×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~ 作:今峰鏡
『日本ダービー 東京芝2400m』
注目ウマ娘3人
天候【1D4:4】1.快晴 2.晴れ 3.曇り 4.雨(※今のところフレーバーです)
★注目ウマ娘のステータスを公開します。
①『ハッピーシュート』
SP C+(B)
ST B+
PW C+(D+)
根 D
賢 E+
適正:バ場C 距離S
スキル:『最強へと至る道』Lv.2:1ターン目の『ピックアップステータス』を自分の最も『ステータス値』の高いステータスにする(同値の場合はランダム)。この対決に勝利した場合、勝利への道標を辿って『最終ターン』の補正値に『+11』する。
②『ブルーサイレント』
SP C
ST C+
PW D+
根 B
賢 E
適正:バ場A 距離A
スキル:『蒼海は青き空より出でて』:『最終ターン』に向けてロングスパートをかけ、ターンごとの補正値にそれぞれ『-5』『+5』『+10』する。この能力はレースターンが『3ターン以下』のレースでは発動しない。
『1冠ボーナス【1D5:2】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)を一段階アップ!
③『ワイルドファイア』
SP D+
ST C+ → B
PW D
根 D
賢 C+
適正:バ場A 距離A
スキル:『
④『ミツリンエルフ』
SP C
ST B
PW E
根 D+
賢 D+
適正:バ場A 距離A
スキル:未開放
‖注目ウマ娘の枠番(同値の場合はひとつ外へ)‖
ハッピーシュート【1D18:16】[8枠16番]
ブルーサイレント【1D18:18】[8枠18番]
ワイルドファイア【1D18:8】[4枠8番]
ミツリンエルフ 【1D18:4】[2枠4番]
『クラシック級のウマ娘達の中から選ばれし18人が、降りしきる雨の中、今ここに集まりました。第XX回日本ダービー、本馬バ入場です』
『メイクデビューで魅せたあの逃げを、絶好枠から今日こそ見せるか。陣営からは逃げ宣言が出ております。1枠1番ママオ』
『春から急成長を遂げた魔女が、またひとつ成長してダービーの舞台に立ちます。青葉賞からの参戦、バーバヤーガです』
『唸れ渾身のカンフーキック! 鮮やかなチャイナドレスで参戦するのは、横浜生まれの
『皐月賞では接戦の末4着に敗れたミツリンエルフ。その悔しさをバネに、学園始まって以来の才女と名高い森の妖精は、いったいどんな走りを魅せてくれるのでしょうか』
『こんな雨の中を走るなんて
『名前のようには甘くないわよと言わんばかりの闘志を見せています。漆黒のバ体、アンコロモッチ』
『すべてを飲み込む白鯨が、芝の大海から浮上します。この雨のレース場を1着で泳ぎ切るのは私だ! モービーディック』
『さあそして皐月賞で燃え盛った野火が、日本ダービーにも燃え広がってきました。思考は冷たく冷静に、しかし闘志は火の如く。すべてを焼き尽くす燎原の火・ワイルドファイアです』
『大井の地から、中央の記録を上書きすべくやってきました。いざ輝く未来世界へ! オーバーライド』
『破壊神の名を冠するウマ娘は、その名の通り前評判を破壊できるのか。三強なんのその、弥生賞勝ちウマ娘ブラックシヴァが、ライバル達に挑みます』
『NHKマイル2着ウマ娘が、800mの距離延長に挑みます。掴め一番星・サッポロラヴェル』
『抽選枠を勝ち取ったウェルカムスクールは、ダービーの栄冠も勝ち取れるか。真紅の髪を靡かせて、学園一のアウトローが入場します』
『遅咲きのヒーローが、巧みなリズムを刻みながらターフを駆けます。プリンシパルSから参戦、ドラムヒーロー』
『こちらもマイルからの距離延長。桜花賞からダービーに挑むのはマンデリンフレンチ。ウオッカ以来のティアラ路線からのダービー制覇となるか』
『カリブの死神が、研ぎ澄まされた鎌を手に、虎視眈々と他ウマ娘を狙っています。鋭い末脚で全てを切り裂け。カリビアンリーパー!』
『ダートデビューからホープフルSを勝利し、さらには海外ダートまで制してきた万能選手にとって、初となる東京レース場も苦にならないでしょう。皐月賞のリベンジを果たし、再び世代最強の座に君臨することは出来るのか。最強は私だ! ハッピーシュート』
『どんな相手だろうと、最後に勝つのはこの私だ。なぜなら『正義は勝つ』のだから。私が正義だ、ジャスティスフリー!』
『大外18番はブルーサイレント。息の長いロングスパートと驚異的な末脚で、府中の直線を駆け抜けろ! 三強の一角として、悲願のGⅠタイトルに挑みます』
府中、東京レース場。
勝負服姿のウマ娘たちが、降りしきる雨に身を濡らしながら、一人また一人とゲートに収まっていく。
その後姿を眺めながら、純白のドレスのような勝負服を身に纏った白毛のウマ娘が、隣に立つ長身の青毛ウマ娘が身に纏う、男物のスーツのような、カッチリとした勝負服の裾を抓んだ。
青毛のウマ娘は何とも問わず、裾を抓まれるに任せたまま腕を組んでいる。
だがその表情は勝負前と言うには優しげで、白毛のウマ娘の事を煩わしがっている訳では無いと見て取れた。
お互いに何も言わず、寄り添って雨に打たれながら、ただ枠入りの進むゲートの方を見ていた。
ついに殆どのウマ娘がゲートに収まり、後は大外偶数枠の二人だけとなった所で、青毛のウマ娘が白毛の背中に手を回し、そっと押した。
押され、ゆっくりとゲートへと歩み始める白毛のウマ娘の背を追いながら、青毛の彼女は――ブルーサイレントは小さく呟いた。
「その背中、今日こそ追い越してやるぜ、ハッピーシュート」
★スタートフェイズ
①ハッピーシュート【5D10:32】-5 =27
②ブルーサイレント【5D10:25】-10 =15 出遅れ
③ワイルドファイア【5D10:19】+15 =34
④ミツリンエルフ 【5D10:20】+5 =25
ブルーサイレントはハッピーシュートと同じく、ゲートが苦手なウマ娘だ。それも狭い所が苦手だからと言う訳ではなく、おおらかさ故に緊張感に欠けるから、と言う所まで同じだ。
そして奇しくも、その担当トレーナーの方針まで全く同じだった。
曰く、ウマ娘の気質というのはそうそう変えられないのだから、ウマ娘本人が成長するまで無理に矯正はしない。
そうした方針を受けて、しかし受け取ったウマ娘達の心境は真逆だった。
ゲート対策を行わなかった故に、今度こそはと集中力を高めようと必死なシュートと違い、ブルーサイレントは自身の気質なのだから仕方がないと、いつも通りに構えていた。
それ故に、今日もこうして隣のウマ娘に話しかける。
「よおジャスティス【1D3:2】(1.先輩 2.同級生 3.後輩)。今日もエグい勝負服着てんな、つーかエロいな、濡れてると余計に」
「そう? 角度がエグすぎて逆にエロくないとか、言われがちなのだけれど」
「それでエロくないは無理があるぜ。前から聞こうと思ってたんだけどよ、なに? 露出癖?」
「別に、見せたくてやっている訳では無いわ。とは言え恥ずかしくも、無いけれど」
「肝が太いぜ。パイセン並だ、なぁ?」
ジャスティスフリーの一つ向こうに収まっているシュートへと投げかけると、ピリピリしている彼女に睨まれ、
肩を竦めてジャスティスフリーへ視線を戻す。
「別に鈍感だからって
「あ? どういうこったよ」
「正義の体現たるこの私の身体に、恥ずかしい部分など無いという事よ」
「すげえ自信だなおい。じゃあジロジロ見られても良いってのか?」
「良いわよ。むしろ見なさい。私の正義を目に焼き付けて、その人が正しい道へと進めるのならば、それは、喜ばしい事だわ」
ブルーサイレントは若干ヒいた。シュートも聞いていたのか、耳が伏せられているので多分同じ気持ちだろう。
「別に理解しなくても良いわ。私は私の正義を皆の目に焼き付ける。そしてその正義をどう思うかは、受け取った人の自由よ」
「んー……あぁ、そう……なんかエロいと思われない理由が分かった気がするぜ」
コメくいてー顔で納得するブルーサイレントをちらりと見て、ジャスティスフリーが零す。
「そう思うのも、貴女の自由よ。それより――いいの?」
なにが、と言いかけて、その言葉はゲートの開くガシャンという音にかき消された。
「あーあ、またやっちまった。ま、それならそれで、ゆっくりやらせてもらうぜ!」
濡れた芝に一歩を踏み出し、先を行くジャスティスフリーの尻を見た。
「やっぱエロいって!」
★1第ターン
【ハッピーシュートの固有スキル『最強へと至る道』発動!】
[ピックアップステータスがスタミナになります]
【ワイルドファイアの固有スキル『
[ワイルドファイアのダイス数が+1されます]
[出遅れによりブルーサイレントの補正値に-10]
①ハッピーシュート【5D10:29】+25 =54
②ブルーサイレント【5D10:23】+15 -10 =28
③ワイルドファイア【6D10:29】+20 =49
④ミツリンエルフ 【5D10:36】+20 =56
[ミツリンエルフの勝利!]
[ワイルドファイアの固有スキル『
『――第XX回日本ダービー……スタートしました! おっと一人出遅れる形になったのはブルーサイレント。
出遅れずスタート出来たシュートは、ゲートを出てすぐに見えるスタンドの大歓声を一身に浴びながら、大外枠故に最初から脚を使って前に出ると、第1コーナーまでの350mをフルに使って先団に取り付く。
コーナーを回りながら後ろを確認すれば、すぐ内側後ろに濡れた黒鹿毛を白い肌に貼り付けて走るミツリンエルフの姿を認めた。
どうやら今回は前目でレースを始めたらしい。
ミツリンエルフが所謂『好位差し』を狙ってくる可能性がある事は、シュートも白石から聞いていた。
師曰く、前走で前3人に届かなかった分、前からのレースで差を縮めるだろうと言う事だった……ハズだ。
勿論、言うほど簡単なことではない。先団で走ると言う事は、後ろで脚を溜めるよりもスタミナを消耗すると言う事だ。しかもダービーは皐月賞より400mも長い。
だが白石の見立てでは、ミツリンエルフはそれが出来るレベルのスタミナを持っていると言う事だった。
そして今、こうして前からのレースをしていると言う事は――
(センセの言う通りだったって事ね!)
こうなるとレースは一気に難しくなってくる。
何故ならスタミナに任せた前からのレースと言うのは、ハッピーシュートの得意技でもあるからだ。
一般的に先行策を取るウマ娘は、差し・追込のウマ娘に比べて、末脚に劣る故に前に出ている事が多い。つまり末脚に勝る差し脚質のミツリンエルフが、先行脚質のシュートと同じ位置から直線に入った場合、勝つのはミツリンエルフと言う事になる。
だが、シュートに不安は無い。
(単純な瞬発力だけでレースが決まるほど、ダービーは簡単じゃない……ってセンセが言ってた!)
府中2400mは単純に長丁場である上、直線には急坂も待ち受けている。
作戦会議で白石が言っていた通り、日本ダービーは総合力の勝負だ。
(この中で総合力が一番高いのは私よ! だから負けない、
第1コーナー出口からすぐに始まる第2コーナーを見据えながら、ハッピーシュートはさらに一歩を踏み込んだ。
★2第ターン
ピックアップステータス【1D5:5】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)
【ブルーサイレントの固有スキル『蒼海は青き空より出でて』発動!】
[ブルーサイレントの補正値に-5]
【ワイルドファイアの固有スキル『
[ワイルドファイアの補正値-10]
①ハッピーシュート【5D10:35】-5 =30
②ブルーサイレント【5D10:25】-10 -5 =10
③ワイルドファイア【5D10:34】+15 -10 =39
④ミツリンエルフ 【5D10:16】+5 =11
[ワイルドファイアの勝利!]
降り続く雨が芝を濡らす。
すると地面は柔らかくなり、また濡れた芝は滑りやすくなるので、コースを走るウマ娘は一歩一歩に力が必要となってくる。
そのパワーの差が、顕著に出始めようとしていた。
「くっ……!」
ミツリンエルフの速度が
そのまま先団から取り残され、数バ身後ろでなんとか持ち直す。
重バ場に足を取られたのだ。
一方で元々ダートが得意なシュートにはさほどの影響もない。
むしろ走りやすいくらいだと、そのまま少し速度を上げて、ミツリンエルフが後退して空いた内側のスペースに体を滑り込ませた。
前を睨む。
内側少し前には金髪縦ロールの、確かデラエレーテといったウマ娘が駆けている。
パワーに自身があるのか、柔らかくなった芝を掘るように蹴飛ばしながらコーナーを回っている。雨の影響をあまり受けているようには見えない。
その前で淡々と進むのはワイルドファイアだ。
重バ場が走り辛いのか、いつもより淡白に感じる走りだ。
そして先頭に立っているのがママオだ。
こちらも走りづらそうと言うか、スタートからかなり必死だった。
前に前に行かなければ勝てない。
そう確信しているかのような走りだ。
コーナーで速度を出しすぎて、少しだけ外に膨らんでさえいる。
東京レース場は、向こう正面に入り緩やかな下り坂が終わると、2m近い急坂が突然顔を出す。
パワーに自身のあるシュートにとっては、重馬場と合わせても然程影響はないが、全力で逃げるママオにとっては違った。
先のミツリンエルフのように足を鈍らせ、ついでに息を入れようというのか、5バ身程前に居たにも関わらず、一息でシュートの眼の前まで後退してきた。
「――っ!?」
その隙を突いてワイルドファイアが前に出た。
コーナーで外に膨らんでいたママオの内側に入ると、ここが勝負所と言わんばかりに坂を駆け上がる。
それに着いていこうとするシュートだったが、それは後退してきたママオに阻まれた。
ママオを躱そうと内を見るが、そこにはデラエレーテが居て前に出られない。仕方なく外に進路を取ってママオを躱せば、その間にワイルドファイアの姿は坂の向こうに消えている。
「やられたっ!」
悔しげに吐き捨てると速度を上げ、再びデラエレーテのすぐ外側に着けたシュートが坂の上から見たのは、5バ身以上先を逃げる、燃えるような鹿毛の尻尾だった。
★3第ターン
ピックアップステータス【1D5:3】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)
【ブルーサイレントの固有スキル『蒼海は青き空より出でて』発動!】
[ブルーサイレントの補正値に+5]
【ワイルドファイアの固有スキル『
[ワイルドファイアの補正値-10]
①ハッピーシュート【5D10:25】+5 =30
②ブルーサイレント【5D10:16】+5 +5 =26
③ワイルドファイア【5D10:29】+0 -10 =19
④ミツリンエルフ 【5D10:22】-10 =12
[ハッピーシュートの勝利!]
坂を登りきった先の下り坂は、急角度の第3コーナー出口まで続く。
ここで坂を一気に駆け下りて勢いをつけ、「だらだら坂」とも呼ばれる直線の急坂を駆け上がるか、それとも速度を出しすぎて外に膨らむ事を恐れゆっくりと下るのか。
それはレース展開と脚質次第とも言えたが、今回に限ってはどのウマ娘も速度を落とさざるを得ない。
芝が雨で濡れて、滑りやすくなっているからだ。
ここで足を滑らせれば最後、府中の急坂と長い直線を走り切ることは出来なくなるだろう。
それでもシュートは前に行った。
自慢のパワーにモノを言わせ、蹄鉄で芝を噛んで加速する。
路盤ごと芝を踏み荒らして坂を下り、一気にワイルドファイアとの差を詰めた。
その動きこそがレースを動かす事になる。
下り坂を駆け下りる胆力を持つ者だけが、この雨中のダービーを戦う権利を得るのだと、そう思わせるような走りだった故に。
そして、その胆力を持つ者の中には、一度後退しながらも前を伺うミツリンエルフと、後方からじわじわと差を詰めるブルーサイレントも含まれていた。
★最終ターン
ピックアップステータス【1D5:4】(1から順に スピ,スタ,パワ,根,賢)
【ブルーサイレントの固有スキル『蒼海は青き空より出でて』発動!】
[ブルーサイレントの補正値に+10]
【ワイルドファイアの固有スキル『
[ワイルドファイアの補正値-10]
①ハッピーシュート【5D10:22】+0 =22
②ブルーサイレント【5D10:28】+20 +10 =58
③ワイルドファイア【5D10:41】+0 -10 =31
④ミツリンエルフ 【5D10:29】+5 =24
[ブルーサイレントの勝利!]
――勝てる!
ワイルドファイアの背中を捉えたシュートが、確信にも似た予感を得て、急坂を力任せに駆け上がろうとした時だった。
ぞくりと悪寒を感じた。
同じモノを感じ取ったのか、ワイルドファイアの耳が跳ねるのが見えた。
今シュートが後ろを振り向けば、雨に
それほどのプレッシャーが後ろから迫ってきている。
まるで蒼く碧い海の底から、巨大な何かが浮上してくるような。
穏やかな海面というレイヤーの下の見えざる怪物を想像して、本能的な恐怖を抱いてしまうような。
恐怖に気圧されるまま、坂を登りきる。
雨にも関わらずレース場に詰めかけた観客達の大歓声を押し退けるように、ウマ娘の形をした怪物の咆哮が聞こえた。
いや、幻聴だ。
そんな怪物は居ない。
そんな吠声も響いていない。
それでもシュートは、ワイルドファイアも、その怪物が迫り来ている事を確信していた。
「ブルーサイレント――」
どちらともなく、あるいはどちらともが、思わずその怪物の名前を呟いていた。
★最終直線
1.『蒼き怪物の進撃』
2.四人の競り合い
3.四人の競り合い
4.四人の競り合い
5.『深緑の麗人の一矢』
6.『赤き炎の猛り』
7.四人の競り合い
8.四人の競り合い
9.『純白なる最強の一撃』
10.「私が『最強』なんだぁぁぁぁ!」
【1D10:4】
★最後の競り合い
①ハッピーシュート 根性D【1D100:76】+0 =76
②ブルーサイレント 根性B【1D100:43】+20 =63
③ワイルドファイア 根性D【1D100:4】+0 =4
④ミツリンエルフ 根性D+【1D100:19】+5 =24
ワイルドファイアはこの時点で自身の敗北を悟っていた。
雨の中、無理を押して前に出た代償に、彼女のスタミナはほぼ尽きかけていた。
(それでも、シュートさんがあそこで詰めて来なければ、逃げ切れる計算だったんだけどね)
それをあの下り坂での加速が打ち砕いた。
彼女に触発されたウマ娘たちが、思った以上に早く仕掛けてきた。
「くははっ……!」
思わず笑いが零れる。
なんて楽しいんだろう。
トレーナーからも、クラブからも期待されていなかった自分が、世代最強とも言われる純白のウマ娘と競り合ったことで注目を浴び、それどころか皐月賞では競り勝ってGⅠウマ娘にすら成れたのだ。
もういいだろう。
自分はよく頑張った。
彼女達のような才能の無い自分ではここが限界だ。
そう思った事は何度もあった。
今だってそうだ。
まず最初にワイルドファイアを追い抜いたのはハッピーシュートだった。
雨に濡れ重くなったドレスを靡かせる速度で前に行った。
次に駆け抜けて行ったのはブルーサイレントだ。
名前とは正反対の咆哮を上げて、シュートへと猛追していく。
そしてミツリンエルフが行った。
先の二人以上の加速を見せる麗人は、こちらを一瞥もせずに駆けていく。
ゴール板はすぐそこだ。
ものの数秒で勝負は決着する。
ここから三人を追い抜くのは不可能に近い。
それでも、だ。
「そこで諦めたら、全ッ然! 面白く無いよねっ!」
だからボクは走るよ。
絶対に負けないって、闘志を燃やすよ。
「頑張れ! ワイルドファイア!」
「まだ燃え尽きんじゃねえぞ!」
「いけーーーーーーー!!!」
スタンドから響く声援が、ボクの背中を押してくれる。
才能に劣る自分を、こんなにも応援してくれる。
まだ炎は燃え尽きていない。
「くふ、くはは! あははははっ!」
最後の力を振り絞り、必死に前へと追いすがる。
視界は酸欠で暗くなり、追いすがる先に何人居るのかも見えない。
それでもゴール板だけは何故かハッキリと目に写っていた。
そのゴール板を駆け抜けて、ワイルドファイアはふらふらと、濡れたバ場へ倒れ込んだ。
「あぁ、楽しかった……はは、でも――」
「悔しいなぁ」
【1D3:2】1.4着 2.5着 3.着外
東京11R 日本ダービー 着順
1着 ハッピーシュート
2着 ブルーサイレント 1/2
3着 ミツリンエルフ クビ
4着 デラエレーテ 1
5着 ワイルドファイア 1
★レース勝利ボーナス
1.スピード
2.スタミナ
3.パワー
4.根性
5.賢さ
6.バ場適性
7.距離適正
8.白 石 最 強
【1D8:8】
ファン数が(【3D100:176】+50)×100 [22600]人増えた!
[えぇ、ここで!? 今回はツッコミゼロで行こうと思ったのに! もう書き終わったつもりだったのに!!]
★最強ボーナス
1.レース勝利ボーナス表の【1D5:1】+【1D5:1】が2上昇!
(被った場合は効果重複)
2.同上
3.同上
4.同上
5.1の出目+ファン数+10000人
6.同上
7.1の出目の上昇幅が2+【1D3:1】に
8.同上
9.特別トレーニング表の【1D5:3】が5上昇 + 固有スキル強化
10.白 石 "超" 最 強
【1D10:8】
[スピードのトレーニング進行度が6上昇!]
【 R E S U L T 】
スピード ■■□□□[C+ → B]
スタミナ ■■■□□[B+]
パワー ■□□□□[C+]
根性 ■■■■□[D]
賢さ ■■□□□[E+]
【ファン数 27149人 → 49749人】
三冠路線は名勝負しか生まれないのか。
女神様にはヒヤヒヤさせられっぱなしでした。