Titan War   作:I show you syoyu

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ホルストは20代の筋肉質な黒髪で短髪な欧米人、トーヤは少し日焼けした中高生くらいのアジア人を想像して頂ければと。


特攻/Special attack

 

 

 

 

「実力テストをしよう」

そう言われた俺はやはりおかしいやつだったか、と無視を決め込む。

唐突におかしなことを言う奴は虚言癖か異常者か、まあ頭のネジがダース単位で抜けているんだろう。

 

「おい、無視はないだろ…」

 

「おじさん何が言いたいの?…」

 

と、トーヤが不機嫌そうに言う。

 

「いいかトーヤ、頭のおかしいやつと意思疎通ができるなんて言うのは妄想なんだよ。」

 

かわいそうに、トーヤは頭のおかしいやつへの対処法を知らないようだ。

 

「おっと、パイロットさんに喧嘩を売っているのかな?」

 

「ふざけてないで話があるなら早く言え。」

 

「え、あたり強…まあいいや、突然なんだけど君たちが戦ったIMCの奴らは一介の警備兵なのよ、だからそれだと弱すぎて実力がどれくらいか正確にわからないので…………」

 

「間が長い」

 

この間5拍程

 

「なんと!この先にいるIMCの対タイタン精鋭部隊と!戦ってーっもらいます!」

 

謎の司会者のようなノリで告げられるのは場を和ませるための気遣いか、はたまたただの狂人だからか。もちろん俺は後者だと思う。

 

「残念だな、俺も戦いたいが生憎3人しかいないもんでね、また今度にしよう。」

 

「おっと、拒否権なんてものはないぞ、なんせこの車ごと敵陣に突っ込むからなあ!」

 

やはり狂人だった。こんなことになるなら医学をもっと学んでおけばよかった…こいつが医学を用いても治るかは知らんが。

 

「部隊ってどれくらいいるの?」

 

そうトーヤが死んだ目をして問いかける。だめだ、トーヤ、まだ諦めるな!

 

「喜べよ?なんと最新戦車、リーパー、精鋭歩兵が100人程もいる。戦い放題だ。」

 

「3人で勝てると?」

 

歩兵100人ですら3人で戦う相手ではないのに追加で戦車とリーパー?普通に戦うならこちらも同等の規模の部隊か、タイタン数体が必要だろう。

 

「安心しろ、虎大特製の最新兵器と俺のとっておきを見せてやるから。」

 

「とっておきってなんだ?」

 

「戦ってからのお楽しみだ。さあこの先の崖の下に奴らがいるぞ!さあ行こう!」

 

こんな状況で平常心でいられるんだから、俺も堕ちたなあ、などと思っていると少し先の木々の間に崖の下に広がる敵陣が見えた。

 

「先にこれを渡しとくぞ。」

 

そう言ってパイロットは俺とトーヤに二つずつ金属製のカードを投げてきた。

 

「言い忘れてたが、それは『ブースト』ってやつだ。そのカードの横に付いているボタンを押せば起動できる。」

 

そう言われ、ブーストカードの側面を見れば赤色のボタンが付いている。

 

「効果は?」

 

「一つはヴォーテックスシールド、光学系兵器以外のもの全てを反射させれる。

二つ目は焼夷トラップ、ボタンを押した4秒後にカードの周囲に非常に可燃性の高いガスを放出する。」

 

「ガスは有毒ってことか?」

 

「いや、毒性はあまりないが可燃性が高すぎて銃弾が掠るだけで爆発して燃え上がる優れもんだ。」

 

「なるほどな。」

 

焼夷トラップは戦車などに投げつければいいのだろう、タイタンの使う炎は金属など容易く溶かしてしまうほど強力だからな。

 

「焼夷トラップってどれくらい広がるの?」

とトーヤが肝心なことに気づいてくれる。

 

「よく気づいてくれた、こいつはそのカードを中心に半径10mほどの円状にガスを放つ、だから使うときは15mは離れていた方がいい。出ないとこんがり焼けることになるぞ。」

 

半径10m…かなり広い。使い方には気をつけんとな。

 

「連中は追撃でかなり疲れているだろうからな、まあ気を抜くとまではいかんが少しは楽だろうよ。」

 

「なら連中に温かいものを差し入れしてやろう。」

 

「それはいいな、盛大に声を上げて喜んでくれるだろうよ。」

 

敵陣の歩兵や戦車がより明確に見え始める。もうすぐだ。

 

「さあ、行こう!」

 

崖から飛ぶ浮遊感を感じながらも俺の頭は敵の数に怖気付く本能と、それを抑えようとする理性が混ざり合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やあ元気かい?そうだ、パイロットさんだ。今何してるって?ちょっと友達と遊んでるんだよ。

 

「なかなかやるじゃないか!」

 

隣でシールドに身を隠しながら銃撃を繰り返しているのはホルストとトーヤだ。

トーヤはまだ構えや動きが荒いがホルストに関しては流石の精度といったところか。

 

「本当に100人なのか?次々と湧いて来やがる!」

 

ホルストは平常運転のようだ。

 

「おい!戦車がきたぞ!」

 

銃声と悲鳴が響き渡る森の中、土煙をあげ鉄の獣が姿を表す。その数約10両。

 

「おじさん!焼夷トラップ!」

 

トーヤが声を上げるとホルストとトーヤがカードを起動させ敵戦車へと投げつけた。

プシュゥという炭酸が抜けるような音とともに緑色のガスが放出される。

 

「トーヤ、下がれ!」

 

そうホルストが声を上げる。ホルストはトーヤが下がったのを確認すると、ガスに向かって発砲した。

瞬間。空気が震えた。高可燃性のガスは銃弾が掠っただけで引火し、爆発する。

 

「綺麗な花火だな。」

 

「流石にきついぞ…」

 

「煙い…」

 

周囲は炎と黒煙に包まれている。しかし、煙に見えるは黒く染まった砲塔。

 

「嘘だろぉ…」

 

なんであれで壊れないんだよ…おかしいだろ!タイタンにすら致命傷を与えるほどの攻撃だぞ!

 

「耐熱装甲か…」

 

あーはいはい、耐熱装甲ね、うん。

 

「耐熱って言ってもあれを防げるもんなの?…」

 

と、トーヤが言う。当たり前だがただの耐熱ならあんなもの耐えられないだろう。

 

「あれはタイタン用の耐熱装甲だよ…」

 

焼夷トラップはタイタンが使う兵装だ。つまりそれを使う『タイタン』がいる。

自分の攻撃で致命傷を負うなんて論外だからな、勿論それ用の耐熱装甲がある訳で…

まあ虎大と同じ事をしたわけだ。

 

「幸い、無傷ではないらしいな。」

 

先ほどから攻撃してこないってことはどこか壊れたのか?まあ直るのは時間の問題だろうが。

 

「どうするんだ、戦車用の武器はないぞ。」

 

「大丈夫、大丈夫、とっておきのいいもん見せてやるよ。」

 

戦車のエンジンの音が鳴り響き、戦車が動き始める。

だが遅い…

 

『タイタンフォール、スタンバイ』

 

そう口にした瞬間、空中から黒煙を切り裂き、白い巨人が飛来した。

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

「こんにちは、パイロット。」

 

そう女性型のAIが声をかける。

目の前にいるタイタンは今まで見たことのないような白い機体に一本のブレードを持つヴァンガード級に酷似したシャーシだった。

 

「これは…ヴァンガード級?…」

 

「いいや、こいつはオーガ、アトラス級などの第一世代、イオン、ヴァンガード級などの第二世代に続く、第三世代のタイタンだ。」

 

「第三世代?…」

 

「とは言っても完成はしてない試作機だがな。通称アノニマス級タイタンだ。機体番号はFU-0201だ。うちの国の別名、扶桑からきている。」

 

第一世代型の凡庸装甲、いわば第一世代型中量級型の装甲は第二世代の軽量級の装甲より若干弱い程度の装甲にあたるものだ。つまり第一世代のタイタンは第二世代の現代型タイタンの攻撃を喰らえば一撃でも致命傷になる。万が一にでも第三世代型が完成したら…言わずもがなタイタン戦闘は大きく変わるだろう。

 

「パイロット、前方敵戦車から熱反応を検知。」

 

「FU、アークを展開しろ。」

 

「了解しました。アークによる防御を実行します。」

 

そうタイタンが入った途端、タイタンが青白い雷光を纏い出す。

 

「敵戦車の攻撃が来ます。」

 

ドンッという空気を裂く音とともに戦車が火を噴いた。タイタンに直撃すると思われたそれは、タイタンに当たる前に青白い雷光によって爆ぜる。

 

「FU、ブレードとアークの使用を許可する。敵戦車とリーパーを頼む。俺たちは歩兵をやる。」

 

「了解しましたパイロット、ご武運を。」

 

白い巨人が雷光を纏いブレードを片手に走り出す。

 

「おい、何ぼさっとしてんだ、いくぞ!」

 

次々と戦車が両断されていく。最新型のタイタン装甲を持つ戦車が、だ。

 

「規格外すぎだろ…」

 

「だから入ったろ?とっておきだって。」

 

「ってかトーヤは?」

 

「初めてタイタン見たからか、そこで気絶してるよ。」

 

言われて後ろを見れば、白い顔をして考えるのをやめたトーヤ。

 

「起きろトーヤ。」

 

肩を揺すってみる。

 

「っえ…?」

 

生きてたようだ。

 

「いくぞトーヤ、歩兵狩りだ。」

 

「えっ、ちょっどういうこと?…」

 

_______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく蹂躙戦をした後俺達はパイロットが隠れ家にしているという場所へと向かっていた。

 

戦車やリーパーを一撃で両断し、対タイタン用の武器も砲撃を無力化するタイタンに、木々の間を閃光の如く跳び回り的確に処理をするパイロット。これを相手にした歩兵たちには同情してしまいそうだった。

 

「よし、着いたぞ。」

 

タイタンから声がする、車は特攻したせいで壊れてしまったので歩いて移動していた。

 

「着いたって、何もないじゃないか。」

 

目の前を見れば森の中でも多少ひらけた場所だった。

 

「野宿でもしてたの?」

 

「おいおい、野宿を馬鹿にしちゃいかんぞ、あれは意外に楽しいからな。野生動物とか見れて。」

 

「絶対襲われるだろ…」

 

「そう言う時もあるさ、じゃあ入るか。」

 

そう言うとパイロットはデータナイフを取り出し、地面へと突き刺した。

 

「ふんッ」

 

訂正しよう、地面へと打ち込んだ。

 

ガコッという何かが外れたような音がして地面に軽い振動が走る。

 

「ようこそ我が家へ、地下生活も案外楽しいぞ?」

 

地面がくり抜かれたような大きな穴の前で彼はそう言った。

 




今回は少し短めでした。
花粉がもう来やがった…
(=͟͟͞͞☞=͟͟͞͞☞ ^o^)=͟͟͞͞☞=͟͟͞͞☞花粉
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