を与えること。
「ゆうな…友奈ッ!」
「え……あ……つむ、ぎくん……?」
「ごめん!大丈夫だから、もう大丈夫だから!」
友奈を安心させるように抱きしめて声をかける。
錯乱状態になりつつある彼女に言葉は通じない。
なら、生きていることを証明すればいい。
温感というのはあくまで感じられないだけで、他人は感じられる。体温があるということは、死んでいる訳では無い。
この場では最も確実で、頭が真っ白になった友奈には一番効果的だった。
「ほん……とうに?」
血だらけだというのに確かめたいのか。
弱々しく、背中に回された手が紡絆の存在を温もりという形で認識する。
「ああ、傷が治ってないだけだから…大丈夫だ、もう平気だから。悪かった。友奈が思っているほど体調は悪くないよ」
「そ……か」
それは嘘だ。
あからさまにあれほど苦しそうにしていたのだから、悪いに決まっている。
友奈もそれは理解していたが、無事かどうあれ『生きている』ことを頭が認識すると、『生きている』という事実を徐々に受け入れていく。
ひとまず紡絆は何とかなったことに安心したが、友奈がこれならまったく反応がない東郷はどうだ---と思い、視線を動かした先。
(……東郷?)
彼女は妙に
一切取り乱すことなく、ただ顔から表情が抜け落ちているかのように
しかし東郷もまた似たような状態になっているのではと思っていた紡絆は普段通りの彼女に違和感を覚えただけで、何ともなさそうな姿に心の底から安心した。
---だからだろうか。その瞳が暗く光を感じさせないことには一切気づかなかった。
彼女は間違いなく紡絆の状態を確信してしまったというのに。
「よかった……感じる、かんじられる…っ。よかった…紡絆くん…。生きてるよね…?生きてる……っ!生きて、るんだ……っ」
「ごめん…ちょっと痛くなっちゃって。もう平気だから、だから安心してくれ」
ひとまずは解決し、自身を蝕む呪いも今は何も影響がない。
この場から離れた風を追うためにも紡絆は友奈を離そうと優しく肩に触れて---
「ぁっ…やぁ…まっ…て。いや、はなさ、ないで……やだよ…やだ……っ」
強く抱きしめられた影響で、紡絆は固まる。
普段、あれほど誰かの目の前で、それも東郷の前では気丈に振舞っていた彼女が気にも留めずに体を震わせて、涙を貯めて、声が震わせて離そうとする紡絆に抵抗していた。
弱音を吐くことのない彼女が、今はただの普通のか弱い女の子のように紡絆に縋っている。
しかしあのまま風を放っておくわけにもいけないのも事実で、何ともない東郷には意外だったが、明らかに様子が可笑しくなっている友奈も放っておけない。
「やだぁ…はなれないで…。いっしょに、いて……おね、がい、だから…いなくならないで……つむぎくん…っ」
無理もないはず。
彼女は、彼女だけは何度も見てる。見てしまっているのだ。勇者部の誰よりも、紡絆の死の間近を何度も、何度も目撃した。
一度目は腹を貫かれたとき。二度目は総力戦。三度目は宇宙空間での変身解除。四度目は帰還後。五度目は今回。
もっと深く辿れば、まだまだ過去にあるだろう。
それらが積み重なり、
何より、友奈自身の両手に付着した大量の血と紡絆の状態を押し潰されそうになっていた不安定な精神で見てしまったのが大きいだろう。
今の友奈は間違いなく、普通ではなかった。
もし引き離そうものなら、一体どうなるのか想像もつかない。
いや、この状態の彼女を見捨てるなど継受紡絆という人間には出来ないし、そうしてしまえばきっと完全に壊れてしまうだろう。
「…居なくならないよ。大丈夫だ、俺はずっといる。友奈の傍に」
「……うん」
「気が済むまで好きにしてくれていいから。なんだってするから、落ち着いて……な?」
「……うん、うん……っ」
結局。
紡絆は友奈を落ち着かせることにした。
風も心配だが、友奈を優先しようと思ったのだろう。
ただ優しく告げ、唯一動く右手で彼女の頭を撫でていく。
---慰めるためにも抱きしめてあげることは、紡絆には出来なくて、冷静じゃなくなっている友奈ですら
だがそれは---
(そう……そうなのね……紡絆くん、あなたは、もう……長くないんだね…。全てを知らなくちゃ……彼女たちに会って、全てを知って、答えを…。答えを出すのは、それから。でもね、紡絆くん。
私は貴方が居ない世界なんて---)
彼女だけじゃなかった。
徐々に這い上がるようにそれぞれに纏わりついていた黒い衝動。
それが溢れ出る時は、近い。
---彼女の、彼女『たち』を支える光は失われ、支えていた光は失われつつある。
そうして全てが壊れ、全てが崩れ、ただコワレていく。
〇継受紡絆/ウルトラマンネクサス
(曇らせタイム)お ま た せ
完全に前世の記憶取り戻した(左腕と温感を失ったあとくらい)
(過去のデュナミストの導きによって至った)精神力カンスト+精神力カンスト(前世の経験)が合わさり、最強のメンタルへ昇格。
が、その代わり前世の影響で自己犠牲力に磨きがかかったので狂気度補正+です。
ちなみに友奈たちに対して例の如くやらかしてる(言葉が抜けてて足りてない)
■■■の呪いを謎の光が一時的に封じたようだが…?
〇結城友奈
メンタル死ぬぅ!寸前。
実は作中で最も『紡絆くんが死にかける』場面を近くで見続けた女の子。
今回はタダでさえ精神的に追い詰められてた上に追い討ちを受けたので、割とピンチ。これも曇らない紡絆くんが悪い。
紡絆くんに縋ることで何とか精神を繋ぎ止めた。
ちなみにここでもし紡絆くんが彼女を放置して風先輩のところに行くと、彼女はコワレていた(友奈ちゃんがヤンデレ化するか心の壊れた彼女を紡絆くんがずっと介助するルート)
まぁそれ以外でもなるヤンデレ化に関しては誰もが可能性はあるんですけどね初見さん
〇犬吠埼風
紡絆くんの狂気的発言と責任感によって押し潰され、その場から逃げるように逃走。
ちなみにあの場で吐血現場を見た瞬間、即BADENDの暴走ルートへ(そして紡絆くんは呪いの痛みを無視して止めようとするので最終的にしぬ)
なお、場合によっては…。
〇東郷美森
既に答えを持ち、全てを察した女の子。
だが彼女はまだ『知らなくちゃいけない』。
失ってしまった■■■■■を。
もし乃木園子と三ノ輪銀に出会う前に紡絆くんのことに気づいた場合はそこで拘束END
ただし、彼女の場合はその後のタイミングでも『コワレル』可能性有り。
〇天海小都音
誰よりも早く紡絆くんの状態に気づいたが、様子はおかしく……。
一応紡絆本人に対しては笑顔を見せたが、彼女の心も…。
ぶっちゃけどの場面でもルート分岐するので責任取れ紡絆くん
〇ティガニキの時空
ティガ(ダイゴ)、ダイナ(アスカ)、ガイア(我夢)、アグル(藤宮)、ネオス、ナイス、ゼノン、ヒカリ、セブンX(別のセブンとして存在する)、ジョー二アス(ヒカリ超一郎)、ゼロ(前世が人間という記憶だけ有り)、カオスロイドUとロボメビウス(さりげなく光の国陣営)が現状確認されている転生者。
ゆゆゆネクサス時空→紡絆(陽灯)くん一人。