×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~ 作:今峰鏡
【トレーニング 10月】
シュート【1D7:7】
1.スピード(オビカネシューズで効果2倍)
2.スタミナ
3.パワー
4.根性
5.根性
6.賢さ
7.白 石 最 強
リヒト【1D6:5】絆MAXで効果2倍!
キミノ【1D6:1】
[えぇ……またぁ!? 確率どうなってんの????]
【特別トレーニング】
1.全能力進行度2アップ
2.【1D5:4】[根性]トレーニングの進行度を5アップ
(1~5は順番に「スピ,スタ,パワ,根,賢」に対応)
3.バ場適正アップ
4.距離適性アップ
5.脚質適正アップ
-.固有スキル開放〈済〉
6.白 石 最 強
【1D6:6】
[もうやだこのおっさん……最強に対して本気すぎる。怖いよ……]
【最強トレーニング】
1.特別トレーニング表の【1D5:1】+【1D5:1】
(被った場合は効果重複)
2.同上
3.同上
4.同上
5.1の出目+根性トレーニング進行度3上昇
6.同上
7.1の出目+賢さトレーニング進行度3上昇
8.同上
9.特別トレーニング表の【1D5:5】+固有スキル強化
10.白 石 "超" 最 強
【1D10:5】
[全ステータスのトレーニング進行度が4アップ!]
[さらに根性のトレーニング進行度が3アップ!]
[さすがに10は出なかったので、なんとか致命傷で済みました。]
『――最終コーナーを回って最後の直線に入ります。最初に上がってくるのはカイノクロコマ! ここまで一度もハナを譲らず二番手とは6バ身差! 後ろの娘達はここから差せるのか! 中団からバイスタンダー上がってくる! あっという間に2番手スワローブロスを追い抜きますが――まだ脚を残していたのか、カイノクロコマさらに差を広げる! ぶっちぎりです! バイスタンダー追いつけない! 何ということだ! カイノクロコマ、そのまま逃げ切ってゴール! 一着はカイノクロコマ! ここでようやくバイスタンダー、三着にはユアクイーンビー! カイノクロコマ、圧巻の逃げ切り! まさに圧倒的な強さ! 来年のクラシック戦線が今から楽しみです!』
「強い……」
「おうおう、逃げウマ娘っちゅーんは華があるのう」
「…………」
さて、と白石は先日のサウジアラビアRCのレース映像を、TVモニタに齧りつくようにして見ているハッピーシュートへと視線を落とし、考える。
メイクデビュー前に『領域』を体感させ、早期の『領域』獲得を促す目論見は、予想外の速さでシュートが『至った』事で完璧な成功を収めた。
ならば次は、ライバルの存在を意識させ、育ってきた勝負根性をレース向けに『完成』させる。
そのためにも、先月ウェイトルームで偶然知り合ったカイノクロコマのレース映像を見せてみたのだが……
「あれが、カイノクロコマの走り……はは、マジか」
「怖気づいたか?」
「……正直、嘘でしょって気持ちのが強いわ。あのよくわかんないボーっとした娘があんな走りを見せるなんて……」
「…………」
誤解を憚らず、歯に衣着せずに言ってしまえば、シュートはフィジカルこそ数年に一人といった逸材ではあるものの、レースウマ娘としては闘争心に欠け、頭もそこまで良くない。一種の気性難というやつである。
だがメンタル面の欠点は、程度こそあれ克服することが可能だ。
とは言え、気性というモノは、何かしら対処をすればすぐに
むしろ性急に事を運びすぎれば余計に拗れてもおかしくはない。
これまでトレーニングを通して少しずつ改善してきたもののまだ早かったかと、白石が失敗の判断を下そうとした時だった。
「でもさ、負けてられなくない? 私はセンセのきっついトレーニングを受けてんのよ? 『領域』にだって至った! それなのにまだ戦ってもいない相手に怖気づいてちゃ駄目でしょ?」
そう言ってこちらを見上げるシュートの瞳を白石は覗き込むように見つめた。
ハッキリ言って、まだ『完成』には程遠い。威勢の良いことを言っているが『領域』に至った高揚で気が大きくなり、それっぽいことを言っているに過ぎないのだと、白石は見抜いていた。
ウマ娘の機微を察するのに長けた白石にとって、本人も自覚していない心裡を察する事など造作もなかった。
それでも、だ。
乱暴な言い方をすれば、プロアスリートであるウマ娘と言っても、未だティーンエイジャーの小娘に過ぎないのである。
大層な『覚悟』を持てる娘は一握りに過ぎない。
それを考えれば今のシュートの心持ちは十分に――
「上出来や。よう言ったシュート! レースウマ娘っちゅうのはそうでなきゃアカン。そうでなきゃ勝てん」
満足気に頷いて見せ、褒める。
実力以上のプライドは身を滅ぼすが、実力相応のプライドは持っていなくてはならない武器だ。
だからこれから、そのプライドを支える根拠を作ってやらねばならない。
白石が施す奇抜でキツイトレーニングは、そうしたメンタルを鍛えるための物でもあるのだ。
「ほな、今月から基礎トレーニングの負荷を上げていく事にするさかい、気合い入れて付いて来いよ!」
「はいセンセ!」
【 R E S U L T 】
スピード ■□□□□[C→C+]
スタミナ ■■■■□[C+]
パワー ■□□□□[C→C+]
根性 ■■■□□[E→E+]
賢さ □□□□□[E→E+]
【イベント 10月】
【1D6:4】
1.向日葵 ◇◇◇
2.シュート ◇◇◇
-.リヒト ◆◆◆ MAX!
3.キミノ ◆◇◇
4.帯金 ◆◇◇
5.奥さん ◇◇◇
6:クロコ ◆◇◇
メイクデビューまでの間、基礎トレーニングでフィジカルを鍛える――という名目の元、練習量を根拠にしたプライドの醸成に着手した白石であったが、そうと決まれば後はシュート次第でもある。
先月は『領域』習得のためにかなりの時間をシュートに付きっきりで過ごしたため、トレーニングの監督はリヒトに任せて、空いた時間でバ主としての仕事を熟す事にした。
具体的に言えば挨拶回りだ。
バ主でありながらトレーナーとして支援ウマ娘を指導する白石は、バ主の中では浮いた存在である。
もちろんこれまでの名声や人間関係もあるため、疎外されている訳では無いものの、こちらから歩み寄っていかなければ向こうも声を掛けづらいのだと、夏の合宿の際の織田との遣り取りで自覚した白石だった。
そう言う訳で、これまで支援ウマ娘を指導した事があるバ主達やトレセン学園内外のトレーナー、レース関係者や元教え子などと会食や情報交換を行っていた白石の次なる行き先は、レース用品を扱う企業。
今日はその中でも自分のスポンサーになってくれているオビカネスポーツの元へと赴いていた。
「本日はお忙しいところ時間を割いていただいて、有難うございます」
「いえいえ、白石さんこそハッピーシュートさんの指導でお忙しいでしょうに」
「まあ、ある程度は目処が付きましたんで」
「おお! という事はそろそろメイクデビューですか?」
「メイクデビューはまだですな、12月の予定ですが……」
喜色を浮かべで問いかけてきた帯金だったが、白石の否定に露骨にがっかりとした表情を浮かべた。
そんな反応をされては白石も問わずにはいられない。「何や不味かったですか?」と聞けば帯金は「実は……」と話し始めた。
帯金の話では、どうもオビカネシューズのCM放送以来「あの白毛のウマ娘は誰だ?」という問い合わせが増えているらしい。
ネット上などではトレセン学園在籍ウマ娘のデータベースからハッピーシュートの事が特定され、早くもファンクラブのようなものまで出来ているという。
そこでオビカネスポーツとしては、ハッピーシュートのデビューに乗じてさらなる知名度の拡大に取り組みたいと考えているようだった。
「ですので、今度はシュートさんをメインにしたCMを撮らせて頂きたいなと……」
恐る恐る問う帯金に白石がう~んと唸る。
「今はデビュー前の大切な時期ですし、撮影で長く拘束されるのは困るんですが」
「でしたら以前のようにトレーニング風景を撮影させていただければ、あとは編集でなんとかしますので!」
「まぁ、そういう事でしたら……」
「本当ですか!? いやぁ、白石さんにご相談してよかった!」
喜色を浮かべて言うと、秘書を呼び寄せなにやら伝える帯金に、白石が訊ねた。
「ちなみに、今回はどんな製品のコマーシャルで?」
「あぁ、それはですね……」
1.オビカネシューズの新作、レースモデルです!
2.坂路を模した傾斜をつけられるルームランナーです!
3.体の動きを阻害せずに100kgまで負荷をかけられるウェイトベストです!
4.ウィニングライブ練習用のアプリと専用モーションキャプチャーです!
5.レース脳を鍛えるためのVRレースシミュレーションソフトです!
6.白 石 最 強
【1D6:1】
「オビカネシューズの新作で、URA認可済みのレースモデルです! GⅠなんかは皆さん勝負服で出走されるので不要でしょうが、GⅡまでならレースにも履いていける自信作ですよ!」
「それはまた……トレーニングモデルが出てから半年足らずで新作とは、えらい仕事がお早いですな」
「元々レースモデルも開発していたのですが、トレーニングモデルが予想外の反響を頂けましたので、この機を逃すわけには行かないと開発を急がせましてね」
「ははぁ、えらいご苦労さまですな」
「ありがとうございます。それでは詳しい日程などは後ほど……」
「分かりました、よろしゅう頼んます」
『先頭はサンマルヒット! 外からカズサヒカリ追い上げてきた! ハッピーシュートはまだ動かないのか!?』
道は見えている。
最高の位置取り、最高のタイミングで、最高の一歩を踏み出すだけ。
『カズサヒカリ先頭に並びかける! サンマルヒットはもういっぱい! オガミダイヤも追いついてきてハッピーシュートは1バ身後ろ4番手!』
――ここだ。
光り輝く道へ一歩を踏み込む。
足裏の蹄鉄が芝を噛んだ。
蹴り上げるたびに一歩、また一歩と加速していく。
『ハッピーシュートすごい脚だ! サンマルヒット、オガミダイヤと追い抜いていく! 残り100m!』
――思い返すのは、練習の日々の中で掴んだいくつもの勝利の欠片。
繋ぎ合わせたそれらが、私に勝利を齎すなら――
『先頭はハッピーシュート! ハッピーシュート強い! さらに後続を引き離し――今ゴールインッ!』
『ハッピーシュート! ハッピーシュートだ! 1着はハッピーシュート!』
――勝利は努力で掴み取れ。
「っていう夢を見たのよ」
「…………坂路練習、10本追加や」
「絶対に勝ってやるんだからぁぁぁぁぁぁ!」
「いいじゃんいいじゃん! ねぇ、私格好良くない?」
「はい! ヒカリも出演できて楽しかったのです!」
「実戦練習がてら、織田さんの所のウマ娘さん達にも協力してもらった甲斐がありましたね」
放映されたオビカネシューズのCMを見て
白石とリヒトである。
「ほんで、実際の評判はどんなもんや?」
「そうっすね~、ネットの反応を見る感じ……【1D100:91】(大きいほどバズってる)って感じっすね」
「………………ホンマか?」
「ホンマっす。元々以前のCMの影響で先生がバ主資格を取得したってのはレース界隈で話題になってまして、それに伴って支援バはどんなウマ娘なのか皆が知りたがっていた所に今回のCMっすからね。熱心なファンが盛り上がった結果、ライト層にも注目されてバズったって所っす」
スマートフォンでウマッターを見ながら語るリヒトに、白石は喜んで良いものやらと複雑な表情を浮かべつつも、帯金への義理を果たせた事に安堵していた。
先方からは既にCM出演のお礼として、出演料だけでなく各種機材の寄付も受けているのだ、これで話題にならなかったら気不味い事この上ない。
「まぁ多人数でのレース経験も積めた事やし、ええとするか……」
兎にも角にも、今度こそメインでCMに出演できると知ったシュートのモチベーションが上がり、かなりの効率でトレーニングを行えたのは喜ぶべきことだろう。
しかしデビューの日はもう目前に迫ってきている。
来月のトレーニングについて考えながら、白石は1つため息を吐いたのだった。
[スピードトレーニングの効果が3倍になった!]
[ファン数が910人増えた!]
[帯金との絆が深まった!]
【 R E S U L T 】
1.向日葵 ◇◇◇
2.シュート ◇◇◇
-.リヒト ◆◆◆ MAX!
3.キミノ ◆◇◇
4.帯金 ◆◆◇
5.奥さん ◇◇◇
6:クロコ ◆◇◇
【ファン数 940人 → 1850人】
またまたバズったので次回は掲示板回がやれたらいいな~と思っています。