×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~   作:今峰鏡

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【前話を読み飛ばした人のための世界観説明】
・ウマ娘レースは衰退したよ。
・レース衰退で困窮したウマ娘を支援するために、バ主がパトロンになる制度が作られたよ。
・この小説はそのバ主が主人公だよ。

 週2~3話、平均5000文字くらいで更新していく予定ですが、今回のようにダイスをいっぱい振ると長くなる場合もあります。


※追記
本編4行目をご覧ください。いきなりダイスミスをしております。
本来なら主人公は女性でしたが、もう大分書き溜めてしまったのでこのまま男性で進めていきます。

※追記2
ダイスミスやダイス結果の表記揺れ等を修正しました。それにより上記の追記部分についても修正してあります。
大変申し訳ありませんでした。


キャラメイク

 それでは早速バ主となってウマ娘を援助する主人公を決めていきましょう。

 

 まずは年齢と性別から。

 

年齢 15+【5D10:15】   [30歳]

 

性別 1.女 2.男 【1D2:2】 [男]

 

 結構若いですね、この若さでバ主やってるって、何のお仕事してるんでしょうか。

 

■職業 

1.元トレーナー

2.経営者

3.芸能人

4.作家

5.スポーツ選手

6.元ウマ娘       

 

【1D6:1】[元トレーナー]

 

 トレーナーとして稼いでバ主に転身した模様。

 バ主になれるくらい稼いだってことは結構活躍した人なんですかね?

 

■トレーナー時代の実績

指導力【1D100】[97

実績【1D100】 [91

名声【1D100】 [71

 

 えぇ……ガチの人じゃん。

 若くして多くの実績を残した名伯楽ですが、実績と腕に対して名声が若干低めなのは、まあ裏方だからでしょう。

 このダイス目を出されたらもう設定盛りに盛りまくるしかないですね……

 

UUU

 

 バ主制度が確立され、世界にレース人気が戻り始めた頃、バ主たちが最も頭を悩ませたのは、自分が支援するウマ娘を誰に預けるかである。

 ウマ娘というのはどれだけ才能を持っていようと、その成績はトレーナーの指導によって変わってくる。

 彼女たちには当然個性があり、ヒトを凌駕する力を持ちながら――持っているからこそ、その資質という物がレース結果を大きく左右するのだ。

 だからこそ、その資質を見抜き、伸ばせるトレーナーにしか強いウマ娘は育てられない。

 

 多くのバ主達が血眼になって優秀なトレーナーを探す中、突如として彼は現れた。

 

 彼の名は、白石祥明(しらいしひろあき)

 

 高校卒業後、最速で中央のトレーナーライセンスを取得すると、トレセン学園時代からの名伯楽、下田トレーナーの下に弟子入りし、担当ウマ娘のマネージャーのような仕事をしながら技術を盗む。その後、下田トレーナーの引退時にどのトレーナーからも相手にされなかった未勝利ウマ娘の担当を引き継ぐ形でトレーナーデビュー……当時22歳だった。

 

 ウマ娘レースはバ主制度により復興を遂げたが、その功罪としてビジネス色の強いものとなっており、勝利至上主義の指導が主流であった。当時のトレセン学園に居たような、ウマ娘に寄り添い、悩む彼女たちを導きつつ鍛えるようなトレーナーは少なくなっていたのだ。

 そんな中、白石トレーナーはウマ娘一人ひとりに寄り添い、大人として彼女たちと向き合いながらの熱血指導(ゲートが苦手なウマ娘をゲートに縛り付けたり)で、半年前まで未勝利だったウマ娘を重賞ウマ娘にまでしてしまったのである。

 結果どうなったかというと、有能なトレーナーを探していたバ主達から指導依頼が殺到、その指導法から多くのウマ娘を抱えられなかったものの、約8年間のキャリアで……

 

 ‖白石トレーナーはどんなウマ娘を育成しましたか?‖

 

1.三冠ウマ娘

2.最多GⅠ勝利ウマ娘、

3.年度代表ウマ娘

4.無敗ウマ娘

5.凱旋門賞ウマ娘

6.白 石 最 強

(被った場合は出目+1、それでも被ったらさらに出目+1)

 

【3D6:4,4,5】[被ったので4,5,6 だから出目強いよ!]

 

 ‖6.白 石 最 強 の内容は……‖

 

1.上のダイス表【2D3:2,1】(被ったら無効)

2.春シニア三冠ウマ娘

3.秋シニア三冠ウマ娘

4.天皇賞春秋連覇ウマ娘

5.グランドスラムウマ娘

6.全 部 の せ

【1D6:2】

[2:春シニア三冠ウマ娘 なんとか現実的(?)な所に落ち着きました]

 

 

 春シニア三冠ウマ娘や生涯無敗のウマ娘、果てには凱旋門賞ウマ娘などを育て上げる事になる。

 

 こうして彼はウマ娘関係者やトレーナーにまで興味を持つコアなファン達から「白 石 最 強」と崇められるようになったのだ。

 

 そして翌年「バ主になって、自分で見出してきたウマ娘をイチから育ててみたくなったんや」と新規の指導依頼を謝絶。白石の白石による白石のための最強ウマ娘育成計画が始まったのである。

 

 

UUU

 

 さて、そんな彼の目指す最強ウマ娘とは…?

 

1.「どの馬場、どの距離でも勝てるウマ娘が最強や!」芝・ダート全距離GⅠを単独ウマ娘で制覇 

2.「一度も負けなければ必然的に最強ってことやで」最多GⅠ勝利(10勝)を無敗で達成

3.「世界を相手に勝ってこそ最強や!」格式高い海外GⅠ(凱旋門賞・BCターフ・KG6&QES)を全制覇

4.「レースがビジネスなら、一番稼げるウマ娘が最強や!」獲得賞金25億以上を達成

 

【1D4:1】[芝・ダート全距離GⅠを単独ウマ娘で制覇]

 

 一番無茶そうなやつ来ちゃった……

 

 そんな無茶な夢を叶えるためにバ主になった彼ですが、支えてくれるヒトは居るんですかね……

 

1.おらん! 一人や!

2.トレーナー時代の助手が着いてきてくれたで。

3.元担当ウマ娘が秘書として手伝ってくれるそうや。

4.俺の夢に賛同してくれる金持ちがなんや面白いこと言うとる。

5.こうして無茶な夢追いかけられるんも嫁さんのおかげや。

6.白 石 最 強

 

【1D6:6】[白 石 最 強]

 

 えぇ……それ引いちゃう? というわけで全部盛りです(半ギレ)

 

 というわけで各人物の設定を決めましょう(ヤケクソ)

 

○トレーナー助手 

年齢 10+【2D10:10】 [20歳] 

性別【1D2:1】1.男 2.女  [男]

指導力【1D100:49】  [49]

 

○元担当ウマ娘

年齢 13+【2D6:10】 [23歳]

育成評価【1D10:3】(10:S+~1:D)[3.C]

実績【1D100:7】    [7]

管理力【1D100:39】  [39]

 

○金持ち

年齢 15+【6D10:27】 [42歳]

性別【1D2:1】1.男 2.女   [男]

資金力【1D100:30】    [30]

 

○嫁さん

年齢 12+【4D6:15】    [27歳]

良妻力【1D100:72】     [72]

元ウマ【1D2:2】1.娘 2.娘じゃない[ヒト娘]

子供【1D2:2】1.おるで 2.おらんで[子供はいない]

 

 せっかくクリティカルで全部盛りにしたのに、人物ダイスが奮わないんや……

 まあ本人がぶっ壊れてるしええやろ。切り替えていきましょう。

 

 トレーナー助手くんは『黒須理仁(くろすりひと)』くん、元担当ウマ娘は『キミノワルツ』、お金持ちさんは『帯金隆生(おびかねたかお)』、奥さんは『白石仁美(しらいしひとみ)』でいきましょう。人物名はジェネレーターで出てきた中でいい感じのをつけました。

 

 

UUU

 

 

 トレセン学園の一角、とあるトレーナー室。

 そこではフチのないメガネから覗く人の良さそうな垂れ目が特徴的なスーツ姿の男性――白石トレーナーが、机の上に広げられた書類に判をついていた。

 今年で齢30となる白石だったが、年齢の割に老けて見えるのは少々広めのおでこのせいだろうか。

 彼が押印した書類を提出先ごとに手早く纏めていくのは、彼の秘書である元競争ウマ娘、キミノワルツである。

 

 無言で書類に目を落としていた白石だったが、不意にガチャリと開いた扉へと視線を向ける。

 ノックもなしに入室してきたのは、未だスーツに着られている感の否めない年若い青年だった。

 黒髪を短く切りそろえた青年は、未だ少年の面影を残す童顔に人好きのする笑顔を浮かべて会釈をする。

 

「おはようございます、白石先生!」

「ノックくらいせいや、リヒト」

 

 どこまでも脳天気な青年――黒須理仁に対して一つため息を付くと、白石はジト目で苦言を呈した。

 「さーせんした!」と反省しているのかしていないのか、元気だけはよく謝罪をすると、リヒトはスススと白石の前へとやってくる。

 

「それで先生、支援バはもうスカウトしたんすか?」

 

 バ主となった師の動向が気になっていたらしい弟子に、白石は書類仕事の手を止めると短く「まだや」と応えた。

「あー、そうなんすね」とどこか拍子抜けした風に答えると、ふと疑問に思ったことを尋ねる。

 

「そもそも、ウマ娘ってどこでスカウトするんですか?」

「なんやリヒト、そないな事も知らんかったんか」

「だって、いつもだとバ主さんがトレセン学園に連れてくるじゃないっすか」

 

 唇を尖らせた不満げな表情のせいで余計に幼く見える教え子に(そんなやから担当ウマ娘に舐められるんや)と内心思いつつ、白石はホワイトボードの前に立ってマーカーペンのキャップを外した。

 

「よし、ちょうどええし、バ主さんらがどこでウマ娘をスカウトしとるか教えたるわ」

 

 言って、①,②,③と数字を縦に並べると、白石は①の横に『庭先スカウト』と書き込む。

 

「まずは有名な元ウマ娘のお宅に行って、娘さんを支援させてくださいっちゅー……いわゆる庭先スカウトやな」

「え、でもそれって迷惑にならないんすか?」

「せや、だから基本的には深いつながりのある人のところにしか行ってはいかんことになっとる。暗黙の了解、不文律ってやつやな」

 

 次に②の横へと書き込まれたのは『レース教室』の文字だ。

 

「2つ目はジュニアレース教室なんかに行って素質のある子をスカウトする方法、これもそこの教室の先生と懇意やないとアカン」

「じゃあそういうツテのない人はどうするんすか?」

「その場合は公開オーディションやな」

 

 ③の隣に書かれた『オーディション』という文字に、リヒトは納得顔で頷いた。

 

「あー、たまにテレビとか動画サイトで配信してるアレっすか。あそこに出てくる子って、まだバ主が決まってなかったんすね」」

「せや、見た目と経歴でしか素質が分からんから、そこで強い娘を見つけるんはなかなか難しいが、時には掘り出し物もある」

「掘り出し物……なんかその言い方嫌っすね」

「ま、金持ちの道楽とは言えビジネスやからな。口さがない連中の中には「セリ市」言うやつもおるくらいや」

 

 身も蓋もない表現にリヒトは眉をひそめたが、師である白石の憮然とした表情を見て、師も同じ気持ちなのかと気を取り直すと問うた。

 

「で、先生はどうやってウマ娘をスカウトするつもりなんすか」

「せやなぁ……」

 

1.「元担当ウマ娘の身内に素質のある娘がおるかも知らん」庭先スカウト

2.「知り合いの元トレーナーがレース教室やっとるさかい、そこに顔だしてみよか」レース教室でスカウト

3.「どっちもツテがあらへんし、オーディションでこれやって言う娘探そか」公開オーディションでスカウト

4. 白 石 最 強

 

【1D4:2】

 

 顎に手を当てしばし黙考してから、白石は赤のマーカーでレース教室に丸をつけると、ホワイトボードをバンと叩き、傍らで人の良さそうな笑みを浮かべながら立つ秘書へと呼びかけた。

 

「よっしゃ、じゃあ知り合いの元トレーナーんとこ行こか。キミノ、車出してくれるか」

「はい先生、すぐに」

 

 打てば響くような反応に、面食らったのはリヒトだ。

 

「今からっすか!?」

「善は急げや! 付いてこいリヒト!」

「は、はいっ!」

 

 

というわけで、知り合いの元トレーナーの設定を決めましょう。

 

 

年齢 15+【5D10:17】[32歳] 

 

性別 1.男 2.女 【1D2:2】 [女]

 

 

指導力【1D100:49】

実績【1D100:3】 

名声【1D100:48】

 

 助手のリヒトくんと同じくらいの指導力で、実績も全くあげられずに引退したヒト娘みたいですね。

 ……ちょっと思いついたので振ってみます。

 

【1D10:10】(5or10なら…)

 

 アッー!

 

 というわけで、このヒト娘さんの名前は『桐生院 向日葵』に決定しました。

 

UUU

 

 千葉県の郊外の林道を、赤地に黄色のラインをペイントした、セダンタイプのイタリア車が力強い排気音を轟かせながら走っていた。

 サングラスを掛けたウマ娘が運転するその車の助手席に座る青年は体ごと振り向くと、後部座席から雑木林を見るともなしに眺める男性に声をかけた。

 

「白石先生、こんな所にレーススクールがあるんすか?」

「こんな所てなぁリヒト、千葉は江戸時代から続く由緒正しきウマ娘の訓練場やぞ」

「はえ~江戸時代から」

「せやからここに拠点を置く古い名家も多い。今向かっとるんもそういうお人がやっとる所や」

 

 師弟のやりとりに運転手のウマ娘がクスリと笑った。

 思わず溢れてしまった笑いに嫌味なものはなく、どこか微笑ましいものを見るようなソレであったが、三十路の男にとっては少々不満なようで、

 

「なんや、キミノ」

 

 むすっとした口調で咎める白石に、より笑みを深くしたキミノワルツは片手でサングラスを外して言う。

 

「いいえ、先生。もうすぐ到着ですよ」

 

 彼女の言う通り、間もなく車は脇道に入ると、林間の開けた場所にある建物の前に止まった。

 

「ここや」

 

 短く言った白石に続いて車を降りたリヒトは、その建物の看板を見て目を見開いた。

 

「桐生院ジュニアレーススクール……えぇ!? あの桐生院家の人と知り合いなんですか!?」

 

 桐生院と言えばウマ娘レース全盛期から続く由緒正しきトレーナー一族である。有名なのはURAファイナルズ開催初期に活躍した桐生院葵トレーナーだろう。

 驚くリヒトといつも通りの微笑を湛えたキミノに短く「行くで」と告げて、白石は気にした風もなくガラスドアをくぐった。

 いかにも事務所といった風情の室内には、車が止まったときからこちらを気にしていたであろう女性が白石達を伺っている。

 

「いらっしゃいませ、どういったご用件でしょうか」

「あ~、桐生院先生はいらっしゃいますかな」

 

 白石の言葉に受付の女性のみならず、業務をしながら聞き耳を立てていた他の事務員も怪訝な表情を浮かべた。

 

「失礼ですがどちら様でしょうか、アポイントメントなどは……」

「アポはとっとらんのやけど、おるんやったらこの名刺と一緒に、白石来た言うてくれませんか」

 

 そう言って名刺を差し出すと、途端に女性の表情が変わった。

 彼女は二度三度と名刺と白石の顔を見比べると「しょ、少々お待ち下さい!」と事務所の奥へと去っていった。

 他の事務員も顔を見合わせて何やら話しているのが見える。

 

「先生かっけぇ~」

「あんま褒められたやり方や無いけどな。こうでもせんと先輩は会ってくれへん」

「はぁ……」

 

 師の意味深な言葉に生返事を返すリヒトを窘めたのはキミノだ。

 

「色々あったのですよ、リヒトさん」

 

 彼女の言葉に余計疑問を深めるリヒトだったが、ソレは戻ってきた受付の女性によって遮られる。

 

「お待たせしました! 桐生院先生はすぐにお会いになられるとのことです、こちらへどうぞ!」

「おおきに。ほな行くで」

「はい先生」

「…………」

 

 微笑のキミノと不満げなリヒトを従え、決して広くはないが清潔で落ち着いた雰囲気の事務所内を抜けて向かったのは、建屋の二階にある応接室だった。

 扉を開けた女性に礼を言って室内へと足を踏み入れた先、応接用のテーブルの向こう側に立っていたのは、パンツスーツにベストを羽織った細身の女性だった。

 肩口で切りそろえられた黒髪と特徴的なツリ目の麗人は、白石と同年代くらいに見える。だがどこか昔を懐かしむような表情は、彼女を年齢以上に老けて見せていた。

 

「お久しぶりですね、白石トレーナー」

「そんな他人行儀にせんでください、先輩」

「……未だ私のことを先輩と呼んでくれるのは嬉しいけど、今の私にとって貴方は殿上人ですよ」

「あー……キミノは知っとりますな、今は秘書をやってくれとります。こっちの若いのは黒須理仁言うて、まぁ弟子ですわ」

 

 ペコリと頭を下げるキミノに続き、リヒトも慌てて会釈をした。

 

「お久しぶりです。この人の秘書は大変でしょう」

「いいえ、尊敬する先生のお力になれるのですから、苦労も苦労とは感じません」

 

 僅かな間二人は無言で見つめ合うと、女性は視線をリヒトへと移した。

 

「桐生院向日葵です。白石トレーナーとは短い間でしたが同僚でした」

「どうも、黒須っす。えっと、今日はよろしくお願いします」

 

 桐生院女史はリヒトと握手を交わすと、三人にソファを勧めた。

 白石を挟んで座ると、桐生院が対面の席についたタイミングで受付の女性がお茶を運んできた。

 白石は温かい湯呑みを両手で包むようにして持ちしばらく湯呑みを眺めていたと思うと、ひとつ口を湿らせてから話し始める。

 最初に出た言葉は謝罪だった。  

 

「…………その、俺のせいでご実家とモメられたんは、ホンマ申し訳ない思うとります」

「あれは貴方のせいではありませんよ、私の未熟さが招いたことです」

「だとしても……俺はあの時、逃げるようにして先輩から距離をおいてしまった。それがどうしても、申し訳なくて……謝りたかったんです」

 

「終わったことです――全部ね」

 

 絞り出すように吐き出された謝罪に返されたのは、そっけない言葉だった。

 言葉を詰まらせ、白石は再び湯呑みへと視線を落とした。

 

 沈黙に居たたまれなくなったのはリヒトだ。もぞりと身動ぎし、恐る恐る視線をキミノに向ける。

 キミノはちらりとリヒトを見て微笑むが、目が笑っていない。

 恐らく、二人の間にはなにかがあって、キミノはそれを良く思っていないのだろう。リヒトはそこまで推理して考えるのをやめた。

 自分は置物だと心のなかで三回唱えて感情を消した。

 

 沈黙を破ったのは桐生院だった。

 

「それで、今日はどういったご用件で?」

「そのですな、俺も最近バ主資格を得まして……」

「存じ上げております。それで、ウチの生徒をスカウトしに来たと」

 

 言って、ちらと窓の外に視線を向ける。

 恐らくそちら側に練習用のコースがあるのだろう。 

 

「仰るとおりです。先輩のお眼鏡に適う娘なら、間違いないやろうと」

「担当ウマ娘をまともに勝たせられなかった私なんかの相マ眼を信じると?」

「確かに結果は出ませんでしたが、先輩のウマ娘を見る目は確かや。自分の支援バを持つなら、俺は先輩の選んだウマ娘を支援したい」

 

 白石は湯呑みに落としていた視線を桐生院へと向けた。

 桐生院が息を呑んだ。

 

「自分の教え子を俺なんかに託すんが嫌なら、オーディションでアドバイスしてくれるだけでもええんです。お願いします、先輩」

 

 白石の真剣な眼差しに射竦められて、桐生院は思い出す。

 自分は、彼のこの瞳に憧れ、嫉妬して――ああ、それだけで終わっていれば、あんな事にはならなかったのに。

 過去の醜態を思い出し、自嘲気味にクスリと笑う。

 自分で言ったではないか、もう全部終わったことだと。

 

「……わかりました。それではトラックにご案内します」

「おおきに、先輩」

 

 桐生院のなにか吹っ切れたような笑みに、白石も笑い返した。

 なんだか分からないが重苦しい空気が消えたことに、リヒトはそっと息を吐いた。

 

UUU

 

「現在我がスクールの所属人数は【3D10:13】人、トゥインクルシリーズを目指せる年齢の娘は【1D10:10】人(所属人数が上限)です」

 

「え、年齢層偏りすぎじゃないっすか?」

「リヒトさん」

 

 さっきまでの気まずい雰囲気が無くなったからだろう、軽い空気で感じた疑問をそのまま口に出したリヒトをキミノが軽く小突く。

 

「構いませんよ、当然の疑問です。答えは簡単な話で、適齢期の娘たちの殆どは我がスクールの一期生です」

「じゃあ、一期生以降殆ど入学者が居ないって事っすか?! 何でまたそんな事に……」

「この教室を始めるに当たって、桐生院本家からかなりの数の入学者を紹介されたのですが……」

 

 歯切れ悪く言い淀む桐生院の言葉を継いだのは白石だ。

 

「先輩のお眼鏡に適う素質を持った娘は数人しかおらんかったと」

「まぁ、そういう事です。紹介者の入学を断ったことで本家にも見放されたのか、入学者の斡旋をしてくれなくなってしまいまして……」

 

 恥ずかしげにもじもじとする三十代女性に、リヒトは新たな性癖の扉をちょっとだけ開きかけた。

 端的に言うなら(かわいいっすねこのおば……お姉さん)と言ったところか。黒須理仁20歳、元々年上趣味だったが、その上限が上がった気がする。

 

「言うた通りやろ? 先輩の相マ眼は信用できんねん」

 

「聞いていませんでしたが、白石くん――失礼、白石トレーナーは何人ほど支援されるおつもりで?」

 「昔と同じように呼んでください」と苦笑して、白石は少し悩むんでから答えた。

 

「バ主しながらトレーニングもしてとなると、【1D3:1】人が限界やろか」

 

「一人だけ……ですか。意外ですね」

「トレーナーとしても、そう人数抱えられるほど器用やありませんから。バ主しながらとなると、まずは一人だけっちゅー事で」

「……なるほど、では一番素質がある娘をご紹介します」

 

 そう言っている間にたどり着いたのは、周りを雑木林に囲まれたトラックだ。

 一周600mの楕円形をしたダートトラックは現役のレースウマ娘にとっては大した距離ではないだろうが、自然のままの高低差も手伝い、デビュー前のウマ娘のトレーニングには十分だと思われた。

 同じく自然の斜面を利用した坂路コースまで有ることを考えると、レース教室としては及第点以上の設備である。

 

 

 ここで桐生院さんとスカウトするウマ娘の関係をダイスロールしてみましょう。

 

 |ウマ娘と向日葵の関係(大きいほど良好)【1D100:41】|

 

 [良くもないけど悪くもなく、少しだけ不満を持ってると言ったところでしょうか]

 

 

 と、一人のウマ娘が桐生院を見つけ、小走りでこちらに近づいてきた。

 そのウマ娘はタオルで汗を拭いながら軽く息を整えると、白石達を気にしつつ桐生院の前に立つ。

 

「トラック【1D10:10】周[!?]、終わったわよ。向日葵センセ」

「お疲れ様です【ハッピーシュート】[!?]さん」

 

[とんでもねぇ出目に、ランダム生成で桐生院に縁がありそうな名前になるとか……ダイスってこわい]

[名前が名前なので、髪色は白毛とします。]

 

 二人の会話に、白石がほうと感嘆の声を上げた。

 

「600mトラックを10周……6000mを走ってその余裕かいな……デビュー前とは言え恐ろしいな」

「そうでしょう、彼女が件の娘です。名前は【ハッピーシュート】」

「向日葵センセ……このオジサン、誰?」

 

 怪訝そうな顔で桐生院と白石を見比べる少女だったが、まるで値踏みするかのように自分を見下ろす白石に、思わず後ずさる。

 

「な、何よ……」

 

「なあお嬢ちゃん――ハッピーシュート言うたか、最強のウマ娘になりたないか?」

 

 唐突な問いかけにハッピーシュートは目を瞬かせ、答えた。

 

「はぁ? そりゃ――」

 

1.「なりたいに決まってるじゃない。一番じゃなきゃ意味がないわ」

2.「なりたいかなりたくないかで言えば、そりゃなりたいけど」

3.「強くはなりたいけど、別に最強までは……」

4.「興味ないわ、アタシは走れればそれでいい」

5.「別に。ママに言われて通ってるだけで、そもそも走るのだって好きじゃないし」

6. 白 石 最 強

 

【1D6:3】

 

「強くはなりたいけど、別に最強までは……」

「『強く』はなりたいんやな?」

「ま、まぁ……?」

 

 ハッピーシュートの曖昧な応えに、白石はパンと膝を打つと彼女の瞳を真っ直ぐ見据えて答えた。

 

「おっしゃ分かった――なら、俺が強くしたる」

「はぁ?! ちょっとセンセ、さっきから何なのこのオジサン!」

 

 仁王立ちでガハハと笑う中年男を指さして、少女は桐生院に縋り付いた。

 そんな彼女の背中をずいと男の方に押しやり、桐生院向日葵は無慈悲に告げる。

 

「ハッピーシュートさん、この方は白石祥明トレーナー。トレセン学園では「最強」と呼ばれる名伯楽にして――貴女のバ主になる方です」

「は? はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 千葉県某所の雑木林、その中にある開けた草原のトレーニング場に、少女の叫びが響き渡った。

 

 

 という訳で、ハッピーシュートの設定とステータスを決めましょう。

 

 

学年【1D3:3】1.初等部 2.中等部 3.高等部  [高等部]

身長 120+【6D10:38】           [158cm]

バスト【1D5:3】1.無 2.微 3.普 4.巨 5.爆 [普通]

耳飾りの位置【1D2:2】1.右 2.左       [左(元ネタが牝馬)]

 

 

○ステータス(数値×10がゲームのステータスだと思ってください)

 『桐生院トレーナーの相マ眼補正で、各項目最低保証20』

 『トラック10周ボーナスでスタミナのダイス上限値上昇』

 『トラック10周ボーナスで長距離適正のダイス上限上昇』

 

スピード【1D50:46】     [C

スタミナ【1D100:46】ボーナス  [C

パワー 【1D50:47】     [C

根性  【1D50:1】(20)   [E

賢さ  【1D50:19】(20)  [E

 

 

○脚質 

【1D2:2】1.芝 2.ダ(どちらかがA)

 選ばれなかった方の適正【1D6:5】(1~6:G~B)[芝:C ダ:A]

 

短【1D7:6】         [B

マ【1D7:6】         [B

中【1D7:7】         [A

長【1D8:8】ボーナス       [S

(一番高いものがAに。8ならS)

 

逃げ【1D7:1】        [G

先行【1D7:4】        [A

差し【1D7:3】        [E

追込【1D7:2】        [F

(一番高いものがAに)

 

[誓 っ て 出 目 操 作 は し て い ま せ ん !]

 

 

 マジで全距離G1狙えそうな逸材が来てしまいましたね……

 トレーニングで適正距離を広げて~とか色々考えていたんですが無駄になりそうです。

 とまれ、ステータスが決まったのでトレーニングのルールについて説明しましょう。

 

 

■シナリオは1月ごとに『トレーニングパート』と『イベントパート』を1回ずつ行い進行していきます。

 

◯『トレーニングパート』トレーニングパートのシナリオは以下のダイス表によって進行します。

 

 

【トレーニング ◯月】

 

シュート【1D6:4】←①トレーニングダイス

 

1.スピード □□□□□ ←②トレーニング進行度

2.スタミナ □□□□□

3.パワー  □□□□□

4.根性   ■□□□□

5.賢さ   □□□□□

6.白 石 最 強  ←③特別トレーニング

 

リヒト【1D5:1】←⑤サポートキャラダイス

キミノ【1D5:4】  

 

 1月に一回、①で出た出目に対応したトレーニングを行うと、そのトレーニングの進行度(②)が上昇し、□が一つ■に変わります。

 これが5つ貯まると対応したステータスのランクが1つ上がり、トレーニング進行度がリセットされます。

 6が出た場合クリティカルで③特別トレーニングが発生します。特別トレーニングでは脚質や距離適性の上昇、スキルの習得が発生する場合があります。

 また、①トレーニングダイスと⑤サポートダイスの出目が一致した場合、シナリオにサポートキャラが登場し、トレーニングに追加効果が発生します。この場合はシナリオにキミノワルツが登場し、根性トレーニングの進行度が追加で上昇したりスキルを獲得できたりします。

 

 

◯『イベントパート』イベントパートのシナリオは以下のダイス表によって進行します。

【イベント ◯月】

 

【1D6:3】←①イベントダイス

 

1.向日葵  ◇◇◇ ←②イベント進行度

2.シュート ◇◇◇

3.リヒト  ◆◇◇

4.キミノ  ◇◇◇

5.帯金   ◇◇◇

6.奥さん  ◇◇◇

 

1月に1回、①で出た出目に対応したキャラクターに関係するシナリオが発生します。シナリオに応じてステータスが上昇したり新キャラが生えたりします。

 シナリオ1つごとにイベント進行度が上昇し、◇が1つ◆に変わります。◆が3つ貯まるとボーナスイベントが発生しサポートキャラが強化されたりステータスが大きく上昇したりします。シナリオが最大まで溜まったキャラクターはダイス表から消えたり消えなかったりします。作者の胸三寸です。

 

 

 




 思ったより筆が乗ってしまいましたが今回はここまで。
 次回は4月のトレーニングをやって行きます。お付き合いありがとうございました、バイバイ!
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