【悲報】気がつけば目の前に知らない遺跡があるんですが…【なにこれ】 作:絆蛙
こっからクソ長いのでキリのいいとこで分けました。なんなら曇らせ展開祭り。刮目せよ。
でも多分50話行くわこれ。計画のなさがバレる。
けど本当に1つの章のラストへと向かってる展開になってるので、なんて言うんでしょうか。感慨深いです。
あれから、どれほど経っただろうか。
ひとまず少しはマシになった友奈の手を引いて自身の家へと招き入れた紡絆は割と気まずい空気の中、自身の胸に顔を埋める友奈に身動きを取ることをしていなかった。
105:光■絆継ぎし転生者 ID:NEX■_u■t■■
俺、どうしたらいいかなぁ、これ。そもそもどうしてこうなったのだろうか
106:名無しの転生者 ID:MuU4hq0Yp
クッソ問題ある発言したからだろバカ。普通にタダでさえボロボロで変身してすぐコアゲージが鳴っているという状態を皆に見られてるのにあのタイミングで教えた上にあんな発言したらそうなるわアホ
107:名無しの転生者 ID:cdgeAbXP5
イッチが死にかけすぎなんよ…つーかマジで死ぬ状態だから何もフォロー出来ねぇんだよな。せめてイッチが嘘の上手いタイプなら何とかなったが…
108:名無しの転生者 ID:sI1iI3i/z
てかIDバグってね?
109:名無しの転生者 ID:nZ/o81UIN
また色々起きてんだけど……イッチが発光してたしID消えかけてるしコテハンほぼ死んでるし
110:名無しの転生者 ID:jnpulgIqR
つーか…もしかして、こういう現象起きてるのって存在が消えかけてるんじゃないのか?
前も似たようなのあったが、イッチの身に起きてる呪いって神の呪い説があるから、同じ神の力なら消されたって可笑しくないし…
111:名無しの転生者 ID:Y0jR6V9p/
東郷さんの様子も気になるし部長も気になる…妹ちゃんも気になるし、友奈ちゃんは実質ダウン…どうすんのこれ
112:名無しの転生者 ID:GaoPZd+Sp
ぶっちゃけイッチの発言に引いた
113:光■絆継ぎし転生者 ID:NEX■_u■t■■
いやだって、俺の事なんてどうでもいいだろ。まだ救えてない人いるし俺は最期まで諦めるつもりないし
114:名無しの転生者 ID:SVIV3j2UZ
おい。いつも、いつもそうだわ!
その『大事な箇所』が抜けてんだよアホぉぉおおおおおぉおおおお!!!
一つの発言が起爆剤となったのか容赦なく降り掛かってくる罵倒の嵐に流石の紡絆は頭が痛くなって抱えた。
「つむぎ……くん。もし、かして……ほか、にも…!」
「あ、ああいや他にはないよ。少なくとも俺が自覚してるのはさっき言った三つだけだから!」
紡絆の様子に気づいたのか心配する友奈に慌てて言葉をまくし立てると、落ち着かせるように友奈の手に自身の手を乗せる。
「ぁ……ぅ、ん……。そ、か……」
今回は間に合ったようで、友奈は小さく頷くと乗せられた手を動かして紡絆の手を握っていた。
いつもとは違い、何処か弱々しく見える姿。
勇者であろうとする友奈ではなく、ただの結城友奈という少女の弱りきった姿。
このまま放っておくことなど出来ないだろう。
「……友奈」
「……っ」
友奈は無意識に察したのか、俯いて決して顔を見ずに、まるで逃がさないように、離さないように、ただただ強く握る。
紡絆の呼び声に答えることもせず、その手をにぎり続ける。
それでも、紡絆は友奈を見つめて言葉を紡いでいく。
「……星ってさ、凄い綺麗なんだよな。記憶が戻ったわけじゃないけど、今は自信を持って見るのも調べるのも好きだって言える」
「………」
反応することなく、友奈は顔を上げない。
全く関係のない、脈略の無い話。反応しないのも当然かもしれないが、伝えたかったのかもしれない。
記憶がない頃の跡を辿っていただけで、継受紡絆という人間が本当に星が好きなのかどうか、彼は自分でもわかってなかった。
でも今は、分かってるということを。
「俺が星という天体が好きなように、みんなそれぞれ別々の好きなものがあると思う。大切なものがあると思う。
俺は、そんなみんなが好きを好きでいられるように、誰かが幸せを得られるように、明日を迎えさせたいんだ。
---だから、全部話すよ。聞かなくていい。忘れてくれてもいい。逃げてもいい。俺に出来るのは結局、ただ本当のことを告げるだけなんだ」
素直に嘘を吐いたら、きっと友奈は信じるだろう。
それが嘘だと理解しながら、現実から目を背けるだろう。今の友奈の精神は、あまりにも弱っている。
だが、紡絆はそれをしない。そうしたら、彼女が二度と立ち向かうことが出来ないと
「本当の……こと?」
「ああ---と言っても特別隠してることは無いけどな。俺が今、『感じてる』こと。いや、確信してるって言うのかな、これは」
言葉選びが難しいと苦笑する紡絆は、やはり何も変わらない。
いつも通りの彼で、身体機能を失っているのに、悲観するような様子すら何一つ見られない。
---逃げ出せば、きっと今は守れるだろう。
でも逃げ出しても得られるものなんて、ない。
一つを得ることはあるかもしれない。でも、一つ得られるだけ。
逆に立ち止まって、歩けなくなって、同じ止まった時間を歩み続けるのだろう。
何も無い、ただ偽りの日々へ。そしていずれ、深い後悔に苛まれる。
ただの女の子なら、そっちを選ぶ。
明日ではなく、今を。
でも---
「……聞かせて、全部」
例えどれだけ弱っていても、どれだけ辛い目に遭ったとしても
一つじゃ満足出来ない。バッドエンドなんて、勇者は選ばない。
ここに来て、彼女の心の内にある『勇者の心』が、彼女を奮い立たせ、虚ろな状態でも僅かに顔を上げた。
「……そっか」
その返答を聞いた紡絆は、隠すことなく嬉しそうな笑みを浮かべた。
彼女なら、そう選ぶと信じていたのだろう。
これでも紡絆は、友奈が普通の女の子に過ぎないと分かってる上で、それでも勇気ある女の子だと分かっているのだから。
「でも…手を、繋いで……くれる?本当はこわい、聞きたくない。逃げたい……けど…紡絆くんがを感じられるなら…離れないで居てくれたら、私は『勇者』でいられるから…」
「……分かった」
しかし、あくまで仮初の勇気でしかない。
だからか紡絆は従うように、握っていた手を繋ぐ。
友奈からすれば、今はまだ、感じられる人の温もり。
もしかしたら、突然消えるかもしれない温もり。
身体機能の消失の条件がどういった原因が分からない以上、いずれは紡絆という人間は色々と失うかもしれない。
全てを失うかもしれない。
「正直、俺はもう長くないと思う」
「っ……!」
「例えウルトラマンにならなくても、なっても、戦う戦わない関係なしに、俺はいずれ…死ぬと思う」
いきなりぶっこんで来たが、流石の紡絆も理解してしまっている。
そもそもウルトラマンとして戦うことすら不可能になってきていたのに、身体の状態を無視して全力を引き出せる、いわゆるドーピングして無理した。
効力が切れれば戦えないのに、そこでも無理をして限界を超えた。
その時点で、継受紡絆という人間が持つ可能な許容範囲を大きく超えてしまったのだ。
それがなければ、もう少し長く生きられただろう。
だが自身に降りかかる呪い。それがある限り、紡絆という人間は生きられない。
人間に備わっている自然治癒力が殺されてる今は、自己修復プロセスは作動しないからだ。だから傷は増える。傷は治らない。
予想が的中してるなら、それらは神の呪いなのだから人間の構造を破壊するなど容易いだろう。
そもそも神の呪いを人の身で耐え続けてる時点で、異常なくらいだ。
「どう、して……」
「…俺の体は限界を迎えてるらしくてさ、宇宙の事とか、ウルトラマンの事とか、詳しい友人がいるんだ。
その人に聞いたら、俺の体は限界だって言っていた」
友人というのは、イレイズのことだろう。
さすがに正体を明かすと、情報が漏洩した際に彼の身が狙われる可能性があるため伏せたようだが、こういう時でも彼は他人を気遣う。
「じゃ、じゃあ……もう……紡絆くんは……」
否定しきれない。
友奈はもう、目の前の男の子が何度も死にかけて、さっきもまた苦しそうにしていた所を見ている。
正解を導き出してしまう。
「そうだな…俺に未来はない。でも、みんなの未来はあるだろ?だったら俺は最後まで駆け抜けるだけだ。一人でも多くの人を救えるように、俺らしい俺で生き抜く」
「紡絆くん……」
友奈には、友奈にすら理解が出来ない領域。
何故死ぬことになっても、他人のことを考えられるのか。何故いつも通りに居られるのか。何故死ぬことへの恐怖心すらなく、いつも通りの明るさがあるのか、優しさがあるのか、温もりがあるのか、輝きがあるのか。
友奈ですら恐怖心はある。死ぬのは怖いと思う。きっと、隠しきれない。
でも彼の場合は、取り繕っているわけじゃなく、自然体でいる。
どんなときも、どんな辛いことがあっても、紡絆という人間は笑顔を、明るさを忘れることはなかった。
「……だけど未来がなかったとしても、俺は諦めない。未来がないなら、無い未来を掴み取りたい。
そのためにも友奈にお願いがあるんだ。これはきっと---友奈にしか頼めないことだから。俺が友奈だからこそ、任せたいと思ったことだから」
「私にしか……?」
「ああ、俺の知る結城友奈なら、 勇者を目指す君なら、きっと。ウルトラマンでも俺でもない、結城友奈という俺が信頼してる
「……私、は」
再び俯く友奈。
紡絆は声をかけることなく、ただ見つめる。
例えどう選択しようとも、それが友奈の意志なら尊重するだろう。
嫌だと言えば、納得してさせない。やるといえば、紡絆はそのまま託す。
そんなのは想像するのが容易くて、ただ考える友奈を見ながら紡絆は待ち続ける。
時間が進んでいることを知らせるように、秒針の音と息遣いだけが聞こえる部屋。
手から感じられる温もり。
数秒かもしれない。数分かもしれない。数十分かもしれない。数時間かもしれない。
長く感じられるような空気の中、突如として紡絆の指が絡められる。
友奈の指が、紡絆の指を包むように。絡めて、握られて。
「…信じるよ、信じてるよ。私は、紡絆くんのこと。いつだって信じてきた。だから……紡絆くん。私も頑張るから、私に出来ることを、なんだって。だって勇者は---」
顔を上げて、真っ直ぐに見つめられる眼光。
紡絆から見ても、今の友奈の眼は、その光は
暗闇ではなく、光を。
勇気を持つ少女の、強い眼。その眼差しはウルトラマンにも、紡絆にもない彼女だけの強さ。
「諦めない……か?」
「…うんっ!」
力強く、それでいて確かに頷いた友奈は立ち直っていた。
打ち砕かれた心に光が差し込み、僅かに立ち上がる勇気を与えられた。
また転ぶかもしれない。でも今は、立ち上がれた。
「じゃあ、友奈に頼むよ。うっすらと予感がある。また戦いは終わってないって。だから---」
紡絆は誰でもない、記憶のない自分が一緒に過ごして、身内以外で誰よりも一緒に居て、似たようで似てない一人の少女にひとつの、たったひとつの簡単な言葉を伝える。
その言葉に友奈は驚き、そしてまた、
「---これが、俺が友奈に頼みたいこと。もしもの場合の話。
それでも必ず俺は友奈に
「……うん。分かったよ。紡絆くんにとって、それが……一番なんだよね。戦わないって選択肢はないんだよね……」
「ああ。俺が戦うことで誰かの未来を守れるなら、それでいい」
「そっ……か」
「でも
紡絆は約束を破ったことは無い。
というより破れる性格をしておらず、もとより無理な約束はさすがに彼も結ばない。
そんな彼が約束、と言った。
死ぬつもりがないといった。
それだけで、十分だろう。
それは最後まで足掻き抗うという意思証明なのだから。
「……本当に、凄いなぁ…」
全部全部、この場だけを誤魔化せる嘘をつけば解決するのに。
全部、事実だけを告げた。
その事実が辛いものであっても、こうやって友奈に僅かに立ち上がる力を与えた。
「……今も辛いのは変わらない。紡絆くんがどうなるかって考えたら、すごく怖い。またさっきの姿を見たら、私はきっと…崩れちゃう。紡絆くんが諦めてなくても、死んじゃうんじゃないかって……」
「友奈………」
「でも、今は……大丈夫。こうして紡絆くんと繋がってられると、紡絆くんを感じられてると、勇気が湧いてくるから。安心出来るから。紡絆くんが残す可能性が、私たちにとっての『希望』なんだもんね…。それで紡絆くんを救えるかもしれないなら…なんだってするから」
そう言って手から感じられる温もりを大切にするように、空いている手で包み込むと胸もとで抱え込む。
「きっと私にとって、
「---」
ほんの少し、無理したような笑顔を作る友奈を見てか、紡絆は僅かに固まっていた。
その様子に友奈は首を傾げる。
「…紡絆くん?」
「いや…驚いただけ。でも、そうだな。俺にとってその言葉は、一番の褒め言葉なのかもしれない」
何処か曖昧気味にそう返す紡絆。
その言葉の真意までは分からないが、紡絆という人間にとってウルトラマンが特別な存在なのだろう。
しかしまだ先は分からない。
未来に希望は灯されていない。
それでも今を立ち上がれた友奈のことを考えると、これからどう動くべきか考えようと思考したところで、ふと背後に気配を感じる。
「……私には関係ないですけど、いつまで兄さんの手を
「!?」
「ふぇぁ!?」
気配を感じ取ったのも遅く、第三者の声が聞こえたかと思えばいつの間にか背後を取られていたことに気づいて驚きのあまり固まる紡絆。
そして状況を理解して顔を真っ赤に染めた友奈は飛び跳ねるように離れた。
「い、いいいつの間に……」
「凄いなぁって場面から…です。あと下履いてないんですから普段通りに動くと見えますよ」
「あっ……!?」
呆れたように視線を送りつつ、この場にやってきた小都音はそれはもう氷のように冷たい雰囲気を纏っていた。
ちなみに言っておくと、友奈は紡絆の血に触れた影響で血だらけになっていたのでシャワーを浴びた後に紡絆の服を着ている状態だった。
妹の服を借りようにも探る訳にもいかず、自分の服を貸したまではよかったが、サイズ的に小都音のスカートやら男性用の着用できるズボンがあるわけではないので、跳ぶと色々とまずいだろう。
無論、ちょうどいいサイズじゃなければさっきまでの友奈なら危なかったというのもあるが。
むしろなぜ今まで気づかなかったのかって話になるが、さっきまでいつ壊れてもおかしくないほどに精神的に弱りきっていたので気づく余裕などあるはずもない。
「小都音はいつの間に…?」
「兄さんとお出かけしたくて、準備しておいてって伝えたかったの。……なんだか色々とあったみたいだけど。結城さんってあんな表情するんだ」
「……?そっか、まぁ友奈も女の子だしな」
相変わらず気配を感じられないことに驚きが隠せず、ようやく意識を取り戻した紡絆が問いかけると、要件を伝えに来ただけだったらしい。
それがこの場面に遭遇した、ということだろう。
「……そっちじゃないんだけど…いいよ。私もう少しだけ席外しますから、くれぐれも兄さんを襲わないでくださいね…今の兄さんは抵抗出来ないと思いますし。抱きつくくらいなら許容しますが…キス、は…ちょっとなら……まあ」
「し、しししないよっ!?だ、抱きついたりも、そういうのも、今はいいから……っ!」
「…俺、今襲われたら死ぬ自信しかないなあ」
さっきと打って変わってあっさりと全てを諦めたような目で遠くを見る紡絆。
何だか三人というより約一名だけ全然別の意味で捉えているが、なんだかんだ、マシにはなっただろう。
まだ友奈も不安定ではあるが、ひとまず一時の解決はした。
完全に解決するにはみんなの身体機能を治さない限り戻らないが、後は風の方へ行かなければならない。
が、紡絆は予め夏凜に任せる旨を伝えているのでそこまで心配はしていなかった。
(……生きないとな)
果たして、それは本当に可能なのか。
自分自身の状態を理解して、諦めるつもりが無くても、体は意思とは関係がない。
自身の回復を妨げ、機能を奪ってくる呪いに関しては、紡絆がどうのこうのできるようなものではないのだ。
もちろん完全に助けれてない今は死ぬつもりはないが、死ぬくらいならウルトラマンを助けてから死ぬ。
誰かを助けてから死ぬ。
その思考だけは、何がなんでも消えることは無かった。
259:名無しの転生者 ID:u3vQRdbaX
シャツだけの友奈ちゃんエッッッ!!
260:名無しの転生者 ID:21M6PnL1q
実質告白じゃねーか!
はよ付き合って幸せになって生涯終えろ
261:名無しの転生者 ID:LWu7mRarR
いっそ3Pしろ
262:名無しの転生者 ID:ymfFaQ5+2
ところで下着はどうした?
263:名無しの転生者 ID:KnNqb17Eu
絶望しかない中で友奈ちゃんをたったの一言で立ち直らせたイッチがやばい件について。今までの言動はわざとだった…?惚れる…掘れるわ
264:名無しの転生者 ID:AadAe/rLB
弱ってる友奈ちゃん乙女すぎて可愛すぎる上に何だかえっちぃんだが。もっと曇らせて♡
265:名無しの転生者 ID:hPdHVLPSg
掲示板、変なやつらばっか来てんの草 いや草生やしてる場合じゃないんだが
266:名無しの転生者 ID:gJr6i551
そもそも風呂の時はどうした?
267:光■絆■し転生者 ID:N■X■_u■t■■
>>259
>>262
>>266
最初はいくら弱まってるとはいえ強化されてる身体能力を持つのに連れて行かれそうになったけど冷静になったら傷つくかもしれないからドアの前にいることを条件に何とか防いだ。
服は家族でも小都音の服借りるわけにはいかないし俺の服。ズボンはいいサイズがなかった。というより戦いの影響かボロボロなのしか無かった。
下着は流石にないからどうかは知らん。
ところでこのタイミングでそんなこと聞くのいつも通りで逆に安心出来るよ
268:名無しの転生者 ID:fhHa7eR7o
むしろ律儀に答えてるイッチにも安心出来るわ。お前の状態をつい忘れてしまいそうになるくらいな!!
269:名無しの転生者 ID:3M2eKeFzv
おいちょっと待て、イッチなんかマジで消えてるんだけど>>105の時より見える部分減ってるんですけど!!
270:名無しの転生者 ID:yTQFLBGP1
>>260
この状況でそれは…と思ったけどただただイッチの幸せ願ってただけだったわ。
同感だ、もうこれでいいよ。頼むから何もしないで…(絶望)
271:名無しの転生者 ID:oSyJDk11t
>>267
ちなみにこいつ全身ボロボロな上に吐血するし左目左腕温感消失してるからな。マジでそのまま友奈ちゃんとくっつけばいいんじゃないですかね…もう世界とかどうでもいいからマジで
272:名無しの転生者 ID:Fs0r2yp8T
いつ見てもやばいよな。世界観壊れてるやろ…明らかに外から四国だけを見るとそこまで終末迎えてる世界じゃないんだけどね…
273:名無しの転生者 ID:clCLerOEb
なんで風呂一緒に入らなかったんですか?
274:名無しの転生者 ID:I1aUfE2ib
一緒に入ったら目覚めてから傷が一度も治ってないイッチの肉体を見てさらに曇るんだよなぁ
275:名無しの転生者 ID:lgS/LUDjC
はよイチャイチャしろ。それでいい、そうしたら平和だ。戦わなければイッチは生きられる
276:光■絆■し転生者 ID:N■X■_u■t■■
いや俺ちょっとやることあるんで……みんなの元に行かなきゃだし風先輩も東郷も心配だし
277:名無しの転生者 ID:pjSTjSH28
ダメだこいつ、何もしないという選択がねぇ……
278:名無しの転生者 ID:OrMRuoRKB
わかってたことなんだよなぁ……
279:名無しの転生者 ID:WLQYrbkm/
風呂入ったばっかなのもあって割と色っぽい友奈ちゃん。しかも普段とは違って髪も解いてるからまた別の魅力があるのにそれを前にして正常でいられるイッチ…凄いな?
280:名無しの転生者 ID:BdMRbITp8
割とBADENDになりつつあるよなここ
281:名無しの転生者 ID:BkHCixYGW
あまりにもの絶望感に諦めてる勢とイッチを応援する勢とイッチが諦めてないから諦めてない勢の三勢力だからな
282:名無しの転生者 ID:YtZBggz3B
この状況で諦めないイッチが凄い定期。そりゃウルトラマンに選ばれるよ普通はSAN値直葬だわこんなん。転生者の大半なんか絶対序盤で脱落してるから
283:名無しの転生者 ID:tQkHrlr4D
むしろイッチがあまりにも普通なのに対して俺らがダメージ受けまくってんのなんなん?
284:名無しの転生者 ID:j6Iy0Gkjd
あの様子からして下着も身につけてないよね友奈ちゃん。まあでもかなり参ってたしな……本当にどうなるんだろうか
285:名無しの転生者 ID:P1LPgxpqs
そもそもイッチが友奈ちゃんに告げたことは出来ることなんですかね…?なんの確証もない上に理論も作戦もクソもねえ。しかも曖昧すぎる。
イッチの言葉からしてその可能性とやらが戦況を変えるかもしれんが…
286:名無しの転生者 ID:t9YjElL45
正直友奈ちゃんもこのまま大丈夫なのか不安ではあるけどな…なんというか、精神的に不安定すぎる
287:名無しの転生者 ID:K4v9gMa0W
イッチは自分という存在の重大さにもっと気づくべきだと思う
288:光■絆■し転生者 ID:N■X■_u■t■■
分かってるよ、俺はウルトラマンだから俺が死んだらウルトラマンも死ぬ。スペースビーストに対抗する手段がなくなる。
けどみんなを守る力があるなら、守りたいだろ?俺にしか出来ないなら絶対にやってみせる。絶対にウルトラマンを殺させたりはしない。それに…俺は先代勇者の彼女たちも救いたいからさ
289:名無しの転生者 ID:pPl6YSIhk
あっ、これ分かってねーな?
290:名無しの転生者 ID:IZYQjoEa5
期待するだけ無駄やろ……俺らがイッチを生かすことを考えるしかないからな
291:名無しの転生者 ID:UGiRt+z/u
誰かイッチを殴ってでも止めろ。マジでやばいぞ
292:名無しの転生者 ID:nAfvJPrMf
殴っても多分止まらんぞこのバカ。そもそも前世の記憶取り戻す前からウルトラマンの力なしで人助けのために命投げ出してたやつだし
293:名無しの転生者 ID:JuFcTJl65
いやそうじゃないんだが? 変なところで変な解釈してるんだよなぁ…はぁ。うん、諦めよう。
せめて最後まで見届けるためにも付き合うしかないな…
294:名無しの転生者 ID:/wU0FXocL
精一杯の援護はするけど所詮知識を渡せるだけだからね。それでもないよりかはマシか……頼むからイッチ、妹ちゃんも勇者部のみんなが幸せになる未来を掴んでくれ
---家に帰ってくる頃には、少しは落ち着いていた。
ここは風と樹が暮らすマンション。
家の中は、静まり返っていた。カチカチと鳴る時計の針も普段は心地好いが、今はそれが苛立ちを覚えさせる。
ため息が零れる。
分かっていた、わかっていたつもりだった。
「………」
継受紡絆という人間は何処までも自分を犠牲にする。
ウルトラマンとして戦う前から、他人ばかりを助けて、自分のことなんて一切考えなくて、命の危機があろうとも躊躇なく行動に移す。
いつもいつも、毎日毎日がそうだ。
ウルトラマンになったとしても、それは変わらなかった。
メタフィールドという命を削る力。自分には身を守ってくれるような力はないのに、精霊に守られる勇者たちすら守ろうとする。
全部引き受けて、背負って、だけど決して立ち止まることは無かった。
風が怖かったのは、それでいつか
当たり前だ。
人間が人である限り、生を終えることが人の最期。
紡絆の場合はいつ訪れてもおかしくなくて、ただ同時に、自身の身体機能を失っても変わらなかった紡絆に対して
---自己嫌悪だ。
巻き込んだのは自分。みんなを戦いに参加させたのは自分。
そして大切な後輩である紡絆を、一瞬とはいえ怖がってしまった。
いつも誰かを助けて、自分たちすら助けてくれた紡絆に対して、風は向けるべきでは無い感情を抱いて、向けてしまった。
無論、紡絆は気づいてないのだが当事者は納得がいくものではない。
知ってて、親しい関係にもなって、そんな相手に向けてしまったのだから。紡絆という人間が『不気味』と思ってしまったのだから。
あの場で仕方がないといえば、仕方がない。
満開の代償が治らないと知らされて、それだけで辛いのにさらに紡絆の情報。
何よりも辛いのは、例え紡絆がそれを知ったところで、犬吠埼風という人間を責めないこと。そうしてくれたら、自分を素直に責めることが出来たのに。
彼のことだから、風が悪いというのではなく、そんな思いを抱かせた自分を責めるだろう。
彼はあまりにも優しくて、甘くて、途方もなくバカなお人好しなのだから。
過去だろうと今だろうと、彼が彼を足らしめる要素はいつだって変わることは無い。
「……はぁ」
再びため息が漏れる。
風自身も、どうすればいいか分からなかった。
紡絆のことだけじゃなく、この事実はどうすればいいのか。
最愛の妹に話すことも、夏凜に話すことも難しい。
特に夏凜は大赦の人間だ。もし大赦が隠してて利用していたと知れば、どれほど辛い感情を抱くか。
考えれば考えるほど、無限という程に溢れる悩み。
---そんな心中を知らず、一つの機械音がこの場に似つかわしくない音を鳴らす。
bururu、という固定電話の電子音。
その電話に出なければ、或いはすぐ近くに最愛の妹が居れば違ったのかもしれない。
だが今のこの部屋にいるの風は一人であり、負は連鎖するものだ。
電話が鳴ってから妙に感じられた胸騒ぎ。
杞憂だと自分に言い聞かせながら、受話器を取る。
「……はい、犬吠埼です…」
『突然のお電話失礼致します。伊予乃ミュージックの藤原と申します』
「…え、えっと…」
電話の相手に心当たりはない。
"伊予乃ミュージック"という社名程度なら聞いたことがあるが、所詮その程度。色々と勇者部として活動する中で増えた知識で持っている程度だ。
間違い電話でも無い限りは、自分達の家に電話を掛けられる覚えなどなかった。
電話先の相手にも風の困惑が伝わったのか、少なくとも、相手が目的の人物では無いことだけは伝わったのだろう。
『犬吠埼樹さんの保護者の方ですか?』
「は、はい…そうですけど」
まだ状況は掴めないが、樹の名前が出たということは間違い電話ではない。
ただ何故会社の方から樹の名前が出たのか、風は知らなかった。
『ボーカリストオーディションの件で一次審査を通過しましたのでご連絡差し上げました』
「えっ…な、何の話…ですか…?」
『あ、ご存知ないですか。樹さんが弊社のオーディションに---』
「い、いつですか…っ?」
『えっと…三ヶ月程前ですね。樹さんからオーディション用のデータが届いております』
---三ヶ月前。
それは樹が声を失う前のとき。
丁度、歌のテストの件で勇者部が一丸となり解決に励んだ時期。
それに気づいた時、風は全てを察した。
手の力は抜け、未だに繋がれている電話を滑り落として彷徨うように樹の部屋へと向かう。
「樹……いつき……?」
部屋に入ると誰もいない。
机の上の開いたままのノートや、つけっぱなしのパソコン。
状況から察するに、すれ違いで出掛けたことが伺えた。
徐ろに開いたままのノートに目を向けると、そこに書かれているものは---
「っ!?」
風の目に入ってきたのは、“目標”と大きく書かれたページ。
その後には声が戻ったらやりたい事がリストアップされていた。
---勇者部の皆とワイワイ話す
---クラスのお友達とおしゃべりする。
---カラオケに行く
---歌う!!!
横のページには“体の調子を良くする為には”との文字の下に、『たっぷり寝る』、『栄養のある物を食べる』と綴られている。
さらに。
見上げた先にある、本棚に目が吸い寄せられる。
そこにはいつの間にか買ったのか、たくさんの知らない本が並んでいた。それらは全て例に漏れず、“声”に関係するもの……発声のしくみやボイストレーニング……喉の不調を治す方法……とにかく今できることを取り込んで、いつか治った時のために努力を怠っていなかったことが窺える。
これだけの本。
ノート。
全て夢に関することならもしかして、と風はパソコンに目を移した。
ノートパソコンの画面には、紅茶のページ。
恐らく喉通しを良くするためのものを調べていたのだろう。
だがそのページよりも、デスクトップにある一つのファイルが気になった。
勝手にノートパソコンを使うことに躊躇う余裕もなく、自然と操作したマウスで“オーディション”という名前の音楽ファイルを開いた。
『えっと…これで……あれ? もう録音されてる!? あ…ぼ、ボーカリストオーディションに応募しました、犬吠埼樹です。讃州中学校一年生、十三歳です!よろしくお願いします……!』
ファイルを開けば久しぶりに聞く、最愛の妹の声が流れ出した。
慣れてないというのが分かる様子が聞いて取れるが、すぐに彼女は気を取り直して話していた。
『私が今回オーディションに申し込んだ理由は…』
そうして語られる、樹の想い。
歌うのが好きだから。
それだけではなく歌手を目指すことで、自分なりの生き方を見つけたいのだという。
『私には大好きなお姉ちゃんがいます』
姉は強くていつもみんなの前に立って歩いていけるが、逆に自分は臆病な人間だと語る。いつも姉の後ろを歩いてばかりで、そんな弱い自分は嫌だと…姉の隣を一緒に歩けるようになりたい……自分の力で歩くために自分自身の夢を、生き方を持つために歌手を目指していると、力強く語られていた。
『実は私---』
元々歌を歌うのは得意ではなかった。あがり症で人前で声が出なくなる……それを“勇者部”のおかげで克服できたと。
そうして夢のきっかけとなった友人と、眩しくて優しく勇気をくれる先輩が後押ししてくれたのもあって、自分の好きな歌を一人でも多くの人に聞いてほしいと思った---と嬉しそうな声音で。
『あ、勇者部というのは---』
自分がこうも成長出来た勇者部についても語られる。
勇者部の部活内容。
そして人見知り故に最初は不安だったが、優しい先輩達や手を引っ張ってくれる友人に囲まれて毎日が楽しい最高の部活動であると、喜びを隠しきれないハキハキとした口調でパソコンから流れていく。
そのタイミングで、手に持つスマホから着信音がなる。
届いたのは、
『勇者の身体異常については調査中。しかし肉体に医学的な問題は無く、じきに治るものと思われます』
もう散華の事を知っているのに、それを隠そうとする内容。
治るなどという言葉などもはや見えきった嘘の答えだというのに、散華の存在を意図的に、何度も何度も大赦は隠す。
---風の中で、黒い衝動が沸き上がる。
蝕まれてきた心が悲鳴をあげ、ナニカが膨れ上がる。
『あ、ごめんなさい!余計なことまで話しすぎちゃいました。では、気を取り直して歌います---』
樹のパソコンから流れる、樹の心情を表すかのような歌詞の曲。
穏やかで、優しく、可愛らしい歌声。理不尽に奪われてしまった樹の『感謝』が深く込められた祈りの歌。
広がる世界。愛や希望で溢れる、そんな歌。
「…ううッ……うう…ぅ…!」
風は耐えきれず、泣き崩れる。
今、彼女の心には妹への愛情とその声を、歌を、夢を奪われたことに対する絶望と悲しみ。
そうして---
『継受紡絆の調査内容。
彼の状態は
そんな風の視線に広がった
届いていたもうひとつのメールは、樹の歌を壊すだけではなく、風を完全に絶望へと追いやる一文だった。
『日々は』続かず、脳裏に浮かぶのはそこにいるべき---いや、
宛先は、
今まで紡絆のことを知らせなかったというのに
風がもし冷静なら気づけたかもしれない。何故紡絆について隠していた情報を今更ながら開示したのか、と。何故変身回数を分かるのか、と。
そこを追及出来れば、怪しむことが出来たかもしれない。
それが選択の分け目となっただろう。
だが今の風の思考では散華のことも含め、何より紡絆を勇者部に入れるように指示した大赦は紡絆のことも全部知って、こうなることすら予見していたのでは、と決めつけた。
以前から把握していた、という箇所がそう判断させた。
そう理解してしまうと頭が真っ白になり、次の瞬間には真っ黒に塗り潰される。
怒り。悲しみ。恨み。後悔。恐怖。絶望。憎しみ。
---数え切れない負の感情が犬吠埼風の心を黒く染めあげ、溢れる。
何とか保たれていた理性が失われ、闇が身体中を支配した。
「潰す…ぶっ潰す!! 大赦を壊すッ!アアアアァァァァァ!!」
黄色の花弁が部屋中に散乱し、風の服は彼女の心とは真逆の黄色と純白の勇者服へと変わる。
流れる涙を乱雑に振り払い、マンションの窓から飛び出した。
戦うためではなく、壊すため。
大人がのうのうと生きていて、妹が『夢』を永遠に失い、大切な後輩は身体機能を失い、必死に戦ったみんなが傷つく。
なら大赦も命を懸けて戦っても失うことしかない現実を。不条理なものを、 全部全部壊すために、勇者の力を身に纏う風は大赦の方角へ向かっていく---
夏凜は送られてきたメッセージを見ながら風のマンションへと訪れていた。
『風先輩が様子が心配だから、今は何も言わずに頼む』
紡絆から送られてきたメッセージ。
何故自分が行かないのかは不思議だったが、仕方がなく夏凜は従ってきていた。
それに最近勇者部に顔を出してないのもあって、気がかりだった、というのもあるだろう。
「ッ…?風!?」
その行動は正解だったようで、勇者へと変身した風が2階の窓から跳び出し、何処かへと向かっているところが見えた。
しかもその手には彼女の得物である大剣が握られている。
ただ事ではないと瞬時に悟り、夏凜は乗っていた自転車を乗り捨てて勇者へと変身。
直ぐに風を追い掛ける。少しして人気が無い山中の道路辺りまで来たところで、強引に止めるべく動いた。
「風! 待ちなさい!!」
「っ!」
夏凜は風の上を取り、当てるつもりの無い刀の投擲で動きを制限する。と、そのまま落下して蹴り落とす。
咄嗟に風は大剣を盾にして防ぐものの、防いだことで地面に降り立ち、夏凜の思惑通りにその動きを止める。が、夏凜のことを睨み付けた後に彼女を無視してまた何処かへと向かって跳ぶ。当然、夏凜も並走して追い掛ける。
「あんた、樹海化もしてないのに変身して何するつもり!?」
「大赦を……潰してやる!!」
「なっ!?」
今まで見たことのない怒りの形相と共に返ってきたのは、そんな言葉だった。想像もしていなかったことに驚くが、それで足を止めるわけにはいかない。
山中にある鉄橋に共に降り立ち、夏凜が邪魔になったのか風は大剣を彼女に向かって縦に振るう。
その行動に対しても驚く夏凜だったが体は直ぐに対応し、刀を横にすることで防ぐ。
「大赦は私たちを騙してた……!満開の後遺症は…治らない…!」
「な、なにを……!?」
夏凜の知らなかった事実が突然告げられ、困惑を隠せない。
当然だ、夏凜は何も知らない。
その隙に風が跳躍し、この場から離れようとするのを見た夏凜はすぐに追う。
さっきの言葉が正しいなら風は大赦へ向かっているはずで、夏凜はそれを止めるべく移動しながら斬りかかってくる攻撃を防ぎ、鉄塔が見える橋に降り立った風へ斬りかかると風はそれを跳躍して避ける。
すぐに後を追い、大剣を振り被ろうとする行動を阻害するように夏凜は組み付く。
「大赦は初めから後遺症のことを知ってた!なのに何も知らせず騙して、利用してきた!」
「何を根拠に…ッ!」
再び斬りかかる夏凜の攻撃を避け、広場と思わしき場所からまた別の場所へ。
瀬戸大橋の近く、以前紡絆や友奈、東郷が先代勇者である乃木園子と三ノ輪銀に呼ばれた場所の近く。瀬戸大橋記念公園。
向かい合う風と夏凜だが、夏凜は刀を突き出して風から視線を外さない。
「根拠ならある!犠牲になった勇者が私たち以外にもいた!何度も満開してぼろぼろになった勇者がっ…!そして今度は私たちが犠牲にされた!」
「……!」
動揺したのもあるのだろう。
振るわれた大剣に刀が弾き飛ばされ、咄嗟に下がることで攻撃を避けると、振り上げられた大剣が勢いよく振り下ろされる。
咄嗟に両手に呼び出した刀をX字にして防ぐが、大剣の方が質量は大きく威力も大きい。
直接受け止めた夏凜の負担は計り知れない。
「そうだとしても……!」
「私たちだけじゃない…!紡絆だって同じだった!」
「えっ……!?」
押し潰さんと力をより強く入れる風に対して、否定しようとしたが予想もしない事実を告げられたことに集中が途切れる。
考える余裕がないというのに、その言葉の意味を頭が勝手に考えようとし、戸惑った影響で力が緩み、足が徐々に着きそうになっていた。
「紡絆も身体機能を失っていた!左目も、左腕も、温度を感じることも出来てなかった!二度変身したら、
「え……ど、ういう。だっ、て……そんな、こと……ッ!?」
「だから私が、全部を終わらせる!これ以上樹も紡絆も、みんなを苦しませないためにィッ!!」
「っぁ……!」
まともな会話は成立しない。
ただ言いたいことを表に出してるだけ。
しかしその言葉で、十分すぎる効果を発揮していた。
完全に混乱して、一瞬とはいえ頭が真っ白になった夏凜の力は抜け、渾身の一撃が夏凜を吹き飛ばす。
斬られることはなかったが、手に持っていた刀は消えており、尻もちを着いてしまう。
「これ以上邪魔をするってなら---消えろォォォォ!!」
「ッ……!」
本気の殺意。
勇者としての夏凜が行動に移そうとし、三好夏凜という勇者部の少女が動きを止める。
訓練してきた夏凜としてない風ではまともにやりあえば夏凜に分配は上がるが、彼女の心が乱れていること。
何より、
だからこそ、握りしめた拳の力を抜いて、次に訪れるであろう痛みに堪えるように目を伏せる。
そんな夏凜に、トドメを刺すように風は容赦なく大剣を振り下ろして---
「っ……風先輩!それ以上はダメです!」
声が聞こえた。
夏凜が目を開けると、目の前には腕を交差しながら牛鬼の精霊バリアによって本気の一撃を受け止めている、勇者となった友奈の姿がある。
「ゆ、友奈!?」
「ごめん夏凜ちゃん、遅くなっちゃった……!」
「そこを退きなさい!あんたも邪魔するっての……友奈ァァ!」
「嫌です!こんなの間違ってる……!風先輩が人を傷つける姿なんて私は見たくありません!!」
「うるさい!退きなさいって言ってんのよ---ッ!!」
バーテックスやスペースビースト、融合した存在すら壊されなかった精霊バリアは勇者の攻撃も同じく防ぎ続け、意味が無いと本能で理解したのか風は大剣を横に振るう。
友奈に衝撃だけが走るが、それでもバリアは壊されなかった。
---友奈の満開ゲージが
「っ……あんたも知ってるでしょ!?このままじゃ紡絆が死ぬ!この世界がある限り、大赦がある限り、あいつは絶対に止まらない!自分が何を失っても何があっても、何でもやる……!例えその先に、死が待っていても!!」
「……!そ、それは……」
追撃がなく、距離が離れたのが幸いか。
風の言葉で、思い出されるのは東郷の家で見た、紡絆の様子。何度もフラッシュバックされ、友奈の心に深い傷を残した姿。
震える。拳が下がる。
その言葉が正しいと、事実なのだと、友奈の頭でも理解出来るくらい紡絆の様子は異常だった。
けれども、意思は折れなかった。
さっきまで感じていた体温。耳に残る言葉の数々。
友奈の意思を奮い立たせ、風を止めるために友奈は体の震えを抑え込む。
「でも……だから!紡絆くんなら必ず、風先輩を止めます!例えそうであっても、紡絆くんは
「うるさい、うるさい!あいつが死ぬ運命なんて認められるか!みんなが何かを失う世界なんて……樹が夢を失う未来なんて、必要ない!それともあんたはあいつが死んでもいいって言うの!?」
「言わない!認められない!でも私は、私たちは勇者…!方法も見つける!死なせない!今度は、紡絆くんを私が救う!けれどその前に、風先輩が誰かを傷つけて、誰かに武器を向ける姿なんて、紡絆くんは喜ばない!樹ちゃんも喜ばない!
ですから、いつもの風先輩に戻ってください!」
「っ…れ。ま……れ!だまれ、黙れ、黙れッ!うるさいうるさい……!邪魔ダァアアアアア!!!」
冷静じゃなくたって、喜ばないことくらいは分かっているのだろう。望むようなことでないことも分かってるのだろう。
友奈の言葉が正しいことも、分かっているのだろう。
けれど現実が認められず、許せなくて、彼女を突き動かす『復讐心』はとめどなく溢れる。
激昂した風は、障害となるものを排除するためにその大剣を巨大化させた。
「友奈、避けなさい!」
「出来ないよ!風先輩を止めるためにも、私はここから絶対に引かない!逃げない!」
「夏凜も友奈も、私の前に立ち塞がるってなら敵だ!だからそこを---どけぇえええぇぇぇぇッ!」
「……ッ!」
振るわれる剣。
その威力はかつてバーテックスをまとめて斬り裂くだけでなくスペースビーストにもダメージを与えてきた。
精霊バリアを持ってしても防ぎ切れるかと言われると確証はない。
何より、友奈の満開ゲージは既に貯まっており、避ければ夏凜が危ない。
だからこそ、友奈は一瞬だけ自身の満開ゲージに視線を向ける。
瞬間、散華のことが頭に過ぎるが、時間は待ってくれるはずはない。
それで止められるならば、と迷いを振り切るように息を勢いよく吸い込み、口を開く---
「……え?」
友奈の目の前で大剣が大きく逸れ、満開をするより早く、困惑が最初に生まれ固まるが説得が出来たわけでもなく目の前の風も目を見開いて驚いている。
そして---
神秘の光が、二人の間に降り注いだ。
徐々に形を作っていた光は人型を形成し、150後半から160cmはあるであろう肉体。
銀色の体に甲冑を思わせる見た目。
その姿こそ---
「…んで……なんで、なんで変身して…っ!?なんで、邪魔するのよォ!!紡絆ィィィィ!」
かつてこの世界に宇宙から飛来してきた赤い球体の正体。
継受紡絆という人間と同じ身長になっている、いわゆる等身大と言われるスケールになっている銀色の巨人。
ウルトラマンネクサスがアンファンスの姿で風に立ち塞がるように立っていた。
エナジーコアは鳴っておらず、明確な殺意を持ちながら迷いなく大剣を構えて突撃してくる風に対して、喋ることの出来ないネクサスは何も答えることは出来ず、ただゆっくりと動く。
『シュアッ!』
そしてネクサスはここに来て、
---その両手は、拳ではなく平手だが。
○継受紡絆/ウルトラマンネクサス
忘れられてるかもしれないけど死にかけてる理由が自然治癒能力が消されたため、あらゆる『回復』の手段がないから。
本人としてもまだ死ぬつもりは無いが、紡絆くんの意思には関係ないのでその時はその時で死ぬ前に誰かを救う覚悟しかない。ただ友奈に言った『可能性』が鍵を握るだろう。
なお自分の重大さは全く気づいてない。
そもそもスレでも言ってるけど自分が重要な存在=ウルトラマンを『宿してる』と思ってるので、自分ではなくウルトラマンのことって思ってる(鈍いアホ)
最後の最後で、ラストの変身を果たして駆けつけたようだが……?
○結城友奈
ただの女の子らしい一面を多く見せているが、大切な親友が死ぬ(それもほぼ確定してる)だなんてなったら、いくら彼女でも精神的にやられるだろう。
それでも正常で居られる者がいるならば『どうでもいい』と思っているか『諦めてない』者のはず。
だが結局のところ『結城友奈は勇者である』。
故に
どんなに辛いことがあっても彼女にとっての『光』があれば結城友奈はいつでも『勇者』へと到れる。
だが同時に『終わった』わけではないので精神的にはまだ不安定だが、必要であれば満開を使う覚悟はある。
余談だが彼(紡絆くんの)シャツな上に下着はない(風の元へ駆けつけた時は着替えた後)
○犬吠埼風
後輩である紡絆に恐怖を感じ、不気味だと思った(正しい感性)ので自己嫌悪に陥ったが、例えそれを知っても紡絆は絶対に責めないと知ってる(実際にしない)のでますますと追い詰められていた。
そんなところに妹がオーディションを受けていたこと、樹の想いや夢が壊されたという現実。大赦のメール。紡絆くんのことを『以前から』把握してたメールが理性を闇が塗り替え、破壊衝動に駆られる。
目的は『大赦という大人』たちへの報復。
そしてそれを必ず良しとしない『光』へと増大された怒りは向けられた。
○三好夏凜
紡絆くんが予め頼んでいたのは、すぐに駆けつけられないけど任せられると信頼してるから。
何気にそれは正解で、彼女がいなければ間に合わなかっただろう。
ちなみに本作の夏凜なら紡絆くんバフがあるので、彼についての言葉(デバフ)がなければマジで止めてた。
○紡絆くんについての狙ったタイミングのメール
ヤッ、ヤッタノハイッタイダレナンダー(棒読)