×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~   作:今峰鏡

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レースのチュートリアル回です。
長くなったので前後編に分けました。


ジュニア級 9月 前編

 

【トレーニング 9月】

 

シュート【1D7:7】

 

1.スピード(オビカネシューズで効果2倍)

2.スタミナ

3.パワー

4.根性

5.根性

6.賢さ

7.白 石 最 強

 

リヒト【1D6:3】絆MAXで効果2倍

キミノ【1D6:5】

 

[本当に出目操作はしてないんです! 信じて下さい!]

 

 

【特別トレーニング】

 

1.全能力進行度2アップ

2.【1D5:3】[パワー]トレーニングの進行度を5アップ

      (1~5は順番に「スピ,スタ,パワ,根,賢」に対応)

3.バ場適正アップ

4.距離適性アップ

5.脚質適正アップ

6.固有スキル開放

 

【1D6:6】

 

[RTAかな……?]

 

UUU

 

 

「シュート、お前のメイクデビューは12月第1週の――」

 

1.中山 2.阪神 【1D2:1】

1.芝 2.ダート 【1D2:2】

 

「中山のダート1800mにする」

 

 白石の宣言に、ハッピーシュートはごくりと唾を飲んだ。

 まだかまだかと思い続けてきたメイクデビューであるが、いざ日程が決まり現実感を帯びてくると、やはり緊張が先立つ。

 

「俺が見た所、お前の適性はダートの中距離が最も高い。だがジュニア級のダートレースは1800mまでしか無いからな、これでも最も適正に合ったメイクデビューを選んだつもりや」

 

(けれども、こいつの本質はステイヤーや。ダートに長距離レースが無い以上、そして俺の目的のためにも、いずれは芝を走れるようになってもらわなきゃならへん)

 

 バ主制度の成立で――否、それ以前から勝利至上主義であるウマ娘レースに於いて、適性外のレースを走る理由はほぼ無いと言って良い。それでも白石は、あらゆるレースで1着を取れる最強のウマ娘を育てたいと考える。そのためには『レースに合わせて適性を変える』か、『適性外でも勝てるように鍛える』しかない。

 白石は前者を試しつつ、後者の方法でも勝てるよう、彼女を鍛え上げるつもりでいた。

 

(まずはその第一段階にして、必須の能力を身に着けて貰う必要がある)

 

「シュート『領域』って知っとるか?」

 

「領域……言葉通りの意味じゃないんでしょ?」

「領域とは他の競技で言うところの『ゾーン』――精神を極限まで研ぎ澄ませた際に突入できるとされる超集中状態。それをさらに自身の精神だけでなく現実の肉体にまで作用させた、その者自身の『固有能力』や」

「よくわかんないけど、必殺技みたいなもの? それを覚えればいいのね?」

 

 重々しく語る白石に、しかし面食らうこと無く返すシュートは、言葉の意味は分からずとも、この状況で説明された理由については察することが出来た。

 自身の師は()()と言ったことは必ずやらせるし、師が()()()と言ったことは絶対に出来るようになる。

 だからこそ、あっけかんとそう言えたのだった。

 

 むしろその態度に驚いたのは白石だった。

 驚いて、そしてすぐに可笑しそうに笑った。

 この娘はやはり大物になると、無根拠に確信できた。

 

「ははは! せやな、その解釈でええ、大事なのは『出来る』と思うことや。HBの鉛筆をベキッとへし折るように、『この状況になれば自分は間違いなく勝てる』という確信――『勝利の再現』。ウマ娘のその思い込みは時に奇跡を起こす……だから分かりやすく勝手に解釈せい」

「わかんないけどわかったわ! 必殺技……ちょっとワクワクするかも」

 

 楽しげに手を握ったり開いたりするシュートを見下ろし、呆れ混じりに感心する白石だったが、タブレットを手に取ると彼女へと声をかけた。

 

「ほな、コースに出よか」

「はいセンセ!」

 

UUU

 

 二人がやってきたのは練習用のダートコースだ。

 事前に使用申請を出していた白石の手配により、そこには既に模擬レース用のゲートやゴール板が設置されている。

 

「いつぞやのトレーニングみたいにコースを走ればいいの?」

 

 梅雨時期に行った芝コースでのタイム計測を思い出しながら、シュートが小首をかしげた。

 

「いんや、今回は併せウマやな」

「併せ……ってことは、相手は?」

「そう慌てるなや。もう来る頃やろ」

 

 白石がそういった矢先「お待たせしました」と二人に声がかかる。

 シュートが振り向き見れば、そこにはよく知った相手――キミノワルツが歩み寄ってきていた。

 しかしその様子はいつもと少し違い、普段の優しげな微笑が今日は少し歪んでいる。

 その理由は彼女の服装にあった。

 

「おうキミノ……いや、思ったよりきっついなぁソレ」

「……言わないでください。自分でも着てからちょっと『無いな』とは思いましたから……」

 

 彼女が着ていたのは現役時代に着ていたのと同じ、学園指定の体操服だった。

 成人女性の体操着姿の破壊力は筆舌に尽くし難い。

 いろんな部分が()()()せいで、若干ヘソチラ気味なのも二人を閉口させる原因だろう。

 

「き、キミノさん……えっと、なんで体操服なんか着てるの?」

「ああ、シュートさん。それはですね……」

 

 これって聞いて良いことなのかな? と若干不安に思いつつも、引きつった顔で訊ねたシュートに、キミノはフッと挑発的な笑みを浮かべた。

 途端、日頃の大人しい雰囲気を消し飛ばすような重圧がシュートを襲った。

 自然と頬には汗が流れ、耳が絞られるのが分かった。

 

「百聞は一見に如かず。貴女に私の領域を体験してもらおうかと思いまして」

 

「っ……これが、重賞ウマ娘」

「ドアホ、キミノは重賞ウマ娘の中じゃ下も下や、その程度に気圧されとるんちゃうぞ」

 

 プレッシャーに押しつぶされそうになるシュートを叱咤し、白石はゲート横へと立った。

 重圧を収めぬままさっさとゲートへと入るキミノを追い、シュートも発走位置へとつく。

 

「ほないくで、ヨーイ……ドンッ!」

 

 

【レースシステムのルール説明を行います】

 

※ 詳しいシステムに興味のない方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。

 

■基本ルール

 

スタートフェイズ

レースターン

最終直線

最後の競り合い

 

の4要素で勝敗を決定します。

 

 レースターンはレースの距離によってターン数が増減します。

 レースのターン数は以下の通りです。

 

1000~1200m  2ターン

1400~1800m  3ターン

2000~2400m  4ターン

2500~3000m    〃 

3100~3400m  5ターン

3500~4000m    〃 

 

■適正

・バ場,距離の適性によって、ステータスに補正が入ります。

 

 バ場 パワーに補正

 距離 スピードに補正

 

・適正によるステータス補正は以下の通りです。

※表の見方:補正値「1」につきステータスが1ランク増減。

 例:パワーB+ のウマ娘が補正値「-1」を受けた場合、パワーB+ → B

 

S +1

A  0

B -1

C -2

D -3

E以下 -4

 

■ステータス値

・各ステータスの評価によって、判定値に以下の修正が入ります。

 これを『ステータス値』と言います。

 

※「+」の付くステータスはステータス値に+5します。

S +35

A +30

B +20

C +10

D  0

E -10

F -20

G -30

 

例:パワーC+ のステータス値は「+15」

 

◇ゲームの流れ

■スタートフェイズ 

・スタートダッシュ判定を行います。

・賢さの数値によって補正を行い判定値を算出します。

・『スタートの判定値』から1ターン目の判定に補正がかかります。

・判定値は以下の式で算出します。

 

算出式:【1D100】+ ステータス値 = 判定値

 

◯判定値表

※判定値によって、1ターン目の勝敗に以下の補正がかかります。

 

30以下 出遅れ       補正値:-10

31~79 通常スタート    補正値:+0

80~100 好スタート     補正値:+10

101以上 ロケットスタート  補正値:+15

 

■レースターン

・レースの注目ウマ娘と対決を行います。

・注目ウマ娘との対決の勝利数によって最終直線でのダイス表が決定します。

・レース距離の完走に必要な要求スタミナを満たしていない場合、最終ターンの『ステータス値』にマイナス補正が入ります。

 

◯必要スタミナ表

 

1000~1200 E

1400~1800 D

2000~2400 C

2500~3000 B

3100~3400 A

3500~4000 S

 

◯補正値表

※表の見方:必要なスタミナがBの場合、Cは-1 Dは-2のように表します。ステータスに「+」が着いている場合は補正値に+5します

 

必要値:補正値

-1:-10

-2:-20

-3:-30

-4:-40

-5:-50

-6:-60

 

・ターンごとの勝敗は『ピックアップステータス』による対決で決定します。

・対決は以下の算出式の『達成値』が最も多いウマ娘が勝者となります。

 

算出式:【1D50】+ ステータス値 +各種補正値 = 達成値

 

・ピックアップステータスは【1D5】により決定します

 

■最終直線

・最終直線では注目ウマ娘のステータスとレースターンの勝敗数によって、作者(GM)が決定したダイス表からレースの勝敗を決定します。

 

※例

1.キミノワルツの優勝

2.キミノワルツの優勝

3.キミノワルツの優勝

4.キミノワルツの優勝

5.競り合い

6.競り合い

7.ハッピーシュートの優勝

8.ハッピーシュートの優勝

9.ハッピーシュートの優勝

10.ハッピーシュートの優勝

 

■最後の競り合い

・最終直線の結果が『競り合い』になった場合、根性の値で対決を行います。

・対決は【1D100】+ ステータス値 = 競り合い値 の大きいほうが勝ちになります。

・対決の結果でレースの勝敗を決します。

・同値の場合は同着優勝となります

 

 

 

【ここまでルール説明】

 

 

 

【それでは以上のルールに則り、レースのチュートリアルを行います】

 

 

◎トレセン学園 ダート2000m 4ターン

 

■注目ウマ娘

①『ハッピーシュート』【プレイヤー】

SP C

ST C+

PW C

根 E

賢 E

適正:バ場A 距離A  

固有スキル:未開放

 

②『キミノワルツ』

SP C

ST C+

PW D+(D)

根 D+

賢 D+

適正:バ場B 距離A  

固有スキル『Shall we Waltz?』:1レースに1度だけ『ピックアップステータス』の『ステータス値』が同値のウマ娘1人ごとに『レースターン』の補正値に『+10』する。

 

★スタートフェイズ

①ハッピーシュート【1D100:6】-10 =-4 出遅れ

②キミノワルツ【1D100:99】+5 =104 ロケットスタート 

 

[こんな極端な結果になる事ある!?]

 

 好スタートを切ったのはキミノワルツだった。

 まさにロケットスタートとでも言うべき速度でゲートを飛び出したキミノは、ぐんぐんとハナを取って進んでいく。

 対してハッピーシュートはキミノの気迫に圧されたのか、足が竦んで出遅れてしまった。

 スタート直後から彼我の距離は大きく開くことになる。

 

(キミノさん、すごい気迫だ……これが重賞ウマ娘のプレッシャーなのね)

 

★1第ターン

ピックアップステータス【1D5:3】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)

 

①ハッピーシュート【1D50:4】+10 -10 =4

②キミノワルツ【1D50:26】+0 +15 =41

 

[キミノワルツの勝利!]

 

 スタートの出遅れが響いたのか、ぐんぐんと前を行くキミノワルツとの距離は第1コーナーへ到達するまでに、既に5バ身以上離されている。

 出足がつかなかった動揺から、シュートが萎縮するのを白石は鋭敏に感じ取った。

 

「それじゃあアカンでシュート、心で負けたら勝てるレースも勝てへん……それにしてもキミノの奴、大人気(おとなげ)無さすぎちゃうか?」

 

 ぼやく白石をよそに、二人は第1コーナーを回る。

 

★第2ターン

ピックアップステータス【1D5:4】(1から順に スピ,スタ,パワ,,賢)

 

①ハッピーシュート【1D50:15】-10 =5

②キミノワルツ【1D50:9】+5 =14

 

[キミノワルツの勝利!]

 

 第2、第3コーナーを回る頃には、両者の差は歴然となっていた。

 差は既に10バ身近い。

 シュートのメンタルはレース中盤にして崩壊寸前だった。

 遠くに見えるキミノの背中に一生追いつけないのではないかという絶望感が心を満たす。

 

「はや……すぎる……!」

 

 思わず漏れた言葉が自身の心をさらに追い込んでいくのが分かった。

 だからこそシュートは口を噤み、弱気な心を叱咤する。

 思い返すはこれまでのトレーニングだ。ひたすらコースを走らされ、ウェイトを着けてプールに蹴り込まれてまで練習を重ねてきたのだ。

 その経験が、シュートの心に火を灯す。

 

「負けるもんかっ!」

 

★第3ターン

ピックアップステータス【1D5:1】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)

【キミノワルツの固有スキル『Shall we Waltz?』発動!】

 

①ハッピーシュート【1D50:43】+10 =53

②キミノワルツ【1D50:2】+10 +10 =22

 

[ハッピーシュートの勝利!]

 

 バックストレッチの直線に入った所で、闘志を燃やし必死に追いすがるシュートの気配を感じ取ったキミノは、ここが勝負の分水嶺になるであろう事を感じ取った。

 現役時にも感じた感覚。

 相手と自分の闘志がシンクロする感覚。

 自分の走りと相手の走りが同期した事を感じ取ったキミノにスイッチが入る。

 限界まで高まった集中力は、キミノに現役時代の走りを思い出させた。

 

「行きます――」

 

 どこからともなく聞こえる舞踏曲。

 いつの間にか広大なダンスホールと化したターフで、ドレス姿のキミノが踊る。

 踊る、踊る、踊る――

 共にワルツを踏む相手の顔は分からない。

 真っ黒に塗りつぶされた相手(パートナー)の顔が、今も思い続けるあの人だったら良いのに。

 

 

 レースを見守る白石の目には『領域』の発動による過集中によって齎される一種の集団幻覚は感じ取れない。

 だが、キミノの走りが明らかに()()()()事は感じ取れた。

 

「せやけどキミノ――お前のダンスパートナーは、相手の足を踏むほど、ワルツが下手な訳では無さそうやで」

 

「…………っ!?」

 

 『領域』は発動した。自分が『ゾーン』に入ったことは、現役時代の経験からはっきり分かる。

 なのに――

 

「引き離せない!?」

 

 キミノのワルツに合わせ、シュートが華麗にステップを踏む。

 このウマ娘は、未だメイクデビューも済ませていない生娘は、それでも重賞ウマ娘たる自分のステップに着いてきている――!

 

 だが、

 

「勝負はここからですよ、シュートさん……!」

 

★4第ターン

ピックアップステータス【1D5:1】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)

 

①【1D50:15】+10 =25

②【1D50:45】+10 =55

 

[キミノワルツの勝利!]

 

 第3コーナーを周り、彼我の距離はじわじわと詰まってきていた。

 バ身にしておよそ5バ身。だがシュートはさらに加速し続けている。

 

(それでも、私の優位は揺るがない)

 

 スタミナは十分、ラストスパートは問題なくかけられる。

 ここからさらに引き離していけば全く問題はない。

 ちらりと見たシュートはキミノの領域へと喰らいつた所為か、脚を残していない様に見えた。

 

「なかなか頑張りましたが――ここまでですね」

 

 第4コーナーを回る。

 ゴール板が見えてきた。

 ここからは全力で駆け抜けるだけだ。

 

★最終直線

 

1.大差でキミノワルツの圧勝!

2.大差でキミノワルツの圧勝!

3.大差でキミノワルツの圧勝!

4.食らいつくが及ばず。キミノワルツの勝利!

5.食らいつくが及ばず。キミノワルツの勝利!

6.食らいつくが及ばず。キミノワルツの勝利!

7.競り合い

8.競り合い

9.まさかのハッピーシュート差し切り勝利!

10.白 石 最 強

 

【1D10:2】

 

 最終直線に入った時には勝敗は決していた。

 方やスパートをかけ加速していくキミノワルツ。

 方や力を使い果たし、ただ走り続けるだけで精一杯のハッピーシュート。

 ゴール板を駆け抜けた時、二人の距離には10バ身以上の差が着いていた。

 

[To Be Continued...]




思った以上に出目に差が出たのでバランス調整入れるべきか悩んでます(テストプレイ時にここまで差は出なかったのでただの下振れだとは思いますが……)

ともかく次回、固有スキルの獲得と9月イベントです。
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